6日間にわたって開催されたツアー・オブ・広西を締めくくる集団スプリントでフェルナンド・ガビリアが4勝目。ティム・ウェレンスが総合優勝を果たし、2017年のUCIワールドツアー全日程が終了した。


桂林市の郊外に広がるカルスト地形を走る桂林市の郊外に広がるカルスト地形を走る

ツアー・オブ・広西は内陸部の桂林市を発着する168.1km。水墨画に出てくるようなカルスト地形の山々を横目に走り、後半にかけて3級山岳と2級山岳をこなして桂林市に戻る。レース終了後に開催されるUCIガラ(クロージングパーティー)に備えて駆けつけたダヴィ・ラパルティアンUCI新会長らに見守られながら、116名の選手たちがスタートを切った。

山岳賞ジャージを着るダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)とワン・メイイン(中国、バーレーン・メリダ)、ヨン・イリサリ(スペイン、カハルーラル)の3名が逃げグループを形成し、ロット・ソウダル率いるメイン集団から最大4分リードを稼ぎ出す。後半の山岳ポイントを連取したオスは山岳賞ランキングの首位を固めている。

やがて、スプリントに向けてクイックステップフロアーズがメイン集団を率いて逃げグループとのタイム差を詰める。このツアー・オブ・広西を最後に現役を引退するマルティン・ヴェリトス(スロバキア、クイックステップフロアーズ)らの牽引によって逃げグループはリード消失。最後まで粘ったメイインとオスも残り7km地点で吸収された。

ロットNLユンボとロット・ソウダル、クイックステップフロアーズがメイン集団を牽引ロットNLユンボとロット・ソウダル、クイックステップフロアーズがメイン集団を牽引
談笑しながら走る伊藤雅和(NIPPOヴィーニファンティーニ)と新城幸也(バーレーン・メリダ)談笑しながら走る伊藤雅和(NIPPOヴィーニファンティーニ)と新城幸也(バーレーン・メリダ)
ともに逃げたワン・メイイン(中国、バーレーン・メリダ)とダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)が健闘を称え合うともに逃げたワン・メイイン(中国、バーレーン・メリダ)とダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)が健闘を称え合う
桂林市の大通りで繰り広げられた今大会ならびに2017年UCIワールドツアー最後の集団スプリント。この日もマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)のリードアウトを受けたガビリアが先頭に立ち、前日の優勝者ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)やニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ)を振り切る。最後はガビリアが4本指を立ててフィニッシュラインを駆け抜けた。

ガビリアが今大会ステージ4勝目、そしてチームメイトのマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)に並ぶ世界最多の今シーズン14勝目。クイックステップフロアーズはシーズン56勝目であり、そのうちUCIワールドツアーレースでの勝利は30勝におよぶ。

「最高の形でシーズンを締めくくることができた。長いシーズンだったけど、日々成長して、多くを学んで改良を続けたシーズンだった。今からしばらく休養するけど、2018年に向けてすでにモチベーションは上がっているよ」と、圧倒的ポイント差でポイント賞を獲得したガビリア。チームメイトのジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)がヤングライダー賞に輝いた。

そして総合優勝の栄冠はクイーンステージの覇者ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)の手に。「総合リードは決して大きくなかったけど、チームメイトたちのおかげで乗り切ることができた。明日は香港経由で帰国する予定。香港で12時間待たないといけないので、昔香港に住んでいたアダム・ハンセンに観光案内してもらうんだ。帰国後は2週間バイクに乗らずにホリデーを楽しむ。この勝利をたっぷり味わってから、2018年に向けて動き出すよ」とウェレンスは語っている。

桂林市の大通りで繰り広げられた最後の集団スプリント桂林市の大通りで繰り広げられた最後の集団スプリント
4本指を立ててフィニッシュするフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)4本指を立ててフィニッシュするフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)
鵜飼とティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)鵜飼とティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)
ツアー・オブ・広西2017第6ステージ
1位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) 3:46:30
2位 ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ)
3位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)
4位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
5位 マグナスコルト・ニールセン(デンマーク、オリカ・スコット)
6位 マックス・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ)
7位 マッテーオ・ペルッキ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)
8位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、クイックステップフロアーズ)
9位 ロジャー・クルーゲ(ドイツ、オリカ・スコット)
10位 グレガ・ボーレ(スロベニア、バーレーン・メリダ)
個人総合成績
1位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) 20:59:49
2位 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) 0:00:06
3位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング) 0:00:11
4位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) 0:00:15
5位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシング) 0:00:18
6位 マテイ・モホリッチ(スロベニア、UAEチームエミレーツ) 0:00:24
7位 ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ)
8位 シルヴァン・ディリエ(スイス、BMCレーシング) 0:00:29
9位 レイン・タラマエ(エストニア、カチューシャ・アルペシン)
10位 マクセブ・ドゥバサイ(エリトリア、ディメンションデータ) 0:00:31
38位 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) 0:02:47
104位 伊藤雅和(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ) 0:21:32
109位 内間康平(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ) 0:23:35
ポイント賞
1位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) 70pts
2位 シルヴァン・ディリエ(スイス、BMCレーシング) 34pts
3位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 33pts
山岳賞
1位 ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング) 60pts
2位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング) 44pts
3位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) 25pts
ヤングライダー賞
1位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) 21:00:04
2位 マテイ・モホリッチ(スロベニア、UAEチームエミレーツ) 0:00:09
3位 レミ・カヴァニャ(フランス、クイックステップフロアーズ) 0:00:16

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