2017/11/29(水) - 19:20
ツール・ド・おきなわ市民210kmに優勝した高岡亮寛(Roppongi Express)によるレポートをお届け。3連覇・5勝目の達成の裏には、年間を通じたプランと準備があった。40歳となった今年だが、重ねる経験により挙げる勝利は円熟味を増している。
ツール・ド・おきなわに対するモチベーション
長距離のレースを得意とする私にとってツール・ド・おきなわ市民210kmは、これ以上にないほど全てにおいて最高のロードレース。極端な話、このレースで勝てればシーズンの他のレースはどうでも良いと思えるほど。実際にここに至るまでの長いシーズン中の他のレースはこのレースのためと言っても過言ではない。
そういう私の活動を十分知ってチームRoppongi Expressに加入してくれた仲間ともそのモチベーションを共有出来ているのは今までにない幸せ。新チームを結成して新しいジャージで臨むおきなわなので、例年より一層気合も入る。
シーズンはじめからこの日のために
ここ10年ほど変わらず、ツール・ド・おきなわを最終目標にシーズンを過ごす。冬の間はクリテリウム中心。苦手な短時間のスピードレースに慣れるため。今年は新チーム結成で少し冬から気合が入っていたせいか、午前5〜7時でやるチーム朝練を1月から開始して、それも調子を上げる一因になっていた。
春先までチーム練のスプリントでほとんど負け無しなくらいスプリントはかかっていた。しかし狙っていた実業団レースの開幕戦・宇都宮で不発の5位。その後もてぎ7hエンデューロ・ひたちなかエンデューロなどでは優勝できたけど、それ以外はパッとせずに全日本選手権ロード。結果だけ見れば14位と悪くはなかったが、内容的にはあまり良くなかった。アマチュアの中でも森本さんには確実に走りで負けていたのが悔しい。
その2週間後のニセコクラシックはほぼ練習出来ていないコンディションで、脚を攣りながらも粘りに粘っての2位。このレースでは絶対に来年のリベンジを誓う。
一応、予定通りにグランフォンド世界選手権への切符を手に入れた。しかし世界選手権に向けてはまったく集中しきれておらず、オフでバケーションついでに行くような気分だけど、せっかく行くなら全く走れないのはもったいないから最低限の練習はしておかないと、という気持ち。で、驚きの2位。冬の間に積み重ねたトレーニングと、4〜5月に連続で2000km以上走り込んだのがきちんと効いていたんだな、と実感。
9月からおきなわまでの間は練習目的で出走したエンデューロ以外のレースはジャパンカップくらい。そこで雨の中落車した。一番やってはいけないことをしてしまった。
その時期はレースよりもとにかくトレーニングボリューム重視。10月に3000kmほど走り込んで、11月頭には休んで回復させて完全にリフレッシュした身体で沖縄入りという予定だったが、疲労を引きずって全く回復せぬままに沖縄入り。まったく好調を感じぬままに本番を迎えることになった。
いや、ホントに今年ほど自信なくスタートラインに立った事はなかったんじゃないかと思う。
年間通したコンディショニング(=体重コントロール)
ツール・ド・おきなわを終えてお正月にかけて祝勝会・忘年会含む多数の飲み会により例年体重はジャンプアップする。2016年大晦日は66.4kg。2017年元旦は65.0kgという体重からスタート。シーズン中の自然体での体重は62-63kgくらい。狙ったレースに向けて61kgくらいまで落とすというのがいつものやり方。ハードトレーニング期に落とそうとするとエネルギー不足に陥り回復が間に合わずトレーニング量・質ともに低下して結果的に弱くなってしまうのでトレーニング期はあまり落としすぎないように気をつけている。
今回もピンポイントで体重を落としたのはレース10~1週間前くらいから。一度デトックスっぽく食事を軽くして胃腸の負担を減らす。この時期は筋肉・体力の回復に集中するのでトレーニングはごくごく軽くにする。
細かくデータを見ると、2週間前くらいから体重は60kg台に落ちる。1週間前に少し強度上げて脚が戻ってきていることを確認したいので日曜に向けてしっかり食べて61.3kg。最後の練習をこなした後の直前一週間は朝に30分~1時間ローラーを回すのみ。カーボローディング前半期(低カーボ食)として食事はかなり軽いものとする。
月 60.0kg-火 60.0kg-水 60.5kg-木 60.5kgと、体重コントロールは完璧に出来たと思う。
レースに向けたコンディションはどうだったかというと、昨年より自信はなかった。10月の集中した練習からの回復がまったくはかどらず、1週間前の6.5kmほどの峠では2016年対比12秒落ち。しかし2016年のタイムはかなり良くって、これなら誰にも負けないだろうという自信を持てたので、そこからの12秒落ちというのは正直そんなに悲観ほど悪くはないなって思えた。それほど今年の自信はなかった。
良い年も悪い年もあったけど、その中で毎回それなりの結果に結びつけてきたので、今年もそれなりに出来るだろうと、後は自分を信じて木曜朝の便で沖縄へ飛ぶ。
そんなにカリカリに絞るよりもしっかり食べた方が強いんじゃないか?って思うかもしれないけど、心配無用。現地入りしてからはレースまで体重測定しなくていいので、心置きなくカーボローディングでエネルギー充填するんで。それにしても沖縄の食事は美味しい。
注意すべきライバルたち
危険度10:直近3年間で5位-3位-2位ときている井上亮選手。直近の富士チャレンジ200でもその脚力をまざまざと見せつけられた。昨年おきなわでは落車して2位。今年のニセコではメカトラでバイク交換。今年の富士チャレではメカトラでスプリント参加せず。と色々トラブルは多いけど、体力的には図抜けているのでハマったら怖い存在。自分が100%に近いコンディションでもって臨まなければヤラれると恐れていた。
危険度9:乗鞍で直近10年間で8回優勝という森本誠選手も引き続きロードタイトル奪取に非常に意欲的。圧倒的な登坂力と5時間のレースでも走れる持久力はホビーレーサーの中ではトップクラス。
危険度8:スピードあって厄介な選手として龍太郎、小畑さん、岩島さん、ゲンタ。絶対に最後の坂までで千切っておかないといけない。
危険度7.5:実績ある青木さん、松木さん、清宮さん、田崎さん、河合さん、ゴローさんなど。
(蓋を開けてみれば松木さんが頭一つ抜けていて、危険度8.5-9.0くらいの仕上がりだった)
あと、エントリーしていたデンマーク人のジョン・エブセンは不出走と聞いた。昨年はプロコンチネンタルチームで走った彼はサイクルモードで働きすぎて風邪を引いたとのことだ。2014のような悪夢がなくなり一安心。
決戦の時は来た
前夜は22時過ぎに就寝。ぐっすり眠れる気配は全く無いけど、横になって目をつむっていれば少なくとも身体は休まるだろう。寝付くも1時過ぎに置きてしまう。そして、それから再度深い眠りには入れず、寝ているのか起きているのか分からない状態のまま4:30のアラームが鳴る。
朝食は前日から作っておいたオートミール。オートミールとスキムミルクを持ってくればお湯さえあればどこでも同じモノが食べられるので。前日までのカーボローディングが上手くいっているので(ただの食い過ぎか?)、朝食は控えめに。
遠征の時に日程に余裕持って現地入りするといつもの起床後体重測定が出来ないので、体重を気にせずにエネルギー充填出来るのはメリット。いい加減62kgとか増えた数字を見て「ヨシヨシ」と思える気持ち的余裕が持てても良さそうなもんだけど、乗ると少ない数字を見たい乙女心は直らない。たぶんカーボローディングによってレース当日は61kg後半にはなっていたのではないか。
6時前には会場に到着。まだ暗い。気温予想は20−24度。22度程度だったら迷わず長袖。25度超えたら迷わず半袖なんだが、悩ましい天気。SUNVOLTさんには無理言ってチームジャージのロード用ワンピ(セパレート)長袖をこのレースまでに間に合わせて頂いた。備えあれば憂い無し。せっかくなのだけど、悩んだ末に結局はゼッケンを装着するのは半袖に決定した。
スタート前までちょくちょく食料補給して空腹にならぬようにして、トイレで二度目の軽量化して、スタート地点へ。昨年より少し早い7:27スタートだ。
先頭からのスタートなのでポジションを下げないように走る。特にペースは速くないので問題ない。スタートしてほどなくして数名アタック。ゴローさんが追走。そのまま一気に逃げ集団のペースが上がり、逃げが決まる。集団から一人で抜け出して追いついたポール(ソールズベリー)が最終で、逃げは9名だったらしい。15人くらいいると思っていた。
この動きを見て、ライバルが一人減ったと思った。市民210kmのアーリーアタックは決まらない。まぁゴローさんらしいといえばらしいが。後ろは普通に走っていれば必ず後半には捕まえられる。
ただ、誰も牽かなくなって20分とか差がついてしまうと、プロのレースのように後半強力に牽引するアシスト役がいないので、厄介だ。なので集団が止まらない程度に気持ちよく流れるペースで走るのが理想。チームメートの松尾にその旨伝えてローテーションに入ってもらう。
私は危険回避のポジションで20番手ぐらいを走る。いつもよりは少し後ろめかな。松木さん、田崎さん、ゲンタ、岩島君、小畑さん、青木さん、などなど、ライバルたちもやはり前の方で走る。が、井上君の姿を一度たりとも見ない。今日はなんのメカトラだ?
逃げは海岸線で最大4’40差くらいまで広がる。まだまだ余裕。上りに入る頃に4分を切る。海岸線を北上する行程は至って平和で、例年よりも極めてペース変動が少なく、誰も全く脚を使わずに走れたのではないか。
普久川ダム上りは3番手で入る。ペースはそんなに速くないが、例年よりキツさ具合がかなり低い。井上くんもようやく上りで姿を現し、生存を確認。これは意外と調子良いのかもしれない。心拍は160までしか上がっていない。
普久川ダム一回目データ : 7.5km 18’30 NP 290.8W Max 160bpm 81.3rpm ダンシング35%
ここまでのライバル観察。田崎さんは積極的に動いているので調子良いのかもしれないけど、沖縄の後半はそんなに甘くない。多分最後には来ないだろう。
岩島君が好調そう。後半まで貯めて走れる人なので注意。井上君が姿現さないのは、後半勝負にフォーカスしてるからだろう。やはり一番注意。
森本さんは安定の走り。必ず勝負に絡んでくるだろうな。
絶対にゴールまで一緒に行ってはいけない小畑さん・ゲンタも全く余裕そうで不気味。特にゲンタは走りが上手く、後半に備えて脚をまったく使っていないのがわかる。
実績ある松木さん・青木さんもしっかりと前の方にいる。
頂上でタイム差は2分弱。この上りで1分以上詰めたので、逃げ集団を吸収する事は確定的。つつがなく一回目のダム上りをこなして、下りはいつもどおり危険回避で先頭でかっ飛ばす。
北部回るアップダウンもペースは上がらない。かなりまったりしているけど、タイム差は2.5分程度で変わらない。逃げも同じくらいのペースで走っているのか。かなりまったりとしているので、ここで二回目のトイレタイム。気温は20度強で、このくらいだと私はほとんど汗をかかないので、水分排出はこちらがメイン。これで後半に向けた準備は完了。
脚を攣る気配もなく、補給も余裕を持って摂れている。ここまでで食べた固形物はなんとう餅2つ(←コレはおすすめ)、おにぎり半分、アンパン1。
あとはマグオンジェルを3つほど。2回めのダム上りからの後半80kmは絶え間なくアップダウンが続きペースが速いので、固形物を摂っている余裕はないのでジェルのみ。補給も計画通りに摂れた。
2回目の普久川ダムは先頭で突っ込む。はじめだけ勢いつけて、何人かに抜かれながら自分のペースまで落として上る省エネ走。
岩島くんが飛び出して一人で先行。珍しい。かなり調子良さそうに上っているけど、さすがにそのまま一人で逃げるほどではなく、森本さん中心にペースを作っていき、途中で吸収。上り終わりで前はゴローさん先頭で計4名で差は1’20くらい。もはや捕まえたも同然だ。
普久川ダム2回目データ : 7.5km 18’30 NP 282.8W Max 163bpm 75.5rpm ダンシング50.5%
ペースは上がっていない。ダンシング50%でその分ケイデンスは落ちている。
9人逃げはかなりドラマがあったらしいが、まとめるとスタート5kmほどからゴローさんを除く8人でローテして逃げ続け、二回目のダムの上りでゴローさん一人になり、高江の上り過ぎで吸収。そこからいよいよ勝負区間。
いやしかし、数年前なら高江のいわゆる学校坂でペース上げてみるともう10名を切っていたんだが、今年はまだ30名近く残っている。皆がこのレースに向けて仕上げてきて、後半の勝負どころに備えて準備しているのがひしひしと伝わってくる。
チームメートの松尾もまだ残っている。まだ限界ではなさそう。「どうします?」と聞いてくるので「まだ焦らなくても良い」と伝える。自分たちで積極的にレースを動かして勝ちを狙えるほどの頭数もないしそこまでの脚もない。コースは長くキツイので必ず終盤になれば必然的に人数は絞られて来るから焦って動かなくても良い。と頭ではわかっていながら、そうチームメートに伝えておきながら、振り返ってみると一番焦っていたのは自分かもしれない。
一緒にゴールまで連れて行ったら100%スプリントで勝てない選手が複数名いる。そいつら全員を後半の上りでやっつけないといけない。進めば進むほどやっつけられるチャンス、つまり上りの数は減っていく。そう考えると動かざるを得なくなり、何度もジャブを打つ。井上君も人数絞りたいので一緒にペースアップを図る。
上りでガーンと上げても当然皆ついてくるので、井上君が上げて皆がついてきて一休みしたいタイミングとか、上り終わりで休みたいタイミングとか、色々タイミングを変えて、あの手この手で抜け出しを図るも、ことごとく成功しない。しかし後で聞いたら、「あの散発的なペースアップでかなり脚を削られてキツかった」という声を聞いたので、それなりに無駄ではなかった。
大雑把に言うと、後半のアップダウンでは井上君と私だけがアタックして他全員はついてくる、という構図だったように記憶している。
下り基調のアップダウンの中、一度だけ下りで小畑さんと二人でタイミング的に上手く抜け出せた時があった。その時は全力で逃げを試みたが、後ろも緩まず全力で追ってくるのが見えて、長く続かず吸収。まだまだ20名以上いるか。
追い風基調なようで、53x11Tで下りではもっとギアが欲しかった。54Tってのも今後考えてもいいかな。
終盤まで登りでペースを上げるたびにゲンタと小畑さんがしっかりと反応してきて決して離れないので、いよいよ焦る。しかしそっちを意識し過ぎるあまり井上君に飛び出されてしまうリスクも考えて、最終盤に近づくにつれて慎重になる。
海岸線を走っていて、次のちょっとした上りに備えて井上君の後ろについて前に出なかったら、脚を止めても誰も前に出ずにスローダウン、というほど全員にマークされるなかでのレースとなる。
上りで井上君が上げていくのに注意して、それには絶対に遅れないように走る。最後の補給所の上りで下からかなり強烈なペースアップ。こちらもギリギリついていける。脚は攣っていなく、今日は攣りそうな気配もない。このペースアップはかなり強烈で私もキツかったけど、勝負の分かれ目は本当にキツイ局面。
ここで更に前に出て少し上げて勝負をかけてみる。たしか小畑さんもゲンタもまだ居たと思うけど、ここらへんで限界にきたのではないか。源河との分かれ道を過ぎて残り30kmほど。
分かれ道から1kmほどしてから2つ連続する上りの最初のきつくて長い方でやはり井上君がペースアップ。
森本さんもヒルクライマーとしての意地で呼応する。
この頃から自分の捨て身のペースアップで逃げを狙うよりも二人のペースアップに人数絞るのを任せて、自分は少人数に残ってそこからの勝負もアリだな、と頭を切り替える。
今まで4回独走で勝ったけど、今回はこのメンバーから一人抜け出して逃げ切るのはムリだ。けどそれは私のレースの終わりを意味するわけではない。というちょっとした自信を持てたのが今シーズンのレース活動の成果かもしれない。
二回目の比較的緩い上りでチャンピオンレース女子の先頭を抜かすところがキツさのピーク。先頭で走っていて失神しそう。ここでアタックされたらヤバイ。たぶん身体は反応するだろうけど。けど他もキツイのだろう。誰も前に出てこなかった。
ここを超えるとカヌチャベイリゾート前に軽い上りが2つほどあるけど、勝負がかかるほどではない。ここにきてまだ12名残っている。一番の危険因子はドラゴン太郎。おい、まだ居るのかよ...。最後の羽地ダムの上りで脱落してくれる事を祈るのみ。
真っ平らな海岸線から内陸に入り羽地ダムへ。ココらへんは皆最後の勝負に備えておとなしくローテーション。そのスキをついて一人利田さんが飛び出して15秒先行。不覚にも飛び出した事を知らずに、上り前で「先頭と15秒!」と審判バイクから伝えられた時は「えっ?!」という感じだった。ただ単騎の飛び出しなので11名の集団が焦る事はなく。上り口には吸収して、いよいよ最後の羽地ダムの上りへ。
上り口にハイスピードで突っ込む事はなく、入りは穏やか。上りに入って落ち着いたところで、やはり井上君が相変わらずのシッティングのままでスルスルとペースを上げていく。私も井上君しか見ていなかったので、しっかりとマーク。
アタックではなく、ハイペースを続ける。非常にキツイんだが、まだ千切れるほどではない。トンネル前の少しだけ勾配きつくなるあたりで森本さんが先頭に出る。しかしコレもアタックと言う感じではまったくなく、若干のペースアップというくらい。5時間以上走ってのこのバトルのキツイのなんのって。山の神のペースアップもキレはないのでまだついていける。
トンネルで私の苦手な緩斜面になるので、気を抜かずに離れないように集中。トンネルを抜けて右折してカクっと上るコブもクリア。まだ誰も攻撃してくる人はいない。この上りのアタックで人数は絞られて半分くらいになった。後ろはほとんど確認しなかった。自分が前方にいて決して遅れない事だけに集中。三段階で頂上まで、無事に先頭で上りをクリア。スプリンタースイッチを装着してからドロップ部を持って上る機会が格段に増えた。
ここで周りを確認。6名だ。龍太郎が脱落! せっかく、ようやく最後の上りで少人数に絞られたのが下りで再合併してはもったいないので皆に声をかけてローテを回す。
『後ろから龍太郎が来てるから追いつかれないようにローテして!』と発破をかける。いや、実際には龍太郎がどこで脱落してどのくらい離れているか全く見てなかったんだが...。まぁ後ろから来ているというのはウソではない。
下りで一人追ってきているのが見える。竹芝レーシングの清宮さんだ。清宮さんと言えば、あまり一緒にロードレースで争ったことはないが、いつかのジャパンカップの集団スプリントで龍太郎を下して優勝したというのを強烈に覚えている。合流してゴールスプリントとなると非常に厄介なので、再度皆に声をかけて清宮さんが迫っていることを伝え、6名で高速ローテーション回せば一度は千切れた清宮さんが単独では追いつかないだろう、と皆に声をかけてローテーションを回す。
そこからゴールまでの道のりは6名で牽制はほとんどなく、佐藤さんが脚を攣らせているようで何度かローテを飛ばした以外は、かなりスムーズにローテーションを回せた。おかげで清宮さんは遥か彼方になり、脅威が一つ減る。
後は6名での勝負に集中。ロードレースのゲームをしていると感じる最高に楽しい時間。53x12-13Tでうまく高速で巡航出来ているこの時間、アドレナリンでまったくキツイなんて思わなかった。
ところで一つ事前の準備不足だったのが、JPTで走っている選手のチェックだ。6名は松木・佐藤・森本・松下・井上と私だったのだが、VC Fukuokaの佐藤信哉選手となるしまフレンドの松下拓人選手のことは全く知らなかった。レース後にJPTの最近のレースで10位以内に入っていた事を知る。そんなわけで各人のスプリント力を完全に把握していたわけではないが、なんとなく勝算はあると思っていた。
多分スプリントでは勝算ゼロ(と自覚している)の井上君。牽制の合間に飛び出てしまうことだけに注意して、番手につく。ここまでの行程を見る限り、他の選手がうっかり飛び出してそのままゴールまで踏み切る脚は残っていないと読んだ。
ゴールスプリントは井上君がロングスパートで最初に仕掛けるだろう。私としてもスプリントの距離は長いほど勝算はあるので大歓迎。ローテーション回したままラスト1kmを切る。井上君が先頭。ここから私は前に出ない。当然ペースは緩む。後ろからの飛び出しに目を光らせながら井上君のスプリントのタイミングに集中。
たしか自分の後ろでは森本さんが斜めについて待機していたように思う。
ラスト500mくらいから、やはり井上君が最初にスプリントを開始する。
きっちり合わせられて、思ったより速度は出ないのでスリップストリームに入ってしっかり加速の立ち上がりの恩恵を受ける。
データを見るとスプリント開始から10秒ほど速度乗せて後ろについていたようだ。ラスト200mくらいだろうか、そこから再度踏み込んで渾身のゴールスプリント。最後50mは失速しないようにもがき続ける。この時間が非常に長く感じたが、無事後ろからの追い上げを許さずに一着でゴールラインを通過!
最近の練習ではどんなにもがいても850Wくらいしか最大出力が出ていなかったけど、200kmの後のゴールスプリントで846Wだったので上出来か。2位の松木さんとは0.4秒くらいの差だが、やっぱり怖くてゴールラインを通過するまで手は挙げられない。
バンザイのパーは5勝目を表す。最高の気分。このビッグレースで、ゴールスプリントでの勝利というのは全く想定外ではないが、やはり信じられないという気持ちもあった。
ブースを出しているサンボルトやゴキソの方々、応援に来てくれたチームマネージャーのNさん達と喜びをその場で共有できるのも大変幸せ。本当に多くの皆様に支えられての結果です。感謝してもしきれません。
今年も禁酒生活6週間の後のオリオンビールは最高だった。
レースを終えて
今回の反省点はホビーレーサーのみしか視界に入っていなくて、国内プロチームの主戦場であるJPT(JBCFレース)の方へまったくアンテナが向いていなかった点。最終的に6名に残った佐藤さん・松島さんは直近のJPTレースで10位以内に入るほど好調だったとレース後に知った。
6名の勝負になった際に二人は姿と名前が一致しないくらいノーマークだった。JPTのロードレースで上位に入るレベルがどのくらいか分かっているので、注意すべきだった。次回からはレース前に福田さんに強い人は誰?と聞いてみよう。きっと漏れなく要注意人物をリストアップして一言コメントくれるに違いない。
とは言えレース前は考え出すと不安が募るばかり。あまり周りの事は気にせず『5時間越えるレースは別物』と自分に言い聞かせて心を鎮めるのみ。それにしてもこれだけの選手たちが鍛錬を積み重ね皆がコンディションを合わせてガチでぶつかる、このレースは本当に最高だ。
チームメートの活躍
5回のうちどの勝利が一番嬉しかったというのは難しい。全部同じくらい嬉しい。しかし今年は3年連続という奇跡的なおまけ付きなだけに格別。そして、チーム結成1年目にして超無名だった菊川が140kmで3位になるまで急成長したのも非常に嬉しい。実は100kmクラスでは國見があわや優勝という位置で走ってもいた(最後の上りを終えてからパンク)。
皆が同じ目標を持って頑張ってきて、それなりの成果を出せて、チームを立ち上げて頑張ってきて本当に良かったと思える。まだまだ松尾も伸びるし、銀山という良い選手もいるし、まこっちも少しずつ復活に向けて歩んでいる。ホビーレースでのRXジャージの存在感をどんどん大きくしていきたい。
40歳を迎えて
最初にツール・ド・おきなわに勝ったのは2007年。30歳になったばかりの時だ。それから10年経って今年は40歳で臨むレース。ローラーでの20分出力ベストは今年出した322Wだし、自分ではまだ弱くなってはないと思っている。だが、数年前の絶好調だった時の走りがなかなか出来なくなっているのも事実。
その代わり、粘りと戦術面で自分のチカラ以上の結果に結びつける”実力”は確実に向上していると感じるので面白い。今年のトップ10で20代は2人だけ。毎年そんなもんだと思う。
今までは集団から抜け出さなければ自分の勝ちパターンではなかった。しかし今年はいくつかのレースでゴールスプリントで良い成績を出せて多少の自信はついた。今後周りの選手に対してのプレッシャーにも多少はなるだろうし、戦術の幅が広がったのが大きい。冬の間にクリテリウムにフォーカスして練習したのが、クリテリウムでは全く成果にならなかったが、シーズン終えてみると無駄ではなかったかなと感じる。
長く続ければ少しずつ着実に成長できるのがエンデュランススポーツの良いところ。まだまだ上を目指すぞ。
使用機材
フレーム:TIME ZXRS Sサイズ。製造中止になったモデルの最終型。3連覇は全てZXRSだが、2015-2016と連覇した赤いフレームとは違うフレーム。赤いフレームは塗り替える前の2013年にチャンピオンレースで7位に入ったモノ。ここまでおきなわと相性が良いと、来年違うフレームで臨むのに躊躇する。さて、1年後は何に乗っているのだろうか。
ハンドル:Oval R950 420mm。一時期400mmも試していたが、今後は420mmと決めた。大きなドロップ部分が肝。
サドル:Bontrager Serano RXL 138mm。本当は128mmがベストなんだが、もう造ってないので138で。
ブレーキ:デュラエース9100。コレ以外の選択肢ないでしょう。
変速系:デュラエース9150Di2。ハンドル上部につけるサテライトスイッチとドロップ部につけるスプリンタースイッチの効用は大きい。サテライトスイッチはSW-R600の時は非常に使い勝手悪かったがR610になって飛躍的に良好になった。そしてスプリンタースイッチは今年一番の発見。これをつけてから上りなどでドロップ部を持ったまま走る時間が数倍になった。エアロ的にかなり得をしているはず。カンパもスラムも変速自体は問題ないが、追加スイッチの差は大きいので当分乗り換えることはないだろう。
クランク:デュラエース9100 with Pioneerペダリングモニター。172.5mm 53-39T。軽量で純正のギアセットで使えるのと電池交換楽なのが良い。精度もSRMと比較して遜色ない。左右のペダリングストローク解析やダンシング・シッティングにデータを分けられたり、出来ることが非常に多い。
BB:ウィッシュボーン。音鳴りに悩まされていたのでこちらに変更。しかし純正のセラミックベアリングは耐久性が高くないようで雨の練習一発でヤラれたので、ベアリングは変更している。
サイコン:Pioneer CA500。コンパクトで表示のカスタマイズ多くて今のところ耐久性もある。かなり雨中の練習もしたけどまだ健在。マウントはステム両端から支えるREC−Mountがサテライトスイッチとの相性を考えるとベスト。
ペダル:TIME(MAVIC)。シューズとのファジーな接地感は唯一無二。ダイレクト感を求める人には向かないかな? ベアリングの性能・耐久性はお世辞にも高いと言えないので、こちらも小畑メカニックにお願いしてチューンナップしてもらっている。
チェーン:いわゆるザイコーチェーン。Molten Speed Waxを施工したデュラエースチェーン。
ホイール:GOKISO 38mm / SOYO Latex チューブ / Continental Supersonic 23C。この組み合わせで4年連続かな。はっきり言って重い。持った時は残念な感じだが、回転・巡航性能ははっきりと優位性を体感出来るレベル。今シーズン途中からエンドワッシャーを使用している。私は鈍感なのでブラインドで乗って体感できる自信がないが気に入っているパーツだ。
シューズ:BONT VAYPOR S。コレほんと最高。
ウェア:サンボルト セパレートワンピ(半袖)、アンダーウェアなし
ソックス:武田レッグウェアー(RxL)
完成車重量を計測したりしないくらいに、昔より重量に無頓着になっている。いつも完璧な状態に仕上げてくれるメカニックのオバターさん、チームウェア製作のサンボルトさん、チェーン施工してくれるザイコーさん、最高の状態のホイールをわざわざ組んで用意してくれたGOKISOさん、エンドワッシャー提供の親分、etc. 皆様の真心によって成立している最高のバイクだ。
最後に、応援してくれた家族、会社の休みをカバーしてくれる同僚、一緒に頑張ったチームの皆、応援してくれるカトーサイクルさん、自転車を完璧にしてくれる小畑さん、パイオニアさん、スタイルバイクさん(BONTシューズ/マグオン)、栄養サポートのoginoさん、レックマウントさん、etc. 名前をあげたらキリがないほど多くの方々に支えられてやってこれました。これからも応援よろしくお願いいたします。
ツール・ド・おきなわ市民200/210km 今までの戦績
2006年 10位
2007年 優勝
2008年 2位
2009年 2位
2010年 5位
2011年 優勝
2012年 チャンピオンレース 終盤にパンク・完走
2013年 チャンピオンレース 7位
2014年 2位
2015年 優勝
2016年 優勝
text: Akihiro.TAKAOKA
photo:Makoto.AYANO,Satoru.KATO
ツール・ド・おきなわに対するモチベーション
長距離のレースを得意とする私にとってツール・ド・おきなわ市民210kmは、これ以上にないほど全てにおいて最高のロードレース。極端な話、このレースで勝てればシーズンの他のレースはどうでも良いと思えるほど。実際にここに至るまでの長いシーズン中の他のレースはこのレースのためと言っても過言ではない。
そういう私の活動を十分知ってチームRoppongi Expressに加入してくれた仲間ともそのモチベーションを共有出来ているのは今までにない幸せ。新チームを結成して新しいジャージで臨むおきなわなので、例年より一層気合も入る。
シーズンはじめからこの日のために
ここ10年ほど変わらず、ツール・ド・おきなわを最終目標にシーズンを過ごす。冬の間はクリテリウム中心。苦手な短時間のスピードレースに慣れるため。今年は新チーム結成で少し冬から気合が入っていたせいか、午前5〜7時でやるチーム朝練を1月から開始して、それも調子を上げる一因になっていた。
春先までチーム練のスプリントでほとんど負け無しなくらいスプリントはかかっていた。しかし狙っていた実業団レースの開幕戦・宇都宮で不発の5位。その後もてぎ7hエンデューロ・ひたちなかエンデューロなどでは優勝できたけど、それ以外はパッとせずに全日本選手権ロード。結果だけ見れば14位と悪くはなかったが、内容的にはあまり良くなかった。アマチュアの中でも森本さんには確実に走りで負けていたのが悔しい。
その2週間後のニセコクラシックはほぼ練習出来ていないコンディションで、脚を攣りながらも粘りに粘っての2位。このレースでは絶対に来年のリベンジを誓う。
一応、予定通りにグランフォンド世界選手権への切符を手に入れた。しかし世界選手権に向けてはまったく集中しきれておらず、オフでバケーションついでに行くような気分だけど、せっかく行くなら全く走れないのはもったいないから最低限の練習はしておかないと、という気持ち。で、驚きの2位。冬の間に積み重ねたトレーニングと、4〜5月に連続で2000km以上走り込んだのがきちんと効いていたんだな、と実感。
9月からおきなわまでの間は練習目的で出走したエンデューロ以外のレースはジャパンカップくらい。そこで雨の中落車した。一番やってはいけないことをしてしまった。
その時期はレースよりもとにかくトレーニングボリューム重視。10月に3000kmほど走り込んで、11月頭には休んで回復させて完全にリフレッシュした身体で沖縄入りという予定だったが、疲労を引きずって全く回復せぬままに沖縄入り。まったく好調を感じぬままに本番を迎えることになった。
いや、ホントに今年ほど自信なくスタートラインに立った事はなかったんじゃないかと思う。
年間通したコンディショニング(=体重コントロール)
ツール・ド・おきなわを終えてお正月にかけて祝勝会・忘年会含む多数の飲み会により例年体重はジャンプアップする。2016年大晦日は66.4kg。2017年元旦は65.0kgという体重からスタート。シーズン中の自然体での体重は62-63kgくらい。狙ったレースに向けて61kgくらいまで落とすというのがいつものやり方。ハードトレーニング期に落とそうとするとエネルギー不足に陥り回復が間に合わずトレーニング量・質ともに低下して結果的に弱くなってしまうのでトレーニング期はあまり落としすぎないように気をつけている。
今回もピンポイントで体重を落としたのはレース10~1週間前くらいから。一度デトックスっぽく食事を軽くして胃腸の負担を減らす。この時期は筋肉・体力の回復に集中するのでトレーニングはごくごく軽くにする。
細かくデータを見ると、2週間前くらいから体重は60kg台に落ちる。1週間前に少し強度上げて脚が戻ってきていることを確認したいので日曜に向けてしっかり食べて61.3kg。最後の練習をこなした後の直前一週間は朝に30分~1時間ローラーを回すのみ。カーボローディング前半期(低カーボ食)として食事はかなり軽いものとする。
月 60.0kg-火 60.0kg-水 60.5kg-木 60.5kgと、体重コントロールは完璧に出来たと思う。
レースに向けたコンディションはどうだったかというと、昨年より自信はなかった。10月の集中した練習からの回復がまったくはかどらず、1週間前の6.5kmほどの峠では2016年対比12秒落ち。しかし2016年のタイムはかなり良くって、これなら誰にも負けないだろうという自信を持てたので、そこからの12秒落ちというのは正直そんなに悲観ほど悪くはないなって思えた。それほど今年の自信はなかった。
良い年も悪い年もあったけど、その中で毎回それなりの結果に結びつけてきたので、今年もそれなりに出来るだろうと、後は自分を信じて木曜朝の便で沖縄へ飛ぶ。
そんなにカリカリに絞るよりもしっかり食べた方が強いんじゃないか?って思うかもしれないけど、心配無用。現地入りしてからはレースまで体重測定しなくていいので、心置きなくカーボローディングでエネルギー充填するんで。それにしても沖縄の食事は美味しい。
注意すべきライバルたち
危険度10:直近3年間で5位-3位-2位ときている井上亮選手。直近の富士チャレンジ200でもその脚力をまざまざと見せつけられた。昨年おきなわでは落車して2位。今年のニセコではメカトラでバイク交換。今年の富士チャレではメカトラでスプリント参加せず。と色々トラブルは多いけど、体力的には図抜けているのでハマったら怖い存在。自分が100%に近いコンディションでもって臨まなければヤラれると恐れていた。
危険度9:乗鞍で直近10年間で8回優勝という森本誠選手も引き続きロードタイトル奪取に非常に意欲的。圧倒的な登坂力と5時間のレースでも走れる持久力はホビーレーサーの中ではトップクラス。
危険度8:スピードあって厄介な選手として龍太郎、小畑さん、岩島さん、ゲンタ。絶対に最後の坂までで千切っておかないといけない。
危険度7.5:実績ある青木さん、松木さん、清宮さん、田崎さん、河合さん、ゴローさんなど。
(蓋を開けてみれば松木さんが頭一つ抜けていて、危険度8.5-9.0くらいの仕上がりだった)
あと、エントリーしていたデンマーク人のジョン・エブセンは不出走と聞いた。昨年はプロコンチネンタルチームで走った彼はサイクルモードで働きすぎて風邪を引いたとのことだ。2014のような悪夢がなくなり一安心。
決戦の時は来た
前夜は22時過ぎに就寝。ぐっすり眠れる気配は全く無いけど、横になって目をつむっていれば少なくとも身体は休まるだろう。寝付くも1時過ぎに置きてしまう。そして、それから再度深い眠りには入れず、寝ているのか起きているのか分からない状態のまま4:30のアラームが鳴る。
朝食は前日から作っておいたオートミール。オートミールとスキムミルクを持ってくればお湯さえあればどこでも同じモノが食べられるので。前日までのカーボローディングが上手くいっているので(ただの食い過ぎか?)、朝食は控えめに。
遠征の時に日程に余裕持って現地入りするといつもの起床後体重測定が出来ないので、体重を気にせずにエネルギー充填出来るのはメリット。いい加減62kgとか増えた数字を見て「ヨシヨシ」と思える気持ち的余裕が持てても良さそうなもんだけど、乗ると少ない数字を見たい乙女心は直らない。たぶんカーボローディングによってレース当日は61kg後半にはなっていたのではないか。
6時前には会場に到着。まだ暗い。気温予想は20−24度。22度程度だったら迷わず長袖。25度超えたら迷わず半袖なんだが、悩ましい天気。SUNVOLTさんには無理言ってチームジャージのロード用ワンピ(セパレート)長袖をこのレースまでに間に合わせて頂いた。備えあれば憂い無し。せっかくなのだけど、悩んだ末に結局はゼッケンを装着するのは半袖に決定した。
スタート前までちょくちょく食料補給して空腹にならぬようにして、トイレで二度目の軽量化して、スタート地点へ。昨年より少し早い7:27スタートだ。
先頭からのスタートなのでポジションを下げないように走る。特にペースは速くないので問題ない。スタートしてほどなくして数名アタック。ゴローさんが追走。そのまま一気に逃げ集団のペースが上がり、逃げが決まる。集団から一人で抜け出して追いついたポール(ソールズベリー)が最終で、逃げは9名だったらしい。15人くらいいると思っていた。
この動きを見て、ライバルが一人減ったと思った。市民210kmのアーリーアタックは決まらない。まぁゴローさんらしいといえばらしいが。後ろは普通に走っていれば必ず後半には捕まえられる。
ただ、誰も牽かなくなって20分とか差がついてしまうと、プロのレースのように後半強力に牽引するアシスト役がいないので、厄介だ。なので集団が止まらない程度に気持ちよく流れるペースで走るのが理想。チームメートの松尾にその旨伝えてローテーションに入ってもらう。
私は危険回避のポジションで20番手ぐらいを走る。いつもよりは少し後ろめかな。松木さん、田崎さん、ゲンタ、岩島君、小畑さん、青木さん、などなど、ライバルたちもやはり前の方で走る。が、井上君の姿を一度たりとも見ない。今日はなんのメカトラだ?
逃げは海岸線で最大4’40差くらいまで広がる。まだまだ余裕。上りに入る頃に4分を切る。海岸線を北上する行程は至って平和で、例年よりも極めてペース変動が少なく、誰も全く脚を使わずに走れたのではないか。
普久川ダム上りは3番手で入る。ペースはそんなに速くないが、例年よりキツさ具合がかなり低い。井上くんもようやく上りで姿を現し、生存を確認。これは意外と調子良いのかもしれない。心拍は160までしか上がっていない。
普久川ダム一回目データ : 7.5km 18’30 NP 290.8W Max 160bpm 81.3rpm ダンシング35%
ここまでのライバル観察。田崎さんは積極的に動いているので調子良いのかもしれないけど、沖縄の後半はそんなに甘くない。多分最後には来ないだろう。
岩島君が好調そう。後半まで貯めて走れる人なので注意。井上君が姿現さないのは、後半勝負にフォーカスしてるからだろう。やはり一番注意。
森本さんは安定の走り。必ず勝負に絡んでくるだろうな。
絶対にゴールまで一緒に行ってはいけない小畑さん・ゲンタも全く余裕そうで不気味。特にゲンタは走りが上手く、後半に備えて脚をまったく使っていないのがわかる。
実績ある松木さん・青木さんもしっかりと前の方にいる。
頂上でタイム差は2分弱。この上りで1分以上詰めたので、逃げ集団を吸収する事は確定的。つつがなく一回目のダム上りをこなして、下りはいつもどおり危険回避で先頭でかっ飛ばす。
北部回るアップダウンもペースは上がらない。かなりまったりしているけど、タイム差は2.5分程度で変わらない。逃げも同じくらいのペースで走っているのか。かなりまったりとしているので、ここで二回目のトイレタイム。気温は20度強で、このくらいだと私はほとんど汗をかかないので、水分排出はこちらがメイン。これで後半に向けた準備は完了。
脚を攣る気配もなく、補給も余裕を持って摂れている。ここまでで食べた固形物はなんとう餅2つ(←コレはおすすめ)、おにぎり半分、アンパン1。
あとはマグオンジェルを3つほど。2回めのダム上りからの後半80kmは絶え間なくアップダウンが続きペースが速いので、固形物を摂っている余裕はないのでジェルのみ。補給も計画通りに摂れた。
2回目の普久川ダムは先頭で突っ込む。はじめだけ勢いつけて、何人かに抜かれながら自分のペースまで落として上る省エネ走。
岩島くんが飛び出して一人で先行。珍しい。かなり調子良さそうに上っているけど、さすがにそのまま一人で逃げるほどではなく、森本さん中心にペースを作っていき、途中で吸収。上り終わりで前はゴローさん先頭で計4名で差は1’20くらい。もはや捕まえたも同然だ。
普久川ダム2回目データ : 7.5km 18’30 NP 282.8W Max 163bpm 75.5rpm ダンシング50.5%
ペースは上がっていない。ダンシング50%でその分ケイデンスは落ちている。
9人逃げはかなりドラマがあったらしいが、まとめるとスタート5kmほどからゴローさんを除く8人でローテして逃げ続け、二回目のダムの上りでゴローさん一人になり、高江の上り過ぎで吸収。そこからいよいよ勝負区間。
いやしかし、数年前なら高江のいわゆる学校坂でペース上げてみるともう10名を切っていたんだが、今年はまだ30名近く残っている。皆がこのレースに向けて仕上げてきて、後半の勝負どころに備えて準備しているのがひしひしと伝わってくる。
チームメートの松尾もまだ残っている。まだ限界ではなさそう。「どうします?」と聞いてくるので「まだ焦らなくても良い」と伝える。自分たちで積極的にレースを動かして勝ちを狙えるほどの頭数もないしそこまでの脚もない。コースは長くキツイので必ず終盤になれば必然的に人数は絞られて来るから焦って動かなくても良い。と頭ではわかっていながら、そうチームメートに伝えておきながら、振り返ってみると一番焦っていたのは自分かもしれない。
一緒にゴールまで連れて行ったら100%スプリントで勝てない選手が複数名いる。そいつら全員を後半の上りでやっつけないといけない。進めば進むほどやっつけられるチャンス、つまり上りの数は減っていく。そう考えると動かざるを得なくなり、何度もジャブを打つ。井上君も人数絞りたいので一緒にペースアップを図る。
上りでガーンと上げても当然皆ついてくるので、井上君が上げて皆がついてきて一休みしたいタイミングとか、上り終わりで休みたいタイミングとか、色々タイミングを変えて、あの手この手で抜け出しを図るも、ことごとく成功しない。しかし後で聞いたら、「あの散発的なペースアップでかなり脚を削られてキツかった」という声を聞いたので、それなりに無駄ではなかった。
大雑把に言うと、後半のアップダウンでは井上君と私だけがアタックして他全員はついてくる、という構図だったように記憶している。
下り基調のアップダウンの中、一度だけ下りで小畑さんと二人でタイミング的に上手く抜け出せた時があった。その時は全力で逃げを試みたが、後ろも緩まず全力で追ってくるのが見えて、長く続かず吸収。まだまだ20名以上いるか。
追い風基調なようで、53x11Tで下りではもっとギアが欲しかった。54Tってのも今後考えてもいいかな。
終盤まで登りでペースを上げるたびにゲンタと小畑さんがしっかりと反応してきて決して離れないので、いよいよ焦る。しかしそっちを意識し過ぎるあまり井上君に飛び出されてしまうリスクも考えて、最終盤に近づくにつれて慎重になる。
海岸線を走っていて、次のちょっとした上りに備えて井上君の後ろについて前に出なかったら、脚を止めても誰も前に出ずにスローダウン、というほど全員にマークされるなかでのレースとなる。
上りで井上君が上げていくのに注意して、それには絶対に遅れないように走る。最後の補給所の上りで下からかなり強烈なペースアップ。こちらもギリギリついていける。脚は攣っていなく、今日は攣りそうな気配もない。このペースアップはかなり強烈で私もキツかったけど、勝負の分かれ目は本当にキツイ局面。
ここで更に前に出て少し上げて勝負をかけてみる。たしか小畑さんもゲンタもまだ居たと思うけど、ここらへんで限界にきたのではないか。源河との分かれ道を過ぎて残り30kmほど。
分かれ道から1kmほどしてから2つ連続する上りの最初のきつくて長い方でやはり井上君がペースアップ。
森本さんもヒルクライマーとしての意地で呼応する。
この頃から自分の捨て身のペースアップで逃げを狙うよりも二人のペースアップに人数絞るのを任せて、自分は少人数に残ってそこからの勝負もアリだな、と頭を切り替える。
今まで4回独走で勝ったけど、今回はこのメンバーから一人抜け出して逃げ切るのはムリだ。けどそれは私のレースの終わりを意味するわけではない。というちょっとした自信を持てたのが今シーズンのレース活動の成果かもしれない。
二回目の比較的緩い上りでチャンピオンレース女子の先頭を抜かすところがキツさのピーク。先頭で走っていて失神しそう。ここでアタックされたらヤバイ。たぶん身体は反応するだろうけど。けど他もキツイのだろう。誰も前に出てこなかった。
ここを超えるとカヌチャベイリゾート前に軽い上りが2つほどあるけど、勝負がかかるほどではない。ここにきてまだ12名残っている。一番の危険因子はドラゴン太郎。おい、まだ居るのかよ...。最後の羽地ダムの上りで脱落してくれる事を祈るのみ。
真っ平らな海岸線から内陸に入り羽地ダムへ。ココらへんは皆最後の勝負に備えておとなしくローテーション。そのスキをついて一人利田さんが飛び出して15秒先行。不覚にも飛び出した事を知らずに、上り前で「先頭と15秒!」と審判バイクから伝えられた時は「えっ?!」という感じだった。ただ単騎の飛び出しなので11名の集団が焦る事はなく。上り口には吸収して、いよいよ最後の羽地ダムの上りへ。
上り口にハイスピードで突っ込む事はなく、入りは穏やか。上りに入って落ち着いたところで、やはり井上君が相変わらずのシッティングのままでスルスルとペースを上げていく。私も井上君しか見ていなかったので、しっかりとマーク。
アタックではなく、ハイペースを続ける。非常にキツイんだが、まだ千切れるほどではない。トンネル前の少しだけ勾配きつくなるあたりで森本さんが先頭に出る。しかしコレもアタックと言う感じではまったくなく、若干のペースアップというくらい。5時間以上走ってのこのバトルのキツイのなんのって。山の神のペースアップもキレはないのでまだついていける。
トンネルで私の苦手な緩斜面になるので、気を抜かずに離れないように集中。トンネルを抜けて右折してカクっと上るコブもクリア。まだ誰も攻撃してくる人はいない。この上りのアタックで人数は絞られて半分くらいになった。後ろはほとんど確認しなかった。自分が前方にいて決して遅れない事だけに集中。三段階で頂上まで、無事に先頭で上りをクリア。スプリンタースイッチを装着してからドロップ部を持って上る機会が格段に増えた。
ここで周りを確認。6名だ。龍太郎が脱落! せっかく、ようやく最後の上りで少人数に絞られたのが下りで再合併してはもったいないので皆に声をかけてローテを回す。
『後ろから龍太郎が来てるから追いつかれないようにローテして!』と発破をかける。いや、実際には龍太郎がどこで脱落してどのくらい離れているか全く見てなかったんだが...。まぁ後ろから来ているというのはウソではない。
下りで一人追ってきているのが見える。竹芝レーシングの清宮さんだ。清宮さんと言えば、あまり一緒にロードレースで争ったことはないが、いつかのジャパンカップの集団スプリントで龍太郎を下して優勝したというのを強烈に覚えている。合流してゴールスプリントとなると非常に厄介なので、再度皆に声をかけて清宮さんが迫っていることを伝え、6名で高速ローテーション回せば一度は千切れた清宮さんが単独では追いつかないだろう、と皆に声をかけてローテーションを回す。
そこからゴールまでの道のりは6名で牽制はほとんどなく、佐藤さんが脚を攣らせているようで何度かローテを飛ばした以外は、かなりスムーズにローテーションを回せた。おかげで清宮さんは遥か彼方になり、脅威が一つ減る。
後は6名での勝負に集中。ロードレースのゲームをしていると感じる最高に楽しい時間。53x12-13Tでうまく高速で巡航出来ているこの時間、アドレナリンでまったくキツイなんて思わなかった。
ところで一つ事前の準備不足だったのが、JPTで走っている選手のチェックだ。6名は松木・佐藤・森本・松下・井上と私だったのだが、VC Fukuokaの佐藤信哉選手となるしまフレンドの松下拓人選手のことは全く知らなかった。レース後にJPTの最近のレースで10位以内に入っていた事を知る。そんなわけで各人のスプリント力を完全に把握していたわけではないが、なんとなく勝算はあると思っていた。
多分スプリントでは勝算ゼロ(と自覚している)の井上君。牽制の合間に飛び出てしまうことだけに注意して、番手につく。ここまでの行程を見る限り、他の選手がうっかり飛び出してそのままゴールまで踏み切る脚は残っていないと読んだ。
ゴールスプリントは井上君がロングスパートで最初に仕掛けるだろう。私としてもスプリントの距離は長いほど勝算はあるので大歓迎。ローテーション回したままラスト1kmを切る。井上君が先頭。ここから私は前に出ない。当然ペースは緩む。後ろからの飛び出しに目を光らせながら井上君のスプリントのタイミングに集中。
たしか自分の後ろでは森本さんが斜めについて待機していたように思う。
ラスト500mくらいから、やはり井上君が最初にスプリントを開始する。
きっちり合わせられて、思ったより速度は出ないのでスリップストリームに入ってしっかり加速の立ち上がりの恩恵を受ける。
データを見るとスプリント開始から10秒ほど速度乗せて後ろについていたようだ。ラスト200mくらいだろうか、そこから再度踏み込んで渾身のゴールスプリント。最後50mは失速しないようにもがき続ける。この時間が非常に長く感じたが、無事後ろからの追い上げを許さずに一着でゴールラインを通過!
最近の練習ではどんなにもがいても850Wくらいしか最大出力が出ていなかったけど、200kmの後のゴールスプリントで846Wだったので上出来か。2位の松木さんとは0.4秒くらいの差だが、やっぱり怖くてゴールラインを通過するまで手は挙げられない。
バンザイのパーは5勝目を表す。最高の気分。このビッグレースで、ゴールスプリントでの勝利というのは全く想定外ではないが、やはり信じられないという気持ちもあった。
ブースを出しているサンボルトやゴキソの方々、応援に来てくれたチームマネージャーのNさん達と喜びをその場で共有できるのも大変幸せ。本当に多くの皆様に支えられての結果です。感謝してもしきれません。
今年も禁酒生活6週間の後のオリオンビールは最高だった。
レースを終えて
今回の反省点はホビーレーサーのみしか視界に入っていなくて、国内プロチームの主戦場であるJPT(JBCFレース)の方へまったくアンテナが向いていなかった点。最終的に6名に残った佐藤さん・松島さんは直近のJPTレースで10位以内に入るほど好調だったとレース後に知った。
6名の勝負になった際に二人は姿と名前が一致しないくらいノーマークだった。JPTのロードレースで上位に入るレベルがどのくらいか分かっているので、注意すべきだった。次回からはレース前に福田さんに強い人は誰?と聞いてみよう。きっと漏れなく要注意人物をリストアップして一言コメントくれるに違いない。
とは言えレース前は考え出すと不安が募るばかり。あまり周りの事は気にせず『5時間越えるレースは別物』と自分に言い聞かせて心を鎮めるのみ。それにしてもこれだけの選手たちが鍛錬を積み重ね皆がコンディションを合わせてガチでぶつかる、このレースは本当に最高だ。
チームメートの活躍
5回のうちどの勝利が一番嬉しかったというのは難しい。全部同じくらい嬉しい。しかし今年は3年連続という奇跡的なおまけ付きなだけに格別。そして、チーム結成1年目にして超無名だった菊川が140kmで3位になるまで急成長したのも非常に嬉しい。実は100kmクラスでは國見があわや優勝という位置で走ってもいた(最後の上りを終えてからパンク)。
皆が同じ目標を持って頑張ってきて、それなりの成果を出せて、チームを立ち上げて頑張ってきて本当に良かったと思える。まだまだ松尾も伸びるし、銀山という良い選手もいるし、まこっちも少しずつ復活に向けて歩んでいる。ホビーレースでのRXジャージの存在感をどんどん大きくしていきたい。
40歳を迎えて
最初にツール・ド・おきなわに勝ったのは2007年。30歳になったばかりの時だ。それから10年経って今年は40歳で臨むレース。ローラーでの20分出力ベストは今年出した322Wだし、自分ではまだ弱くなってはないと思っている。だが、数年前の絶好調だった時の走りがなかなか出来なくなっているのも事実。
その代わり、粘りと戦術面で自分のチカラ以上の結果に結びつける”実力”は確実に向上していると感じるので面白い。今年のトップ10で20代は2人だけ。毎年そんなもんだと思う。
今までは集団から抜け出さなければ自分の勝ちパターンではなかった。しかし今年はいくつかのレースでゴールスプリントで良い成績を出せて多少の自信はついた。今後周りの選手に対してのプレッシャーにも多少はなるだろうし、戦術の幅が広がったのが大きい。冬の間にクリテリウムにフォーカスして練習したのが、クリテリウムでは全く成果にならなかったが、シーズン終えてみると無駄ではなかったかなと感じる。
長く続ければ少しずつ着実に成長できるのがエンデュランススポーツの良いところ。まだまだ上を目指すぞ。
使用機材
フレーム:TIME ZXRS Sサイズ。製造中止になったモデルの最終型。3連覇は全てZXRSだが、2015-2016と連覇した赤いフレームとは違うフレーム。赤いフレームは塗り替える前の2013年にチャンピオンレースで7位に入ったモノ。ここまでおきなわと相性が良いと、来年違うフレームで臨むのに躊躇する。さて、1年後は何に乗っているのだろうか。
ハンドル:Oval R950 420mm。一時期400mmも試していたが、今後は420mmと決めた。大きなドロップ部分が肝。
サドル:Bontrager Serano RXL 138mm。本当は128mmがベストなんだが、もう造ってないので138で。
ブレーキ:デュラエース9100。コレ以外の選択肢ないでしょう。
変速系:デュラエース9150Di2。ハンドル上部につけるサテライトスイッチとドロップ部につけるスプリンタースイッチの効用は大きい。サテライトスイッチはSW-R600の時は非常に使い勝手悪かったがR610になって飛躍的に良好になった。そしてスプリンタースイッチは今年一番の発見。これをつけてから上りなどでドロップ部を持ったまま走る時間が数倍になった。エアロ的にかなり得をしているはず。カンパもスラムも変速自体は問題ないが、追加スイッチの差は大きいので当分乗り換えることはないだろう。
クランク:デュラエース9100 with Pioneerペダリングモニター。172.5mm 53-39T。軽量で純正のギアセットで使えるのと電池交換楽なのが良い。精度もSRMと比較して遜色ない。左右のペダリングストローク解析やダンシング・シッティングにデータを分けられたり、出来ることが非常に多い。
BB:ウィッシュボーン。音鳴りに悩まされていたのでこちらに変更。しかし純正のセラミックベアリングは耐久性が高くないようで雨の練習一発でヤラれたので、ベアリングは変更している。
サイコン:Pioneer CA500。コンパクトで表示のカスタマイズ多くて今のところ耐久性もある。かなり雨中の練習もしたけどまだ健在。マウントはステム両端から支えるREC−Mountがサテライトスイッチとの相性を考えるとベスト。
ペダル:TIME(MAVIC)。シューズとのファジーな接地感は唯一無二。ダイレクト感を求める人には向かないかな? ベアリングの性能・耐久性はお世辞にも高いと言えないので、こちらも小畑メカニックにお願いしてチューンナップしてもらっている。
チェーン:いわゆるザイコーチェーン。Molten Speed Waxを施工したデュラエースチェーン。
ホイール:GOKISO 38mm / SOYO Latex チューブ / Continental Supersonic 23C。この組み合わせで4年連続かな。はっきり言って重い。持った時は残念な感じだが、回転・巡航性能ははっきりと優位性を体感出来るレベル。今シーズン途中からエンドワッシャーを使用している。私は鈍感なのでブラインドで乗って体感できる自信がないが気に入っているパーツだ。
シューズ:BONT VAYPOR S。コレほんと最高。
ウェア:サンボルト セパレートワンピ(半袖)、アンダーウェアなし
ソックス:武田レッグウェアー(RxL)
完成車重量を計測したりしないくらいに、昔より重量に無頓着になっている。いつも完璧な状態に仕上げてくれるメカニックのオバターさん、チームウェア製作のサンボルトさん、チェーン施工してくれるザイコーさん、最高の状態のホイールをわざわざ組んで用意してくれたGOKISOさん、エンドワッシャー提供の親分、etc. 皆様の真心によって成立している最高のバイクだ。
最後に、応援してくれた家族、会社の休みをカバーしてくれる同僚、一緒に頑張ったチームの皆、応援してくれるカトーサイクルさん、自転車を完璧にしてくれる小畑さん、パイオニアさん、スタイルバイクさん(BONTシューズ/マグオン)、栄養サポートのoginoさん、レックマウントさん、etc. 名前をあげたらキリがないほど多くの方々に支えられてやってこれました。これからも応援よろしくお願いいたします。
ツール・ド・おきなわ市民200/210km 今までの戦績
2006年 10位
2007年 優勝
2008年 2位
2009年 2位
2010年 5位
2011年 優勝
2012年 チャンピオンレース 終盤にパンク・完走
2013年 チャンピオンレース 7位
2014年 2位
2015年 優勝
2016年 優勝
text: Akihiro.TAKAOKA
photo:Makoto.AYANO,Satoru.KATO
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