2018/04/18(水) - 18:05
パリ〜ルーベに挑んだ各チームのバイクを紹介する最終回。セップ・ヴァンマルクやアルノー・デマールらの石畳用バイクを紹介します。
セップ・ヴァンマルク(ベルギー、EFエデュケーションファースト・ドラパック)
キャノンデール SYNAPSE HI-MOD DISC
セップ・ヴァンマルク(ベルギー)とテイラー・フィニー(アメリカ)をトップ10に送り込んだEFエデュケーションファースト・ドラパックでは、メンバー全員が昨夏発表されたキャノンデールの新型エンデュランスロードSYNAPSE HI-MOD DISCを使用した。
ホイールはチーム供給仕様のデカールが貼られたヴィジョンのMETRON 40 SL DISCで、パリ〜ルーベ中最もワイドな30mm幅のヴィットリア CORSA CONTROLを貼り付けた。普段のレースで使うSUPERSIX EVO HI-MODと比較してヘッドチューブ長が伸びるが、FSAのSL-Kステム(マイナス12度)を用いてハンドル位置を下げているほか、フィニーのバイクからはヘッドセットのトップキャップが取り除かれていた。
また、高速レースを想定してFSA製のインナーリングは46Tに換装。SRMを装備したキャノンデールのSiSL2クランクを介してR9150系デュラエースDi2を駆動させる。サンウェブやトレック・セガフレードと同じくディスクブレーキローターはロード/シクロクロス用のSM-RT99。生産上の課題が生じた専用コックピット「SAVEシステムバー」は装備されていなかった。
アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
ラピエール PULSIUM ULTIMATE
アルノー・デマール(フランス)をエースに据えたグルパマFDJもノーマルロードではなく、パリ〜ルーベのためにエンデュランスロードを投入したチーム。メンバー全員が昨年刷新されたラピエールのPULSIUM ULTIMATEを駆り石畳に挑んだ。
エラストマーを使用した独自の振動減衰機構「SAT」を搭載したフレームはチームカラーのフレンチトリコロールにペイントされるが、デマールのみブルー部分がメタリックカラーの市販モデルに乗る。その他メンバーはマットブルー+銀ロゴのチーム仕様だ。
ヘッドチューブが長くなるため、ほとんどのバイクからヘッドセットのトップキャップが取り除かれていたほか、スプリンターのデマールはスポンサー外のFSA SL-Kステム(マイナス12度)でハンドル位置を低くセッティング。ホイールは全員WH-R9100-C40で揃え、タイヤはコンチネンタルCOMPETITION PRO LTD RBXだった。
上ハンドルポジションでのシフト操作を容易にするべくスプリンタースイッチをステムクランプ両側に装備し、PROのバーテープを厚めに二重巻き、さらにボトルケージをエリートのCiussi GELに変更。スタート前にはメカニックがケージを握り込む光景が確認できた。
ルスラン・トルウバイエフ(カザフスタン、アスタナ)
アルゴン18 GALLIUM
アスタナは前週のロンド・ファン・フラーンデレンから継続してアルゴン18のオールラウンドモデル、GALLIUMをパリ〜ルーベにも投入。通常使うハイエンドのGALIUM PROでなく、快適性を狙ってセカンドグレードを選択するのはカザフチーム定番の機材選択だ。
コリマのエントリーグレードカーボンホイール「47WS」とFMBのPARIS ROUBAIXという組み合わせも変わらないが、ロンドと比較してタイヤ幅が28mmと2mmワイドになっている。一台だけ「WOLFPACK RACE TUBELAR」表記が入るタイヤを取り付けたマシンが存在した。
なお、チームカーのルーフ上にはスペアとして、アルゴン18が先代GALLIUMをベースに石畳クラシック専用カスタムを施したスペシャルマシン「クラシックエディション」も搭載されていた。現行モデルとは異なりシートステーがベンド形状であることが外観上の特徴だ。
FSAと協力関係にあるため、主にクランクセットは同社製品の使用率が高い。ワイドタイヤとのクリアランスを確保するためにブレーキはTRP製を用いたことも石畳レース用のカスタムだ。
ヤニック・マルティネス(フランス、デルコ・マルセイユプロヴァンスKTM)
KTM REVELATOR SKY DMP
上位に選手を送り込むことはできなかったが、1時間遅れで失格となったものの、ブルームワゴンを従えながらヴェロドロームに辿り着いたエヴァルダス・シスケヴィシオス(リトアニア)のストーリーが話題を呼んだデルコ・マルセイユプロヴァンスKTM。かつてラポム・マルセイユとして活動し、アマチュア時代の別府史之(現トレック・セガフレード)を育てた名門チームが使うのは、日本ではオートバイで知られるオーストリアブランド、KTM。そのオールラウンドモデルのディスクブレーキバージョン、REVELATOR SKY DMPをメンバー全員が使用した。
鮮やかなスカイブルーにペイントされたフレームに搭載するのはスラムのRED eTap HRD。画像で判断する限り高速レースを見据えたインナーチェーンリングの大型化などは行われていない。ディスクローターはスラムとTRPが混在し、フラットマウントの台座はシマノ製と統一感はまちまち。
チームカラーのステッカーが貼られたコリマホイールは、アスタナと同じくエントリーグレードのWSシリーズ。組み合わせるタイヤはシュワルベのG-ONE SPEED HTとマニアックなパーツ選択を行う。フランスのチームらしくペダルはタイムで、ハンドル周りとシートポストはコントロールテックで統一されている。
text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano
セップ・ヴァンマルク(ベルギー、EFエデュケーションファースト・ドラパック)
キャノンデール SYNAPSE HI-MOD DISC
セップ・ヴァンマルク(ベルギー)とテイラー・フィニー(アメリカ)をトップ10に送り込んだEFエデュケーションファースト・ドラパックでは、メンバー全員が昨夏発表されたキャノンデールの新型エンデュランスロードSYNAPSE HI-MOD DISCを使用した。
ホイールはチーム供給仕様のデカールが貼られたヴィジョンのMETRON 40 SL DISCで、パリ〜ルーベ中最もワイドな30mm幅のヴィットリア CORSA CONTROLを貼り付けた。普段のレースで使うSUPERSIX EVO HI-MODと比較してヘッドチューブ長が伸びるが、FSAのSL-Kステム(マイナス12度)を用いてハンドル位置を下げているほか、フィニーのバイクからはヘッドセットのトップキャップが取り除かれていた。
また、高速レースを想定してFSA製のインナーリングは46Tに換装。SRMを装備したキャノンデールのSiSL2クランクを介してR9150系デュラエースDi2を駆動させる。サンウェブやトレック・セガフレードと同じくディスクブレーキローターはロード/シクロクロス用のSM-RT99。生産上の課題が生じた専用コックピット「SAVEシステムバー」は装備されていなかった。
アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
ラピエール PULSIUM ULTIMATE
アルノー・デマール(フランス)をエースに据えたグルパマFDJもノーマルロードではなく、パリ〜ルーベのためにエンデュランスロードを投入したチーム。メンバー全員が昨年刷新されたラピエールのPULSIUM ULTIMATEを駆り石畳に挑んだ。
エラストマーを使用した独自の振動減衰機構「SAT」を搭載したフレームはチームカラーのフレンチトリコロールにペイントされるが、デマールのみブルー部分がメタリックカラーの市販モデルに乗る。その他メンバーはマットブルー+銀ロゴのチーム仕様だ。
ヘッドチューブが長くなるため、ほとんどのバイクからヘッドセットのトップキャップが取り除かれていたほか、スプリンターのデマールはスポンサー外のFSA SL-Kステム(マイナス12度)でハンドル位置を低くセッティング。ホイールは全員WH-R9100-C40で揃え、タイヤはコンチネンタルCOMPETITION PRO LTD RBXだった。
上ハンドルポジションでのシフト操作を容易にするべくスプリンタースイッチをステムクランプ両側に装備し、PROのバーテープを厚めに二重巻き、さらにボトルケージをエリートのCiussi GELに変更。スタート前にはメカニックがケージを握り込む光景が確認できた。
ルスラン・トルウバイエフ(カザフスタン、アスタナ)
アルゴン18 GALLIUM
アスタナは前週のロンド・ファン・フラーンデレンから継続してアルゴン18のオールラウンドモデル、GALLIUMをパリ〜ルーベにも投入。通常使うハイエンドのGALIUM PROでなく、快適性を狙ってセカンドグレードを選択するのはカザフチーム定番の機材選択だ。
コリマのエントリーグレードカーボンホイール「47WS」とFMBのPARIS ROUBAIXという組み合わせも変わらないが、ロンドと比較してタイヤ幅が28mmと2mmワイドになっている。一台だけ「WOLFPACK RACE TUBELAR」表記が入るタイヤを取り付けたマシンが存在した。
なお、チームカーのルーフ上にはスペアとして、アルゴン18が先代GALLIUMをベースに石畳クラシック専用カスタムを施したスペシャルマシン「クラシックエディション」も搭載されていた。現行モデルとは異なりシートステーがベンド形状であることが外観上の特徴だ。
FSAと協力関係にあるため、主にクランクセットは同社製品の使用率が高い。ワイドタイヤとのクリアランスを確保するためにブレーキはTRP製を用いたことも石畳レース用のカスタムだ。
ヤニック・マルティネス(フランス、デルコ・マルセイユプロヴァンスKTM)
KTM REVELATOR SKY DMP
上位に選手を送り込むことはできなかったが、1時間遅れで失格となったものの、ブルームワゴンを従えながらヴェロドロームに辿り着いたエヴァルダス・シスケヴィシオス(リトアニア)のストーリーが話題を呼んだデルコ・マルセイユプロヴァンスKTM。かつてラポム・マルセイユとして活動し、アマチュア時代の別府史之(現トレック・セガフレード)を育てた名門チームが使うのは、日本ではオートバイで知られるオーストリアブランド、KTM。そのオールラウンドモデルのディスクブレーキバージョン、REVELATOR SKY DMPをメンバー全員が使用した。
鮮やかなスカイブルーにペイントされたフレームに搭載するのはスラムのRED eTap HRD。画像で判断する限り高速レースを見据えたインナーチェーンリングの大型化などは行われていない。ディスクローターはスラムとTRPが混在し、フラットマウントの台座はシマノ製と統一感はまちまち。
チームカラーのステッカーが貼られたコリマホイールは、アスタナと同じくエントリーグレードのWSシリーズ。組み合わせるタイヤはシュワルベのG-ONE SPEED HTとマニアックなパーツ選択を行う。フランスのチームらしくペダルはタイムで、ハンドル周りとシートポストはコントロールテックで統一されている。
text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano
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