マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)が圧倒的な力でワールドカップ第7戦を制圧。竹之内悠(東洋フレーム)は53位、ジュニアの村上功太郎(松山工業高校)は44位でレースを終えた。



スタート前のマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)スタート前のマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) photo:CorVos1周目からリードを奪うマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)1周目からリードを奪うマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) photo:CorVos


1か月後に迫った世界選手権に向け、各選手のコンディショニングに注目が集まる年末。シクロクロスワールドカップ第7戦がベルギー・フランダース東部のリンブルフ州ヒュースデン=ゾルダーにて開催された。

欧州遠征中の竹之内悠(東洋フレーム)とジュニア王者の村上功太郎(松山工業高校)も参戦したこのレース。直近では2016年に世界選手権が開催された格式あるサーキットコースが舞台であり、その際はワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)が初のエリートタイトル獲得を生み出した。

66名がスタートした男子エリートレースは、今季絶好調を維持しているマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)のホールショットで幕開ける。ここにファンアールトとラース・ファンデルハール(オランダ)とダーン・ソエテ(ベルギー)のテレネットコンビが合流し、4名の先頭グループが生まれた。

マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)がワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)を引き離しに掛かるマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)がワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)を引き離しに掛かる photo:CorVos
徐々に順位を上げるローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス)。後ろはフェリペ・オルツ(スペイン、GINESTAR - DELIKIA)徐々に順位を上げるローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス)。後ろはフェリペ・オルツ(スペイン、GINESTAR - DELIKIA) photo:CorVosハイペースに遅れを喫したワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)ハイペースに遅れを喫したワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) photo:CorVos


ファンアールトとファンデルハールが刻むハイペースにフィデアの2人は距離を空け、後方からは徐々にコンディションを上げるローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス)が追走。全9周回中の4周目にスウィークが単独3番手に浮上すると、直後に先頭争いも動いた。

「正直に言えば、序盤はあまり調子が良くなかった。でも中盤になって突然脚が回り始めてきたんだ」と振り返るファンデルポールがペースアップを図ると、若干のリードを与えてしまったファンアールトは徐々に失速。ワールドカップリーダーの証である赤白ジャージに身を包んだファンデルポールがフィニッシュまで続く独走に持ち込んだ。

先々週のナミュールこそ体調不良で3位に沈んだファンデルポールだったが、5日間の休養を経て復活。その走りは2位グループを組んだファンアールトとスウィークすら圧倒し、その差を1分弱にまで広げてみせる。

2位グループを組むローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)2位グループを組むローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) photo:CorVos単独4番手を走るラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア)単独4番手を走るラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア) photo:CorVos

圧倒的な力で勝利したマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)圧倒的な力で勝利したマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) photo:CorVosロングスパートでワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)を振り払ったローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス)ロングスパートでワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)を振り払ったローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス) photo:CorVos


最後の1周はペースを緩めたものの、平均スピード26.6km/hで距離28.01kmを駆け抜けたファンデルポールは、フィニッシュ地点でウイリーを披露してレースを終える。その33秒後、ロングスパートで世界王者を振り切ったスウィークが2位を射止めた。

「一人になってから先が長かったけれど、集中できていたので自信を持って攻めた。ここ数日体調が悪く、スタートラインに並んでも?マークが浮かんでいたものの、今は全く心配は消え去った」とゴール後に語ったファンデルポール。

UCIシクロクロスワールドカップ2017-2018第7戦表彰台UCIシクロクロスワールドカップ2017-2018第7戦表彰台 photo:CorVos
ジュニア男子 44位でフィニッシュした村上功太郎(松山工業高校)ジュニア男子 44位でフィニッシュした村上功太郎(松山工業高校) photo:UCI
強いレース運びで2位に入ったスウィークは「マテューに追いつくことはできなかったけれど、一騎打ちでワウトを打ち負かせてハッピーだ。このまま調子を上げていきたい」とコメントしている。ベテランのケヴィン・パウエルス(マーラックス・ナポレオンゲームス)が不調のベルギー勢、スウィークの復活でファンデルポール包囲網を形成できるかに注目が集まる。

また、竹之内は53位でレースを終了。今年2月のシクロクロス東京で優勝したスティーブ・シェネル(フランス、シャザル・キャニオン)は16位、宇都宮シクロクロスで圧勝したフェリペ・オルツ(スペイン、GINESTAR - DELIKIA)は22位に入っている。男子ジュニアに出場した村上は44位だった。


UCIシクロクロスワールドカップ2017-2018第7戦結果
1位 マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) 1h03’16”
2位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス) +33”
3位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)
4位 ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア) +1’18”
5位 ダーン・ソエテ(ベルギー、テレネット・フィデア) +1’39”
6位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) +1’54”
7位 ティム・メルリエ(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) +1’55”
8位 トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア) +1’58”
9位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス) +2’07”
10位 イェンス・アダムス(ベルギー、パウエルスサウゼン) +2’40”
53位 竹之内悠(東洋フレーム)
text:So.Isobe
photo:CorVos

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