ロンドプロバイク記事第2弾。カスタムペイントで彩られたペテル・サガンのTarmacとジョン・デゲンコルブのMadoneや、CX世界王者ワウト・ヴァンアールトのXenonなど、5チームのバイクを紹介します。



ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
スペシャライズド S-Works Tarmac


ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)のスペシャライズド S-Works Tarmacペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)のスペシャライズド S-Works Tarmac photo:Makoto.Ayano
前哨戦であるヘント〜ウェヴェルヘム覇者としてロンドに乗り込んだ世界王者ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)のバイクは、ロンドから登場したゴールドカラーのS-Works Tarmac。チームはディスクブレーキバージョンも用意していたが、サガンはリムブレーキモデルを使用(今回のロンド全体でもディスクブレーキはスペアバイクのみだった)した。続くパリ〜ルーベでは一般発売がアナウンスされたゴールドカラーのS-Works Roubaixを駆るのだろう。

ゴールドで記されたサガンのネームゴールドで記されたサガンのネーム photo:Makoto.Ayanoフランドルクラシックで機械式コンポーネントを使うのはサガンの定番仕様フランドルクラシックで機械式コンポーネントを使うのはサガンの定番仕様 photo:Makoto.Ayano

ワンオフ品と思われる延長タイプのディレイラーハンガーを用いていたワンオフ品と思われる延長タイプのディレイラーハンガーを用いていた photo:Makoto.AyanoロヴァールのCLX50とHell of the NorthタイヤロヴァールのCLX50とHell of the Northタイヤ photo:Makoto.Ayano

デュラエースクランクとスペシャライズド製パワーメーターの組み合わせデュラエースクランクとスペシャライズド製パワーメーターの組み合わせ photo:Makoto.Ayanowahooのコンピュータとパワーメーターを通信させるメカニックwahooのコンピュータとパワーメーターを通信させるメカニック photo:Makoto.Ayano


普段のレースではDi2を使うサガンだが、毎年ロンドとルーベでは機械式のR9100系デュラエースを使うことが定例で、今年もその例に漏れなかった。目につくのはワンオフ品と思われる延長タイプのディレイラーハンガーを用いていたこと。ロンドでは28Tを使ったためディレイラーのキャパシティ的に問題は無いはずだが、荒れた石畳上での暴れを考慮したものだと思われる。

ホイールはセラミックスピードのステッカーが貼られるロヴァールのCLX50で、パリ〜ルーベ用に開発された「Hell of the North」タイヤを組み合わせる。ステムは長年愛用するジップのSL SPRINT(ビニールテープで目隠し済み)で、例年同様、北のクラシックシーズン限定でPROのVIBEハンドルを使った。



ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)
トレック Madone 9


ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)のトレック Madone 9ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)のトレック Madone 9 photo:Makoto.Ayano
ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー)とジョン・デゲンコルブ(ドイツ)をエースにロンドへ挑んだトレック・セガフレードは、オールラウンダーのEmondaではなくエアロロードのMadoneをメンバー全員が使用。チームカーのルーフキャリアにはスペアとしてEmonda Discや Domane discも搭載されていた。

デゲンコルブが駆る専用のスペシャルカラー「Chasin’ Aces」は彼が愛するカフェレーサーをモチーフにしたもので、プロジェクトワンを通した一般発売も行なわれている。なお、チームカーのルーフに積まれたスペアバイクには、XTR同様のクラッチ機構を搭載したと思われる新型ディレイラーが組み込まれていた模様。

Madoneの専用ステム一体ハンドルではなく、一般的なステムを用いて振動吸収に優れたISOCORE(アイソコア)ハンドルを使用するMadoneの専用ステム一体ハンドルではなく、一般的なステムを用いて振動吸収に優れたISOCORE(アイソコア)ハンドルを使用する photo:Makoto.AyanoルーフキャリアにはスペアとしてEmonda Discや Domane discも搭載されていたルーフキャリアにはスペアとしてEmonda Discや Domane discも搭載されていた photo:Makoto.Ayano

ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー)のMadone 9は通常のチームカラージャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー)のMadone 9は通常のチームカラー photo:Makoto.Ayano
セッティング面ではサイズ調整不可能なMadone専用のステム一体型ハンドルではなく、ヘッド部分に変換キットを用いることでノーマルステムを使い、振動吸収に優れたISOCORE(アイソコア)ハンドルを使用していることがポイント。これはほとんどのチームメイトも同様だ。足回りは新型のAeolus XXX 6ホイールに「28」の表記があるヴィットリアの石畳用タイヤCORSA CONTROLを組み合わせていた。

また、ボトルケージはボントレガーブランドが確立する以前からラインアップされ続ける名品「Bat Cage」で、固定力をアップするためにゴムリングのようなものを装着していた。これは毎年石畳クラシックに向けての同チームが行う定番カスタムだ。なお、ボトルはエリート製品を使うが、他チームが投入している新作ではなく旧来製品を使い続けている、



ワウト・ヴァンアールト(ベルギー、ベランダスヴィレムス・クレラン)
スティーヴンス Xenon


ワウト・ヴァンアールト(ベルギー、ベランダスヴィレムス・クレラン)のスティーヴンス Xenonワウト・ヴァンアールト(ベルギー、ベランダスヴィレムス・クレラン)のスティーヴンス Xenon photo:Makoto.Ayano
シクロクロス世界選手権3連覇を果たし、本格的にロードレース転向するや否や大成功を収めているワウト・ヴァンアールト(ベルギー、ベランダスヴィレムス・クレラン)が駆るのは、スティーヴンスのオールラウンドモデルXenon。昨年まではフェルトを使用していたが、サプライヤーの切り替わりによって機材変更が行われた。

見やすくデザインされたチームオリジナルの行程表見やすくデザインされたチームオリジナルの行程表 photo:Makoto.AyanoコンピュータはワフーのELEMNT BOLT。ハンドル周りは全てジップコンピュータはワフーのELEMNT BOLT。ハンドル周りは全てジップ photo:Makoto.Ayano

保持力の高そうなシンプルな金属製ボトルケージ保持力の高そうなシンプルな金属製ボトルケージ photo:Makoto.Ayanoジップ303にシュワルベのG-ONE SPEED HTタイヤを貼り付けるジップ303にシュワルベのG-ONE SPEED HTタイヤを貼り付ける photo:Makoto.Ayano


コンポーネントは少数派のスラムで、世界で初めて無線変速を市販化したRed eTapを愛用する。ホイールやハンドル、ステム、シートポストはジップ、パワーメーターはクォークとスラム系列ブランドで統一されており、各レースで使用率の高い303ホイールにはシュワルベのG-ONE SPEED HTタイヤを取り付ける。コンピュータはワフーのELEMNT BOLTだ。



アムントグレンダール・ヤンセン(ノルウェー、ロットNLユンボ)
ビアンキ OLTRE XR4


アムントグレンダール・ヤンセン(ノルウェー、ロットNLユンボ)のビアンキ OLTRE XR4アムントグレンダール・ヤンセン(ノルウェー、ロットNLユンボ)のビアンキ OLTRE XR4 photo:Makoto.Ayano
ヴィジョンのステム一体型ハンドル、Metron 5Dの使用率が高めヴィジョンのステム一体型ハンドル、Metron 5Dの使用率が高め photo:Makoto.Ayano破損リスクを踏まえてかホイールは旧型の9000系(C50)で統一破損リスクを踏まえてかホイールは旧型の9000系(C50)で統一 photo:Makoto.Ayano


オランダのロットNLユンボは写真のアムントグレンダール・ヤンセン(ノルウェー)を始め、メンバー全員が通常レースで使用率の高いOLTRE XR4に乗った。

シマノサポートチームだけに最新のR9150系デュラエースDi2で統一しているものの、破損リスクを考慮してかフランドルクラシック用ホイールは旧型の9000系(C50)で統一。EFエデュケーションファースト・ドラパックと同じく一般品とは異なるトレッドパターンを持つヴィットリアのパリ〜ルーベ用タイヤ、CORSA CONTROL(28c)を貼り付けた。



マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ)
アルゴン18 GALLIUM


マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ)のアルゴン18 GALLIUMマグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ)のアルゴン18 GALLIUM photo:Makoto.Ayano
マグナス・コルトニールセン(デンマーク)が20位となったアスタナは、アルゴン18のオールラウンドモデルGALLIUMをフランドルウィークに投入中。ハイエンドモデルのGALIUM PROでないのは快適性を狙った上での選択と思われ、これは昨年同様だ。

一部のバイクはセラミックスピードのビッグプーリー回転性能をチューンアップ済み一部のバイクはセラミックスピードのビッグプーリー回転性能をチューンアップ済み photo:Makoto.Ayanoコリマのエントリーグレード、WSシリーズを使用。タイヤはFMBの26mmコリマのエントリーグレード、WSシリーズを使用。タイヤはFMBの26mm photo:Makoto.Ayano

FSAとの関係深いアスタナ。駆動系は同社製品率が高いFSAとの関係深いアスタナ。駆動系は同社製品率が高い photo:Makoto.Ayanoローレンス・デヴリーズ(ベルギー)のバイク。微妙な差異が確認できるローレンス・デヴリーズ(ベルギー)のバイク。微妙な差異が確認できる photo:Makoto.Ayano


FSAと関係深いチームだけに、ハンドル周りやシートポスト、クランクセットなどは同社製品を使用している。ワイヤレス式コンポーネントであるK-FORCE WEは未だ搭載が見送られている模様で、コルトニールセンやローレンス・デヴリーズ(ベルギー)のバイクはセラミックスピードのビッグプーリーでチューンアップされていた。なおパワーメーターはFSAがリリースした「POWERBOX」ではなく、パワー2マックスのクランク式を使う(POWERBOXもシステム自体はパワー2マックス製)。コルトニールセンのアウターリング歯数は54Tだ。

アスタナは通常コリマのハイエンドホイール「S+」シリーズを使うが、落車破損のリスクを踏まえてか末弟モデルの「WS」を持ち込んだ。32mmハイトや47mmハイトが選手によって使い分けられ、FMBの26mmタイヤを装着する。

text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano
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