2018/01/13(土) - 22:04
連日総合争いが激しく動くサントス・ウィメンズツアー・ダウンアンダー。強風吹くアップダウンコースで逃げたアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)がステージ優勝を飾るとともに、大会連覇に王手をかけた。
サントス・ウィメンズツアー・ダウンアンダー史上最長の122kmで行われた第3ステージ。荒涼とした大地の真ん中にあるモーターサーキットをスタートし、ドイツ移民の街ハーンドルフに向かって強い向かい風の中を進む。平均スピードが25km/h前後まで落ちる強風区間を抜けるとそこからはアップダウンが連続。残り2km地点でQOM(クイーン・オブ・マウンテン)を越え、残り400mから勾配9%の急坂を駆け上がってフィニッシュを迎える難コースだ。
砂埃舞う向かい風によって集団は前半から分裂と合流を繰り返し、そこに雨も加わる過酷なコンディション。レース中盤に入ってようやくリンダ・ヴィルムセン(ニュージーランド、ヴィルトゥサイクリング)がソロエスケープを開始する。2015年の世界TTチャンピオンは単独で5分ものリードを築き上げた。
リーダーチームとしての追撃態勢を築けないUniSAオーストラリアに代わってレースの主導権を握ったのはミッチェルトン・スコット。ディフェンディングチャンピオンのアマンダ・スプラット(オーストラリア)がカウンターアタックで飛び出すと、ここにローレン・スティーブンス(アメリカ、サイレンスプロサイクリング)だけが反応。総合で14秒しか遅れていないスプラットとスティーブンスは先頭ヴィルムセンを追い抜き、そのまま2人で逃げを続行した。
残り30kmの時点でメイン集団から1分30秒のリードを得たスプラットとスティーブンスは、リードを維持したまま、むしろリードを広げる勢いでアップダウンコースを突き進む。QOM通過時点で1分15秒あったタイム差は最後まで縮まらず、残り400mから始まる登り決戦でスプラットが勝利した。
「スタートの時点でミッチェルトンは総合2位、3位、4位を占め、UniSAオーストラリアは実質的に総合首位ガーフットだけ。彼女が好調なのは明白だったけど、攻撃を続けることで彼女を孤立させることができると思っていた。今日のコースは12月に試走を終えていたし、アタックした時点で逃げ切る自信があった」と、狙い通りの逃げ切り勝利で逆転首位に立ったスプラット。最終日のクリテリウムレースを前に、大会連覇に王手をかけた。
アシストとして働き続けた與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)は48位フィニッシュ。白星で大会をスタートさせたウィグル・ハイファイブだが、総合成績ではエイミー・キュア(オーストラリア)の総合20位が最高位と苦戦している。「前半から風が強くて、エースのエイミー(キュア)とネッティ(エドモンソン)の近くでフォローするのが今日の仕事でした。でも集団の後ろにいる彼女たちを前に引き上げたところで集団が割れ、自分は力尽きて脱落。そこからまた集団に戻って仕事をするの繰り返しでした。最後まで仕事をやり通せないほどタフだった。最後のQOMの登りに向かって位置どりして、そこで終わりました」。
「自分は集団内の位置どりが決して上手くない。でも今年はアタックに反応できるポジションで走れているし、去年よりはずっと上手くなっていると思います。苦しいですが、しっかり仕事をできているので楽しい」、風と雨と登りのステージで疲弊しながらも充実した表情を見せた。
中原恭恵(マースランドスターインターナショナル)は序盤の集団分裂こそ上手く切り抜けたものの、その後の落車で集団から完全に遅れてしまう。単独でフィニッシュまで走り続けたが結果はタイムオーバー扱いに。「今日は足の調子が戻って、前半の横風区間も集団の動きをよく見てクリア。常に前方での位置どりをして走ることができていたので、いけると手応えを感じていました。でも各チームが位置どり合戦になり始めた時に弾かれてクラッシュ。顔面から落車しました。ヘルメットに傷がいってたため強制的に救急からストップ。でも意識はハッキリしていたので、やめずに最後まで走りました」。
レース後に病院に向かった中原。検査の結果、脳の出血などの異常はなく、着地の際に打った頬骨も骨折を免れている。「(與那嶺)恵理さんが仕事をしているのも、チーム隊列ができるのも、あぁこうやって動いてるんだと、前にいたから見れました。だからこそとても悔しい」と、第3ステージでレースを去ることになった中原は語っている。
サントス・ウィメンズツアー・ダウンアンダー史上最長の122kmで行われた第3ステージ。荒涼とした大地の真ん中にあるモーターサーキットをスタートし、ドイツ移民の街ハーンドルフに向かって強い向かい風の中を進む。平均スピードが25km/h前後まで落ちる強風区間を抜けるとそこからはアップダウンが連続。残り2km地点でQOM(クイーン・オブ・マウンテン)を越え、残り400mから勾配9%の急坂を駆け上がってフィニッシュを迎える難コースだ。
砂埃舞う向かい風によって集団は前半から分裂と合流を繰り返し、そこに雨も加わる過酷なコンディション。レース中盤に入ってようやくリンダ・ヴィルムセン(ニュージーランド、ヴィルトゥサイクリング)がソロエスケープを開始する。2015年の世界TTチャンピオンは単独で5分ものリードを築き上げた。
リーダーチームとしての追撃態勢を築けないUniSAオーストラリアに代わってレースの主導権を握ったのはミッチェルトン・スコット。ディフェンディングチャンピオンのアマンダ・スプラット(オーストラリア)がカウンターアタックで飛び出すと、ここにローレン・スティーブンス(アメリカ、サイレンスプロサイクリング)だけが反応。総合で14秒しか遅れていないスプラットとスティーブンスは先頭ヴィルムセンを追い抜き、そのまま2人で逃げを続行した。
残り30kmの時点でメイン集団から1分30秒のリードを得たスプラットとスティーブンスは、リードを維持したまま、むしろリードを広げる勢いでアップダウンコースを突き進む。QOM通過時点で1分15秒あったタイム差は最後まで縮まらず、残り400mから始まる登り決戦でスプラットが勝利した。
「スタートの時点でミッチェルトンは総合2位、3位、4位を占め、UniSAオーストラリアは実質的に総合首位ガーフットだけ。彼女が好調なのは明白だったけど、攻撃を続けることで彼女を孤立させることができると思っていた。今日のコースは12月に試走を終えていたし、アタックした時点で逃げ切る自信があった」と、狙い通りの逃げ切り勝利で逆転首位に立ったスプラット。最終日のクリテリウムレースを前に、大会連覇に王手をかけた。
アシストとして働き続けた與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)は48位フィニッシュ。白星で大会をスタートさせたウィグル・ハイファイブだが、総合成績ではエイミー・キュア(オーストラリア)の総合20位が最高位と苦戦している。「前半から風が強くて、エースのエイミー(キュア)とネッティ(エドモンソン)の近くでフォローするのが今日の仕事でした。でも集団の後ろにいる彼女たちを前に引き上げたところで集団が割れ、自分は力尽きて脱落。そこからまた集団に戻って仕事をするの繰り返しでした。最後まで仕事をやり通せないほどタフだった。最後のQOMの登りに向かって位置どりして、そこで終わりました」。
「自分は集団内の位置どりが決して上手くない。でも今年はアタックに反応できるポジションで走れているし、去年よりはずっと上手くなっていると思います。苦しいですが、しっかり仕事をできているので楽しい」、風と雨と登りのステージで疲弊しながらも充実した表情を見せた。
中原恭恵(マースランドスターインターナショナル)は序盤の集団分裂こそ上手く切り抜けたものの、その後の落車で集団から完全に遅れてしまう。単独でフィニッシュまで走り続けたが結果はタイムオーバー扱いに。「今日は足の調子が戻って、前半の横風区間も集団の動きをよく見てクリア。常に前方での位置どりをして走ることができていたので、いけると手応えを感じていました。でも各チームが位置どり合戦になり始めた時に弾かれてクラッシュ。顔面から落車しました。ヘルメットに傷がいってたため強制的に救急からストップ。でも意識はハッキリしていたので、やめずに最後まで走りました」。
レース後に病院に向かった中原。検査の結果、脳の出血などの異常はなく、着地の際に打った頬骨も骨折を免れている。「(與那嶺)恵理さんが仕事をしているのも、チーム隊列ができるのも、あぁこうやって動いてるんだと、前にいたから見れました。だからこそとても悔しい」と、第3ステージでレースを去ることになった中原は語っている。
ステージ成績
1位 | アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 3:47:24 |
2位 | ローレン・スティーブンス(アメリカ、サイレンスプロサイクリング) | 0:00:07 |
3位 | グレース・ブラウン(オーストラリア、ホールデンチームグスト) | 0:00:59 |
4位 | カトリン・ガーフット(オーストラリア、UniSAオーストラリア) | 0:01:32 |
5位 | ルーシー・ケネディ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 0:01:34 |
6位 | エマ・グラント(イギリス、ティブコSVB) | |
7位 | ミカイラ・ハービー(ニュージーランド、ニュージーランドチーム) | 0:01:38 |
8位 | グレース・アンダーソン(ニュージーランド、ニュージーランドチーム) | 0:01:40 |
9位 | クロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チポッリーニ) | |
10位 | マリエス・メヒアス(キューバ、ショーエア・トゥエンティ20) | |
48位 | 與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ) | 0:03:05 |
OTL | 中原恭恵(マースランドスターインターナショナル) |
個人総合成績
1位 | アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 9:39:52 |
2位 | ローレン・スティーブンス(アメリカ、サイレンスプロサイクリング) | 0:00:29 |
3位 | カトリン・ガーフット(オーストラリア、UniSAオーストラリア) | 0:01:30 |
4位 | ルーシー・ケネディ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 0:01:36 |
5位 | グレース・ブラウン(オーストラリア、ホールデンチームグスト) | 0:01:54 |
6位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) | 0:02:07 |