2018/04/19(木) - 10:12
4月18日に開催されたラ・フレーシュ・ワロンヌ女子レース(UCIウィメンズワールドツアー)でアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンス)が大会4連覇を達成。日本から萩原麻由子と與那嶺恵理が出場し、重要な局面でエースをアシストした與那嶺が30位に入った。
コースはユイの頂上をスタート&フィニッシュとする118.5km。ユイの南部に広がる丘陵地帯をぐるっと一周した後、男子レースと同じコート・デレッフ(2,100m/5%)、コート・ド・シュラーブ(1,300m/8.1%)、そして「ユイの壁」ミュール・ド・ユイ(1,300m/9.6%)の29km周回コースを2周する。フィニッシュラインは「ユイの壁」の頂上に引かれている。
これまで5回出場し、コンスタントに40位前後の成績を残している萩原麻由子(アレ・チポッリーニ)と、2017年に初出場して51位に入っている與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)もそろったUCIウィメンズワールドツアー第8戦は、キャニオン・スラムを中心にしたコントロールによって逃げを捉えて1回目の「ユイの壁」へ。ここでアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)、メーガン・グアルニエール(アメリカ、ブールスドルマンス)、ヤネク・エンシング(オランダ、アレ・チポッリーニ)、ポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、キャニオン・スラム)という強力な先頭グループが形成され、45秒前後のリードをもって逃げる展開。
最終周回のコート・デレッフとコート・ド・シュラーブを越えてなおタイム差は20秒。最後の「ユイの壁」でスプラットとグアルニエールの2人が逃げ続けたが、集団内で力を溜めていたビッグネームたちが後方から勢いよく迫った。
急勾配区間で集団から抜け出したアシュリー・モールマンパシオ(南アフリカ、サーヴェロ・ビグラ)とアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンス)が、先頭のスプラットとグアルニエールを捉え、そこからモールマンパシオが積極的にアタック。しかしライバルを完全にふるい落とすことはできず、反応したファンデルブレッヘンが逆に先頭を奪って激坂頂上にフィニッシュした。
リオ五輪金メダリストのファンデルブレッヘンは2015年から負けなしの大会4連覇。ストラーデビアンケとロンド・ファン・フラーンデレンに続くUCIウィメンズワールドツアーレース3勝目で、チームメイトのグアルニエールが3位。ブールスドルマンスの快進撃が続いている。
與那嶺はUCIワールドツアーポイント圏内の30位、萩原は68位でフィニッシュ。11位に入ったエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ)をアシストした與那嶺は「久しぶりに楽しくレースが出来ました!」と語っている。以下は與那嶺によるレポート。
「上手くいかないレースは本当に嫌になりますが、切り替えてスタートラインに並びました。気温が高いため、脱水にも注意しながら。チームの作戦は最終局面でのエリーザ(ロンゴボルギーニ)をフォローして送り出すこと。スタート後からプロトンは活発に動き続け、高速での展開。年々女子サーキットのレベルは確実に上がってきています(最初の1時間の平均スピードは男子とほぼ同じでした)。体調は悪くはない感じ、今日は粘れそうです。
多くのアタックと逃げがあり、丁寧にフォローもしながら最終局面に向けて自分の力もセーブしつつ。展開は厳しいのでプロトンの良い場所にステイし続けるだけで結構体力を使います。そして気づけばメイン集団は40名前後に。上りで生まれたアタックにメンバーを乗せられなかったサンウェブが攻撃を始め、その空気感を上手く読め、そろそろエレン(ファンダイク)だろ〜と思っていたところ案の定エレンの攻撃!番手にスルスルと入り、このまま行こうと2人で少し展開しますがそうは簡単に許されるわけもなく、しばらくして追いつかれました」
「場所によって勾配が30%近いユイ。まだまだ満足な身体のシェイプではなく、身体の重さ、キレのなさを感じますが、ここは粘って粘って登ります。まずは一回目のユイを登りきっていよいよ最後の周回へ。強力な4名の逃げとのタイム差が開きすぎないように、私もエリーザのために仕事を開始します。ユイの周回も厳しい登りが多く、脚が削られていきますが粘って粘って。チームはエリーザと私のみ。最後のユイの登り口に至るゆるい登りの区間、エリーザが「エリ!入り口まで上げてくれ!」との指示。
身体はキツイのですが、ここはエースのために今できる最大の仕事を。最後の入り口まで逃げとの差を詰めながらエリーザを先頭へ連れて行くことに成功。そして私はほぼオールアウトの状態へ。出し切ったあとにユイ。最後の激坂が、本当に長く感じました。本当にヘロヘロになりながら無事に30位でフィニッシュすることが出来ました。UCIワールドツアーポイントも 30位は5ポイント 31位は3ポイント。そして、エースのエリーザは病み上がりながら11位。ベストではないけどベターだったとのこと。
レース後にエリーザから『エリ、仕事をしすぎだ。そこまでしなくても良い、自分が行けるときは行って良いんだよ』と言われ、私はこう返しました。『私が力をためて10位台だったとしても、私があなたを連れていけばポディウム狙えるでしょ』と。エリーザは本当に器が大きいです。エースによっては残れるアシストがいたとしても、意図的にアシストに無駄なアタックをさせて自分の地位を護ろうとするエースもいたり、そこも面白いですね。
久しぶりに自分らしいレースが出来たな。レースって楽しいなとフィニッシュ後も感じることが出来ました。次のレースは中三日で日曜日のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ。チャンスが有れば貪欲に20位以上を狙っていきます。相性は良いレースです!」
コースはユイの頂上をスタート&フィニッシュとする118.5km。ユイの南部に広がる丘陵地帯をぐるっと一周した後、男子レースと同じコート・デレッフ(2,100m/5%)、コート・ド・シュラーブ(1,300m/8.1%)、そして「ユイの壁」ミュール・ド・ユイ(1,300m/9.6%)の29km周回コースを2周する。フィニッシュラインは「ユイの壁」の頂上に引かれている。
これまで5回出場し、コンスタントに40位前後の成績を残している萩原麻由子(アレ・チポッリーニ)と、2017年に初出場して51位に入っている與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)もそろったUCIウィメンズワールドツアー第8戦は、キャニオン・スラムを中心にしたコントロールによって逃げを捉えて1回目の「ユイの壁」へ。ここでアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)、メーガン・グアルニエール(アメリカ、ブールスドルマンス)、ヤネク・エンシング(オランダ、アレ・チポッリーニ)、ポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、キャニオン・スラム)という強力な先頭グループが形成され、45秒前後のリードをもって逃げる展開。
最終周回のコート・デレッフとコート・ド・シュラーブを越えてなおタイム差は20秒。最後の「ユイの壁」でスプラットとグアルニエールの2人が逃げ続けたが、集団内で力を溜めていたビッグネームたちが後方から勢いよく迫った。
急勾配区間で集団から抜け出したアシュリー・モールマンパシオ(南アフリカ、サーヴェロ・ビグラ)とアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンス)が、先頭のスプラットとグアルニエールを捉え、そこからモールマンパシオが積極的にアタック。しかしライバルを完全にふるい落とすことはできず、反応したファンデルブレッヘンが逆に先頭を奪って激坂頂上にフィニッシュした。
リオ五輪金メダリストのファンデルブレッヘンは2015年から負けなしの大会4連覇。ストラーデビアンケとロンド・ファン・フラーンデレンに続くUCIウィメンズワールドツアーレース3勝目で、チームメイトのグアルニエールが3位。ブールスドルマンスの快進撃が続いている。
與那嶺はUCIワールドツアーポイント圏内の30位、萩原は68位でフィニッシュ。11位に入ったエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ)をアシストした與那嶺は「久しぶりに楽しくレースが出来ました!」と語っている。以下は與那嶺によるレポート。
「上手くいかないレースは本当に嫌になりますが、切り替えてスタートラインに並びました。気温が高いため、脱水にも注意しながら。チームの作戦は最終局面でのエリーザ(ロンゴボルギーニ)をフォローして送り出すこと。スタート後からプロトンは活発に動き続け、高速での展開。年々女子サーキットのレベルは確実に上がってきています(最初の1時間の平均スピードは男子とほぼ同じでした)。体調は悪くはない感じ、今日は粘れそうです。
多くのアタックと逃げがあり、丁寧にフォローもしながら最終局面に向けて自分の力もセーブしつつ。展開は厳しいのでプロトンの良い場所にステイし続けるだけで結構体力を使います。そして気づけばメイン集団は40名前後に。上りで生まれたアタックにメンバーを乗せられなかったサンウェブが攻撃を始め、その空気感を上手く読め、そろそろエレン(ファンダイク)だろ〜と思っていたところ案の定エレンの攻撃!番手にスルスルと入り、このまま行こうと2人で少し展開しますがそうは簡単に許されるわけもなく、しばらくして追いつかれました」
「場所によって勾配が30%近いユイ。まだまだ満足な身体のシェイプではなく、身体の重さ、キレのなさを感じますが、ここは粘って粘って登ります。まずは一回目のユイを登りきっていよいよ最後の周回へ。強力な4名の逃げとのタイム差が開きすぎないように、私もエリーザのために仕事を開始します。ユイの周回も厳しい登りが多く、脚が削られていきますが粘って粘って。チームはエリーザと私のみ。最後のユイの登り口に至るゆるい登りの区間、エリーザが「エリ!入り口まで上げてくれ!」との指示。
身体はキツイのですが、ここはエースのために今できる最大の仕事を。最後の入り口まで逃げとの差を詰めながらエリーザを先頭へ連れて行くことに成功。そして私はほぼオールアウトの状態へ。出し切ったあとにユイ。最後の激坂が、本当に長く感じました。本当にヘロヘロになりながら無事に30位でフィニッシュすることが出来ました。UCIワールドツアーポイントも 30位は5ポイント 31位は3ポイント。そして、エースのエリーザは病み上がりながら11位。ベストではないけどベターだったとのこと。
レース後にエリーザから『エリ、仕事をしすぎだ。そこまでしなくても良い、自分が行けるときは行って良いんだよ』と言われ、私はこう返しました。『私が力をためて10位台だったとしても、私があなたを連れていけばポディウム狙えるでしょ』と。エリーザは本当に器が大きいです。エースによっては残れるアシストがいたとしても、意図的にアシストに無駄なアタックをさせて自分の地位を護ろうとするエースもいたり、そこも面白いですね。
久しぶりに自分らしいレースが出来たな。レースって楽しいなとフィニッシュ後も感じることが出来ました。次のレースは中三日で日曜日のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ。チャンスが有れば貪欲に20位以上を狙っていきます。相性は良いレースです!」
ラ・フレーシュ・ワロンヌ・ファム2018結果
1位 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンス) | 3:10:14 |
2位 | アシュリー・モールマンパシオ(南アフリカ、サーヴェロ・ビグラ) | 0:00:02 |
3位 | メーガン・グアルニエール(アメリカ、ブールスドルマンス) | |
4位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) | 0:00:06 |
5位 | アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 0:00:17 |
6位 | シャラ・ギロー(オーストラリア、エフデジ・ヌーヴェルアキテーヌ) | 0:00:19 |
7位 | サブリナ・ストゥルティエンス(オランダ、ワオディールス) | 0:00:22 |
8位 | ソフィア・ベルティツォーロ(イタリア、アスタナ) | |
9位 | アナスタシア・イアコヴェンコ(ロシア、BTCシティリュブリャナ) | 0:00:25 |
10位 | マルガリータ・ガルシア(スペイン、モビスター) | 0:00:28 |
30位 | 與那嶺恵理(日本、ウィグル・ハイファイブ) | 0:01:08 |
68位 | 萩原麻由子(日本、アレ・チポッリーニ) | 0:08:41 |
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