カスク VALEGRO　チームスカイとの共同開発により誕生したヒルクライム用軽量ヘルメット

2017/12/30(土) - 09:06

イタリアのヘルメットブランド、カスクよりチームスカイとの共同開発により誕生したヒルクライム向けの新型ヘルメット「VALEGRO」が登場。低速時の通気性にこだわった、ブランド史上最軽量ヘルメットを紹介しよう。

カスク VALEGRO（画像は展示用のサンプルカラー）
ツール・ド・フランスの優勝候補といえば一挙手一投足が注目される存在であり、その行動や言動はもちろんのこと、バイクやジャージ、ヘルメットもファンにとっては要チェックのポイントであろう。もちろん2017年のツール優勝候補筆頭であったクリストファー・フルーム（イギリス、チームスカイ）も例外ではなく、その使用機材には世界中から注目が集まった。

ピナレロのDOGMA F10にカステリのジャージ、シディのシューズと普段のレースからよく目にする出で立ちでツールを走ったフルームだが、その中でも見慣れない形状のヘルメットを山岳ステージにて投入したことは記憶に新しい。

それまでチームスカイがメインストリームとして使用していた「PROTONE」にも似た流線形のフォルムと、見るからに開口部の多い特徴的なルックスを以てフルームの走りを支えたのが、カスクの新型となる軽量ヘルメット「VALEGRO」だ。37個に及ぶベンチレーションホールを開けエアフローを追求することで、内部の通気性を格段に向上させたクライミングモデルである。

同社PROTONEにも通ずるセミエアロなフォルム

細部までベンチレーションホールを設けることで高い通気性と軽量性を実現

通気孔にはアイウェアを挿して保持できるデザインとなる

上下左右に調整可能で、かつ軽量なOCTO FITシステム

山岳ステージでの使用を想定し、登坂中など低速時での帽体内部の通気性を追求するよう設計されているのが特長であり、風洞実験に基づく科学的な解析を繰り返すことで形状を決定していったという。一般的なヘルメットと比較し、頭部との接触面積を70％減少させることで空気の通りを確保するとともに、着用時の不快感を低減し快適性を向上させている。新開発の速乾性インナーパッドを装備するのもポイントだ。

またブランド史上最軽量となる180g（Sサイズ）をマーク。他社のヘルメットとくらべても最軽量クラスに仕上がっていると言えるだろう。バイクはUCI規定で6.8kg以下に出来ない以上、ヘルメットの軽量化は過酷な山岳ステージでは有利に働くといえる。もちろん一般のサイクリストにとっても首が疲れにくいなどのメリットは大きい。

カスク VALEGRO（Black） (c)日直商会

カスク VALEGRO（Light Blue） (c)日直商会

カスク VALEGRO（Lime） (c)日直商会

カスク VALEGRO（Navy Blue） (c)日直商会

カスク VALEGRO（Red） (c)日直商会

安全システムとして、保護ポリカーボネイトをヘルメットの外側から内側に回り込むように配置することで転倒時にヘルメット本体の粉砕を防ぐMITテクノロジーや、内部ポリスチレン層を外部のポリカーボネイトと連結することで衝撃吸収性を高めるインモールディングテクノロジーを搭載する。

フィッティングには人間工学に基づいた設計で、どんな形の後頭部にもフィットする軽量のOCTO FITシステムを採用。肌への刺激も少なく洗濯可能なECOレザー製チンストラップとすることで、滑らかな装着感を実現している。

カラーはブラック、ライトブルー、ライム、ネイビーブルー、レッドの5種類。どれも単色のシンプルデザインに収まっている。S（48-56cm）、M（52-58cm）、L（59-62cm）の3サイズ展開で、価格は27,000円（税抜）。取り扱いは日直商会だ。