激しい登坂勝負が繰り広げられたジロ11日目の選手コメント。優勝したサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)やトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)ら総合上位勢、「落車が影響している」と語るクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)らの言葉を紹介。



ステージ優勝したサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)

ステージ2勝目を飾ったサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)ステージ2勝目を飾ったサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) photo:Kei Tsuji
アタックしてからずっとデュムランが離れずとても難しい状況だった。でもひとまず、これからの数日は難易度が落ちるのでひとまず安心できる。

スタート前の作戦では、今日のようなコースではティム・ウェレンスらが有利なので、チームには逃げグループを捕まえることを考えていなかった。でも、逃げグループが吸収されれば、ステージ優勝を狙わない理由がなかった。チームとして集団前方に陣取り、僕は自分のできることをしたまで。後ろからはトムが追ってきていたけれど、振り返りたくなかったので頂上付近まで後ろがどういう状況になっているか理解していなかったんだ。

デュムランとの総合タイム差が広がったことを嬉しく思う。今日デュムランは他の選手たちよりも登りに強いことを見せつけたし、彼の調子は日に日に上がっているように見える。彼を振り落とすのはとても難しいけれど、それでも今日は数秒差で引き離すことができた。長い登坂勝負では彼有利になるだろうから、今日稼いだタイム差はとても貴重だ。

2秒差でフィニッシュしたトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)

イェーツを追走するトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)イェーツを追走するトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) (c)CorVos
勝利には届かなかったけれど、今日の走りには非常に満足しているよ。もちろん脚は苦しかったものの昨日のタフステージの影響で全員同じような体調だったと思う。日に日に調子が上がっていて、全開で逃げるイェーツからあれ以上引き離されることはなかったのでとてもよかった。今日は今回のジロでベストなステージ成績とベストなコンディションだった。週末の山岳はものすごくタフだろうけれど、全力で今のポジションをキープしていきたい。まだまだローマまでの道のりは長い。

5秒差のステージ3位、ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)

短くも厳しいステージだった。最初からハイペースを刻む中でチームとして上手く機能し、最終盤はたくさんアタックが掛かり続ける中で集団先頭をキープできた。イェーツとデュムランを捕まえようとトライしたけれど届かず3位。今日はスカルポーニの地元を通過する特別な1日だった。もし今日勝てれば忘れられない思い出になったと思う。

ステージ7位、総合3位のティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)

8秒差の7位でフィニッシュしたティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)8秒差の7位でフィニッシュしたティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) (c)CorVos
あまり調子が上がらず今日はいっぱいいっぱいだった。今日は危険を感じたのでなるべくチーム全体で固まった走るよう気をつけたよ。イェーツの勝利はある程度予想していたけれど、最終盤での彼のアタックはあまりにも強力だった。自分も得意じゃない石畳の登りで100%を尽くした。

終盤にアタックしたゼネク・スティバル(チェコ、クイックステップフロアーズ)

仕掛けるには最高の瞬間だった。一緒に抜け出したウェレンスと協調体制を組みリードを得たものの、総合バトルが始まってしまった状況では僕らにチャンスがないことは明らかだった。ステージを獲りたかったけれど仕方ない。チームの士気が高い中で僕は今年のジロを楽しめているよ。ローマにフィニッシュするまでまたチャンスが巡ってくると思う。

逃げるゼネク・スティバル(チェコ、クイックステップフロアーズ)とティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・フィックスオール)逃げるゼネク・スティバル(チェコ、クイックステップフロアーズ)とティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・フィックスオール) (c)CorVos
スティバルと抜け出したティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・フィックスオール)

テクニカルコースを安全にこなすために今日はずっと集団前方に位置取っていた。最後はもっとフィニッシュまで距離を詰めてからアタックする予定だったけれど、スティバルの動きを見て同調することにした。総合上位陣がお見合いしている隙に逃げ切りたかった。今日はとてもコンディションが良かったんだ。

ステージ11位、総合5位、マリアビアンカのリチャル・カラパス(エクアドル、モビスター)

マリアビアンカを守ったリチャル・カラパス(エクアドル、モビスター)マリアビアンカを守ったリチャル・カラパス(エクアドル、モビスター) (c)CorVos
今日の走りにとても満足。今日はものすごく厳しいフィニッシュになると分かっていたので、なるべくタイムを失わないように走ってマリアビアンカを守ることが最大の目標だった。あまり石畳は得意じゃないけれど幸い大きく遅れずに済んだし、総合5位で終えることができた。

40秒遅れたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)

40秒失ったクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)40秒失ったクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji
昨日の疲れもあってタフな1日になったし、最後の登坂はものすごく厳しいものだった。正直に言えば(今の不調は)開幕TT前の落車ダメージが響いている。ベストコンディションでなければ総合争いには加われないし、どんなに不調を隠そうとしてもいつかは露呈してしまう。

ただし、少しずつではあるけれど、コンディションが上向きになってきている感はある。レースを辞める気はないし、今シーズンあまりレースを走っていなかったので、戦い続けることは自分にとってプラスになると思う。昨日はエステバンが一気に遅れたけれど、ジロではあれが誰にも起こり得るし、自分が希望を捨てることはない。自分も、チームもモチベーションは高い。イェーツの走りは本当に素晴らしく、同じイギリス人がマリアローザを着て優勝を目指している姿を見るのは嬉しい気持ち。

text:So.Isobe

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