2017/12/10(日) - 21:10
2日間にわたって開催されたシクロクロス全日本選手権を締めくくる男子エリートレース。序盤からレースをリードした小坂光が初制覇を果たし、8位フィニッシュした父の小坂正則と親子にとっての初タイトルを喜んだ。
最高気温が3度まで上がり、雪の溶解とともに泥が姿を現した滝沢牧場の2.9km特設コース。全身泥だらけになるような泥レースにはならなったが、夕方にかけて氷点下近くまで下がった気温によって一旦溶けた雪が局所的に凍結。刻々と変化する路面コンディションにより、頻発する転倒が勝敗を分ける難易度の高いレースが展開された。
エリートライダー69名がスタートしたレースは、前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)のホールショットで始まる。すぐさま小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)が先頭を奪い、ここに横山航太(シマノレーシング)と沢田時(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)、竹之内悠(東洋フレーム)が合流。1周目を終えた時点で早くも5名が抜け出し、遅れて丸山厚(BOMA/ROND BICYCLE)もここに加わった。
ラップタイム8分弱を刻む合計8周回のレースは、2周目に小坂と前田、横山、沢田の4名が先行。竹之内と丸山がパックを組んで追撃する展開となる。中でも積極的にレースをリードしたのは小坂と前田の2名。ここに横山が食らいついた一方で、ディフェンディングチャンピオンの沢田は徐々に遅れを喫した。
3名による先頭パックは、フィニッシュまで3周回を残して崩れる。「3人の実力は拮抗していたし、一発で決めるのは難しいなと思っていました。先頭パックはずっと緊張感ある中で走っていて、みんなギリギリ。だからこそミスしないことが大事でした」という小坂が、それぞれ転倒によって遅れた前田と横山と置き去りにして独走を開始する。
「”絶対最後まで諦めない、絶対最後までレースをする”と決めていたので、トラブルでも気持ちが切れることはありませんでした」と、2番手の横山から10秒前後のリードで最終周回に入った小坂。追いかける横山は「自分が得意な舗装路の登りで追いつけばチャンスがあると思っていた。全開で最終周回の登りを踏んで3〜4秒差まで詰めたんですが、詰め切れなかった」と振り返る。
宇都宮から駆けつけたファンや報道陣の前で小坂がフィニッシュラインまで独走。最終的に横山を8秒差で振り切り、自身初の全日本タイトルを手にいれた。
「自分にとっての最高の走りをできたと思います。単純に光さんが強かった。自分より強い選手がいて、自分が負けた」という横山が2位。「気温が下がってシャーベット状だったコースがどんどん凍っていき、キャンプ場の入り口の凍った場所で転倒。落車したあとに復帰に手間取ってしまった。先頭パックからも遅れ、一旦集中力も切れてしまい、ペースを戻すのに時間がかかりすぎてしまった」と語る3番手の前田は、終盤にかけて沢田に追いつかれながらもスプリントで表彰台を射止めている。
優勝した小坂は、3分遅れの8位でフィニッシュした父親の小坂正則(スワコレーシングチーム)と堅く抱き合った。「親父のおかげでこの世界に入って、親父のサポートと応援があったからこそ今日勝つことができました。尊敬する人物ですし、親父に感謝したいと思います。このジャージを着て、もっともっと強くなりたい」。これまで父親が23回出場しながらまだ果たせていない全日本選手権制覇を、親子として念願だった全日本のタイトルを、地元長野県開催の全日本選手権で獲得した。
各選手のコメントは後日まとめてお伝えします。
最高気温が3度まで上がり、雪の溶解とともに泥が姿を現した滝沢牧場の2.9km特設コース。全身泥だらけになるような泥レースにはならなったが、夕方にかけて氷点下近くまで下がった気温によって一旦溶けた雪が局所的に凍結。刻々と変化する路面コンディションにより、頻発する転倒が勝敗を分ける難易度の高いレースが展開された。
エリートライダー69名がスタートしたレースは、前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)のホールショットで始まる。すぐさま小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)が先頭を奪い、ここに横山航太(シマノレーシング)と沢田時(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)、竹之内悠(東洋フレーム)が合流。1周目を終えた時点で早くも5名が抜け出し、遅れて丸山厚(BOMA/ROND BICYCLE)もここに加わった。
ラップタイム8分弱を刻む合計8周回のレースは、2周目に小坂と前田、横山、沢田の4名が先行。竹之内と丸山がパックを組んで追撃する展開となる。中でも積極的にレースをリードしたのは小坂と前田の2名。ここに横山が食らいついた一方で、ディフェンディングチャンピオンの沢田は徐々に遅れを喫した。
3名による先頭パックは、フィニッシュまで3周回を残して崩れる。「3人の実力は拮抗していたし、一発で決めるのは難しいなと思っていました。先頭パックはずっと緊張感ある中で走っていて、みんなギリギリ。だからこそミスしないことが大事でした」という小坂が、それぞれ転倒によって遅れた前田と横山と置き去りにして独走を開始する。
「”絶対最後まで諦めない、絶対最後までレースをする”と決めていたので、トラブルでも気持ちが切れることはありませんでした」と、2番手の横山から10秒前後のリードで最終周回に入った小坂。追いかける横山は「自分が得意な舗装路の登りで追いつけばチャンスがあると思っていた。全開で最終周回の登りを踏んで3〜4秒差まで詰めたんですが、詰め切れなかった」と振り返る。
宇都宮から駆けつけたファンや報道陣の前で小坂がフィニッシュラインまで独走。最終的に横山を8秒差で振り切り、自身初の全日本タイトルを手にいれた。
「自分にとっての最高の走りをできたと思います。単純に光さんが強かった。自分より強い選手がいて、自分が負けた」という横山が2位。「気温が下がってシャーベット状だったコースがどんどん凍っていき、キャンプ場の入り口の凍った場所で転倒。落車したあとに復帰に手間取ってしまった。先頭パックからも遅れ、一旦集中力も切れてしまい、ペースを戻すのに時間がかかりすぎてしまった」と語る3番手の前田は、終盤にかけて沢田に追いつかれながらもスプリントで表彰台を射止めている。
優勝した小坂は、3分遅れの8位でフィニッシュした父親の小坂正則(スワコレーシングチーム)と堅く抱き合った。「親父のおかげでこの世界に入って、親父のサポートと応援があったからこそ今日勝つことができました。尊敬する人物ですし、親父に感謝したいと思います。このジャージを着て、もっともっと強くなりたい」。これまで父親が23回出場しながらまだ果たせていない全日本選手権制覇を、親子として念願だった全日本のタイトルを、地元長野県開催の全日本選手権で獲得した。
各選手のコメントは後日まとめてお伝えします。
男子エリート結果
1位 | 小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム) | 1h03’51” |
2位 | 横山航太(シマノレーシング) | +08” |
3位 | 前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム) | +37” |
4位 | 沢田時(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) | |
5位 | 竹之内悠(東洋フレーム) | +1’04” |
6位 | 丸山厚(BOMA/ROND BICYCLE) | +1’29” |
7位 | 兼子博昭(スワコレーシングチーム) | +3’11” |
8位 | 小坂正則(スワコレーシングチーム) | +3’13” |
9位 | 松本駿(TEAM SCOTT) | +3’34” |
10位 | 宮津旭(PAXPROJECT) | +3’35” |
text:Kei Tsuji, So Isobe
photo:Kei Tsuji
photo:Kei Tsuji
フォトギャラリー
Amazon.co.jp