2018/04/02(月) - 11:31
「夢のレースで勝った」と喜ぶのはロンド・ファン・フラーンデレン初制覇を果たしたニキ・テルプストラ。表彰台に上った22歳のマッズ・ペデルセンやフィリップ・ジルベール、レースを動かした主役たちのコメントを紹介します。
1位 ニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップフロアーズ)
本当にインクレディブルな(信じられない)勝利。子供の頃からテレビで見ていたロンドとパリ〜ルーベという夢のレースで勝つことができた。当時、恋に落ちたといっていい2つのレースで勝ったことは大きな喜びだ。クラシックレースで勝つには脚力だけじゃなくて運も必要で、今日は全てがパーフェクトだった。
集団を抜け出して先頭グループの追走を始めた時、風が強くてなかなかペースを上げることができなかった。ロンドでは正しいタイミングで正しいアタックを仕掛ける必要がある。すでに最高のシーズンになっているけど、これもすべて強いチームのおかげ。チームメイトたちの走りに今後のレースで報いたい。偉大なるチームの一員になることを誇りに思うよ。
2位 マッズ・ペデルセン(デンマーク、トレック・セガフレード)
チームには2人のリーダー(デゲンコルプとストゥイヴェン)がいて、早めに動いてライバルチームにプレッシャーを与えるのが自分の役割だった。チーム戦略に沿ってアタックに反応して、そのまま逃げ切った。さすがに逃げ切れるとは思っていなかったよ。オウデ・クワレモントでニキ・テルプストラが追いついてきた時、あと少しで食らいつけたけど彼はモーターバイクのようなスピードだったので脱落。そこからフィニッシュまでは本当に限界の走りだった。自分にできるのは、ペダルを回すことだけだった。
260kmを超えるようなレースではどんなコンディションであれサバイバルになる。まだ若い自分にとって、最高のレースで残した2位という結果は大きな意味がある。これから経験を積んでまたここに戻ってきたい。
3位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)
これはまさにチームの勝利。チームメイト一人一人がそれぞれの役割を果たした完璧なレースだった。今日は最も強い選手が勝った。スマートに力強い走りを見せたニキの勝利を嬉しく思う。昨年は自分が勝ってニキが3位だったので今年はその逆。今シーズンはクイックステップフロアーズとして良い流れに乗っているので、この流れを絶やさずに戦い続けたい。
4位 ミケル・ヴァルグレン(デンマーク、アスタナ)
逃げが生まれるまで長い時間がかかったけど、トルルス・コルシャイスが危険な逃げをすべて封じてくれた。気象条件はとてもタフだったけどそれは全員同じ。ミュールに向けてナーバスになった集団内に発生した落車に巻き込まれて、その時点で今日のレースは終わりだと思った。でもチームメイトたちのおかげで無事に集団に復帰できたんだ。
急坂や石畳といった重要な局面でサポートしてくれたチームのパフォーマンスに感激している。ロンドで4位という結果は大きい。もちろん表彰台に上りたかったけど、レース前半にエネルギーを浪費したことを考えると悪くない結果だと思う。
5位 グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
誰もが苦しい状況で彼(ニキ・テルプストラ)がアタック。ヴィンチェンツォ・ニバリを千切るほどの走りを見せ、最も強い選手が勝った。有力選手の一人だったと自負しているし、もっと違う走りができたと思うけど、力の面で頭一つ抜け出したテルプストラが正しいタイミングでアタックした。そこからフィニッシュまで逃げ切ったテルプストラの走りはインプレッシブだった。
テルプストラに先行を許してしまった自分たちの力は拮抗していて、誰も飛び出せず、お互いを牽制してペースが落ちた。これまで何度も経験している思わしくない展開に陥ってしまったんだ。2位か3位は狙えたと思うけど、今日は勝利は狙えない状況だった。
6位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
序盤からクイックステップフロアーズやチームスカイ、BMCレーシングがハイペースを刻む速くて厳しいロンドだった。自分のパフォーマンスや、力強くサポートしてくれたチームの走りには満足している。テルプストラを追走するために全力を尽くしたものの、単独ではとても追いつけなかった。コンディションは良いので来週のパリ〜ルーベが楽しみだ。
8位 ティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル)
レースの中で最も強い選手の一人だったと思うので、8位という結果は少し残念。今日はスタートからフィニッシュまで脚がよく回った。終盤にかけて孤立してしまう状況になってしまい、位置どりが悪くてテルプストラのアタックに反応できなかった。登りでニバリを置き去りにするテルプストラの走りはインプレッシブで、勝利に値する走りだったと思う。
8位という成績はコンディションの良さの証明だけど、狙っていたのはもっと上の成績。将来的にこのロンドで良い成績を残したい。これからスペインのシエラネバダでの高地トレーニングに戻り、アルデンヌクラシックに備えたい。
9位 ワウト・ヴァンアールト(ベルギー、ベランダスヴィレムス・クレラン)
予想通り、自然と人数が減っていくサバイバルだった。厳しい登りが断続的に登場。実は密かにトップ10を狙っていたんだ。まだ調子が良いので、この状態をあと1週間キープしたい。来週のパリ〜ルーベでは「クロッサー」としてのアドバンテージを生かしながら石畳路で力を温存したい。自分にとってパリ〜ルーベは新しい挑戦であり、どう転ぶかはとにかく走ってみないとわからない。とにかく楽しみで、どんなに悪い結果でも春の成功は揺るがない。
12位 ディラン・ファンバーレ(オランダ、チームスカイ)
ミュール手前の馬鹿げた落車で沿道に投げ飛ばされ、バイク交換して再スタートした時は「もう終わった」と思った。でも諦めず、信じて戦い続けたんだ。結果的に良いレースだったと思う。コッペンベルグの手前が良いアタックポイントだと予想していて、利害が一致する友人のラングフェルドと一緒にアタック。厳しいレースの最後にスプリントする力は残っていなかった。
15位 アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
常にチームは集団前方に位置していたし、戦略は完璧だった。ただ終盤の勝負どころで身体的に何かが足りなかったんだ。それでも、オウデ・クワレモントとパテルベルグを強いグループの中でクリアできたことをポジティブに捉えている。前年までの走りと比べるとずっと良かったし、もっと前で最後のオウデ・クワレモントをクリアできればより良い成績を残せると思う。
24位 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
アタックしたけど、決定的なリードを奪うほどの力がなかった。自分にとって初めてのロンド。まるで洗濯機の中を走っているようだった。常にペースが速く、とても印象的なレースだったよ。
text:Kei.Tsuji
1位 ニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップフロアーズ)
本当にインクレディブルな(信じられない)勝利。子供の頃からテレビで見ていたロンドとパリ〜ルーベという夢のレースで勝つことができた。当時、恋に落ちたといっていい2つのレースで勝ったことは大きな喜びだ。クラシックレースで勝つには脚力だけじゃなくて運も必要で、今日は全てがパーフェクトだった。
集団を抜け出して先頭グループの追走を始めた時、風が強くてなかなかペースを上げることができなかった。ロンドでは正しいタイミングで正しいアタックを仕掛ける必要がある。すでに最高のシーズンになっているけど、これもすべて強いチームのおかげ。チームメイトたちの走りに今後のレースで報いたい。偉大なるチームの一員になることを誇りに思うよ。
2位 マッズ・ペデルセン(デンマーク、トレック・セガフレード)
チームには2人のリーダー(デゲンコルプとストゥイヴェン)がいて、早めに動いてライバルチームにプレッシャーを与えるのが自分の役割だった。チーム戦略に沿ってアタックに反応して、そのまま逃げ切った。さすがに逃げ切れるとは思っていなかったよ。オウデ・クワレモントでニキ・テルプストラが追いついてきた時、あと少しで食らいつけたけど彼はモーターバイクのようなスピードだったので脱落。そこからフィニッシュまでは本当に限界の走りだった。自分にできるのは、ペダルを回すことだけだった。
260kmを超えるようなレースではどんなコンディションであれサバイバルになる。まだ若い自分にとって、最高のレースで残した2位という結果は大きな意味がある。これから経験を積んでまたここに戻ってきたい。
3位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)
これはまさにチームの勝利。チームメイト一人一人がそれぞれの役割を果たした完璧なレースだった。今日は最も強い選手が勝った。スマートに力強い走りを見せたニキの勝利を嬉しく思う。昨年は自分が勝ってニキが3位だったので今年はその逆。今シーズンはクイックステップフロアーズとして良い流れに乗っているので、この流れを絶やさずに戦い続けたい。
4位 ミケル・ヴァルグレン(デンマーク、アスタナ)
逃げが生まれるまで長い時間がかかったけど、トルルス・コルシャイスが危険な逃げをすべて封じてくれた。気象条件はとてもタフだったけどそれは全員同じ。ミュールに向けてナーバスになった集団内に発生した落車に巻き込まれて、その時点で今日のレースは終わりだと思った。でもチームメイトたちのおかげで無事に集団に復帰できたんだ。
急坂や石畳といった重要な局面でサポートしてくれたチームのパフォーマンスに感激している。ロンドで4位という結果は大きい。もちろん表彰台に上りたかったけど、レース前半にエネルギーを浪費したことを考えると悪くない結果だと思う。
5位 グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
誰もが苦しい状況で彼(ニキ・テルプストラ)がアタック。ヴィンチェンツォ・ニバリを千切るほどの走りを見せ、最も強い選手が勝った。有力選手の一人だったと自負しているし、もっと違う走りができたと思うけど、力の面で頭一つ抜け出したテルプストラが正しいタイミングでアタックした。そこからフィニッシュまで逃げ切ったテルプストラの走りはインプレッシブだった。
テルプストラに先行を許してしまった自分たちの力は拮抗していて、誰も飛び出せず、お互いを牽制してペースが落ちた。これまで何度も経験している思わしくない展開に陥ってしまったんだ。2位か3位は狙えたと思うけど、今日は勝利は狙えない状況だった。
6位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
序盤からクイックステップフロアーズやチームスカイ、BMCレーシングがハイペースを刻む速くて厳しいロンドだった。自分のパフォーマンスや、力強くサポートしてくれたチームの走りには満足している。テルプストラを追走するために全力を尽くしたものの、単独ではとても追いつけなかった。コンディションは良いので来週のパリ〜ルーベが楽しみだ。
8位 ティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル)
レースの中で最も強い選手の一人だったと思うので、8位という結果は少し残念。今日はスタートからフィニッシュまで脚がよく回った。終盤にかけて孤立してしまう状況になってしまい、位置どりが悪くてテルプストラのアタックに反応できなかった。登りでニバリを置き去りにするテルプストラの走りはインプレッシブで、勝利に値する走りだったと思う。
8位という成績はコンディションの良さの証明だけど、狙っていたのはもっと上の成績。将来的にこのロンドで良い成績を残したい。これからスペインのシエラネバダでの高地トレーニングに戻り、アルデンヌクラシックに備えたい。
9位 ワウト・ヴァンアールト(ベルギー、ベランダスヴィレムス・クレラン)
予想通り、自然と人数が減っていくサバイバルだった。厳しい登りが断続的に登場。実は密かにトップ10を狙っていたんだ。まだ調子が良いので、この状態をあと1週間キープしたい。来週のパリ〜ルーベでは「クロッサー」としてのアドバンテージを生かしながら石畳路で力を温存したい。自分にとってパリ〜ルーベは新しい挑戦であり、どう転ぶかはとにかく走ってみないとわからない。とにかく楽しみで、どんなに悪い結果でも春の成功は揺るがない。
12位 ディラン・ファンバーレ(オランダ、チームスカイ)
ミュール手前の馬鹿げた落車で沿道に投げ飛ばされ、バイク交換して再スタートした時は「もう終わった」と思った。でも諦めず、信じて戦い続けたんだ。結果的に良いレースだったと思う。コッペンベルグの手前が良いアタックポイントだと予想していて、利害が一致する友人のラングフェルドと一緒にアタック。厳しいレースの最後にスプリントする力は残っていなかった。
15位 アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
常にチームは集団前方に位置していたし、戦略は完璧だった。ただ終盤の勝負どころで身体的に何かが足りなかったんだ。それでも、オウデ・クワレモントとパテルベルグを強いグループの中でクリアできたことをポジティブに捉えている。前年までの走りと比べるとずっと良かったし、もっと前で最後のオウデ・クワレモントをクリアできればより良い成績を残せると思う。
24位 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
アタックしたけど、決定的なリードを奪うほどの力がなかった。自分にとって初めてのロンド。まるで洗濯機の中を走っているようだった。常にペースが速く、とても印象的なレースだったよ。
text:Kei.Tsuji
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