2017/10/24(火) - 20:19
歴史的な展開となったジャパンカップより一夜明けた10月23日(月)、東京都港区にてトレック・セガフレードのアフターパーティが開催された。抽選で選ばれた一般のファンが、シーズン終了でリラックスした様子の選手たちと交流を楽しんだ。
毎年、熱狂するジャパンカップの中心にいるトレック・セガフレード。一昨年と昨年はファビアン・カンチェラーラ来日と、日本のスター別府史之によるクリテリウム連覇で、日本のサイクルロードレースファンを盛り上げた。
今年もジャパンカップの盛り上がりに大きく貢献したのはトレック・セガフレードだろう。アルベルト・コンタドールが来日すると聞いた時、一体どれくらいのサイクリストが歓喜しただろうか。ブエルタ・ア・エスパーニャで現役を引退したため、もう日本に来ることは無いだろうなと考えていた方も少なくないはず。それだけに来日の発表がされた時のインパクトは非常に大きかった。
本当にコンタドールが日本の地に降り立ち、クリテリウムで集団を牽引している姿を目の当たりにした時の驚きと喜びは更に強かっただろう。独特なダンシングで古賀志林道を駆け上がる姿は見られなかったが、今年のジャパンカップはコンタドール旋風が間違いなく吹いていた。
3連覇こそならなかったがロードレースでは、積極的に追走集団を率いたフミの力強い走りや、ジャスパー・ストゥイヴェンのダヴィデ・ヴィレッラとともにレースを動かした走りが、観戦していた人たちの記憶に残ったはずだ。
ジャパンカップを盛り上げたトレック・セガフレードの毎年恒例アフターパーティが、本戦より一夜明けた10月23日(月)に東京都港区にて開催された。コンタドールやフミを筆頭に世界のスーパースターたちに会うべく、会場を埋め尽くすほど集まったファンたちが集まった。
午後6時30分、白いリムジンで乗り付けたグレゴリー・ダニエル、ルーベン・ゲレイロ、クーン・デコルト、別府史之という順で会場入りすると、ファンたちは徐々にヒートアップしていき、本物のコンタドールが姿を現すとボルテージは最高潮に。
壇上に並んだトレック・セガフレードの選手たちを自分のスマホに収めるべく、無数の手が天井に向かって伸びる。しばしフォトセッションのような状況を経てからヤロスワロフ・ポポヴィッチ監督の挨拶が始まるが、「パーティを楽しんでください」という旨の言葉を非常に短くまとめられていた。
「It's short message.(短いメッセージでしょ)」とおどけてくれたポポ監督の挨拶の後は、いよいよ乾杯の時間。ファンが選手に乾杯の飲み物を手渡すという貴重な場面もありつつ、ポポ監督の音頭で盃を掲げる。そのままファンたちが選手と乾杯するためにステージ前に集まってきて、ワチャワチャしてしまう。普段は近づくことが難しいプロ選手に近づくことができるのもアフターパーティのみ。ましてや盃を交わすことができるなんてほぼ無いだろう。貴重な機会を逃さないべく多くのファンが選手と乾杯。
一段落つくとトレック・セガフレードの選手たちの挨拶へ。トップバッターは若干22歳のUSAナショナルチャンピオン経験者グレゴリー・ダニエルから。ファンの熱量に若干圧倒されつつも、サポートに感謝し来年も戻ってきたいとコメント。初めてのUCIワールドチームについては「最初は偉大な選手ばかりで緊張していました。パフォーマンスには波がありましたが、成長にとっていい経験になりました」という。
10代の頃からフミと一緒のレースを走っいたというクーン・デコルトはフミの印象を語る場面も。「フミは日本でもスーパースターだと思うけど、チームの中でもスーパースターなんだ。スキル・シマノ時代もチームメイトだったけど、改めて今同じチームにいることができて嬉しいよ」と答えてくれた。
クラシックハンターとして知名度が急上昇中のジャスパー・ストゥイヴェンは2年連続の来日。「今年はパリ~ルーベで4位だった。表彰台に乗るのは難しいと十分にわかっているけど、来年は優勝を狙っているよ。それにツールも大事だけど、ジャパンカップでも優勝したいね」と早くも参戦の意志を表明?
フミが登場すると大歓声があがる。「今年は3連覇への期待をかけていただいてましたが、結果が出せず悔いている部分があります。ロードレースは絶対がなく、難しいところがありますが、来年こそ勝てるように帰ってきたいと思います。」と決意を語ってくれたが、「来年も僕は呼ばれるんですかね?皆が戻ってきたいと言っているけど……」なんて冗談も。
トレック・セガフレードのチーム内ではジャパンカップに出場したい選手がフミに直接オファーをしてくるよう。「選手を決めているのは僕ではないので、ルカ(グエルチーナ監督)に頼んでくれと言っているんですよね。なので、毎年ジャパンカップのメンバーに選ばれて、日本の皆さんの前を走れて幸せです」と応援しているファン冥利に尽きるコメントを残してくれた。
そして待ちに待ったアルベルト・コンタドールの挨拶の出番が回ってきた。日本のファン全員で「Hola!(こんにちは!)」という掛け声で迎えると笑顔で返してくれるコンタドール。「空港についてから連続の驚きで、初めての日本でしたがいい印象が残りました。また日本に戻ってきたいです」とも。
まだ公式な発表は行われていないが、コンタドール自ら育成チームを率いていくという。そのコンチネンタルチームをジャパンカップに連れていきたいというアイデアをオーガナイザーに伝えたという。来年は選手ではなく監督としてのコンタドールの姿が日本で見られるのだろうか。今から期待が膨らむばかりだ。
ブエルタ・ア・エスパーニャでのステージ優勝については「僕にとってブエルタは、スポーツ人生最後の大きなレースでした。非常に難しいレースでしたが、チームが頑張ってくれたおかげで、自分の人生にとっていい出来事になりました。」と語る。
最後にスポンサーへの感謝の言葉を残して終わりかと思いきや「実は歌うのが大好きで、喉を痛めてしまっているんです…」と続き、なんと歌いだしてしまったのだ!彼のInstagramに歌っている動画があるので是非チェックして欲しい。グランツールを真剣な表情で走るコンタドールしか見たことがない我々日本人は、こんなにも陽気な人間なのかと驚かされたに違いない。コンタドールは「乾杯!」という言葉で挨拶を締めくくった。
チームメンバー全員の挨拶が終わったところでいよいよ交流タイムのはじまりだ。人気ナンバーワンに間違いないコンタドールのみ整列してのサイン&写真撮影会に。フレームを持ち込む方や、ジャパンカップの会場で購入したTシャツにサインしてもらう方も。コンタドールファンの女性は「日曜日もブースに訪れましたが、目の前でコンタドールのサイン会が終了してしまったんです。だから、ここでもらえて嬉しいです。」と喜びをあらわす。
フミやストゥイヴェン、ゲレイロ、ダニエルのところにも数多くのファンが詰めかけている。選手とファンの距離は数十cm、肩を並べての記念撮影も可能だ。グレゴリー・ダニエルのもとには彼が育成チームに居た頃からのファンが足を運び、彼の米国ナショナルチャンピオンジャージにサインを貰う場面も。
サイン会が落ち着いてきたところで、ゲレイロがDJブースを占拠。DJテクニックの腕が立つのかと思いきや、機材の扱い方もわからないというヤンチャぶり。操作方法を一生懸命聞きながら、自分好みの選曲で場を盛り上げようとするものの、なかなか上手くいかない。再び壇上に戻ってきたフミが「ネオプロはチームキャンプの時にお酒を沢山飲まされるんですけど、彼はガンガン飲んで転んでました(笑)お調子者なところがありますね。」とのエピソード披露も。
コンタドールも自ら料理を取りに行く場面もあり、グランツール王者が自分の横を通り過ぎていくなんて信じられないシチュエーションも発生している。コンタドールとセルフィーをしていたフォトグラファーの飯島美和さんもこんなにフランクな彼は見たことがないとのこと。改めて我々は非常に貴重な時間を過ごしていることを実感する。
会の後半ではジャパンカップで使用したゼッケンプレートとジャージ、特大写真パネルがプレゼントされる抽選会が行われる。その場でサインして渡してくれるというこれ以上無いプレゼントに会場は大盛り上がりのイベントとなった。
楽しい時間はあっという間に過ぎるのものであり、コンタドールの挨拶で会を締めることに。「ありがとう、本当にありがとう。こういう形で皆さんと一緒に過ごせて、このチームになれて幸せに思います。来年また会いましょう。」
会の最後は来場したファン全員と選手たちが収まる記念撮影と、来場者で作った花道を通り選手たちは会場を後にした。選手との距離が近いトレック・セガフレードのアフターパーティーは、プレミアムなひとときだった。
text&photo:Gakuto.Fujiwara
photo:So.Isobe
毎年、熱狂するジャパンカップの中心にいるトレック・セガフレード。一昨年と昨年はファビアン・カンチェラーラ来日と、日本のスター別府史之によるクリテリウム連覇で、日本のサイクルロードレースファンを盛り上げた。
今年もジャパンカップの盛り上がりに大きく貢献したのはトレック・セガフレードだろう。アルベルト・コンタドールが来日すると聞いた時、一体どれくらいのサイクリストが歓喜しただろうか。ブエルタ・ア・エスパーニャで現役を引退したため、もう日本に来ることは無いだろうなと考えていた方も少なくないはず。それだけに来日の発表がされた時のインパクトは非常に大きかった。
本当にコンタドールが日本の地に降り立ち、クリテリウムで集団を牽引している姿を目の当たりにした時の驚きと喜びは更に強かっただろう。独特なダンシングで古賀志林道を駆け上がる姿は見られなかったが、今年のジャパンカップはコンタドール旋風が間違いなく吹いていた。
3連覇こそならなかったがロードレースでは、積極的に追走集団を率いたフミの力強い走りや、ジャスパー・ストゥイヴェンのダヴィデ・ヴィレッラとともにレースを動かした走りが、観戦していた人たちの記憶に残ったはずだ。
ジャパンカップを盛り上げたトレック・セガフレードの毎年恒例アフターパーティが、本戦より一夜明けた10月23日(月)に東京都港区にて開催された。コンタドールやフミを筆頭に世界のスーパースターたちに会うべく、会場を埋め尽くすほど集まったファンたちが集まった。
午後6時30分、白いリムジンで乗り付けたグレゴリー・ダニエル、ルーベン・ゲレイロ、クーン・デコルト、別府史之という順で会場入りすると、ファンたちは徐々にヒートアップしていき、本物のコンタドールが姿を現すとボルテージは最高潮に。
壇上に並んだトレック・セガフレードの選手たちを自分のスマホに収めるべく、無数の手が天井に向かって伸びる。しばしフォトセッションのような状況を経てからヤロスワロフ・ポポヴィッチ監督の挨拶が始まるが、「パーティを楽しんでください」という旨の言葉を非常に短くまとめられていた。
「It's short message.(短いメッセージでしょ)」とおどけてくれたポポ監督の挨拶の後は、いよいよ乾杯の時間。ファンが選手に乾杯の飲み物を手渡すという貴重な場面もありつつ、ポポ監督の音頭で盃を掲げる。そのままファンたちが選手と乾杯するためにステージ前に集まってきて、ワチャワチャしてしまう。普段は近づくことが難しいプロ選手に近づくことができるのもアフターパーティのみ。ましてや盃を交わすことができるなんてほぼ無いだろう。貴重な機会を逃さないべく多くのファンが選手と乾杯。
一段落つくとトレック・セガフレードの選手たちの挨拶へ。トップバッターは若干22歳のUSAナショナルチャンピオン経験者グレゴリー・ダニエルから。ファンの熱量に若干圧倒されつつも、サポートに感謝し来年も戻ってきたいとコメント。初めてのUCIワールドチームについては「最初は偉大な選手ばかりで緊張していました。パフォーマンスには波がありましたが、成長にとっていい経験になりました」という。
10代の頃からフミと一緒のレースを走っいたというクーン・デコルトはフミの印象を語る場面も。「フミは日本でもスーパースターだと思うけど、チームの中でもスーパースターなんだ。スキル・シマノ時代もチームメイトだったけど、改めて今同じチームにいることができて嬉しいよ」と答えてくれた。
クラシックハンターとして知名度が急上昇中のジャスパー・ストゥイヴェンは2年連続の来日。「今年はパリ~ルーベで4位だった。表彰台に乗るのは難しいと十分にわかっているけど、来年は優勝を狙っているよ。それにツールも大事だけど、ジャパンカップでも優勝したいね」と早くも参戦の意志を表明?
フミが登場すると大歓声があがる。「今年は3連覇への期待をかけていただいてましたが、結果が出せず悔いている部分があります。ロードレースは絶対がなく、難しいところがありますが、来年こそ勝てるように帰ってきたいと思います。」と決意を語ってくれたが、「来年も僕は呼ばれるんですかね?皆が戻ってきたいと言っているけど……」なんて冗談も。
トレック・セガフレードのチーム内ではジャパンカップに出場したい選手がフミに直接オファーをしてくるよう。「選手を決めているのは僕ではないので、ルカ(グエルチーナ監督)に頼んでくれと言っているんですよね。なので、毎年ジャパンカップのメンバーに選ばれて、日本の皆さんの前を走れて幸せです」と応援しているファン冥利に尽きるコメントを残してくれた。
そして待ちに待ったアルベルト・コンタドールの挨拶の出番が回ってきた。日本のファン全員で「Hola!(こんにちは!)」という掛け声で迎えると笑顔で返してくれるコンタドール。「空港についてから連続の驚きで、初めての日本でしたがいい印象が残りました。また日本に戻ってきたいです」とも。
まだ公式な発表は行われていないが、コンタドール自ら育成チームを率いていくという。そのコンチネンタルチームをジャパンカップに連れていきたいというアイデアをオーガナイザーに伝えたという。来年は選手ではなく監督としてのコンタドールの姿が日本で見られるのだろうか。今から期待が膨らむばかりだ。
ブエルタ・ア・エスパーニャでのステージ優勝については「僕にとってブエルタは、スポーツ人生最後の大きなレースでした。非常に難しいレースでしたが、チームが頑張ってくれたおかげで、自分の人生にとっていい出来事になりました。」と語る。
最後にスポンサーへの感謝の言葉を残して終わりかと思いきや「実は歌うのが大好きで、喉を痛めてしまっているんです…」と続き、なんと歌いだしてしまったのだ!彼のInstagramに歌っている動画があるので是非チェックして欲しい。グランツールを真剣な表情で走るコンタドールしか見たことがない我々日本人は、こんなにも陽気な人間なのかと驚かされたに違いない。コンタドールは「乾杯!」という言葉で挨拶を締めくくった。
チームメンバー全員の挨拶が終わったところでいよいよ交流タイムのはじまりだ。人気ナンバーワンに間違いないコンタドールのみ整列してのサイン&写真撮影会に。フレームを持ち込む方や、ジャパンカップの会場で購入したTシャツにサインしてもらう方も。コンタドールファンの女性は「日曜日もブースに訪れましたが、目の前でコンタドールのサイン会が終了してしまったんです。だから、ここでもらえて嬉しいです。」と喜びをあらわす。
フミやストゥイヴェン、ゲレイロ、ダニエルのところにも数多くのファンが詰めかけている。選手とファンの距離は数十cm、肩を並べての記念撮影も可能だ。グレゴリー・ダニエルのもとには彼が育成チームに居た頃からのファンが足を運び、彼の米国ナショナルチャンピオンジャージにサインを貰う場面も。
サイン会が落ち着いてきたところで、ゲレイロがDJブースを占拠。DJテクニックの腕が立つのかと思いきや、機材の扱い方もわからないというヤンチャぶり。操作方法を一生懸命聞きながら、自分好みの選曲で場を盛り上げようとするものの、なかなか上手くいかない。再び壇上に戻ってきたフミが「ネオプロはチームキャンプの時にお酒を沢山飲まされるんですけど、彼はガンガン飲んで転んでました(笑)お調子者なところがありますね。」とのエピソード披露も。
コンタドールも自ら料理を取りに行く場面もあり、グランツール王者が自分の横を通り過ぎていくなんて信じられないシチュエーションも発生している。コンタドールとセルフィーをしていたフォトグラファーの飯島美和さんもこんなにフランクな彼は見たことがないとのこと。改めて我々は非常に貴重な時間を過ごしていることを実感する。
会の後半ではジャパンカップで使用したゼッケンプレートとジャージ、特大写真パネルがプレゼントされる抽選会が行われる。その場でサインして渡してくれるというこれ以上無いプレゼントに会場は大盛り上がりのイベントとなった。
楽しい時間はあっという間に過ぎるのものであり、コンタドールの挨拶で会を締めることに。「ありがとう、本当にありがとう。こういう形で皆さんと一緒に過ごせて、このチームになれて幸せに思います。来年また会いましょう。」
会の最後は来場したファン全員と選手たちが収まる記念撮影と、来場者で作った花道を通り選手たちは会場を後にした。選手との距離が近いトレック・セガフレードのアフターパーティーは、プレミアムなひとときだった。
text&photo:Gakuto.Fujiwara
photo:So.Isobe
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