2018/04/27(金) - 10:07
貴重なスプリンター向きのコースが設定されたツール・ド・ロマンディ第2ステージで、逃げ屋の中の逃げ屋が逃げた。トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)が残り26kmを独走。スプリンターを振り切って単独でフィニッシュラインを切った。
ツール・ド・ロマンディ第2ステージに設定されたカテゴリー山岳は2つ。フランス国境にまたがるジュラ山脈を走る173.9kmコースには標高1,152mの本格的な山岳も組み込まれているが、終盤のイヴェルドン・レ・バン周回コースに大きな上りは登場しない。スプリンターにチャンスがあるのはこの第2ステージと最終日の第5ステージだけだ。
13時10分にスタートが切られ、最初の3級山岳ランジエ峠の上りが始まるとすぐ、先頭では5名の逃げグループが生まれる。トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)とヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)、ネイサン・ブラウン(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)、アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)、マッテオ・ファッブロ(イタリア、カチューシャ・アルペシン)というUCIワールドチーム所属選手5名による逃げが始まった。
ファッブロのメカトラによる脱落に伴い4名に絞られながらも、ロットNLユンボ率いるメイン集団から8分ものリードを得た逃げグループ。この日最大の難所である2級山岳ゼトルワ峠でグリブコが脱落したため先頭はデヘント、カンペナールツ、ブラウンの3名に。
メイン集団を牽引して逃げグループを追ったのは、ソニー・コルブレッリ(イタリア)擁するバーレーン・メリダだった。「体調が優れなかった」というマイケル・マシューズ(オーストラリア)のサンウェブや、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)とフェルナンド・ガビリア(コロンビア)を揃えるクイックステップフロアーズの協力を得ることができず、ほぼバーレーン・メリダだけがコントロールを担う形で2級山岳ゼトルワ峠をクリアした。
フィニッシュまで34kmを残し、イヴェルドン・レ・バンの周回コースに入った時点でタイム差は依然として5分。やがて先頭からカンペナールツが遅れてデヘントとブラウンのタンデム走行に。第1ステージを終えた時点でブラウンは総合39位/26秒遅れ、デヘントは総合72位/3分23秒遅れ。この2人の総合ジャンプアップを阻止したいロットNLユンボも集団牽引に手を貸したが、タイム差は一向に縮小しなかった。
やがて残り26kmを切ったところで、メイン集団とのタイム差を4分15秒残して、デヘントがブラウンを切り離して独走を開始する。アップダウンのある周回コースを一定ペースで走り続けたデヘントがメイン集団を寄せ付けない。メイン集団はラスト50kmを平均47km/hで走っているが、それでも先頭デヘントとのタイム差を3分縮めるのがやっとだった。
デヘントはメイン集団を2分04秒振り切って独走フィニッシュ。世界最強と謳われる逃げのスペシャリストが、ボルタ・ア・カタルーニャ第3ステージに続く独走逃げ切りを果たした。
「このロマンディで結果を出すためにアルデンヌクラシックをすべてパス。トレーニングキャンプを行って準備を行ったので、コンディションは完璧だった。今日は4時間におよぶタイムトライアルだった」と、得意の逃げで結果を残したデヘントは語る。例年デヘントはラ・フレーシュ・ワロンヌとリエージュ〜バストーニュ〜リエージュを連戦後にこのロマンディに出場していたが、思うような結果を残せていなかった。
「フィニッシュまで逃げ切ったのは自分1人だったけど、この勝利の裏にはヴィクトール・カンペナールツの尽力があった。集団がペースを落としたのではなく、ヴィクトールと2人でペースを上げ続けたからタイム差が広がったんだ。タイム差が8分まで広がったところで逃げ切りが可能だと思ったよ。そこからは自分のペースで走ることを心がけた。ヴィクトールは最後の引きを終えて脱落。ブラウンはまだ元気だったけど、彼を試すためにペースを上げると小さな距離が生まれたのでそのまま行くことにした。月曜日に周回コースを試走していたので何が待ち構えているか分かっていたし、タイム差が3分もあれば十分だった。全開で踏むことなく、淡々と逃げれば十分だった」。デヘントはポイント賞で首位に立つとともに、山岳賞3位に浮上している。
メイン集団はコルブレッリを先頭にフィニッシュし、総合トップ10の順位に変動は無し。翌日は9.9kmの山岳個人タイムトライアルが設定されている。
ツール・ド・ロマンディ第2ステージに設定されたカテゴリー山岳は2つ。フランス国境にまたがるジュラ山脈を走る173.9kmコースには標高1,152mの本格的な山岳も組み込まれているが、終盤のイヴェルドン・レ・バン周回コースに大きな上りは登場しない。スプリンターにチャンスがあるのはこの第2ステージと最終日の第5ステージだけだ。
13時10分にスタートが切られ、最初の3級山岳ランジエ峠の上りが始まるとすぐ、先頭では5名の逃げグループが生まれる。トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)とヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)、ネイサン・ブラウン(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)、アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)、マッテオ・ファッブロ(イタリア、カチューシャ・アルペシン)というUCIワールドチーム所属選手5名による逃げが始まった。
ファッブロのメカトラによる脱落に伴い4名に絞られながらも、ロットNLユンボ率いるメイン集団から8分ものリードを得た逃げグループ。この日最大の難所である2級山岳ゼトルワ峠でグリブコが脱落したため先頭はデヘント、カンペナールツ、ブラウンの3名に。
メイン集団を牽引して逃げグループを追ったのは、ソニー・コルブレッリ(イタリア)擁するバーレーン・メリダだった。「体調が優れなかった」というマイケル・マシューズ(オーストラリア)のサンウェブや、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)とフェルナンド・ガビリア(コロンビア)を揃えるクイックステップフロアーズの協力を得ることができず、ほぼバーレーン・メリダだけがコントロールを担う形で2級山岳ゼトルワ峠をクリアした。
フィニッシュまで34kmを残し、イヴェルドン・レ・バンの周回コースに入った時点でタイム差は依然として5分。やがて先頭からカンペナールツが遅れてデヘントとブラウンのタンデム走行に。第1ステージを終えた時点でブラウンは総合39位/26秒遅れ、デヘントは総合72位/3分23秒遅れ。この2人の総合ジャンプアップを阻止したいロットNLユンボも集団牽引に手を貸したが、タイム差は一向に縮小しなかった。
やがて残り26kmを切ったところで、メイン集団とのタイム差を4分15秒残して、デヘントがブラウンを切り離して独走を開始する。アップダウンのある周回コースを一定ペースで走り続けたデヘントがメイン集団を寄せ付けない。メイン集団はラスト50kmを平均47km/hで走っているが、それでも先頭デヘントとのタイム差を3分縮めるのがやっとだった。
デヘントはメイン集団を2分04秒振り切って独走フィニッシュ。世界最強と謳われる逃げのスペシャリストが、ボルタ・ア・カタルーニャ第3ステージに続く独走逃げ切りを果たした。
「このロマンディで結果を出すためにアルデンヌクラシックをすべてパス。トレーニングキャンプを行って準備を行ったので、コンディションは完璧だった。今日は4時間におよぶタイムトライアルだった」と、得意の逃げで結果を残したデヘントは語る。例年デヘントはラ・フレーシュ・ワロンヌとリエージュ〜バストーニュ〜リエージュを連戦後にこのロマンディに出場していたが、思うような結果を残せていなかった。
「フィニッシュまで逃げ切ったのは自分1人だったけど、この勝利の裏にはヴィクトール・カンペナールツの尽力があった。集団がペースを落としたのではなく、ヴィクトールと2人でペースを上げ続けたからタイム差が広がったんだ。タイム差が8分まで広がったところで逃げ切りが可能だと思ったよ。そこからは自分のペースで走ることを心がけた。ヴィクトールは最後の引きを終えて脱落。ブラウンはまだ元気だったけど、彼を試すためにペースを上げると小さな距離が生まれたのでそのまま行くことにした。月曜日に周回コースを試走していたので何が待ち構えているか分かっていたし、タイム差が3分もあれば十分だった。全開で踏むことなく、淡々と逃げれば十分だった」。デヘントはポイント賞で首位に立つとともに、山岳賞3位に浮上している。
メイン集団はコルブレッリを先頭にフィニッシュし、総合トップ10の順位に変動は無し。翌日は9.9kmの山岳個人タイムトライアルが設定されている。
ツール・ド・ロマンディ2018第2ステージ結果
1位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 4:03:05 |
2位 | ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 0:02:04 |
3位 | サミュエル・デュムラン(フランス、アージェードゥーゼール) | |
4位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | |
5位 | ミケル・モルコフ(デンマーク、クイックステップフロアーズ) | |
6位 | シャンドロ・ムーリセ(ベルギー、ワンティ・グループゴベール) | |
7位 | ディエゴ・ローザ(イタリア、チームスカイ) | |
8位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | |
9位 | ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール) | |
10位 | アントワーヌ・デュシェーヌ(カナダ、グルパマFDJ) | |
110位 | 別府史之(日本、トレック・セガフレード) | 0:16:27 |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) | 8:14:25 |
2位 | ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) | |
3位 | ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) | 0:00:04 |
4位 | ディエゴ・ローザ(イタリア、チームスカイ) | 0:00:05 |
5位 | ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール) | |
6位 | ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | 0:00:08 |
7位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 0:00:10 |
8位 | ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、チームスカイ) | |
9位 | ピエール・ロラン(フランス、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | |
10位 | リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) | 0:00:13 |
ポイント賞
1位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 82pts |
2位 | ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 60pts |
3位 | オマール・フライレ(スペイン、アスタナ) | 50pts |
山岳賞
1位 | マルコ・ミナールト(オランダ、ワンティ・グループゴベール) | 30pts |
2位 | アントワーヌ・デュシェーヌ(カナダ、グルパマFDJ) | 17pts |
3位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 13pts |
ヤングライダー賞
1位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 8:14:35 |
2位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | 0:00:05 |
3位 | ニコラ・コンチ(イタリア、トレック・セガフレード) |
チーム総合成績
1位 | BMCレーシング | 24:43:28 |
2位 | チームスカイ | 0:00:06 |
3位 | EFエデュケーションファースト・ドラパック | 0:00:17 |
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