2018/06/11(月) - 10:12
集団スプリントに持ち込まれたツール・ド・スイス第2ステージ。ロングスプリントに持ち込んだフェルナンド・ガビリアの後ろからタイミングよく発進したペテル・サガンが8年連続となるステージ優勝を飾った。
大会初日にチームタイムトライアルの舞台となったフラウエンフェルトを発着する、39kmの周回コースを4周する合計155kmで行われたツール・ド・スイス第2ステージ。スプリンター向きではあるものの、周回コースの中盤には3級山岳ヘルダーン(全長1.7km/平均7.6%)が設定されており、1日の獲得標高差は1,800m。最後の3級山岳ヘルダーンからフィニッシュまでは21kmある。
逃げグループを形成したカルヴィン・ワトソン(オーストラリア、アクアブルースポート)、フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)、ペリグ・ケムヌール(フランス、ディレクトエネルジー)のうち、3級山岳でポイントを連取したザッカンティが山岳賞ジャージ、中間スプリントを連取したワトソンがスプリント賞ジャージを獲得。最大3分のリードをもって逃げた3名には、クイックステップフロアーズとロット・スーダル率いるメイン集団から3周目で飛び出したミヒャエル・アルバジーニ(スイス、ミッチェルトン・スコット)が単独で追い付いた。
BMCレーシング率いるメイン集団に対して1分リードで最終周回に入ったワトソン、ザッカンティ、ケムヌール、アルバジーニだったが、残り30kmを切ったところで早くも吸収される。最後の中間スプリントを先頭通過したイエロージャージのシュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)はボーナスタイム3秒獲得に成功している。
最終周回の3級山岳ヘルダーンでは、ピュアスプリンターを苦しめるとともにアタックを封じ込めて集団スプリントに持ち込みたいボーラ・ハンスグローエが集団ペーシング。アタックを許さないペースで、ダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)を先頭に登りをクリアしていく。この3級山岳ヘルダーンの各周回の集団登坂スピードを見ると、1周目18.3km/h、2周目18.0km/h、3周目19.6km/h、4周目25.7km/h。終盤にがつんとペースが上がっていることがわかる。
最終周回の最大の難所を越えた集団からは、リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)がアタックするシーンも。続いて、ハンマーシリーズ・リンブルフで活躍したマーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・メリダ)のアタックをきっかけに、ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)やマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、クイックステップフロアーズ)、ホセ・ロハス(スペイン、モビスター)を含む7名逃げが新たに形成されたが、集団にエーススプリンターを残すアシストたちの動きによってローテーションは回らず、残り5km地点で集団は一つに戻った。
登りで脱落したアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)やジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)を欠いた64名の集団によるスプリント。ロングスパートを仕掛けたイエロージャージのキュングを、クイックステップフロアーズとサンウェブが追いかける。混戦状態の中から、残り300mでフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)が発進した。
早駆けしたガビリアをぴったりマークし、スリップストリームに入ったアルカンシェルのペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が残り100mで加速する。ライバルの動きを巧みに利用したサガンが先着し、スロバキア国旗がなびくストレートで両手を挙げた。
4周回の平均スピードを見ると、1周目37.8km/h(1時間2分30秒)、2周目37.8km/h(1時間2分25秒)、3周目40.5km/h(57分57秒)、4周目46.4km/h(50分00秒)。先頭では残り1km最終コーナーに向けて65km/h前後で位置取りが繰り広げられ、一旦35m/h程度までスピードが落ちた状態から再び踏んで加速。最終スプリントは68km/hに達している。ステージ4位のマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)はフィニッシュ手前の23秒間にわたって平均900Wを出力。最大出力は1,360Wだった。
「信頼して戦略通りレースを運んでくれたチームメイトたちに感謝している。どうしてスイスと相性が良いのかは自分でもわからない。このレースのためにトレーニングを積んできたけど、まだ脚が最高の状態ではないんだ。明日もまたスプリンターにチャンスがあるステージ。7月のツール・ド・フランスに向けてもう一段調子を上げたい」と、スイスでステージ通算16勝目を飾ったサガンは語る。通算16勝はスイス史上最多勝記録であり、2番手で通算11勝のファビアン・カンチェラーラ、ユーゴ・コブレ、フェルディ・キュプラーのスイス三人衆を大きく引き離している。
「コースの沿道にいた観客の半分は知り合いだった」と語るのは、イエロージャージを守ったキュング。「前半はスローな展開だったので、知り合いに挨拶しながら走ることができた。レースが加速してからも脚の調子は良く、ボーナスタイムも稼ぐことができたので良い1日だった。明日は少し長い登りが登場するものの、今日と同じようなレース展開が予想される。ただ、雷雨の予報だけが気がかりだ」とキュングは語っている。BMCレーシングは総合トップ4を独占中。ステージ優勝者サガンがボーナスタイムによって総合5位に順位を上げている。
大会初日にチームタイムトライアルの舞台となったフラウエンフェルトを発着する、39kmの周回コースを4周する合計155kmで行われたツール・ド・スイス第2ステージ。スプリンター向きではあるものの、周回コースの中盤には3級山岳ヘルダーン(全長1.7km/平均7.6%)が設定されており、1日の獲得標高差は1,800m。最後の3級山岳ヘルダーンからフィニッシュまでは21kmある。
逃げグループを形成したカルヴィン・ワトソン(オーストラリア、アクアブルースポート)、フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)、ペリグ・ケムヌール(フランス、ディレクトエネルジー)のうち、3級山岳でポイントを連取したザッカンティが山岳賞ジャージ、中間スプリントを連取したワトソンがスプリント賞ジャージを獲得。最大3分のリードをもって逃げた3名には、クイックステップフロアーズとロット・スーダル率いるメイン集団から3周目で飛び出したミヒャエル・アルバジーニ(スイス、ミッチェルトン・スコット)が単独で追い付いた。
BMCレーシング率いるメイン集団に対して1分リードで最終周回に入ったワトソン、ザッカンティ、ケムヌール、アルバジーニだったが、残り30kmを切ったところで早くも吸収される。最後の中間スプリントを先頭通過したイエロージャージのシュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)はボーナスタイム3秒獲得に成功している。
最終周回の3級山岳ヘルダーンでは、ピュアスプリンターを苦しめるとともにアタックを封じ込めて集団スプリントに持ち込みたいボーラ・ハンスグローエが集団ペーシング。アタックを許さないペースで、ダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)を先頭に登りをクリアしていく。この3級山岳ヘルダーンの各周回の集団登坂スピードを見ると、1周目18.3km/h、2周目18.0km/h、3周目19.6km/h、4周目25.7km/h。終盤にがつんとペースが上がっていることがわかる。
最終周回の最大の難所を越えた集団からは、リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)がアタックするシーンも。続いて、ハンマーシリーズ・リンブルフで活躍したマーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・メリダ)のアタックをきっかけに、ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)やマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、クイックステップフロアーズ)、ホセ・ロハス(スペイン、モビスター)を含む7名逃げが新たに形成されたが、集団にエーススプリンターを残すアシストたちの動きによってローテーションは回らず、残り5km地点で集団は一つに戻った。
登りで脱落したアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)やジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)を欠いた64名の集団によるスプリント。ロングスパートを仕掛けたイエロージャージのキュングを、クイックステップフロアーズとサンウェブが追いかける。混戦状態の中から、残り300mでフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)が発進した。
早駆けしたガビリアをぴったりマークし、スリップストリームに入ったアルカンシェルのペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が残り100mで加速する。ライバルの動きを巧みに利用したサガンが先着し、スロバキア国旗がなびくストレートで両手を挙げた。
4周回の平均スピードを見ると、1周目37.8km/h(1時間2分30秒)、2周目37.8km/h(1時間2分25秒)、3周目40.5km/h(57分57秒)、4周目46.4km/h(50分00秒)。先頭では残り1km最終コーナーに向けて65km/h前後で位置取りが繰り広げられ、一旦35m/h程度までスピードが落ちた状態から再び踏んで加速。最終スプリントは68km/hに達している。ステージ4位のマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)はフィニッシュ手前の23秒間にわたって平均900Wを出力。最大出力は1,360Wだった。
「信頼して戦略通りレースを運んでくれたチームメイトたちに感謝している。どうしてスイスと相性が良いのかは自分でもわからない。このレースのためにトレーニングを積んできたけど、まだ脚が最高の状態ではないんだ。明日もまたスプリンターにチャンスがあるステージ。7月のツール・ド・フランスに向けてもう一段調子を上げたい」と、スイスでステージ通算16勝目を飾ったサガンは語る。通算16勝はスイス史上最多勝記録であり、2番手で通算11勝のファビアン・カンチェラーラ、ユーゴ・コブレ、フェルディ・キュプラーのスイス三人衆を大きく引き離している。
「コースの沿道にいた観客の半分は知り合いだった」と語るのは、イエロージャージを守ったキュング。「前半はスローな展開だったので、知り合いに挨拶しながら走ることができた。レースが加速してからも脚の調子は良く、ボーナスタイムも稼ぐことができたので良い1日だった。明日は少し長い登りが登場するものの、今日と同じようなレース展開が予想される。ただ、雷雨の予報だけが気がかりだ」とキュングは語っている。BMCレーシングは総合トップ4を独占中。ステージ優勝者サガンがボーナスタイムによって総合5位に順位を上げている。
ツール・ド・スイス2018第2ステージ結果
1位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 3:50:09 |
2位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | |
3位 | ネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン) | |
4位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | |
5位 | マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・メリダ) | |
6位 | エンリーコ・ガスパロット(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
7位 | エンリコ・バッタリーン(イタリア、ロットNLユンボ) | |
8位 | グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) | |
9位 | アルテュール・ヴィショ(フランス、グルパマFDJ) | |
10位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) |
個人総合成績
1位 | シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) | 4:10:24 |
2位 | グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) | 0:00:03 |
3位 | リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) | |
4位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) | |
5位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:20 |
6位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | 0:00:23 |
7位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | |
8位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | |
9位 | サイモン・ゲランス(オーストラリア、BMCレーシング) | 0:00:28 |
10位 | グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:30 |
スプリント賞
1位 | カルヴィン・ワトソン(オーストラリア、アクアブルースポート) | 13pts |
2位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 12pts |
3位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | 8pts |
山岳賞
1位 | フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) | 9pts |
2位 | ペリグ・ケムヌール(フランス、ディレクトエネルジー) | 6pts |
3位 | ダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 3pts |
ヤングライダー賞
1位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | 4:10:47 |
2位 | グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:07 |
3位 | エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) |
チーム総合成績
1位 | BMCレーシング | 11:50:45 |
2位 | サンウェブ | 0:00:20 |
3位 | クイックステップフロアーズ | 0:00:27 |
text:Kei Tsuji
photo:CorVos
photo:CorVos
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