2017/11/20(月) - 12:24
デンマークの港湾都市ボーゲンセで開催されたUCIシクロクロスワールドカップ第4戦で、ポイントリーダーのマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)が怪我を感じさせない走りで圧勝。帰国前の欧州最終レースに挑んだ竹之内悠(東洋フレーム)は56位で終えている。
第4戦を迎えたUCIシクロクロスワールドカップの舞台は、これまで有力選手を多く輩出してきた北欧デンマーク。古くから貿易で栄えた港町ボーゲンセには、全日本選手権前の欧州遠征ラストラウンドとして走る竹之内悠(東洋フレーム)の他、屈強な選手たちが顔を揃えた。
国際的なヨットレースが開催される有名マリーナを発着し、海沿いを駆け抜け、高低差のあるキャンバーを登り降りするスピードコースの延長は3km。2019年のシクロクロス世界選手権開催の場であり、竹之内曰くキャンバーの傾斜はゾルダー以上。波しぶきを伴って吹き付ける海風が体感気温を一気に下げた。
全米王者のスティーブン・ハイド(キャノンデール・p/bシクロクロスワールド.com)が出だしからメカトラに見舞われる前方では、ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア)が久々のホールショットを決める。
ここまでワールドカップで全勝優勝を飾り、文句なしのポイントランキング首位につけるマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)が先頭に立ち、前戦(スーパープレスティージュ第5戦ガーフェレ)で勝利したワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)、前欧州王者のトーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)、そしてファンデルハールという4名が先頭グループを形成する。
数的有利を活かしたいフィデアからはアールツが積極的にペースアップを行い、ガーフェレで激しく落車し、膝を縫う怪我を負っていたファンデルポールが追従。今ひとつ波に乗り切れない世界王者ファンアールトと、シケインのミスでリズムを崩したフェンデルハールは徐々に距離を開けられてしまった。
争いながらハイペースを刻んだ先頭2名だったが、全9周回中の5周目にファンデルポールが加速する。「医師から木曜日まで安静に努めるよう言われ、自転車に乗れなかったけれど、試走の段階であまり怪我の影響は無いと感じていた。実際に何も無かったけれど、レース勘が鈍っていたので数周回様子を見ていた」というワールドカップリーダーの走りは正に圧巻。2位以下を支配下に置き、フィニッシュまで独走を続けることとなる。
パンクに見舞われたアールツをファンアールトが捉え、前後しながら激しい2位争いを展開する。最終周回にはアールツが渾身のアタックを仕掛けるも、ほぼ1周を要して世界王者がキャッチ。ファンデルポールが余裕の独走勝利を飾った8秒後、2位争いのスプリントでファンアールトが先着した。
「初戦からワールドカップ4連勝を挙げることができて素晴らしい気分」とは、涼しい表情でインタビューに応じたファンデルポール。世界選手権開催地での勝利に対しては「もちろん良い予行練習になったけど、急なキャンバー下りで乗車にこだわったけれど、最も速く安全な策はランニングだった」と語っている。
また、この日のフルラップ完走者は40名。竹之内は途中で足切りとなり、全体の56位で全日本選手権前のヨーロッパ最終レースを終えている。
「コースはキャンバーセクションがギリギリ乗っていける状態だったけどリスク回避するためにランを選択した。なので、コースでランをしなければいけない区間が増えた。レースは序盤から中盤にかけて、我慢ができなかった。終盤に少し盛り返したが、まだまだスピードが足りない。ラン区間もなんとか足を引きずることなく走れたのも良かったと思う。遠征最後のレースでリスキーなコースだったけれど、大きな怪我なく終えることができて良かった。ただ10月の怪我からの脚の状態が完璧に治りなりきらず、ずっとくすぶっていてストレスが溜まっている。良いレースをできたのは今遠征の9レース中、2レース。満足いかない。帰国後、立て直しを図る」と語っている。竹之内はすぐにドイツ経由で帰国し、今週末に控える野辺山シクロクロス2連戦から宇都宮シクロクロス、そして全日本選手権に参加する予定だ。
第4戦を迎えたUCIシクロクロスワールドカップの舞台は、これまで有力選手を多く輩出してきた北欧デンマーク。古くから貿易で栄えた港町ボーゲンセには、全日本選手権前の欧州遠征ラストラウンドとして走る竹之内悠(東洋フレーム)の他、屈強な選手たちが顔を揃えた。
国際的なヨットレースが開催される有名マリーナを発着し、海沿いを駆け抜け、高低差のあるキャンバーを登り降りするスピードコースの延長は3km。2019年のシクロクロス世界選手権開催の場であり、竹之内曰くキャンバーの傾斜はゾルダー以上。波しぶきを伴って吹き付ける海風が体感気温を一気に下げた。
全米王者のスティーブン・ハイド(キャノンデール・p/bシクロクロスワールド.com)が出だしからメカトラに見舞われる前方では、ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア)が久々のホールショットを決める。
ここまでワールドカップで全勝優勝を飾り、文句なしのポイントランキング首位につけるマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)が先頭に立ち、前戦(スーパープレスティージュ第5戦ガーフェレ)で勝利したワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)、前欧州王者のトーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)、そしてファンデルハールという4名が先頭グループを形成する。
数的有利を活かしたいフィデアからはアールツが積極的にペースアップを行い、ガーフェレで激しく落車し、膝を縫う怪我を負っていたファンデルポールが追従。今ひとつ波に乗り切れない世界王者ファンアールトと、シケインのミスでリズムを崩したフェンデルハールは徐々に距離を開けられてしまった。
争いながらハイペースを刻んだ先頭2名だったが、全9周回中の5周目にファンデルポールが加速する。「医師から木曜日まで安静に努めるよう言われ、自転車に乗れなかったけれど、試走の段階であまり怪我の影響は無いと感じていた。実際に何も無かったけれど、レース勘が鈍っていたので数周回様子を見ていた」というワールドカップリーダーの走りは正に圧巻。2位以下を支配下に置き、フィニッシュまで独走を続けることとなる。
パンクに見舞われたアールツをファンアールトが捉え、前後しながら激しい2位争いを展開する。最終周回にはアールツが渾身のアタックを仕掛けるも、ほぼ1周を要して世界王者がキャッチ。ファンデルポールが余裕の独走勝利を飾った8秒後、2位争いのスプリントでファンアールトが先着した。
「初戦からワールドカップ4連勝を挙げることができて素晴らしい気分」とは、涼しい表情でインタビューに応じたファンデルポール。世界選手権開催地での勝利に対しては「もちろん良い予行練習になったけど、急なキャンバー下りで乗車にこだわったけれど、最も速く安全な策はランニングだった」と語っている。
また、この日のフルラップ完走者は40名。竹之内は途中で足切りとなり、全体の56位で全日本選手権前のヨーロッパ最終レースを終えている。
「コースはキャンバーセクションがギリギリ乗っていける状態だったけどリスク回避するためにランを選択した。なので、コースでランをしなければいけない区間が増えた。レースは序盤から中盤にかけて、我慢ができなかった。終盤に少し盛り返したが、まだまだスピードが足りない。ラン区間もなんとか足を引きずることなく走れたのも良かったと思う。遠征最後のレースでリスキーなコースだったけれど、大きな怪我なく終えることができて良かった。ただ10月の怪我からの脚の状態が完璧に治りなりきらず、ずっとくすぶっていてストレスが溜まっている。良いレースをできたのは今遠征の9レース中、2レース。満足いかない。帰国後、立て直しを図る」と語っている。竹之内はすぐにドイツ経由で帰国し、今週末に控える野辺山シクロクロス2連戦から宇都宮シクロクロス、そして全日本選手権に参加する予定だ。
UCIシクロクロスワールドカップ2017-2018第4戦
1位 | マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) | 1h02’58” |
2位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) | +08” |
3位 | トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア) | +09” |
4位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア) | +47” |
5位 | ティム・メルリエ(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) | +1’21” |
6位 | コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) | +1’28” |
7位 | ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス) | +1’48” |
8位 | クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・フィデア) | +1’52” |
9位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス) | +2’05” |
10位 | ケヴィン・パウエルス(ベルギー、マーラックス・ナポレオンゲームス) | +2’06” |
56位 | 竹之内悠(東洋フレーム) | Lap |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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