2018/07/14(土) - 00:01
大会最長231kmコースで行われたツール・ド・フランス第7ステージ。大集団スプリントでフェルナンド・ガビリアやペテル・サガンを下したディラン・フルーネウェーヘンが快勝した。
ブルターニュ地域圏のフジェールからサントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏のシャルトルまで、平野をひたすら231kmにわたって東に進む今大会最長の第7ステージ。中盤に4級山岳が設定されているものの、ほぼ平坦なコースは完全にピュアスプリンター向き。前日同様に平野を吹き抜ける風に注意しながら、12時21分、170名がスタートを切った。
スタート直後にトーマス・デハント(ベルギー、ワンティ・グループゴベール)が飛び出したものの誰も反応しない。しばらく独走したデハント(デヘントではない)が集団を待ってスピードを落とすと、今後は本家トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)やオリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール)、サイモン・ゲランス(オーストラリア、BMCレーシング)という強力な10名がアタック。しかしこの逃げグループもロットNLユンボの追撃によって吸収されている。
続いて動いたのはヨアン・オフルド(フランス、ワンティ・グループゴベール)だった。チームメイトのデハントと同様に単独で飛び出す形となったオフルドは、まだフィニッシュまで200km近く残る長い道のりを独走する決意を固める。ワンティ・グループゴベールのイレール・ヴァンデルシューレン監督はこの日の選手たちの動きについて「チームはレースを活性化する役目を担っている。チームにとって最も重要なのはテレビへの露出を上げること。オフルドにとっては厳しい展開ではあるものの、我々の目標は逃げに選手を送り込むことだ」と説明している。
向かい風&横風の影響で、最初の1時間は36.5km/hというかなり遅めの平均スピードをマーク。第6ステージで記録された7分18秒を上回る9分という最も大きなタイム差を得てオフルドが独走した。その後もペースは上がらず、平均スピードは40km/hを割り込んだ。
フィニッシュまで100kmを残した横風区間でアージェードゥーゼールとトレック・セガフレードがペースアップが試みると、この日もエシュロン警報が発令する。モビスターやクイックステップフロアーズ、ロット・スーダルもこの動きに加わると、前日のステージ優勝者ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)やイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)らが後方に取り残された。
しかし横風区間でのペースアップは長続きせず、遅れていた選手たちが続々と集団に復帰。ペースアップによって、単独で逃げていたオフルドは残り90km地点で吸収された。続いてメイン集団から抜け出したローラン・ピション(フランス、フォルトゥネオ・サムシック)がこの日3人目の独走者となった。
ピションから遅れること1分15秒でスプリントポイント(168km地点)に差し掛かったメイン集団では、リードアウトを受けたフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)がペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)を下して17ポイントを獲得している。
思うようにリードを広げることができなかったピションも残り38km地点で吸収。集団一つのまま差し掛かったボーナスポイント(200km地点)を先頭通過したグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)はボーナスタイム3秒獲得に成功した。この日独走したデハント、オフルド、ピションの3名のうち、ピションがステージ敢闘賞を獲得している。
フィニッシュ地点シャルトルまでのコース上に強い横風は吹かず、アタックや落車やパンクなどの動きが生まれないまま、集団スプリントに向けて淡々と進行したプロトン。残り10kmを切ると徐々にポジション争いが活発化し、グルパマFDJやロット・スーダル、ディメンションデータ、ロットNLユンボ、ボーラ・ハンスグローエといったスプリンターチームにチームスカイが混ざってペースを上げる。コフィディスを先頭に残り2kmの鋭角コーナーを抜けると、各チームが入り乱れながらリードアウトが始まった。
この日も最速トレインを走らせたクイックステップフロアーズを先頭に、残り1kmからの勾配3%ほどの緩斜面を駆け上がる。台本通りマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、クイックステップフロアーズ)が先頭に立ち、その後ろから今大会3勝目を狙うガビリアが発進した。
登り基調&向かい風というストレートで、フィニッシュラインまで250mを残し、サガンやアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)を引き連れながらスプリントを開始したガビリア。緩い最終コーナーの最短ラインを突き進んだガビリアだったが、外側からディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)が一気にまくる。スピードを乗せた状態で登りを終えたフルーネウェーヘンのスプリントが伸びた。ガビリアやサガンに並ばせることなく、加速し続けたフルーネウェーヘンが圧勝した。
2017年のパリ最終ステージを制した25歳がステージ通算2勝目。第1ステージ6位、第4ステージ4位という成績を残していたフルーネウェーヘンは「最後はクリストフの番手につけていて、彼がスプリントを開始したタイミングで自分も踏み始めた。残り200mからのスプリントだったけど、もっと距離が長くても勝てていたと思う」とコメント。フルーネウェーヘンのスプリント中のトップスピードは59.7km/h。実際に他のライバルたちよりも2km/hほど速かった。
大会開幕から1週間が経過し、サガンとガビリアの二頭体制に待ったをかけたフルーネウェーヘン。「毎日調子が良くなっている。序盤の数ステージは調子が良いとは言えない状態だったけど、時間が解決してくれると思っていた。今はスプリントで勝てる状態にある。明日ももちろん勝利を狙うよ」と自信たっぷりのコメントを残している。
マイヨヴェールを守ったサガンが「退屈なステージだった」と振り返る第7ステージを終え、翌日の第8ステージも再びスプリンター向き。この日と同様に横風に警戒しながらも集団スプリントに注目だ。
ブルターニュ地域圏のフジェールからサントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏のシャルトルまで、平野をひたすら231kmにわたって東に進む今大会最長の第7ステージ。中盤に4級山岳が設定されているものの、ほぼ平坦なコースは完全にピュアスプリンター向き。前日同様に平野を吹き抜ける風に注意しながら、12時21分、170名がスタートを切った。
スタート直後にトーマス・デハント(ベルギー、ワンティ・グループゴベール)が飛び出したものの誰も反応しない。しばらく独走したデハント(デヘントではない)が集団を待ってスピードを落とすと、今後は本家トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)やオリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール)、サイモン・ゲランス(オーストラリア、BMCレーシング)という強力な10名がアタック。しかしこの逃げグループもロットNLユンボの追撃によって吸収されている。
続いて動いたのはヨアン・オフルド(フランス、ワンティ・グループゴベール)だった。チームメイトのデハントと同様に単独で飛び出す形となったオフルドは、まだフィニッシュまで200km近く残る長い道のりを独走する決意を固める。ワンティ・グループゴベールのイレール・ヴァンデルシューレン監督はこの日の選手たちの動きについて「チームはレースを活性化する役目を担っている。チームにとって最も重要なのはテレビへの露出を上げること。オフルドにとっては厳しい展開ではあるものの、我々の目標は逃げに選手を送り込むことだ」と説明している。
向かい風&横風の影響で、最初の1時間は36.5km/hというかなり遅めの平均スピードをマーク。第6ステージで記録された7分18秒を上回る9分という最も大きなタイム差を得てオフルドが独走した。その後もペースは上がらず、平均スピードは40km/hを割り込んだ。
フィニッシュまで100kmを残した横風区間でアージェードゥーゼールとトレック・セガフレードがペースアップが試みると、この日もエシュロン警報が発令する。モビスターやクイックステップフロアーズ、ロット・スーダルもこの動きに加わると、前日のステージ優勝者ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)やイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)らが後方に取り残された。
しかし横風区間でのペースアップは長続きせず、遅れていた選手たちが続々と集団に復帰。ペースアップによって、単独で逃げていたオフルドは残り90km地点で吸収された。続いてメイン集団から抜け出したローラン・ピション(フランス、フォルトゥネオ・サムシック)がこの日3人目の独走者となった。
ピションから遅れること1分15秒でスプリントポイント(168km地点)に差し掛かったメイン集団では、リードアウトを受けたフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)がペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)を下して17ポイントを獲得している。
思うようにリードを広げることができなかったピションも残り38km地点で吸収。集団一つのまま差し掛かったボーナスポイント(200km地点)を先頭通過したグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)はボーナスタイム3秒獲得に成功した。この日独走したデハント、オフルド、ピションの3名のうち、ピションがステージ敢闘賞を獲得している。
フィニッシュ地点シャルトルまでのコース上に強い横風は吹かず、アタックや落車やパンクなどの動きが生まれないまま、集団スプリントに向けて淡々と進行したプロトン。残り10kmを切ると徐々にポジション争いが活発化し、グルパマFDJやロット・スーダル、ディメンションデータ、ロットNLユンボ、ボーラ・ハンスグローエといったスプリンターチームにチームスカイが混ざってペースを上げる。コフィディスを先頭に残り2kmの鋭角コーナーを抜けると、各チームが入り乱れながらリードアウトが始まった。
この日も最速トレインを走らせたクイックステップフロアーズを先頭に、残り1kmからの勾配3%ほどの緩斜面を駆け上がる。台本通りマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、クイックステップフロアーズ)が先頭に立ち、その後ろから今大会3勝目を狙うガビリアが発進した。
登り基調&向かい風というストレートで、フィニッシュラインまで250mを残し、サガンやアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)を引き連れながらスプリントを開始したガビリア。緩い最終コーナーの最短ラインを突き進んだガビリアだったが、外側からディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)が一気にまくる。スピードを乗せた状態で登りを終えたフルーネウェーヘンのスプリントが伸びた。ガビリアやサガンに並ばせることなく、加速し続けたフルーネウェーヘンが圧勝した。
2017年のパリ最終ステージを制した25歳がステージ通算2勝目。第1ステージ6位、第4ステージ4位という成績を残していたフルーネウェーヘンは「最後はクリストフの番手につけていて、彼がスプリントを開始したタイミングで自分も踏み始めた。残り200mからのスプリントだったけど、もっと距離が長くても勝てていたと思う」とコメント。フルーネウェーヘンのスプリント中のトップスピードは59.7km/h。実際に他のライバルたちよりも2km/hほど速かった。
大会開幕から1週間が経過し、サガンとガビリアの二頭体制に待ったをかけたフルーネウェーヘン。「毎日調子が良くなっている。序盤の数ステージは調子が良いとは言えない状態だったけど、時間が解決してくれると思っていた。今はスプリントで勝てる状態にある。明日ももちろん勝利を狙うよ」と自信たっぷりのコメントを残している。
マイヨヴェールを守ったサガンが「退屈なステージだった」と振り返る第7ステージを終え、翌日の第8ステージも再びスプリンター向き。この日と同様に横風に警戒しながらも集団スプリントに注目だ。
ツール・ド・フランス2018第7ステージ結果
1位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) | 5:43:42 |
2位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | |
3位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | |
5位 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) | |
6位 | ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード) | |
7位 | ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) | |
8位 | アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル) | |
9位 | アンドレア・パスクアロン(イタリア、ワンティ・グループゴベール) | |
10位 | マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) |
個人総合成績(個人総合成績)
1位 | グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) | 28:19:25 |
2位 | ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) | 0:00:06 |
3位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) | 0:00:08 |
4位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) | 0:00:09 |
5位 | フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ) | 0:00:15 |
6位 | ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) | 0:00:21 |
7位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | 0:00:48 |
8位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 0:00:54 |
9位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:55 |
10位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | 0:00:56 |
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 234pts |
2位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | 203pts |
3位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | 105pts |
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 | トムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード) | 6pts |
2位 | シルヴァン・シャヴァネル(フランス、ディレクトエネルジー) | 4pts |
3位 | ディオン・スミス(ニュージーランド、ワンティ・グループゴベール) | 4pts |
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位 | ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、サンウェブ)) | 28:20:31 |
2位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 0:00:27 |
3位 | ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール) | 0:02:17 |
チーム総合成績
1位 | クイックステップフロアーズ | 85:38:02 |
2位 | BMCレーシング | 0:00:08 |
3位 | チームスカイ | 0:01:50 |
text&photo:Kei Tsuji in Chartres, France