2010/02/24(水) - 23:32
ランプレジャージからアスタナジャージに衣替えしたパオロ・ティラロンゴ(イタリア)。ランプレで4年間に渡ってダミアーノ・クネゴ(イタリア)の山岳アシストを務めたティラロンゴは、2010年、ツール3勝目を目指すアルベルト・コンタドール(スペイン)に仕える。トロフェオ・ライグエリアでデビューしたティラロンゴに、グレゴー・ブラウンが訊いた。
「ランプレでの僕の役割は、チームキャプテンをサポートすることだった。このアスタナでも、僕の役割は変わらない。ヴィノクロフとコンタドールをサポートすること。でもアスタナチームは僕の個人的な目標を認めてくれた」。
ティラロンゴの目標はシンプル。5月のジロ・デ・イタリアを走り、7月のツール・ド・フランスでコンタドールをサポートすること。ティラロンゴとコンタドールはオフシーズンのトレーニングキャンプですでに顔を合わせているが、シーズンインは別々だ。ティラロンゴはイタリアで、コンタドールはポルトガルのヴォルタ・アン・アルガルヴェでシーズンインした。
「アルベルトと一緒にレースに出場する時は、アシストとして最前線で走る。でもアシストの責務から解放された時は、自分の勝利を狙って走るよ。昨年のブエルタ・ア・エスパーニャで総合トップ10に入った実績を踏まえ、今年はジロで(総合を狙う)良い走りをしたいと思っている。毎日様子を見ながらの闘いになると思うけど、出来るだけ総合上位で完走したい」。
ティラロンゴは昨年のブエルタで、総合優勝のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)から9分11秒遅れの総合8位に入った。目標を母国のグランツールに定めるのは当然の流れだ。今年のジロでは、チームキャプテンのヴィノクロフをアシストしながら、自分の総合成績も視野に入れる。
「今年のジロは山岳の厳しさが目立つ。特に3週目は常に全開で走ることになると思う。多少はツールの走りに影響が出るかも知れない。そのことについては、すでにチームと話し合ったんだ」。
グランツールにおいて、ティラロンゴはランプレの頼みの綱だった。しかしティラロンゴとチームの関係は2009年をもって終了。かつてのチームキャプテン、クネゴはティラロンゴのチーム残留に執着しなかったと言う。
「ランプレとは円満に契約を終了しただけ。互いに別々の道を歩むことになった。クネゴが助けを求めている時はアシストに尽くしたけど、僕がエースのときに彼はアシストの役目を果たさなかった。僕のランプレでの4年間は、アップダウンの繰り返し。もう過ぎ去った話だ」。
ティラロンゴの新たな主であるコンタドールは、シーズン初戦のヴォルタ・アン・アルガルヴェで総合優勝。早速王者としての走りを見せつけた。
「アルベルト(コンタドール)と話せば、彼の器量や能力の高さが手に取るように分かる。自信に満ちあふれているし、決断力があり、心理戦に惑わされることも無い。高飛車なスター選手ではなくて、とても穏やかな人格の持ち主。これからも勝ち続けると思うよ」。
「今年のアスタナは昨年までと全く違う。生まれ変わった新しいチームだ。チームの目標はただ一つ、アルベルトをサポートする強力な陣営を築くこと」。
シーズン初戦のトロフェオ・ライグエリアを27位で終えたティラロンゴは、ジロ・デ・イタリア、そしてツール・ド・フランスに向けて調整を続ける。
text:Gregor Brown
photo:Gregor Brown, Cor Vos, Kei Tsuji
translation:Kei Tsuji
Gregor.Brown (グレゴー・ブラウン)
イタリア・レッコ在住のアメリカ人プロサイクリング・ジャーナリスト。2005、2006年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、春のクラシック等で綾野 真(シクロワイアード編集長/フォトジャーナリスト)に帯同し、取材活動を行う。2007年よりサイクリングニュース(イギリス)の主筆ジャーナリストとして活躍後、フリーランスに。2009年12月よりシクロワイアード契約ジャーナリストとなる。今後、主にイタリア・英語圏プロサイクリングメディアに活動の舞台を移す。
「ランプレでの僕の役割は、チームキャプテンをサポートすることだった。このアスタナでも、僕の役割は変わらない。ヴィノクロフとコンタドールをサポートすること。でもアスタナチームは僕の個人的な目標を認めてくれた」。
ティラロンゴの目標はシンプル。5月のジロ・デ・イタリアを走り、7月のツール・ド・フランスでコンタドールをサポートすること。ティラロンゴとコンタドールはオフシーズンのトレーニングキャンプですでに顔を合わせているが、シーズンインは別々だ。ティラロンゴはイタリアで、コンタドールはポルトガルのヴォルタ・アン・アルガルヴェでシーズンインした。
「アルベルトと一緒にレースに出場する時は、アシストとして最前線で走る。でもアシストの責務から解放された時は、自分の勝利を狙って走るよ。昨年のブエルタ・ア・エスパーニャで総合トップ10に入った実績を踏まえ、今年はジロで(総合を狙う)良い走りをしたいと思っている。毎日様子を見ながらの闘いになると思うけど、出来るだけ総合上位で完走したい」。
ティラロンゴは昨年のブエルタで、総合優勝のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)から9分11秒遅れの総合8位に入った。目標を母国のグランツールに定めるのは当然の流れだ。今年のジロでは、チームキャプテンのヴィノクロフをアシストしながら、自分の総合成績も視野に入れる。
「今年のジロは山岳の厳しさが目立つ。特に3週目は常に全開で走ることになると思う。多少はツールの走りに影響が出るかも知れない。そのことについては、すでにチームと話し合ったんだ」。
グランツールにおいて、ティラロンゴはランプレの頼みの綱だった。しかしティラロンゴとチームの関係は2009年をもって終了。かつてのチームキャプテン、クネゴはティラロンゴのチーム残留に執着しなかったと言う。
「ランプレとは円満に契約を終了しただけ。互いに別々の道を歩むことになった。クネゴが助けを求めている時はアシストに尽くしたけど、僕がエースのときに彼はアシストの役目を果たさなかった。僕のランプレでの4年間は、アップダウンの繰り返し。もう過ぎ去った話だ」。
ティラロンゴの新たな主であるコンタドールは、シーズン初戦のヴォルタ・アン・アルガルヴェで総合優勝。早速王者としての走りを見せつけた。
「アルベルト(コンタドール)と話せば、彼の器量や能力の高さが手に取るように分かる。自信に満ちあふれているし、決断力があり、心理戦に惑わされることも無い。高飛車なスター選手ではなくて、とても穏やかな人格の持ち主。これからも勝ち続けると思うよ」。
「今年のアスタナは昨年までと全く違う。生まれ変わった新しいチームだ。チームの目標はただ一つ、アルベルトをサポートする強力な陣営を築くこと」。
シーズン初戦のトロフェオ・ライグエリアを27位で終えたティラロンゴは、ジロ・デ・イタリア、そしてツール・ド・フランスに向けて調整を続ける。
text:Gregor Brown
photo:Gregor Brown, Cor Vos, Kei Tsuji
translation:Kei Tsuji
Gregor.Brown (グレゴー・ブラウン)
イタリア・レッコ在住のアメリカ人プロサイクリング・ジャーナリスト。2005、2006年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、春のクラシック等で綾野 真(シクロワイアード編集長/フォトジャーナリスト)に帯同し、取材活動を行う。2007年よりサイクリングニュース(イギリス)の主筆ジャーナリストとして活躍後、フリーランスに。2009年12月よりシクロワイアード契約ジャーナリストとなる。今後、主にイタリア・英語圏プロサイクリングメディアに活動の舞台を移す。