2018/07/31(火) - 08:55
パリの街がツール最終ステージに湧いたのと時を同じくして、ロンドンでもスプリンターが火花を散らした。エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)を下したパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)がプルデンシャル・ライドロンドン・サリー・クラシック第7代覇者に輝いた。
バッキンガム宮殿に続くザ・マルをパレードする一般イベントの参加者たち photo:www.prudentialridelondon.co.uk
地元の大歓声を受けるチームスカイのメンバー photo:www.prudentialridelondon.co.uk
途中離脱に終わったツール・ド・フランスから移動してきたアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)とマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) photo:www.prudentialridelondon.co.uk
7月最後の週末、ロンドンはサイクリストのものになった。一般参加型のフリーライドやブロンプトン世界選手権、UCIウィメンズ・ワールドツアーレース、プロレースと同じコースを走る参加者3万人のシクロスポルティーフなど、金曜日から日曜日までロンドン中心部で開催されたプルデンシャル・ライドロンドン。その3日間のイベントを締めくくるのが7年目のライドロンドン・サリー・クラシックだ。
ロンドン五輪の準備レースとして2011年に初開催され、2013年から毎年開催されているワンデーレースは昨年にUCIワールドツアーレースへと昇格。イギリス初のUCIワールドツアーレースとなった大会はその名の通りロンドン市内からサリー州の丘陵地帯を経てロンドン市内に戻るレイアウトで、バッキンガム宮殿につながる大通りのザ・マルでフィナーレを迎える。
全長183kmコースの最高地点は標高250mで、獲得標高差も2,000m足らず。その数字だけ見ると難易度は低いように感じられるが、中盤は小刻みなアップダウンの繰り返しで、チームカーが一台やっと通れるほどの田舎道も登場するため気が抜けない。2012年のロンドン五輪で使用されたボックスヒルが最後の難所だ。
スプリンター向きのコースとあって、今年はアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)やマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)らツール・ド・フランスを途中リタイアに終わったスプリンター勢も参戦。エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)、カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)、マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)といった面々に加え、別府史之(トレック・セガフレード)がジャコモ・ニッツォーロ(イタリア)のアシスト役として参戦した。
雨に濡れた市街地を高速で通過する photo:www.prudentialridelondon.co.uk
標高は低いながらアップダウンに富むロンドン郊外を走る選手たち photo:www.prudentialridelondon.co.uk
雨模様のロンドン市街地をスタートすると、アタック合戦から6名のエスケープが形成される。ここにはゴール勝負を狙うと思われたユアンが入り、マヌエーレ・ボアーロとヴァレリオ・アニョリというバーレーン・メリダのイタリアンコンビもジョイン。アレクシ・グジャール(フランス、アージェードゥーゼル)といったメンバーがぐいぐいと後続に差を付け始めた。
この日集団の主導権を握ったのはパスカル・アッカーマン(ドイツ)をエースに据えるボーラ・ハンスグローエだった。最大7分差あったタイム差を中盤から徐々に削り取り、スプリント勝利への意欲を見せつける。
タイム差が4分台に縮まった頃に、集団からはサブエース級の選手が多く入った追走グループが生まれた。マシューズやオウェイン・ドゥール&ペーター・ケノー(共にイギリス、チームスカイ)、クリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、ミッチェルトン・スコット)、ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)、そしてネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン)というメンバーは、追走の末にボックスヒル手前で逃げをキャッチした。
しかしマシューズとケノーはKOM通過後のクラッシュによって離脱してしまい、残るメンバーは6名。スプリントに向けて勢い付くメイン集団を相手に残り40kmはあまりに分が悪かった。加速を続ける集団は残り20kmで15秒差に迫り、一度足並みを揃えてから残り6kmで全ての逃げメンバーを吸収。ここから散発的なアタックも生まれたものの、スプリンターチームが牛耳る大集団は全ての抜け出しを見逃さなかった。
ボーラ・ハンスグローエが集団のペースを引き上げる photo:www.prudentialridelondon.co.uk
理想的なリードアウトを受けたパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が圧勝 photo:www.prudentialridelondon.co.uk
雨中で激しい位置取り争いを繰り広げる中、最終的に主導権を握ったのはやはりボーラ・ハンスグローエ。残り1kmに入っても人数を残し、最高のタイミングからドイツ王者のアッカーマンが発進。追いすがるイタリアチャンピオンのヴィヴィアーニやニッツォーロらを大きく引き離す圧巻のスプリントで勝利した。
「実は今日、途中で落車してしまい、チームメイトの助けを借りて集団復帰。無事に勝負に加わることができて感謝しているよ。彼らの働きに報いることができた」と語るアッカーマン。「スプリントではヴィヴィアーニではなくまっすぐフィニッシュラインだけを見ていた。世界屈指のスプリンターたちが集結したこのレースで勝った意味は大きい」と喜びを語った。
女子レースを制したクリステン・ウィルド(オランダ、ウィグル・ハイファイブ) photo:www.prudentialridelondon.co.uk
また、男子レースの前日にはUCIワールドツアーにカテゴライズされる女子レースも開催。男子と同じく集団スプリントに持ち込まれ、欧州王者マリアンヌ・フォス(オランダ、ワオディールス)を下したクリステン・ウィルド(オランダ、ウィグル・ハイファイブ)が勝利を飾っている。
![バッキンガム宮殿に続くザ・マルをパレードする一般イベントの参加者たち](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/07/31/3789058520705356929646553617204607534497792n.jpg)
![地元の大歓声を受けるチームスカイのメンバー](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/07/31/3803646520728101294038784001630448546480128n.jpg)
![途中離脱に終わったツール・ド・フランスから移動してきたアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)とマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/07/31/3798106020728101494038768671794302134779904n.jpg)
7月最後の週末、ロンドンはサイクリストのものになった。一般参加型のフリーライドやブロンプトン世界選手権、UCIウィメンズ・ワールドツアーレース、プロレースと同じコースを走る参加者3万人のシクロスポルティーフなど、金曜日から日曜日までロンドン中心部で開催されたプルデンシャル・ライドロンドン。その3日間のイベントを締めくくるのが7年目のライドロンドン・サリー・クラシックだ。
ロンドン五輪の準備レースとして2011年に初開催され、2013年から毎年開催されているワンデーレースは昨年にUCIワールドツアーレースへと昇格。イギリス初のUCIワールドツアーレースとなった大会はその名の通りロンドン市内からサリー州の丘陵地帯を経てロンドン市内に戻るレイアウトで、バッキンガム宮殿につながる大通りのザ・マルでフィナーレを迎える。
全長183kmコースの最高地点は標高250mで、獲得標高差も2,000m足らず。その数字だけ見ると難易度は低いように感じられるが、中盤は小刻みなアップダウンの繰り返しで、チームカーが一台やっと通れるほどの田舎道も登場するため気が抜けない。2012年のロンドン五輪で使用されたボックスヒルが最後の難所だ。
スプリンター向きのコースとあって、今年はアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)やマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)らツール・ド・フランスを途中リタイアに終わったスプリンター勢も参戦。エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)、カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)、マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)といった面々に加え、別府史之(トレック・セガフレード)がジャコモ・ニッツォーロ(イタリア)のアシスト役として参戦した。
![雨に濡れた市街地を高速で通過する](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/07/31/djsylemwwaexqvw.jpg)
![標高は低いながらアップダウンに富むロンドン郊外を走る選手たち](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/07/31/djsumduxsaaj-ya.jpg)
雨模様のロンドン市街地をスタートすると、アタック合戦から6名のエスケープが形成される。ここにはゴール勝負を狙うと思われたユアンが入り、マヌエーレ・ボアーロとヴァレリオ・アニョリというバーレーン・メリダのイタリアンコンビもジョイン。アレクシ・グジャール(フランス、アージェードゥーゼル)といったメンバーがぐいぐいと後続に差を付け始めた。
この日集団の主導権を握ったのはパスカル・アッカーマン(ドイツ)をエースに据えるボーラ・ハンスグローエだった。最大7分差あったタイム差を中盤から徐々に削り取り、スプリント勝利への意欲を見せつける。
タイム差が4分台に縮まった頃に、集団からはサブエース級の選手が多く入った追走グループが生まれた。マシューズやオウェイン・ドゥール&ペーター・ケノー(共にイギリス、チームスカイ)、クリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、ミッチェルトン・スコット)、ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)、そしてネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン)というメンバーは、追走の末にボックスヒル手前で逃げをキャッチした。
しかしマシューズとケノーはKOM通過後のクラッシュによって離脱してしまい、残るメンバーは6名。スプリントに向けて勢い付くメイン集団を相手に残り40kmはあまりに分が悪かった。加速を続ける集団は残り20kmで15秒差に迫り、一度足並みを揃えてから残り6kmで全ての逃げメンバーを吸収。ここから散発的なアタックも生まれたものの、スプリンターチームが牛耳る大集団は全ての抜け出しを見逃さなかった。
![ボーラ・ハンスグローエが集団のペースを引き上げる](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/07/31/djv-rcwxgaae3ak.jpg)
![理想的なリードアウトを受けたパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が圧勝](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/07/31/djtno0sx0aesv5t.jpg)
雨中で激しい位置取り争いを繰り広げる中、最終的に主導権を握ったのはやはりボーラ・ハンスグローエ。残り1kmに入っても人数を残し、最高のタイミングからドイツ王者のアッカーマンが発進。追いすがるイタリアチャンピオンのヴィヴィアーニやニッツォーロらを大きく引き離す圧巻のスプリントで勝利した。
「実は今日、途中で落車してしまい、チームメイトの助けを借りて集団復帰。無事に勝負に加わることができて感謝しているよ。彼らの働きに報いることができた」と語るアッカーマン。「スプリントではヴィヴィアーニではなくまっすぐフィニッシュラインだけを見ていた。世界屈指のスプリンターたちが集結したこのレースで勝った意味は大きい」と喜びを語った。
![女子レースを制したクリステン・ウィルド(オランダ、ウィグル・ハイファイブ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/07/31/djnfodex4aalrv9.jpg)
また、男子レースの前日にはUCIワールドツアーにカテゴライズされる女子レースも開催。男子と同じく集団スプリントに持ち込まれ、欧州王者マリアンヌ・フォス(オランダ、ワオディールス)を下したクリステン・ウィルド(オランダ、ウィグル・ハイファイブ)が勝利を飾っている。
男子レース結果
1位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 4h20’10” |
2位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) | |
3位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
4位 | イヴァン・ガルシア(スペイン、バーレーン・メリダ) | |
5位 | シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | フィル・バウハウス(ドイツ、サンウェブ) | |
7位 | ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、BMCレーシング) | |
8位 | アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル) | |
9位 | ヨナス・コッホ(ドイツ、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) | |
10位 | ルディ・バルビエ(フランス、アージェードゥーゼル) | |
DNF | 別府史之(トレック・セガフレード) |
女子レース結果
1位 | クリステン・ウィルド(オランダ、ウィグル・ハイファイブ) | 1h29’51” |
2位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ワオディールス) | |
3位 | エリザ・バルサモ(イタリア、ヴァルカーPBM) | |
4位 | クロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チポッリーニ) | |
5位 | ロッタ・レピスト(フィンランド、サーヴェロ・ビグラ) | |
6位 | コリン・リヴェラ(アメリカ、サンウェブ) | |
7位 | ジョリーン・ドール(ベルギー、ミッチェルトン・スコット) | |
8位 | ジョルジア・ブロンジーニ(イタリア、サイランスプロサイクリング) | |
9位 | アリス・バーンズ(イギリス、キャニオン・スラム) | |
10位 | アマリー・ディデリクセン(デンマーク、ブールス・ドルマンス) |
text:So.Isobe
photo:www.prudentialridelondon.co.uk
photo:www.prudentialridelondon.co.uk
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