4日間の日程で開催されたサントス・ウィメンズツアー・ダウンアンダーは最終日。最終スプリントでクロエ・ホスキング(アレ・チポッリーニ)が勝利し、アマンダ・スプラット(ミッチェルトン・スコット)が落車しながらも総合首位を守った。


リーダージャージを着るアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)が最前列に並ぶリーダージャージを着るアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)が最前列に並ぶ photo:Kei Tsuji / TDWsport
第4ステージのスタートを迎えた與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)第4ステージのスタートを迎えた與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ) photo:Kei Tsuji / TDWsportレース序盤から與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)も集団前方に上がるレース序盤から與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)も集団前方に上がる photo:Kei Tsuji / TDWsport

1月14日、男子レースに先立って同じ2.3kmのアデレード市街地コースで行われたサントス・ウィメンズツアー・ダウンアンダー最終ステージ。昼間の暑さが落ち着いた午後4時20分にスタートが切られ、連日の雨と風を生き延びた78名の選手たちが20周のハイスピードレースを開始した。

第3ステージを終えた時点で総合1位のアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)と総合2位ローレン・スティーブンス(アメリカ、サイレンスプロサイクリング)のタイム差は29秒。ボーナスタイム有りの中間スプリントが4つ(4周、8周、12周、16周)設定されているものの、平坦コースで、しかも屈強なミッチェルトン・スコットをスティーブンスが出し抜くのは難しい。

ほぼ固まった状態の総合成績に対して、変動の余地を残したのがまだ僅差のポイント賞争い。最終スプリントでのポイント獲得が難しいカトリン・ガーフット(オーストラリア、UniSAオーストラリア)は、次点で着用している緑色のポイント賞ジャージを自分のものにするために前半から積極的に動いた。すべてのアタックを封じ込めたUniSAオーストラリアがトレインを組んでスプリントポイントの度にガーフットを発射。4つのスプリントポイントをすべて先頭通過したガーフットは見事ポイント賞トップに輝いている。

レース序盤から與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)も集団前方に上がるレース序盤から與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)も集団前方に上がる photo:Kei Tsuji / TDWsport
逃げが決まらないまま高速で進むメイン集団逃げが決まらないまま高速で進むメイン集団 photo:Kei Tsuji / TDWsport
リーダージャージを着て走るアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)リーダージャージを着て走るアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) photo:Kei Tsuji / TDWsport

ちょうどレース中盤に発生した落車にリーダージャージを着るスプラックを含め20名ほどが巻き込まれてしまう。総合リーダーの落車によってニュートラル措置が取られ、落車で遅れた選手たちはタイムを失うことなく次の周回で集団に復帰している。

最終スプリントに向けてアレ・チポッリーニやミッチェルトン・スコット、TISレーシングがトレインを組み、最後はアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)やアネット・エドモンソン(オーストラリア、ウィグル・ハイファイブ)の後ろからクロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チポッリーニ)が加速。蛍光イエローのハイビスカスジャージを着るホスキングが右手を挙げた。

イタリアチームに所属するオーストラリア人のホスキングは「シーズン初戦の勝利はいつも格別。雪だるまが大きくなるように、この先も勝利が増えていけばいいのに。誰よりも速い自信があっただけに、ポジショニングに失敗した第1ステージで負けたことは残念だったけど、今日は自分が最速だと見せつけることができた」と、母国での勝利を喜ぶ。

チームメイトにリードされてスプリントポイントに向かうカトリン・ガーフット(オーストラリア、UniSAオーストラリア)チームメイトにリードされてスプリントポイントに向かうカトリン・ガーフット(オーストラリア、UniSAオーストラリア) photo:Kei Tsuji / TDWsport
アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)らを先頭に最終周回に入るアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)らを先頭に最終周回に入る photo:Kei Tsuji / TDWsport
最終ステージを制したクロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チポッリーニ)最終ステージを制したクロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チポッリーニ) photo:Kei Tsuji / TDWsport

そして総合優勝はスプラットの手に。スプラットは「一丸となって一つの目標を成し遂げたチームを誇りに思う。落車が発生した時は混沌としていたけど、チームはパニックにならなかった。チームメイトは落ち着いていて、一番焦っていた自分を勇気付けてくれた」とコメント。チーム力を見せつけたミッチェルトン・スコットがスプラットを大会連覇に導いた。

優勝トロフィーを受け取ったクロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チポッリーニ)優勝トロフィーを受け取ったクロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チポッリーニ) photo:Kei Tsuji / TDWsport総合優勝に輝いたアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)総合優勝に輝いたアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) photo:Kei Tsuji / TDWsport
ステージ成績
1位 クロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チポッリーニ) 1:07:29
2位 ジョルジャ・ブロンジーニ(イタリア、サイレンスプロサイクリング)
3位 アネット・エドモンソン(オーストラリア、ウィグル・ハイファイブ)
4位 アビガリ・ヴァントウィスク(イギリス、トレック・ドロップス)
5位 マリアヴィットリア・スペロット(イタリア、ビーピンク)
6位 エミリー・モベルグ(ノルウェー、ヴィルトゥサイクリング)
7位 ヘレナ・エリック(セルビア、サイレンスプロサイクリング)
8位 サラ・ローイ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
9位 アリソン・ジャクソン(カナダ、ティブコSVB)
10位 マリエス・メヒアス(キューバ、ショーエア・トゥエンティ20)
64位 與那嶺恵理(日本、ウィグル・ハイファイブ) 0:00:13
個人総合成績
1位 アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) 10:47:21
2位 ローレン・スティーブンス(アメリカ、サイレンスプロサイクリング) 0:00:41
3位 カトリン・ガーフット(オーストラリア、UniSAオーストラリア) 0:01:21
4位 ルーシー・ケネディ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) 0:01:36
5位 グレース・ブラウン(オーストラリア、ホールデンチームグスト) 0:01:54
6位 アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) 0:02:07
42位 與那嶺恵理(日本、ウィグル・ハイファイブ) 0:05:45
text&photo:Kei Tsuji

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