2018/04/09(月) - 09:39
ヴィットリアの高性能レーシングタイヤ、CORSAシリーズのTT・ヒルクライムレース向けモデル「CORSA SPEED」に新色のブラックサイドと25mm幅が追加された。昨今のワイドリムホイールへ対応させたアップデートで、よりカラーとタイヤ幅の選択肢を増やしたラインアップにて販売される。
1953年に創業したイタリアの自転車用総合タイヤブランド、ヴィットリア。車や産業機械のタイヤも手掛ける大手タイヤブランドとは異なり、自転車用、さらに言えばサイクルロードレース向けのレーシングタイヤを主軸としてきたブランドである。
そのヴィットリアの中でも、ハイエンドレーシングタイヤとしてラインアップの頂点に君臨するのがCORSAシリーズ。高い人気を誇る定番タイヤとして幅広いサイクリストに愛用されてきたモデルだが、2016年には最先端素材グラフェンを投入しフルモデルチェンジを果たした。今回インプレッションしたのは、その中でもよりスピードを追求した決戦タイヤ「CORSA SPEED」である。
コンパウンドは現在自転車用タイヤとしては唯一無二の存在である、同社が誇る高品質グラフェンを配合した「G-Isotech 1C」コンパウンドを使用。。グラフェンは2004年に発見され、2010年にノーベル賞を受賞した最先端素材であるが、これをコンパウンドに使用することで、直進時には堅くなり転がり抵抗を低減。タイヤへの負荷が増える加減速時やコーナリング時にはグリップ力が増すという、インテリジェントな性能を獲得している。
タイヤの基礎となるケーシング部分にはコアスパンT320TPIを採用。ヴィットリアのラインアップの中でも最も軽く、しなやかな繊維で、トラック用決戦タイヤにも使用される。またスピードを重視しトレッドセンター部分をスリックに、かつトレッド面を狭くしシングルコンパウンドとすることで、耐パンク性は犠牲としつつも軽量化を図っている。
製造は完全ハンドメイドとなっており、熟練の職人により高い精度で縫われるのは従来のヴィットリアチューブラータイヤと同様。プロのレースで勝負することが出来る高品質タイヤたる由縁の1つでもあるだろう。
もちろんワールドツアーチームにも採用されており、CORSA SPEEDを使用した最近のレースでは、3月に行われたティレーノ〜アドリアティコの第1ステージ、チームTTでBMCレーシングが優勝。最終第7ステージの個人TTでもローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)が優勝、ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ)が2位と、特にタイムトライアルレースでの優れた成績が同タイヤの高い性能を証明している。
サイズは今シーズンから23mm幅に加え、昨今の幅広リムに対応する25mm幅がラインアップに追加。その上、カラーもスキンサイド、グレーサイドとともに、新たにブラックサイドが加わることで、好みに応じた3カラーから選べる展開となった。
価格はチューブラーモデルが15,000円(税抜)、オープンチューブレスレディモデルが9,000円(税抜)だ。今回はこのCORSA SPEEDに新規追加された25mm幅、ブラックサイドをチューブラーモデルにてテスト。それでは、インプレッションに移ろう。
― インプレッション
「23mmのメリットはそのままに、グリップ性能を強化」高木友明(アウトドアスペース風魔横浜)
私は普段からCORSA SPEEDの23mmをレースで使用しているのですが、今回テストした25mm幅でも同タイヤの特徴である軽い転がり感としなやかな乗り心地はそのまま継承されていますね。その上で、コーナーリング時のグリップ性能も増していますし、重量的デメリットも体感では全く感じませんでしたので、単純にワイドリムのホイールであればこちらを選びたいですね。
やはりCORSA SPEEDのメリットの1つとして転がり抵抗の少なさが挙げられるのですが、それは25mmになっても顕著に感じられました。漕ぎ出しの軽さもありますし、高速巡航時のスピードの維持も容易となっています。走行中にコーッという独特の音はするのも23mmと同様で、転がりの良さを耳でも感じさせてくれますね。
またしなやかな乗り味もこのタイヤの特長の1つです。ヴィットリア伝統のハンドメイドチューブラーということもあり、またコンパウンドに使用されているグラフェンの効果もあってか、非常に滑らかなライドフィールです。23mmの良いポイントを全くスポイルしていないという部分は好印象ですね。
今回新たにブラックサイドが登場したということですが、カーボンディープリムホイールと合わせることで、リムハイトがより高く見えるような効果もあって格好良く仕上がりますね。加えてタイヤサイドにブラックのコーティングを施す分、耐久性が少し向上しているのではないかと思います。またバイクによってはスキンサイドが似合わないカラーもあると思うので、カラーの選択肢が増えたことは歓迎される部分でしょう。
ヴィットリア CORSA SPEED
タイヤタイプ:チューブラー
サイズ:23mm、25mm
ケーシング:コアスパンK320TPI
コンパウンド:グラフェンG+Isotech 4C
チューブ:ラテックス
カラー:フルブラック、ブラック/グレー、ブラック
価 格:15,000円(税別、チューブラー)
9,000円(税抜、オープンチューブレスレディ)
インプレッションライダーのプロフィール
高木友明(アウトドアスペース風魔横浜)
横浜駅から徒歩10分、ベイサイドエリアに店舗を構えるアウトドアスペース風魔横浜の店長。前職メッセンジャーの経験を活かし自転車業界へ。自身はロードバイクをメインに最近はレース活動にも力を入れる実走派だ。ショップはロード・MTBの2本柱で幅広い自転車遊びを提案している。物を売るだけでなくお客さんと一緒にスポーツサイクルを楽しむことを大事にし、イベント参加なども積極的に行っている。
CWレコメンドショップページ
アウトドアスペース風魔横浜 ショップHP
text:Kosuke.Kamata
photo:Makoto.AYANO
1953年に創業したイタリアの自転車用総合タイヤブランド、ヴィットリア。車や産業機械のタイヤも手掛ける大手タイヤブランドとは異なり、自転車用、さらに言えばサイクルロードレース向けのレーシングタイヤを主軸としてきたブランドである。
そのヴィットリアの中でも、ハイエンドレーシングタイヤとしてラインアップの頂点に君臨するのがCORSAシリーズ。高い人気を誇る定番タイヤとして幅広いサイクリストに愛用されてきたモデルだが、2016年には最先端素材グラフェンを投入しフルモデルチェンジを果たした。今回インプレッションしたのは、その中でもよりスピードを追求した決戦タイヤ「CORSA SPEED」である。
コンパウンドは現在自転車用タイヤとしては唯一無二の存在である、同社が誇る高品質グラフェンを配合した「G-Isotech 1C」コンパウンドを使用。。グラフェンは2004年に発見され、2010年にノーベル賞を受賞した最先端素材であるが、これをコンパウンドに使用することで、直進時には堅くなり転がり抵抗を低減。タイヤへの負荷が増える加減速時やコーナリング時にはグリップ力が増すという、インテリジェントな性能を獲得している。
タイヤの基礎となるケーシング部分にはコアスパンT320TPIを採用。ヴィットリアのラインアップの中でも最も軽く、しなやかな繊維で、トラック用決戦タイヤにも使用される。またスピードを重視しトレッドセンター部分をスリックに、かつトレッド面を狭くしシングルコンパウンドとすることで、耐パンク性は犠牲としつつも軽量化を図っている。
製造は完全ハンドメイドとなっており、熟練の職人により高い精度で縫われるのは従来のヴィットリアチューブラータイヤと同様。プロのレースで勝負することが出来る高品質タイヤたる由縁の1つでもあるだろう。
もちろんワールドツアーチームにも採用されており、CORSA SPEEDを使用した最近のレースでは、3月に行われたティレーノ〜アドリアティコの第1ステージ、チームTTでBMCレーシングが優勝。最終第7ステージの個人TTでもローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)が優勝、ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ)が2位と、特にタイムトライアルレースでの優れた成績が同タイヤの高い性能を証明している。
サイズは今シーズンから23mm幅に加え、昨今の幅広リムに対応する25mm幅がラインアップに追加。その上、カラーもスキンサイド、グレーサイドとともに、新たにブラックサイドが加わることで、好みに応じた3カラーから選べる展開となった。
価格はチューブラーモデルが15,000円(税抜)、オープンチューブレスレディモデルが9,000円(税抜)だ。今回はこのCORSA SPEEDに新規追加された25mm幅、ブラックサイドをチューブラーモデルにてテスト。それでは、インプレッションに移ろう。
― インプレッション
「23mmのメリットはそのままに、グリップ性能を強化」高木友明(アウトドアスペース風魔横浜)
私は普段からCORSA SPEEDの23mmをレースで使用しているのですが、今回テストした25mm幅でも同タイヤの特徴である軽い転がり感としなやかな乗り心地はそのまま継承されていますね。その上で、コーナーリング時のグリップ性能も増していますし、重量的デメリットも体感では全く感じませんでしたので、単純にワイドリムのホイールであればこちらを選びたいですね。
やはりCORSA SPEEDのメリットの1つとして転がり抵抗の少なさが挙げられるのですが、それは25mmになっても顕著に感じられました。漕ぎ出しの軽さもありますし、高速巡航時のスピードの維持も容易となっています。走行中にコーッという独特の音はするのも23mmと同様で、転がりの良さを耳でも感じさせてくれますね。
またしなやかな乗り味もこのタイヤの特長の1つです。ヴィットリア伝統のハンドメイドチューブラーということもあり、またコンパウンドに使用されているグラフェンの効果もあってか、非常に滑らかなライドフィールです。23mmの良いポイントを全くスポイルしていないという部分は好印象ですね。
今回新たにブラックサイドが登場したということですが、カーボンディープリムホイールと合わせることで、リムハイトがより高く見えるような効果もあって格好良く仕上がりますね。加えてタイヤサイドにブラックのコーティングを施す分、耐久性が少し向上しているのではないかと思います。またバイクによってはスキンサイドが似合わないカラーもあると思うので、カラーの選択肢が増えたことは歓迎される部分でしょう。
ヴィットリア CORSA SPEED
タイヤタイプ:チューブラー
サイズ:23mm、25mm
ケーシング:コアスパンK320TPI
コンパウンド:グラフェンG+Isotech 4C
チューブ:ラテックス
カラー:フルブラック、ブラック/グレー、ブラック
価 格:15,000円(税別、チューブラー)
9,000円(税抜、オープンチューブレスレディ)
インプレッションライダーのプロフィール
高木友明(アウトドアスペース風魔横浜)
横浜駅から徒歩10分、ベイサイドエリアに店舗を構えるアウトドアスペース風魔横浜の店長。前職メッセンジャーの経験を活かし自転車業界へ。自身はロードバイクをメインに最近はレース活動にも力を入れる実走派だ。ショップはロード・MTBの2本柱で幅広い自転車遊びを提案している。物を売るだけでなくお客さんと一緒にスポーツサイクルを楽しむことを大事にし、イベント参加なども積極的に行っている。
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text:Kosuke.Kamata
photo:Makoto.AYANO
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