2017/10/23(月) - 08:10
2日連続優勝を飾ったマルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)ら上位3選手や、ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック)ら、雨のジャパンカップを動かした選手たちのコメントを紹介します。
優勝:マルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
クリテリウムとロードレース連勝を飾ったマルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsuji
非常に難しいレースだった。雨が降り続いて下りが非常に危険な状態だったので、古賀志林道のダウンヒルでは落車ギリギリのところを攻めた。他のチームでは攻めきれない選手も多くいたものの、NIPPOは上手く攻められたろ思う。チームが一丸となってレースする事が出来たのも今日の勝因。(イヴァン)・サンタロミータや中根(英登)らチームメイトのサポートのおかげでフレッシュな状態で最終周回に入る事ができたんだ。
日本のファンの皆さんは私が勝つと思っていなかったと思うけれど、自分自身も勝てるとは思っていなかったんだ。でもシンプルに勝つ事だけを考えてレースをした事が一番だったように思う。レースでは常に走りながらその場その場で対応を考えていきますが、日本に来るとインスピレーションがわく気がするよ。
キャプテンのダミアーノ・クネゴ(イタリア)を先頭にNIPPOヴィーニファンティーニが猛追撃に入る photo:Makoto.AYANO
乾杯するマルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)ら photo:Kei Tsuji
レース距離が短くなったものの、個人的にはこれで良かったと思っています。例年ならラスト2周からアタックが始まるるような展開だが、今回は1周目からアタックが始まったので、オープンに戦えて面白いレースだったと思う。アタックが次々に繰り返されるようなレースで、ファンの皆さんも喜んでくれたと信じているよ。
日本はチームのスポンサーである日本鋪道と秀光の国でもあるので、特別なモチベーションを持ってレースに臨んでいる。昨日(クリテリウム)と今日のダブルで勝利でたので、良い報告ができるよ。
2位:ベンジャミン・プラデス(スペイン、チーム右京)
記者会見で話す2位のベンジャミン・プラデス(チーム右京) photo:Satoru Kato
今日のレースは悪天候の中で難しい展開だった。チームは畑中選手、プジョル選手、平塚選手、ネイサン選手と、非常に強いメンバーを揃えて、レースでは誰かが必ず前にいるようにする作戦を選んだ。実は今日あまりお腹の調子が良くなくて、無線で会話しながらレースを走る中で誰が仕掛けるかを決めていった。
下り坂は危険な箇所がいくつかあったけれど、登りで行けると思うところで仕掛けていった。カノラ選手はスプリントに強いので警戒していましたが、力は一枚上だった。日本のチームとしてジャパンカップで勝利を手にしたかったのですが、2位と言う結果は自分としてはまぁまぁ満足している。けれど、ここまできたので正直言えば勝ちたかった。レースの距離があと数周あれば、チームにとっても有利になったかもしれない。
3位:雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)
6人の先頭グループを積極的に牽く雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン) photo:Makoto.AYANO
2人の言う通り、こんな天気だったので難しいレースでした。例年はワールドツアーチームがコントロールしていく展開ですが、今回は違いました。最初はワールドツアーのコントロールにまかせて最後に仕掛ける予定だったのですが、序盤に何人も飛び出していく中でブリッツェンは誰も乗れなかった。増田選手や鈴木譲選手がしっかりカバーしてくれてその危機は乗り越えられました。その後もチームメイトに守られて走る事が出来たので3位に入る事ができました。本当に感謝です。
3位と言う結果は悔しいですね。やはり負けは負けですから。最後のスプリントは、清水監督から「最終コーナーを1番で抜ければいけるぞ」と言われた通りにしようと思ったのですが、カノラ選手とベンジャミン選手に合わせられて行かれてしまいました。でも監督のアドバイスがあったからこの結果が出せたと思います。今季はナショナルチームの遠征などで不在の期間が多く、チームには迷惑をかけたので、こういう形で恩返し出来たのは良かったと思っています。
今回3位には入りましたが、世界選手権で感じた世界との差はまだあると思っています。カノラ選手もベンジャミン選手も素晴らしく強い選手ですが、上には上がいますし、足りないものはまだまだあると思っています。まだまだワールドツアーの選手たちは大きな壁となっていますが、そこで勝利していきたいですね。
3位の雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)「3位という結果は悔しい」と語る photo:Satoru Kato
終盤に追走したダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック)
ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック)とヤスパー・ストゥイフェン(ベルギー、トレック・セガフレード)が2人で抜けだす photo:Makoto.AYANO
古賀志林道の頂上までにで逃げていた3名を捕まえられると思っていたけれど、ギリギリ届かなかった。合流してきたジャスパーも前を牽かなかったので戦局としては難しかった。もし前に追いつければスプリントで勝つ可能性はあったと思うので残念。昨年に続く2勝目が欲しかった。
ヴィレッラと前を追ったジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)
戦局をコントロールできる状況ではなかったので、残り2周で自らアタックすることにしたんだ。9周目の下りでカノラと他数人がアタックした時に、ヴィレッラと2人で逃げていたツケが回ってきて遅れてしまった。後続グループに合流したけれどローテーションが上手く回らず、自分で牽く必要があった。ギャンブルには失敗したけれど、自分たちにできる作戦は全て尽くした。
逃げに乗り山岳賞を獲得した初山翔(ブリヂストンアンカー)
山岳賞を獲得した初山翔(ブリヂストンアンカー) photo:Kei Tsuji
ワールドツアーの選手も積極的だったし、この天気だし荒れた展開になるかなと考えて、人数の多い逃げには注意を払ってチェックしていました。登りで気がついたら3人になり、逃げが決まった感じですね。ちょっと人数が少ないかなと思いましたがメンバーもかなり良かったので、そのまま逃げることに。ローテーションは人数も少なかったので揃っていましたが、まさか勝負に関わる逃げになるとは予期していませんでしたね。
過去に2回山岳賞を獲っていますし、山岳を獲ったからといって勝敗には関係ありませんが、獲れるものがあるなら獲っていく。ブリッツェンを離れて5年経つのですが、未だに応援してくれる方も多いし、自分にとってはすごく特別なレースなんです。あともう一歩力及びませんでしたが、これからも狙っていきたいですね。
序盤の追走グループに入った別府史之(トレック・セガフレード)
別府史之(トレック・セガフレード)、吉岡 直哉(那須ブラーゼン)が牽く追走集団 photo:Makoto.AYANO
他の選手達は自分たちが逃げグループだと思っていたので積極的にスピードを上げなかったんです。後ろとの差がついていることもあってスピードが遅く、それじゃダメだと思ったので自分で牽きました。トレックの戦略としては自分が前で展開して、集団が追いついてきたらジャスパーをサポートするつもりだったのですが、上手くいきませんでした。
リチャード・プルッフェ(ロットNLユンボ、チームGM)
ロットNLユンボもメイン集団前方に上がり臨戦態勢に入る photo:Makoto.AYANO本気で勝ちを狙っていた。天候的にも厳しいレースになるだろうし、私達も厳しいレースにしたかった。
狙いとしては全ての逃げにメンバーを送り込むことだったが、それは達成。最後の最後で(エンリーコ)バッタリーンはカノラグループに追いつくことはできなかったけれど、良いショーをみせることができたと思う。金曜日のプレゼンテーションでも全力で臨むと言ったことを実行したまでだ。
text:Satoru.Kato,So.Isobe
優勝:マルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
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非常に難しいレースだった。雨が降り続いて下りが非常に危険な状態だったので、古賀志林道のダウンヒルでは落車ギリギリのところを攻めた。他のチームでは攻めきれない選手も多くいたものの、NIPPOは上手く攻められたろ思う。チームが一丸となってレースする事が出来たのも今日の勝因。(イヴァン)・サンタロミータや中根(英登)らチームメイトのサポートのおかげでフレッシュな状態で最終周回に入る事ができたんだ。
日本のファンの皆さんは私が勝つと思っていなかったと思うけれど、自分自身も勝てるとは思っていなかったんだ。でもシンプルに勝つ事だけを考えてレースをした事が一番だったように思う。レースでは常に走りながらその場その場で対応を考えていきますが、日本に来るとインスピレーションがわく気がするよ。
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レース距離が短くなったものの、個人的にはこれで良かったと思っています。例年ならラスト2周からアタックが始まるるような展開だが、今回は1周目からアタックが始まったので、オープンに戦えて面白いレースだったと思う。アタックが次々に繰り返されるようなレースで、ファンの皆さんも喜んでくれたと信じているよ。
日本はチームのスポンサーである日本鋪道と秀光の国でもあるので、特別なモチベーションを持ってレースに臨んでいる。昨日(クリテリウム)と今日のダブルで勝利でたので、良い報告ができるよ。
2位:ベンジャミン・プラデス(スペイン、チーム右京)
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今日のレースは悪天候の中で難しい展開だった。チームは畑中選手、プジョル選手、平塚選手、ネイサン選手と、非常に強いメンバーを揃えて、レースでは誰かが必ず前にいるようにする作戦を選んだ。実は今日あまりお腹の調子が良くなくて、無線で会話しながらレースを走る中で誰が仕掛けるかを決めていった。
下り坂は危険な箇所がいくつかあったけれど、登りで行けると思うところで仕掛けていった。カノラ選手はスプリントに強いので警戒していましたが、力は一枚上だった。日本のチームとしてジャパンカップで勝利を手にしたかったのですが、2位と言う結果は自分としてはまぁまぁ満足している。けれど、ここまできたので正直言えば勝ちたかった。レースの距離があと数周あれば、チームにとっても有利になったかもしれない。
3位:雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)
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2人の言う通り、こんな天気だったので難しいレースでした。例年はワールドツアーチームがコントロールしていく展開ですが、今回は違いました。最初はワールドツアーのコントロールにまかせて最後に仕掛ける予定だったのですが、序盤に何人も飛び出していく中でブリッツェンは誰も乗れなかった。増田選手や鈴木譲選手がしっかりカバーしてくれてその危機は乗り越えられました。その後もチームメイトに守られて走る事が出来たので3位に入る事ができました。本当に感謝です。
3位と言う結果は悔しいですね。やはり負けは負けですから。最後のスプリントは、清水監督から「最終コーナーを1番で抜ければいけるぞ」と言われた通りにしようと思ったのですが、カノラ選手とベンジャミン選手に合わせられて行かれてしまいました。でも監督のアドバイスがあったからこの結果が出せたと思います。今季はナショナルチームの遠征などで不在の期間が多く、チームには迷惑をかけたので、こういう形で恩返し出来たのは良かったと思っています。
今回3位には入りましたが、世界選手権で感じた世界との差はまだあると思っています。カノラ選手もベンジャミン選手も素晴らしく強い選手ですが、上には上がいますし、足りないものはまだまだあると思っています。まだまだワールドツアーの選手たちは大きな壁となっていますが、そこで勝利していきたいですね。
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終盤に追走したダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック)
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ヴィレッラと前を追ったジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)
戦局をコントロールできる状況ではなかったので、残り2周で自らアタックすることにしたんだ。9周目の下りでカノラと他数人がアタックした時に、ヴィレッラと2人で逃げていたツケが回ってきて遅れてしまった。後続グループに合流したけれどローテーションが上手く回らず、自分で牽く必要があった。ギャンブルには失敗したけれど、自分たちにできる作戦は全て尽くした。
逃げに乗り山岳賞を獲得した初山翔(ブリヂストンアンカー)
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過去に2回山岳賞を獲っていますし、山岳を獲ったからといって勝敗には関係ありませんが、獲れるものがあるなら獲っていく。ブリッツェンを離れて5年経つのですが、未だに応援してくれる方も多いし、自分にとってはすごく特別なレースなんです。あともう一歩力及びませんでしたが、これからも狙っていきたいですね。
序盤の追走グループに入った別府史之(トレック・セガフレード)
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リチャード・プルッフェ(ロットNLユンボ、チームGM)
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text:Satoru.Kato,So.Isobe
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