2018/03/12(月) - 01:15
全日本学生ロードレース・カップ・シリーズ最終戦の「第12回明治神宮外苑大学クリテリウム」が、東京都内の明治神宮外苑で開催され、アムステルダム大学の デルク・アベル・ベックリン(Derk Abel Beckringh) が優勝。明治大学の渡邉慶太が2位に入った。女子は鹿屋体育大学の橋本優弥が優勝した。
今年12回目の開催となる明治神宮外苑大学クリテリウム。会場となる明治神宮外苑では新しい国立競技場の建設が進んでおり、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて注目が集まっている場所だ。
1周1.5kmのコースは、工事によりコーナーが変更になった箇所があるものの、聖徳記念絵画館前をスタートし、銀杏並木を折り返す基本部分は変わらない。
今年の海外大学からの招待選手は、オランダのアムステルダム大学からの3名。中でも、ダーフィット・ファン・イール(David van Eerd)は、ピストバイクのクリテリウムシリーズ「レッドフッククリテリウム」で、昨年シリーズ3位になる実力を持つ選手。他の2名も含め、その強さが注目された。
この日の東京都内は、雲が多めながらも晴れ。最高気温は4月上旬並みの16度まで上がった。しかし時折吹き抜ける風はまだ冷たく、観客のほとんどは冬服のままだ。
アムステルダム大学がワン・スリーフィニッシュ。明大・渡邉慶太が2位
男子のグループ1は20周30km。スタート直後からアタックがかかり、集団は一列棒状で進行する。4周目、5人が抜け出し、集団との差を広げる。メンバーは、アムステルダム大学のイールと、デルク・アベル・ベックリン、村田瑞季(中央大学)、小野寛斗(早稲田大学)、渡邉慶太(明治大学)。5人は均等に先頭交代しながらペースを維持し、メイン集団との差を最大30秒まで広げる。
追うメイン集団では、逃げにメンバーを送りこめなかった大学が追走しようとするものの、なかなか足並みが揃わない。メイン集団に残ったアムステルダム大学のショルス・ハンフラーフが要所で追走の動きをチェックに入ることもあり、レース終盤に差しかかっても20秒以下まで差が縮まらず、一向に逃げが吸収される気配がない。
残り3周、メイン集団から石原悠希(順天堂大)が単独で飛び出して追走。逃げ集団との差を15秒まで詰めるが、追いつくには周回数が足りず。勝負は序盤から逃げ続けた5人に絞られた。
残り100m、先頭で現れたのはベックリン。後続が離れているのを確認しつつ、スプリントを制して優勝。2位争いは僅差で渡邉が先着。3位にイールが入り、アムステルダム大学がワン・スリーフィニッシュを達成した。
優勝したベックリンは「凄く楽しかった、コースも観客も良かったし、そこで勝てて良かった。日本にはるばる来たかいがあったよ。落車があるだろうと思っていたので、前で展開する事が大切だと思っていたんだ。逃げに乗った後は5人で上手く協調して走れていた。一緒に逃げていたチームメイトはスプリントに強くて、そして僕にはスピードがあるので、手札は多かった」と、レースを振り返る。
「自分の持ち味はスピードがある事。風の強いレース以外はどんなレースにも対応できると思っている。特に短いサーキットコースでの、ハイスピードレースが好きなので、今回はピッタリハマったよ」と、自分の得意分野と神宮外苑のコースが一致したようだ。
一方、2位の渡邉は「明治大学としては自分が積極的に逃げに乗って、先輩達が集団で待機する作戦だったのですが、序盤の落車に先輩が巻き込まれてしまったので、最後まで残らないといけないと思って粘りました。思ったより集団との差が詰まらなかったので、残り2周でこのメンバーで勝負だと思い、気持ちを切り替えました。
残り600mでアムステルダムの選手が仕掛けて、一瞬お見合いになったので自分から追走したのですが、逃げ切られてしまいました。最後はもう1人のアムステルダムの選手が差にきたので、気力で踏み切りました」と話す。
今年の目標を聞くと、「タイムトライアルの全日本選手権と、インカレの学校対抗で貢献出来るようにしたい」と語った。
今年12回目の開催となる明治神宮外苑大学クリテリウム。会場となる明治神宮外苑では新しい国立競技場の建設が進んでおり、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて注目が集まっている場所だ。
1周1.5kmのコースは、工事によりコーナーが変更になった箇所があるものの、聖徳記念絵画館前をスタートし、銀杏並木を折り返す基本部分は変わらない。
今年の海外大学からの招待選手は、オランダのアムステルダム大学からの3名。中でも、ダーフィット・ファン・イール(David van Eerd)は、ピストバイクのクリテリウムシリーズ「レッドフッククリテリウム」で、昨年シリーズ3位になる実力を持つ選手。他の2名も含め、その強さが注目された。
この日の東京都内は、雲が多めながらも晴れ。最高気温は4月上旬並みの16度まで上がった。しかし時折吹き抜ける風はまだ冷たく、観客のほとんどは冬服のままだ。
アムステルダム大学がワン・スリーフィニッシュ。明大・渡邉慶太が2位
男子のグループ1は20周30km。スタート直後からアタックがかかり、集団は一列棒状で進行する。4周目、5人が抜け出し、集団との差を広げる。メンバーは、アムステルダム大学のイールと、デルク・アベル・ベックリン、村田瑞季(中央大学)、小野寛斗(早稲田大学)、渡邉慶太(明治大学)。5人は均等に先頭交代しながらペースを維持し、メイン集団との差を最大30秒まで広げる。
追うメイン集団では、逃げにメンバーを送りこめなかった大学が追走しようとするものの、なかなか足並みが揃わない。メイン集団に残ったアムステルダム大学のショルス・ハンフラーフが要所で追走の動きをチェックに入ることもあり、レース終盤に差しかかっても20秒以下まで差が縮まらず、一向に逃げが吸収される気配がない。
残り3周、メイン集団から石原悠希(順天堂大)が単独で飛び出して追走。逃げ集団との差を15秒まで詰めるが、追いつくには周回数が足りず。勝負は序盤から逃げ続けた5人に絞られた。
残り100m、先頭で現れたのはベックリン。後続が離れているのを確認しつつ、スプリントを制して優勝。2位争いは僅差で渡邉が先着。3位にイールが入り、アムステルダム大学がワン・スリーフィニッシュを達成した。
優勝したベックリンは「凄く楽しかった、コースも観客も良かったし、そこで勝てて良かった。日本にはるばる来たかいがあったよ。落車があるだろうと思っていたので、前で展開する事が大切だと思っていたんだ。逃げに乗った後は5人で上手く協調して走れていた。一緒に逃げていたチームメイトはスプリントに強くて、そして僕にはスピードがあるので、手札は多かった」と、レースを振り返る。
「自分の持ち味はスピードがある事。風の強いレース以外はどんなレースにも対応できると思っている。特に短いサーキットコースでの、ハイスピードレースが好きなので、今回はピッタリハマったよ」と、自分の得意分野と神宮外苑のコースが一致したようだ。
一方、2位の渡邉は「明治大学としては自分が積極的に逃げに乗って、先輩達が集団で待機する作戦だったのですが、序盤の落車に先輩が巻き込まれてしまったので、最後まで残らないといけないと思って粘りました。思ったより集団との差が詰まらなかったので、残り2周でこのメンバーで勝負だと思い、気持ちを切り替えました。
残り600mでアムステルダムの選手が仕掛けて、一瞬お見合いになったので自分から追走したのですが、逃げ切られてしまいました。最後はもう1人のアムステルダムの選手が差にきたので、気力で踏み切りました」と話す。
今年の目標を聞くと、「タイムトライアルの全日本選手権と、インカレの学校対抗で貢献出来るようにしたい」と語った。
グループ1(30km)
大学対抗 | ||||
---|---|---|---|---|
1位 | Derk Abel Beckeringh(アムステルダム大学) | 42分55秒 | アムステルダム大学 | 4p |
2位 | 渡邉慶太(明治大学) | + 0秒 | 中央大学 | 12p |
3位 | David van Eerd(アムステルダム大学) | 明治大学 | 16p | |
4位 | 小野寛斗(早稲田大学) | |||
5位 | 村田瑞季(中央大学) | +2秒 | ||
6位 | 篠田幸希(日本体育大学) | +22秒 |
女子 トラック世界選帰りの橋本優弥が優勝
8周12kmで行われた女子は、3周目までに5人が先行し、後続はばらける。メンバーは、小泉夢菜(早稲田大学)、中村愛花(日本体育大学)、橋本優弥(鹿屋体育大学)、太郎田水桜(東京成徳大学高等学校)、石上夢乃(横浜創学館高校)。最後は5人によるスプリント勝負となり、橋本が優勝した。
6日にトラックの世界選手権から帰国したばかりの橋本は「本当は出る予定ではなかったのですが、神宮クリテは楽しいので出させてもらいました。勝てて良かったです」と、感想を話す。
トラックのナショナルチームは年初からオーストラリアで合宿し、マレーシアのアジア選手権、オランダの世界選手権と転戦してきたが、「アジア選手権の時に身体的にも気持ち的にもピークが来てしまって、世界選手権はギリギリでした」と言う。
「帰国してオフという意識もあり、このレースは楽しむつもりでした。でもナショナルチームの一員としての責任もあるので内心勝たないといけないと思っていたので、今はホッとしています。団体追抜きの練習がメインでもがき練習をしばらくやっていなかったので、スプリント勝負には持ち込みたくなかったのですが、逃げ切る足がありませんでした。そこは今日の課題です」と、反省を交えて話す橋本。次の目標は8月のアジア大会だ。
「ナショナルチームの一員として、アジア大会で優勝に貢献できるように気持ちを入れ直して頑張ります」と、抱負を語った。
女子(12km)
1位 | 橋本優弥(鹿屋体育大学) | 19分36秒 |
2位 | 小泉夢菜(早稲田大学) | +0秒 |
3位 | 中村愛花(日本体育大学) | |
4位 | 太郎田水桜(東京聖徳大学高等学校) | +2秒 |
5位 | 石上夢乃(横浜創学館高校) | +6秒 |
グループ2
グループ3
マスターズ
マスターズクリテリウム(12km) | マスターズタイムトライアル(1.5km) | |||
---|---|---|---|---|
1位 | 小川恵佑(なるしまフレンドレーシングチーム) | 17分27秒 | 山本健一(Roppong Express) | 1分32秒85 |
2位 | 高岡亮寛(Roppongi Express) | +1秒 | 小畑 郁(なるしまフレンドレーシングチーム) | 1分34秒04 |
3位 | 小畑 郁(なるしまフレンドレーシングチーム) | 藤田征樹(チーム・チェブロ) | 1分41秒12 |
ハンドサイクル
ロードレース(8km) | タイムトライアル(1.5km) | |||
---|---|---|---|---|
1位 | 奥村直彦 | 22分6秒 | 田中誠治 | 1分54秒49 |
2位 | 木村潤平 | +22秒 | 木村潤平 | 1分55秒68 |
3位 | 島田一彦 | +48秒 | 吉田竜太 | 2分3秒87 |
4位 | 末吉政巳 | +2分12秒 | 末吉政巳 | 2分10秒10 |
5位 | 松本 亘 | −1LAP | 権丈泰巳 | 3分19秒59 |
text&photo:Satoru Kato
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