Jプロツアー第9戦の那須塩原クリテリウムは、ホセ・ビセンテ・トリビオが終盤を独走で逃げ切って優勝し、昨年に続き2連覇。2位にアイラン・フェルナンデスが入り、マトリックスパワータグがワン・ツーフィニッシュを達成した。



JR那須塩原駅前の通りで行われた那須塩原クリテリウム 奥に見えるのが那須塩原駅JR那須塩原駅前の通りで行われた那須塩原クリテリウム 奥に見えるのが那須塩原駅 photo:Satoru Kato
ツアー・オブ・ジャパン、ツール・ド・熊野を挟んでおよそ1ヶ月ぶりの開催となったJプロツアー。第9戦の開催地は栃木県北部の那須塩原市。JR那須塩原駅前の公道を使用してのクリテリウムだ。今年2回目の開催となるが、新幹線の停車駅でもある那須塩原駅の目の前がコースというロケーションは、国内レースでも3本の指に入るアクセスの良さと言えよう。

コース沿いにはつつじの花が咲き誇るコース沿いにはつつじの花が咲き誇る photo:Satoru Kato
小学校低学年の子供達によるパレード小学校低学年の子供達によるパレード photo:Satoru Katoスタートラインに揃ったJPTの選手スタートラインに揃ったJPTの選手 photo:Satoru Kato

コースは1周2.3km。アルファベットの「T」の形状の周回コースで、3つのヘアピンカーブと2つの直角コーナーを含む。昨年と逆周りとなったことと、Jプロツアーは1チームあたりの出走人数を6人ないし5人に制限したことが今年の変更点だ。

数日前に梅雨入りした関東地方だが、この日は朝から晴れ。雲が多くなる時間もあったものの、那須塩原市周辺では30℃前後まで気温が上がり、今年一番の暑さを記録する中でのレースとなった。

ホセ・ビセンテ・トリビオ2連覇 マトリックスパワータグ1-2フィニッシュ

レース序盤はアタック合戦で集団が蛇行するレース序盤はアタック合戦で集団が蛇行する photo:Satoru Katoレース序盤 雨澤毅明と阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)が先行レース序盤 雨澤毅明と阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)が先行 photo:Satoru Kato

Jプロツアーは27周62.1km。スタート直後からしばらくはアタック合戦が続き、集団は一列棒状でレースが進行する。宇都宮ブリッツェン、シマノレーシング、チームブリヂストンサイクリング 、マトリックスパワータグが主導権を争い、逃げ、吸収、牽制を繰り返しながら集団の人数を減らしていく。

残り9周から逃げた鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)と土井雪広(マトリックスパワータグ)残り9周から逃げた鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)と土井雪広(マトリックスパワータグ) photo:Satoru Kato逃げる鈴木譲と土井雪広をシマノレーシングが牽引する集団が追う逃げる鈴木譲と土井雪広をシマノレーシングが牽引する集団が追う photo:Satoru Kato

残り10周となる18周目、先頭集団はすでに30人弱ほどまで絞られる。残り9周に入ると、序盤にも逃げた鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)が再度アタック。土井雪広(マトリックスパワータグ)が追従して2人が先行する。集団との差は10秒前後まで開くが、シマノレーシングが牽引して追走して残り7周までに吸収する。その後は再びアタック合戦となり、木村圭佑(シマノレーシング)、佐野淳哉(マトリックスパワータグ)、松田祥位(EQADS)らが飛び出しを図るが決定的な動きにはならない。

残り4周 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)がアタック残り4周 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)がアタック photo:Satoru Kato
残り4周に入る直前、ヘアピンからの立ち上がりでホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)がアタック。岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が追うが差は一気に開く。10人以下まで減った先頭集団には土井やアイラン・フェルナンデスらマトリックスパワータグ勢が残るため追走がまとまらず、周回ごとに差は開いていく。

独走するトリビオは最終的に30秒まで差を広げて逃げ切り、那須塩原クリテリウム2連覇を達成。フェルナンデスが2位争いを獲ってマトリックスパワータグが1-2フィニッシュも勝ち取った。出走95人、完走16人のサバイバルレースだった。

残り4周を逃げ切ったホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)が優勝残り4周を逃げ切ったホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)が優勝 photo:Satoru Kato
副賞のお米をかかげて見せるホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)副賞のお米をかかげて見せるホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) photo:Satoru Kato5周ごとの周回賞を獲得した4人5周ごとの周回賞を獲得した4人 photo:Satoru Kato

表彰式でトリビオは「応援ありがとう。明日も勝ちます!」と日本語でコメント。明日は那須町での那須ロードレース。宣言通りの結果となるか?
JBCF那須塩原クリテリウム 結果(62.1km)
1位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) 1時間25分18秒
2位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ) +26秒
3位 松田祥位(EQADS)
4位 木村圭佑(シマノレーシング)
5位 雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン) +31秒
6位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) +57秒
周回賞
1回目 樋口峻明(那須ブラーゼン)
2回目 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
3回目 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング 9
4回目 鈴木 譲(宇都宮ブリッツェン)

Jプロツアーリーダー 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)
U23リーダー 小山智也(イナーメ信濃山形)



Fクラスタ 唐見実世子が逃げ切り勝ち

Fクラスタ レース序盤から伊藤杏菜(Live GARDEN BICI STELLE)と唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)の2人が先行Fクラスタ レース序盤から伊藤杏菜(Live GARDEN BICI STELLE)と唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)の2人が先行 photo:Satoru KatoFクラスタ レース終盤は独走に持ち込んだ唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)Fクラスタ レース終盤は独走に持ち込んだ唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) photo:Satoru Kato

Fクラスタ 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が優勝Fクラスタ 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が優勝 photo:Satoru Kato
女子のFクラスタは17周39.1km。レース序盤にシスターローズジャージを着る伊藤杏菜(Live GARDEN BICI STELLE)と、唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)の2人が先行。後半は唐見が独走態勢を築いて逃げ切り優勝。2位以下に2分以上の差をつけて圧倒した。
Fクラスタ 結果(39.1km)
1位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) 1時間2分5秒
2位 伊藤杏菜(Live GARDEN BICI STELLE) +2分18秒
3位 大岩明子(ブラウ・ブリッツェン) +2分41秒
Jフェミニンリーダー 伊藤杏菜(Live GARDEN BICI STELLE)



その他レース結果
E1 紺野元汰(SBC Vertex Racing Team)が優勝E1 紺野元汰(SBC Vertex Racing Team)が優勝 photo:Satoru KatoE2 阿部賢明(チームフィンズ、写真右)が優勝E2 阿部賢明(チームフィンズ、写真右)が優勝 photo:Satoru Kato

 E3 1組優勝 浜島章浩(彩北ツブラーゼ) E3 1組優勝 浜島章浩(彩北ツブラーゼ) photo:Satoru KatoE3 2組優勝 小泉亮太(グランディヴェルレーシングチーム)E3 2組優勝 小泉亮太(グランディヴェルレーシングチーム) photo:Satoru Kato
E1(46km)
Jエリートツアーリーダー  石井祥平(アーティファクトレーシングチーム)
E2(39.1km)
E3(34.5km)
1組 2組
1位 浜島章浩(彩北ツブラーゼ) 51分13秒 小泉亮太(グランディヴェルレーシングチーム) 41分3秒
2位 田島 誠(あらかわZoo Racing) +0秒 吉岡拓哉(イナーメ信濃山形-EFT) +1秒
3位 三橋隼人(Honda栃木 JET) 戸祭裕介(なるしまフレンド)
4位 入江達也(FM730) 宮本浩志(Rapha Cycling Club)
5位 梶原康平(DEVOTION BIKES) +1秒 三角泰史(サイタマサイクルプロジェクト)
6位 江口成臣(BREZZA-KAMIHAGI) 北浦 暁(エルドラード・エスペランサ)
text&photo:Satoru Kato

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