2018/07/15(日) - 14:34
京都に拠点を置く老舗代理店、岩井商会が7月初旬に開催した展示会の様子をレポート。チネリの新作トラックバイクやオリジナルキャップが発表された他、ヘッドやミケのホイール、セライタリアやアスチュートのサドル、rh+のウェアやヘルメットなど、各種パーツが所狭しと並んだ。
その歴史を辿ると90年以上にもなる国内代理店の老舗、岩井商会。国内外合わせて60を超えるブランドを取り扱うとともに、自社オリジナルブランドも抱え、自転車関連用品を幅広く展開している。そんな岩井商会が取り扱うブランドの製品が一堂に会する販売店向けの展示会が、7月初旬埼玉県の川口総合文化センターにて開かれた。
既存モデルの製品に加え2018年モデルとして新入荷してきたもの、あるいは2019年モデルとして新たに発表されたもの、バイクからパーツ、アクセサリーまであらゆるカテゴリーの製品が並べられた。その中から注目製品をピックアップして紹介しよう。
まず最初に目に付くのが整然とディスプレイされたホイールたち。エアロホイールに定評のあるアメリカのHED(ヘッド)を中心に、アルミリム、カーボンリム、バトンからディープまで各モデルが勢揃いした。ロードではプロコンチネンタルチームのカハルーラル・セグロスRGAも使用する、ミケのカーボンチューブラーモデル「SUPERTYPE」シリーズが新登場。ハイト38mmと50mmから選べるラインアップで、重量も前後セット1200gほどと軽量に仕上がる。
同じくミケでインパクトのあった製品が、トラック競技専用のクランク「PISTARDチェーンホイール」シリーズだ。バイクをより精悍な顔つきに変えるオールブラックのカラーで、鍛造アルミニウム製のクランクアームとチェーンリングが高い剛性を生み出す。エアロデザインを纏った「AIR」モデルと、ノーマルな5アームの「2.0」モデルが展開。もちろん厚歯仕様で、ピストクランクに標準のPCD144mmだ。
またお役立ち小物パーツとしてミケから、シールで貼り付けるスタイリッシュなホイールバランサーも販売されている。シリアスレーサーの中には鉛テープをリムに貼り付けホイールバランスを取っている人もいるだろうが、ホイールのルックスを損ねてしまうのが悩みどころ。この製品はクリアもしくはブラックで、リム側面にキレイに存在感なく取り付けが可能になっている。
ホイールと同じようにテーブルの端から端までズラリと並んだのは、セライタリアのサドルたち。定番のSLRやFLITEが各グレード各カラー勢揃いし、最新作のSP-01や快適性重視のNOVUSなどの姿もある。新作として登場したのは復刻モデルである「TURBO 1980」と「FLITE 1990」。当時と同じサドルデザインや質感を再現しクラシックバイクにマッチするルックスを獲得している。
セライタリアが展開するアーバンラインの「net(ネット)」では、岩井商会オリジナルのデザインをあしらった特別モデルが2種発売されている。同社の拠点である京都をイメージした舞妓さんと侍のイラストをそれぞれ描いた、日本テイストのグラフィックに仕上がる。メッシュ構造の表皮を採用しており、高い通気性やクッション性、耐久性を備えている。
ここ数年で一気に知名度を増したイタリアのサドルブランド、アスチュートからはミドルグレードの新作「SUN VT」が人気を博しているという。税抜11,800円という手の届きやすい価格ながら200gを切る軽量性を実現しており、アップグレードパーツとしても最適だろう。エントリーモデルでありながらイタリアでハンドメイドされるこだわりは変わらず。エルゴノミックなチャネルやクッション性の高いフォームによって快適性にも妥協はない。
rh+はポップなデザインを取り入れた各種ウェア、そしてヘルメットを展示。現在ツール・ド・フランスに出場中のプロコンチネンタルチーム、ワンティ・グループゴベールも使用するヘルメット「LAMBO」にはチームレプリカカラーも展開される。近未来的なデザインが生み出す、高い通気性とエアロ性能が特徴の製品だ。
通路を挟んで反対側のホールではイタリアンブランド、チネリに絞った展示が行われていた。”MASH”とのコラボレーションからピストカルチャーの火付け役となり、レッドフッククリテリウムへの参戦や様々なアーティストとのコラボなど、チネリ独特の遊び心に満ちた雰囲気が漂う。岩井商会ではピストバイクを始め街乗り用途のアーバンバイクを中心に取り扱う。
2019モデルではフレームカラーの刷新やパーツアセンブルの変更、ブレーキ取り付け穴の追加などのアップデートが各種モデルに加わる。同社がサポートするフィクスドギアバイクチーム、チネリクロームのカラーを採用し人気を集めたスチールフレームの「Vigorelli」は、ホログラムのロゴと全面にラメをあしらったブラック基調のカラーで装い新たに登場している。
また完全新作のトラック競技専用カーボンフレーム「TT Pista」も発表された。各所にエアロフォルムを採用したボリュームあるルックスに仕上がっており、シートポストも専用品を用いる。エンドにはダイヤル式のチェーン引きを導入し使い勝手を高めている他、ふんだんにラメを使用した煌びやかなペイントも大きなポイントだ。
チネリといえばハイセンスなキャップやソックス、Tシャツなどアパレル類も欠かせない。特にキャップは各国の有名アーティストとコラボレーションを重ねており、他ブランドにはない奇抜でキャッチーなデザインが数多く揃う。そんな中、今回岩井商会オリジナルの企画として日本人アーティストとのコラボレーションが実現した。その第一弾として、湘南出身のイラストレーター”横田瑞貴-mzk-”さんが手がけたオリジナルデザインのキャップが2種リリースされる。
普段音楽アートワークやアパレルブランドデザインの仕事が多いという横田さん。自転車ブランドとのコラボは初めてだという。展示会当日は会場にも姿を見せ直接お話も聞くことができた。「日本らしい桜や東京、ツバメという要素を入れたもの、個人的に好きな宇宙をイメージしたものの2デザインができました。自転車から想像するワクワク感や好奇心を取り込んだ中で、自分らしさも表現できたと思います。自転車ブランドとマッチするか不安だったのですが、特にデザインに縛りもなく楽しく描くことができました」と語ってくれた。
岩井商会の担当者は「できるだけそのアーティストらしさが出るノビノビとした作品を作ってもらいました。自転車のフィールドではない全く別のジャンルの方とコラボすることで、横田さんのファンを含めチネリをより幅広い人に知ってもらうキッカケになれば嬉しいです。今後第二弾、第三弾と続くコラボレーションもしていければと思っています」とコメントする。
その他新デザインのアパレルやバーテープも順次入荷予定だ。細かなアップデート情報は公式HPやTwitter、Facebook等のSNSをチェックして欲しい。まだ未発表の新作フレームもこれから登場してくるとのこと。続報を待ちたい。
text&photo:Yuto.Murata
その歴史を辿ると90年以上にもなる国内代理店の老舗、岩井商会。国内外合わせて60を超えるブランドを取り扱うとともに、自社オリジナルブランドも抱え、自転車関連用品を幅広く展開している。そんな岩井商会が取り扱うブランドの製品が一堂に会する販売店向けの展示会が、7月初旬埼玉県の川口総合文化センターにて開かれた。
既存モデルの製品に加え2018年モデルとして新入荷してきたもの、あるいは2019年モデルとして新たに発表されたもの、バイクからパーツ、アクセサリーまであらゆるカテゴリーの製品が並べられた。その中から注目製品をピックアップして紹介しよう。
まず最初に目に付くのが整然とディスプレイされたホイールたち。エアロホイールに定評のあるアメリカのHED(ヘッド)を中心に、アルミリム、カーボンリム、バトンからディープまで各モデルが勢揃いした。ロードではプロコンチネンタルチームのカハルーラル・セグロスRGAも使用する、ミケのカーボンチューブラーモデル「SUPERTYPE」シリーズが新登場。ハイト38mmと50mmから選べるラインアップで、重量も前後セット1200gほどと軽量に仕上がる。
同じくミケでインパクトのあった製品が、トラック競技専用のクランク「PISTARDチェーンホイール」シリーズだ。バイクをより精悍な顔つきに変えるオールブラックのカラーで、鍛造アルミニウム製のクランクアームとチェーンリングが高い剛性を生み出す。エアロデザインを纏った「AIR」モデルと、ノーマルな5アームの「2.0」モデルが展開。もちろん厚歯仕様で、ピストクランクに標準のPCD144mmだ。
またお役立ち小物パーツとしてミケから、シールで貼り付けるスタイリッシュなホイールバランサーも販売されている。シリアスレーサーの中には鉛テープをリムに貼り付けホイールバランスを取っている人もいるだろうが、ホイールのルックスを損ねてしまうのが悩みどころ。この製品はクリアもしくはブラックで、リム側面にキレイに存在感なく取り付けが可能になっている。
ホイールと同じようにテーブルの端から端までズラリと並んだのは、セライタリアのサドルたち。定番のSLRやFLITEが各グレード各カラー勢揃いし、最新作のSP-01や快適性重視のNOVUSなどの姿もある。新作として登場したのは復刻モデルである「TURBO 1980」と「FLITE 1990」。当時と同じサドルデザインや質感を再現しクラシックバイクにマッチするルックスを獲得している。
セライタリアが展開するアーバンラインの「net(ネット)」では、岩井商会オリジナルのデザインをあしらった特別モデルが2種発売されている。同社の拠点である京都をイメージした舞妓さんと侍のイラストをそれぞれ描いた、日本テイストのグラフィックに仕上がる。メッシュ構造の表皮を採用しており、高い通気性やクッション性、耐久性を備えている。
ここ数年で一気に知名度を増したイタリアのサドルブランド、アスチュートからはミドルグレードの新作「SUN VT」が人気を博しているという。税抜11,800円という手の届きやすい価格ながら200gを切る軽量性を実現しており、アップグレードパーツとしても最適だろう。エントリーモデルでありながらイタリアでハンドメイドされるこだわりは変わらず。エルゴノミックなチャネルやクッション性の高いフォームによって快適性にも妥協はない。
rh+はポップなデザインを取り入れた各種ウェア、そしてヘルメットを展示。現在ツール・ド・フランスに出場中のプロコンチネンタルチーム、ワンティ・グループゴベールも使用するヘルメット「LAMBO」にはチームレプリカカラーも展開される。近未来的なデザインが生み出す、高い通気性とエアロ性能が特徴の製品だ。
通路を挟んで反対側のホールではイタリアンブランド、チネリに絞った展示が行われていた。”MASH”とのコラボレーションからピストカルチャーの火付け役となり、レッドフッククリテリウムへの参戦や様々なアーティストとのコラボなど、チネリ独特の遊び心に満ちた雰囲気が漂う。岩井商会ではピストバイクを始め街乗り用途のアーバンバイクを中心に取り扱う。
2019モデルではフレームカラーの刷新やパーツアセンブルの変更、ブレーキ取り付け穴の追加などのアップデートが各種モデルに加わる。同社がサポートするフィクスドギアバイクチーム、チネリクロームのカラーを採用し人気を集めたスチールフレームの「Vigorelli」は、ホログラムのロゴと全面にラメをあしらったブラック基調のカラーで装い新たに登場している。
また完全新作のトラック競技専用カーボンフレーム「TT Pista」も発表された。各所にエアロフォルムを採用したボリュームあるルックスに仕上がっており、シートポストも専用品を用いる。エンドにはダイヤル式のチェーン引きを導入し使い勝手を高めている他、ふんだんにラメを使用した煌びやかなペイントも大きなポイントだ。
チネリといえばハイセンスなキャップやソックス、Tシャツなどアパレル類も欠かせない。特にキャップは各国の有名アーティストとコラボレーションを重ねており、他ブランドにはない奇抜でキャッチーなデザインが数多く揃う。そんな中、今回岩井商会オリジナルの企画として日本人アーティストとのコラボレーションが実現した。その第一弾として、湘南出身のイラストレーター”横田瑞貴-mzk-”さんが手がけたオリジナルデザインのキャップが2種リリースされる。
普段音楽アートワークやアパレルブランドデザインの仕事が多いという横田さん。自転車ブランドとのコラボは初めてだという。展示会当日は会場にも姿を見せ直接お話も聞くことができた。「日本らしい桜や東京、ツバメという要素を入れたもの、個人的に好きな宇宙をイメージしたものの2デザインができました。自転車から想像するワクワク感や好奇心を取り込んだ中で、自分らしさも表現できたと思います。自転車ブランドとマッチするか不安だったのですが、特にデザインに縛りもなく楽しく描くことができました」と語ってくれた。
岩井商会の担当者は「できるだけそのアーティストらしさが出るノビノビとした作品を作ってもらいました。自転車のフィールドではない全く別のジャンルの方とコラボすることで、横田さんのファンを含めチネリをより幅広い人に知ってもらうキッカケになれば嬉しいです。今後第二弾、第三弾と続くコラボレーションもしていければと思っています」とコメントする。
その他新デザインのアパレルやバーテープも順次入荷予定だ。細かなアップデート情報は公式HPやTwitter、Facebook等のSNSをチェックして欲しい。まだ未発表の新作フレームもこれから登場してくるとのこと。続報を待ちたい。
text&photo:Yuto.Murata
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