2018/06/15(金) - 09:56
2つの超級山岳を越えるツール・ド・スイス第6ステージで、逃げの中から飛び出したソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、サンウェブ)が独走勝利。最終山岳でライバルたちを置き去りにする走りを見せたリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)が首位を固めた。
スイス中部の山岳地帯を北上する、フィエッシュからゴンミスヴァルトまでの186kmで行われたツール・ド・スイス第6ステージ。標高2,429mの超級山岳フルカ峠(全長10.2km/平均6.4%)と超級山岳クラウセン峠(全長23.8km/平均6.1%)という定番峠を立て続けに越える。最後に待つのは、残り1km地点でピークを迎える急勾配でパンチの効いた3級山岳ウツナッハ(全長1.2km/平均9.9%)だ。
獲得標高差3,400mのクイーンステージで逃げたのは18名。総合で3分55秒遅れのゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)やネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン)、ヤン・ポランツェ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)、パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)といったサブエース級選手が逃げグループを形成し、最大4分までリードを広げて超級山岳フルカ峠に挑んだ。
実質的な登り区間16.5kmを約50分間かけて登り、ハースを先頭に標高2,429mの峠をクリアした逃げグループ。登りで脱落した選手が下り区間で合流し、3分30秒のリードをもったまま続く超級山岳クラウセン峠(全長23.8km/平均6.1%)の登坂に取り掛かる。
登坂時間が1時間を超える長い登りでアタックしたレイン・ターラマエ(エストニア、ディレクトエネルジー)が、他の逃げメンバーに1分差をつけて超級山岳クラウセン峠をクリア。下り区間とその後の平坦区間で逃げグループは再びまとまり、最終的に6名が生き残る形で逃げ続けた。
ハース、イサギレ、アンデルセン、シリル・ゴティエ(フランス、アージェードゥーゼール)、ミヒャエル・ゴグル(オーストリア、トレック・セガフレード)、マキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・スーダル)の6名は、3分45秒差をつけた状態で残り50kmを切る。後方のメイン集団は、他チームの協力を得ることができないBMCレーシングが徹底的にコントロール。少しずつではあるが、確実に逃げグループとのタイム差を詰めて行った。
道が狭まる3級山岳ウツナッハ(全長1.2km/平均9.9%)に向けてポジション争いが繰り広げられた影響で集団のスピードが上がり、タイム差が1分20秒まで縮まった状態でこの日最後の山岳がスタートする。タイム差が1分を切ったところでゴグルが勢いよく仕掛けたものの決まらず、ペースを刻んで追いついたアンデルセンが先頭を奪った。
メイン集団の中からは、イエロージャージを着るリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)が自ら動いた。力強いダンシングで踏み始めたポートにはナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)やシモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン)、ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)が反応して付いていく。しかし前だけを見て踏み続けるポートのペースにたまらずキンタナが遅れ、フルサングやスピラクも脱落。ライバルたちを置き去りにした総合リーダーは、先頭アンデルセンから25秒遅れで3級山岳ウツナッハを登りきった。ポートは平均9.9%の登りで平均25.4km/hというスピードをマーク。アタックの際、ポートは1分30秒にわたって平均540Wを出力している。
頂上通過後の平坦区間を快調に走った先頭アンデルセンが、2番手ハースや3番手イサギレらを寄せ付けずに独走勝利。遅れた逃げメンバーに混ざって27秒遅れでフィニッシュしたポートは、キンタナやフルサングらを含むメイン集団から12秒差を奪うことに成功した。
UCIワールドツアーレース初勝利を飾った23歳アンデルセンは「逃げに乗るチャンスを与えてくれたチームに感謝している。総合争いは気にせずに、今日は自分の走りに徹していいと言われていた。最後の登りでゴグルがアタックした時、今こそ反応する時だと判断して付いて行った。これまで何度もチャンスを逃してきたので、ようやく手にしたこの勝利にホッとしているよ」と語る。ステージレースからクラシックレースまで幅広く対応するアンデルセンは、スプリントもTTもこなせるオールラウンダーとして成長中だ。
この日のもう一人の主役ポートは「ここまでタイム差を奪えるとは正直想像していなかった。このスイスはツールのリハーサルとしての意味合いも大きく、チームメイトたちは完璧な仕事ぶりで最後の登りまで連れて行ってくれた。アタックが早すぎたかと思ったけど、ライバルたちが脱落したことを知ってさらにペースを上げたんだ。明日はもっと自分向きのステージなので、とてもモチベーションは高い」とコメント。ポートは総合2位と3位につけるサンウェブの2人(ケルデルマンとオーメン)から32秒のリードで翌日の最終山岳ステージに挑むことになった。
スイス中部の山岳地帯を北上する、フィエッシュからゴンミスヴァルトまでの186kmで行われたツール・ド・スイス第6ステージ。標高2,429mの超級山岳フルカ峠(全長10.2km/平均6.4%)と超級山岳クラウセン峠(全長23.8km/平均6.1%)という定番峠を立て続けに越える。最後に待つのは、残り1km地点でピークを迎える急勾配でパンチの効いた3級山岳ウツナッハ(全長1.2km/平均9.9%)だ。
獲得標高差3,400mのクイーンステージで逃げたのは18名。総合で3分55秒遅れのゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)やネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン)、ヤン・ポランツェ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)、パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)といったサブエース級選手が逃げグループを形成し、最大4分までリードを広げて超級山岳フルカ峠に挑んだ。
実質的な登り区間16.5kmを約50分間かけて登り、ハースを先頭に標高2,429mの峠をクリアした逃げグループ。登りで脱落した選手が下り区間で合流し、3分30秒のリードをもったまま続く超級山岳クラウセン峠(全長23.8km/平均6.1%)の登坂に取り掛かる。
登坂時間が1時間を超える長い登りでアタックしたレイン・ターラマエ(エストニア、ディレクトエネルジー)が、他の逃げメンバーに1分差をつけて超級山岳クラウセン峠をクリア。下り区間とその後の平坦区間で逃げグループは再びまとまり、最終的に6名が生き残る形で逃げ続けた。
ハース、イサギレ、アンデルセン、シリル・ゴティエ(フランス、アージェードゥーゼール)、ミヒャエル・ゴグル(オーストリア、トレック・セガフレード)、マキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・スーダル)の6名は、3分45秒差をつけた状態で残り50kmを切る。後方のメイン集団は、他チームの協力を得ることができないBMCレーシングが徹底的にコントロール。少しずつではあるが、確実に逃げグループとのタイム差を詰めて行った。
道が狭まる3級山岳ウツナッハ(全長1.2km/平均9.9%)に向けてポジション争いが繰り広げられた影響で集団のスピードが上がり、タイム差が1分20秒まで縮まった状態でこの日最後の山岳がスタートする。タイム差が1分を切ったところでゴグルが勢いよく仕掛けたものの決まらず、ペースを刻んで追いついたアンデルセンが先頭を奪った。
メイン集団の中からは、イエロージャージを着るリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)が自ら動いた。力強いダンシングで踏み始めたポートにはナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)やシモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン)、ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)が反応して付いていく。しかし前だけを見て踏み続けるポートのペースにたまらずキンタナが遅れ、フルサングやスピラクも脱落。ライバルたちを置き去りにした総合リーダーは、先頭アンデルセンから25秒遅れで3級山岳ウツナッハを登りきった。ポートは平均9.9%の登りで平均25.4km/hというスピードをマーク。アタックの際、ポートは1分30秒にわたって平均540Wを出力している。
頂上通過後の平坦区間を快調に走った先頭アンデルセンが、2番手ハースや3番手イサギレらを寄せ付けずに独走勝利。遅れた逃げメンバーに混ざって27秒遅れでフィニッシュしたポートは、キンタナやフルサングらを含むメイン集団から12秒差を奪うことに成功した。
UCIワールドツアーレース初勝利を飾った23歳アンデルセンは「逃げに乗るチャンスを与えてくれたチームに感謝している。総合争いは気にせずに、今日は自分の走りに徹していいと言われていた。最後の登りでゴグルがアタックした時、今こそ反応する時だと判断して付いて行った。これまで何度もチャンスを逃してきたので、ようやく手にしたこの勝利にホッとしているよ」と語る。ステージレースからクラシックレースまで幅広く対応するアンデルセンは、スプリントもTTもこなせるオールラウンダーとして成長中だ。
この日のもう一人の主役ポートは「ここまでタイム差を奪えるとは正直想像していなかった。このスイスはツールのリハーサルとしての意味合いも大きく、チームメイトたちは完璧な仕事ぶりで最後の登りまで連れて行ってくれた。アタックが早すぎたかと思ったけど、ライバルたちが脱落したことを知ってさらにペースを上げたんだ。明日はもっと自分向きのステージなので、とてもモチベーションは高い」とコメント。ポートは総合2位と3位につけるサンウェブの2人(ケルデルマンとオーメン)から32秒のリードで翌日の最終山岳ステージに挑むことになった。
ツール・ド・スイス2018第6ステージ結果
1位 | ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、サンウェブ) | 4:59:53 |
2位 | ネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン) | 0:00:10 |
3位 | ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | 0:00:24 |
4位 | マキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:00:25 |
5位 | シリル・ゴティエ(フランス、アージェードゥーゼール) | |
6位 | リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) | 0:00:27 |
7位 | ミヒャエル・ゴグル(オーストリア、トレック・セガフレード) | 0:00:29 |
8位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 0:00:39 |
9位 | アルテュール・ヴィショ(フランス、グルパマFDJ) | |
10位 | マティアス・フランク(スイス、アージェードゥーゼール) |
個人総合成績
1位 | リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) | 22:04:13 |
2位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | 0:00:32 |
3位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | |
4位 | エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) | 0:00:33 |
5位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 0:00:41 |
6位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:00:45 |
7位 | ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | 0:00:48 |
8位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 0:00:52 |
9位 | シモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン) | 0:00:58 |
10位 | ミケル・ランダ(スペイン、モビスター) | 0:00:59 |
ポイント賞
1位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 22pts |
2位 | カルヴィン・ワトソン(オーストラリア、アクアブルースポート) | 19pts |
3位 | ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | 18pts |
山岳賞
1位 | マーク・クリスティアン(イギリス、アクアブルースポート) | 33pts |
2位 | ネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン) | 32pts |
3位 | ロメン・シカール(フランス、ディレクトエネルジー) | 22pts |
ヤングライダー賞
1位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | 22:04:45 |
2位 | エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) | 0:00:01 |
3位 | ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:00:53 |
チーム総合成績
1位 | モビスター | 65:34:26 |
2位 | アスタナ | 0:01:39 |
3位 | バーレーン・メリダ | 0:01:49 |
text:Kei Tsuji
photo:CorVos
photo:CorVos
Amazon.co.jp