2018/05/06(日) - 02:34
テルアビブで繰り広げられた第101回ジロ・デ・イタリア最初の集団スプリント。伸びのある加速を見せたエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)が勝利し、中間スプリントで3秒獲得したローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)が首位に立った。
出走サインを済ませたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)ら photo:Kei Tsuji
出走サインにやってきたミッチェルトン・スコットの選手たち photo:Kei Tsuji
マリアローザのトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)を先頭にスタート photo:Kei Tsuji
5月5日(土)第2ステージ ハイファ〜テルアビブ 167km ☆ photo:RCS Sport
5月5日(土)第2ステージ ハイファ〜テルアビブ 167km ☆ photo:RCS Sport
地中海に面したイスラエル第3の都市ハイファから、同国第2の都市(都市圏の人口は第1位)で事実上の首都であるテルアビブまで、平坦基調の167kmを南下するジロ第2ステージ。コースの大部分は幅の広い高速道路で、レース中盤の4級山岳ジフロン・ヤアコヴを除いて大きな登りは登場しない。テルアビブ市内の連続コーナーやラウンドアバウト、中央分離帯、減速用バンプを抜けた先に待つのは、スプリント向きの海岸通りだ。
マリアローザのトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)を先頭に、海からの湿気を含む気温30度弱のハイファをスタートしたのは175名の選手たち。マリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)獲得のチャンスとあって、逃げ形成のためのアタックは熾烈を極めた。
総合3位ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・フィックスオール)らのアタックは決まらず、10km地点で抜け出したのはダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)、ラルスイティング・バク(デンマーク、ロット・スーダル)、ガイ・ニーブ(イスラエル、イスラエルサイクリングアカデミー)の3名。しかしニーブはハイスピードな進行によりドロップし、代わりに単独追走を仕掛けたギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエルサイクリングアカデミー)が先頭に合流した。
レース開始から1時間(平均46.3km/h)が経過したところでタイム差は3分50秒をマーク。そのまま4級山岳ジフロン・ヤアコヴを越えていくと見られたが、BMCレーシング勢の集団ペースアップによってレース中盤の80km地点で早くもタイム差は1分を割り込む。4級山岳ジフロン・ヤアコヴの麓に差し掛かった時点で先頭3名のリードは30秒足らずまで縮まっていた。
今大会最初のカテゴリー山岳である4級山岳ジフロン・ヤアコヴでは、バッレリーニ、バク、ボワヴァンの3名がステージ優勝を争うかのごとくアタックと牽制を繰り返した。しかしそのすぐ後ろにはメイン集団が迫り、その中からエンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF)がカウンターアタック。地元イスラエルの大声援を受けたイスラエルサイクリングアカデミーのボワヴァンがバクとバッレリーニを振り切ることに成功したが、集団から飛び出したばかりでフレッシュなバルビンに頂上先頭通過を許している。
観客が詰めかけたハイファ市内を走る photo:LaPresse
逃げグループを形成するダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)ら photo:LaPresse
4級山岳ジフロン・ヤアコヴを登るギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエルサイクリングアカデミー)やラルスイティング・バク(デンマーク、ロット・フィックスオール) photo:LaPresse
こうしてフィニッシュまで残り75km地点で早くも逃げを吸収したメイン集団は、14km先の第2スプリントポイントに向けて加速した。集団を指揮したのは総合2位のローハン・デニス(オーストラリア)擁するBMCレーシング。トレインを組んでスプリントに持ち込んだ結果、デニスがエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)を下して先頭通過を果たした。
24秒間にわたって888Wを出力し、最大出力1381Wでトップスピード62.7km/hをマークしたデニスが狙い通りボーナスタイム3秒を獲得。デュムランとの総合2秒差をひっくり返し、デニスがバーチャルマリアローザの座に就いた。
ボワヴァンが向かい風が吹く高速道路で再び逃げたものの、クイックステップフロアーズを中心とするスプリンターチームのコントロールによってタイム差は広がらず。イスラエルにたっぷりと時間をかけてイスラエルサイクリングアカデミーのジャージを示したボワヴァンは残り15km地点で吸収。そこからフィニッシュまで、集団は平均スピード53.0km/hで駆け抜けている。
高速道路をテルアビブに向かって南下する photo:LaPresse
マリアチクラミーノを着て走るローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) photo:LaPresse
後半に再び逃げたギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエルサイクリングアカデミー) photo:LaPresse
クイックステップフロアーズが牽引するメイン集団 photo:LaPresse
EFエデュケーションファースト・ドラパックやトレック・セガフレードを先頭にテルアビブの市街地コーナーを抜け、クイックステップフロアーズのゼネク・スティバル(チェコ)とフロリアン・セネシャル(フランス)が先頭に立って残り1km。しかしその後ろに肝心のヴィヴィアーニの姿はなく、代わってEFエデュケーションファースト・ドラパックとボーラ・ハンスグローエが先頭でトレインを走らせる。好位置をキープしたサーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)とサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)の後ろから、残り250mでヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)が勢いよく加速した。
出場選手の中で最多のシーズン8勝を飾っているマレツコの後ろに飛びついたのは、ベネットの後ろでタイミングをうかがっていたヴィヴィアーニ。難なくマレツコのスリップストリームに入ったヴィヴィアーニが残り100mでさらに一段加速し、フェンスぎりぎりのラインを突き進む。最終的にマレツコに数メートルの差をつけたヴィヴィアーニが先着した。
ヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)を抜くエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsuji
スプリントで先頭に立ったエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsuji
ステージ1勝目を飾ったエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsuji
集団内でフィニッシュしたトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) photo:Kei Tsuji
自身2勝目となるステージ優勝を飾ったエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsuji
「終盤にかけてトレインがばらけてしまったので、ベネットの番手につけてタイミングを待った。誰もがスプリント開始を躊躇していたけど、必ず誰かが仕掛けると思って準備していたんだ。するとマレツコが飛び出したので迷わずに飛びついて自分のスプリントを開始。正しい判断が勝利につながった」。ヴィヴィアーニはウィニングスプリントの流れをそう説明する。
「優勝候補というプレッシャーもあり、決して簡単な勝利ではなかった」と、今シーズン7勝目(クイックステップフロアーズは28勝目)、ならびにステージ通算2勝目を飾ったヴィヴィアーニ。翌日の第3ステージや最終日ローマの第21ステージを含めて残り6ステージがスプリンター向き。ヴィヴィアーニはマリアチクラミーノを着てステージ量産を目指す。
中間スプリントのボーナスタイム3秒によってマリアローザを獲得したデニスは「正直言うと、マリアローザを獲得するとチームメイトたちを酷使することになるので、プレッシャーをサンウェブに押し付けたままでいたかった。でもチームメイトたちは『全力でバックアップする』と言ってくれたんだ。この先、出来る限り長くマリアローザを着続けたい。現実的になる必要があるし、デュムランらから多くを学ぶ必要があるけど、とにかく今はこの名誉あるマリアローザを楽しみたい」とコメントする。この日ボーナスタイムのために積極的に動いた総合3位カンペナールツがジロ序盤戦におけるマリアローザ争いのライバルになるだろう。
スプマンテを豪快に開けるエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsuji
マリアローザを獲得したローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Kei Tsuji
マリアチクラミーノはエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)の手に photo:Kei Tsuji
マリアアッズーラを手にしたエンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF) photo:Kei Tsuji





地中海に面したイスラエル第3の都市ハイファから、同国第2の都市(都市圏の人口は第1位)で事実上の首都であるテルアビブまで、平坦基調の167kmを南下するジロ第2ステージ。コースの大部分は幅の広い高速道路で、レース中盤の4級山岳ジフロン・ヤアコヴを除いて大きな登りは登場しない。テルアビブ市内の連続コーナーやラウンドアバウト、中央分離帯、減速用バンプを抜けた先に待つのは、スプリント向きの海岸通りだ。
マリアローザのトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)を先頭に、海からの湿気を含む気温30度弱のハイファをスタートしたのは175名の選手たち。マリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)獲得のチャンスとあって、逃げ形成のためのアタックは熾烈を極めた。
総合3位ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・フィックスオール)らのアタックは決まらず、10km地点で抜け出したのはダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)、ラルスイティング・バク(デンマーク、ロット・スーダル)、ガイ・ニーブ(イスラエル、イスラエルサイクリングアカデミー)の3名。しかしニーブはハイスピードな進行によりドロップし、代わりに単独追走を仕掛けたギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエルサイクリングアカデミー)が先頭に合流した。
レース開始から1時間(平均46.3km/h)が経過したところでタイム差は3分50秒をマーク。そのまま4級山岳ジフロン・ヤアコヴを越えていくと見られたが、BMCレーシング勢の集団ペースアップによってレース中盤の80km地点で早くもタイム差は1分を割り込む。4級山岳ジフロン・ヤアコヴの麓に差し掛かった時点で先頭3名のリードは30秒足らずまで縮まっていた。
今大会最初のカテゴリー山岳である4級山岳ジフロン・ヤアコヴでは、バッレリーニ、バク、ボワヴァンの3名がステージ優勝を争うかのごとくアタックと牽制を繰り返した。しかしそのすぐ後ろにはメイン集団が迫り、その中からエンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF)がカウンターアタック。地元イスラエルの大声援を受けたイスラエルサイクリングアカデミーのボワヴァンがバクとバッレリーニを振り切ることに成功したが、集団から飛び出したばかりでフレッシュなバルビンに頂上先頭通過を許している。



こうしてフィニッシュまで残り75km地点で早くも逃げを吸収したメイン集団は、14km先の第2スプリントポイントに向けて加速した。集団を指揮したのは総合2位のローハン・デニス(オーストラリア)擁するBMCレーシング。トレインを組んでスプリントに持ち込んだ結果、デニスがエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)を下して先頭通過を果たした。
24秒間にわたって888Wを出力し、最大出力1381Wでトップスピード62.7km/hをマークしたデニスが狙い通りボーナスタイム3秒を獲得。デュムランとの総合2秒差をひっくり返し、デニスがバーチャルマリアローザの座に就いた。
ボワヴァンが向かい風が吹く高速道路で再び逃げたものの、クイックステップフロアーズを中心とするスプリンターチームのコントロールによってタイム差は広がらず。イスラエルにたっぷりと時間をかけてイスラエルサイクリングアカデミーのジャージを示したボワヴァンは残り15km地点で吸収。そこからフィニッシュまで、集団は平均スピード53.0km/hで駆け抜けている。




EFエデュケーションファースト・ドラパックやトレック・セガフレードを先頭にテルアビブの市街地コーナーを抜け、クイックステップフロアーズのゼネク・スティバル(チェコ)とフロリアン・セネシャル(フランス)が先頭に立って残り1km。しかしその後ろに肝心のヴィヴィアーニの姿はなく、代わってEFエデュケーションファースト・ドラパックとボーラ・ハンスグローエが先頭でトレインを走らせる。好位置をキープしたサーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)とサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)の後ろから、残り250mでヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)が勢いよく加速した。
出場選手の中で最多のシーズン8勝を飾っているマレツコの後ろに飛びついたのは、ベネットの後ろでタイミングをうかがっていたヴィヴィアーニ。難なくマレツコのスリップストリームに入ったヴィヴィアーニが残り100mでさらに一段加速し、フェンスぎりぎりのラインを突き進む。最終的にマレツコに数メートルの差をつけたヴィヴィアーニが先着した。





「終盤にかけてトレインがばらけてしまったので、ベネットの番手につけてタイミングを待った。誰もがスプリント開始を躊躇していたけど、必ず誰かが仕掛けると思って準備していたんだ。するとマレツコが飛び出したので迷わずに飛びついて自分のスプリントを開始。正しい判断が勝利につながった」。ヴィヴィアーニはウィニングスプリントの流れをそう説明する。
「優勝候補というプレッシャーもあり、決して簡単な勝利ではなかった」と、今シーズン7勝目(クイックステップフロアーズは28勝目)、ならびにステージ通算2勝目を飾ったヴィヴィアーニ。翌日の第3ステージや最終日ローマの第21ステージを含めて残り6ステージがスプリンター向き。ヴィヴィアーニはマリアチクラミーノを着てステージ量産を目指す。
中間スプリントのボーナスタイム3秒によってマリアローザを獲得したデニスは「正直言うと、マリアローザを獲得するとチームメイトたちを酷使することになるので、プレッシャーをサンウェブに押し付けたままでいたかった。でもチームメイトたちは『全力でバックアップする』と言ってくれたんだ。この先、出来る限り長くマリアローザを着続けたい。現実的になる必要があるし、デュムランらから多くを学ぶ必要があるけど、とにかく今はこの名誉あるマリアローザを楽しみたい」とコメントする。この日ボーナスタイムのために積極的に動いた総合3位カンペナールツがジロ序盤戦におけるマリアローザ争いのライバルになるだろう。




ジロ・デ・イタリア2018第2ステージ結果
1位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) | 3:51:20 |
2位 | ヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ) | |
3位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
5位 | サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | |
6位 | クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、アージェードゥーゼール) | |
7位 | ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ) | |
8位 | マヌエル・ベレッティ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | |
9位 | バティスト・プランカールト(ベルギー、カチューシャ・アルペシン) | |
10位 | ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、BMCレーシング) |
マリアローザ 個人総合成績
1位 | ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) | 4:03:21 |
2位 | トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) | 0:00:01 |
3位 | ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・フィックスオール) | 0:00:03 |
4位 | ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン) | 0:00:13 |
5位 | アレックス・ドーセット(イギリス、カチューシャ・アルペシン) | 0:00:17 |
6位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ) | 0:00:19 |
7位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 0:00:21 |
8位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) | 0:00:22 |
9位 | トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) | 0:00:28 |
10位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) |
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) | 68pts |
2位 | ヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ) | 35pts |
3位 | ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) | 32pts |
マリアアッズーラ 山岳賞
1位 | エンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF) | 3pts |
2位 | ギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエルサイクリングアカデミー) | 2pts |
3位 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | 1pt |
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) | 4:03:43 |
2位 | ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 0:00:08 |
3位 | マッズウルス・シュミット(デンマーク、カチューシャ・アルペシン) | 0:00:09 |
チーム総合成績
1位 | カチューシャ・アルペシン | 12:11:01 |
2位 | サンウェブ | 0:00:33 |
3位 | ロット・フィックスオール | 0:00:39 |
text&photo:Kei Tsuji in Tel Aviv, Israel
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