2017/09/22(金) - 10:01
インドネシアで開催中のツール・ド・モルッカ(UCI2.2)。第4ステージで序盤の逃げに入った椿大志が終盤にアタックを決め、自身UCIレース初優勝となる独走勝利を挙げた。そのほか、リカルド・ガルシアの山岳賞首位、チーム総合での首位も守っている。以下、キナンサイクリングチームからのレポートを紹介する。
18日に始まった大会は後半戦に突入。第4ステージは、中盤に4級山岳が控えるほかはおおむね平坦基調。とはいえ、ところどころで細かなアップダウンがあるなど、決してイージーとは言い切れないレイアウト。力のある選手やチームがどう動くかが焦点となった。
キナンサイクリングチームはここまで同様、個人総合2位につけるジャイ・クロフォードのリーダージャージ獲得を意識しつつ、逃げにも選手を送り込めるよう序盤の動きをポイントに置いた。そして、その狙い通りに椿が前方でレースを展開することになった。
逃げが決まったのは、スタートから約30km進んだ地点。5人ほどが先行したタイミングで、それを追った椿が合流。さらに追随した選手たちも含め13人と大人数の逃げグループが形成された。
メイン集団は、リーダージャージを着用するマーカス・クレイ(オーストラリア)擁するセントジョージコンチネンタルとキナン勢が主にコントロール。一方で、キナンとセントジョージともに逃げグループに選手を送り込んでいることもあり、一緒に先行する他チームの選手たちの総合ジャンプアップは許さないよう、適度なタイム差で進行。前を走る椿も後続とのタイム差を見ながら先頭交代のローテーションに加わった。
約6分差となったのを境に、逃げとメイン集団との差は少しずつ縮まり始める。キナンから阿曽圭佑、トマ・ルバ、さらにリカルドが集団のコントロールに加わるが、椿たちに逃げ切りの可能性があることから、一気にタイム差を詰めることはしない。
やがてタイム差は1分を切ったが、残り15kmを切ったあたりから椿たちが逃げ切りに賭けてペースアップ。椿は上りでアタックしてメンバーの絞り込みを図るが、10人を超える人数に変化は起きず。それでも、メイン集団との差を広げることに成功し、逃げ切りが濃厚な状況を作り出した。
ステージ優勝をかけた勝負は、残り5kmとなったところから活性化。他選手のアタックに一瞬反応が遅れた椿だったが、落ち着いて対処。残り3kmを切ったところでブリッジを決めて追いつくと、追ってきた選手もろとも振り切る渾身のアタック。
かつては個人タイムトライアルで23歳以下の日本チャンピオンに輝くなど、独走力に長ける椿。後続の追い上げにあいながらも、自慢のスピードでライバルの望みを断ち切った。フィニッシュへと向かう長い直線に先頭で現れると、残り100mで勝利を確信しガッツポーズ。後方では着順争いのスプリントが始まっていたが、最後は余裕をもってフィニッシュラインを通過。会心の逃げ切りとなった。
椿は「KINANの一員として、そして UCIレースでの初勝利に、うれしいと同時にホッとしている。最後のアタックを決めたのはラスト3kmを過ぎてから。先にアタックした選手めがけてブリッジを仕掛けて、追いつきざまにチェックされないくらいのペースに上げて独走に持ち込んだ。それでも後ろが追ってきているのが分かって、気持ちで負けたら終わりだと思って前だけを見て走った」と安堵の気持ちを語っている。
今年キナンサイクリングチーム入りした椿にとっては、キャリア初のUCIレース勝利。また、キナンサイクリングチームにとっても、発足3年目にして初めて日本人選手でのUCIレース制覇となった。これによりキナンサイクリングチームは前日の第3ステージでのリカルドの勝利に続く2連勝。初開催の大会にあってキナン勢の好調ぶりがひときわ目立っている。
なお、メイン集団は椿から 46 秒差でこのステージを終えている。総合上位陣や各賞に大きな変動は起きず、キナンではジャイが個人総合2位、トマが同4位、リカルドが同10位と続く。リカルドの山岳賞、チーム総合での首位も安定してキープしている。
インドネシア・モルッカ諸島を舞台に行われてきた大会も、残すところ1ステージ。最終日は4日間を駆けたセラム島を後にし、南隣のアンボン島での第5ステージ。スタート後しばらくしてアンボン市内へと入り、市街地の周回コースをめぐる82.9kmで争われる。
18日に始まった大会は後半戦に突入。第4ステージは、中盤に4級山岳が控えるほかはおおむね平坦基調。とはいえ、ところどころで細かなアップダウンがあるなど、決してイージーとは言い切れないレイアウト。力のある選手やチームがどう動くかが焦点となった。
キナンサイクリングチームはここまで同様、個人総合2位につけるジャイ・クロフォードのリーダージャージ獲得を意識しつつ、逃げにも選手を送り込めるよう序盤の動きをポイントに置いた。そして、その狙い通りに椿が前方でレースを展開することになった。
逃げが決まったのは、スタートから約30km進んだ地点。5人ほどが先行したタイミングで、それを追った椿が合流。さらに追随した選手たちも含め13人と大人数の逃げグループが形成された。
メイン集団は、リーダージャージを着用するマーカス・クレイ(オーストラリア)擁するセントジョージコンチネンタルとキナン勢が主にコントロール。一方で、キナンとセントジョージともに逃げグループに選手を送り込んでいることもあり、一緒に先行する他チームの選手たちの総合ジャンプアップは許さないよう、適度なタイム差で進行。前を走る椿も後続とのタイム差を見ながら先頭交代のローテーションに加わった。
約6分差となったのを境に、逃げとメイン集団との差は少しずつ縮まり始める。キナンから阿曽圭佑、トマ・ルバ、さらにリカルドが集団のコントロールに加わるが、椿たちに逃げ切りの可能性があることから、一気にタイム差を詰めることはしない。
やがてタイム差は1分を切ったが、残り15kmを切ったあたりから椿たちが逃げ切りに賭けてペースアップ。椿は上りでアタックしてメンバーの絞り込みを図るが、10人を超える人数に変化は起きず。それでも、メイン集団との差を広げることに成功し、逃げ切りが濃厚な状況を作り出した。
ステージ優勝をかけた勝負は、残り5kmとなったところから活性化。他選手のアタックに一瞬反応が遅れた椿だったが、落ち着いて対処。残り3kmを切ったところでブリッジを決めて追いつくと、追ってきた選手もろとも振り切る渾身のアタック。
かつては個人タイムトライアルで23歳以下の日本チャンピオンに輝くなど、独走力に長ける椿。後続の追い上げにあいながらも、自慢のスピードでライバルの望みを断ち切った。フィニッシュへと向かう長い直線に先頭で現れると、残り100mで勝利を確信しガッツポーズ。後方では着順争いのスプリントが始まっていたが、最後は余裕をもってフィニッシュラインを通過。会心の逃げ切りとなった。
椿は「KINANの一員として、そして UCIレースでの初勝利に、うれしいと同時にホッとしている。最後のアタックを決めたのはラスト3kmを過ぎてから。先にアタックした選手めがけてブリッジを仕掛けて、追いつきざまにチェックされないくらいのペースに上げて独走に持ち込んだ。それでも後ろが追ってきているのが分かって、気持ちで負けたら終わりだと思って前だけを見て走った」と安堵の気持ちを語っている。
今年キナンサイクリングチーム入りした椿にとっては、キャリア初のUCIレース勝利。また、キナンサイクリングチームにとっても、発足3年目にして初めて日本人選手でのUCIレース制覇となった。これによりキナンサイクリングチームは前日の第3ステージでのリカルドの勝利に続く2連勝。初開催の大会にあってキナン勢の好調ぶりがひときわ目立っている。
なお、メイン集団は椿から 46 秒差でこのステージを終えている。総合上位陣や各賞に大きな変動は起きず、キナンではジャイが個人総合2位、トマが同4位、リカルドが同10位と続く。リカルドの山岳賞、チーム総合での首位も安定してキープしている。
インドネシア・モルッカ諸島を舞台に行われてきた大会も、残すところ1ステージ。最終日は4日間を駆けたセラム島を後にし、南隣のアンボン島での第5ステージ。スタート後しばらくしてアンボン市内へと入り、市街地の周回コースをめぐる82.9kmで争われる。
ツール・ド・モルッカ2017第4ステージ
1位 | 椿大志(キナンサイクリングチーム) | 3時間21分9秒 |
2位 | ジャマリディン・ノヴァルディアント(インドネシア、PGN サイクリングチーム) | +3秒 |
3位 | モハマド・アブディルハリル(マレーシア、チーム サプラサイクリング) | |
4位 | アブディル・ガニ(インドネシア、KFC サイクリングチーム) | |
5位 | チャ・ドンヒョン(韓国、LX サイクリングチーム) |
個人総合成績
1位 | マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) | 13時間23分59秒 |
2位 | ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) | +5秒 |
3位 | ジェシー・イワート(オーストラリア、セブンイレブン・ロードバイクフィリピンズ) | +9秒 |
4位 | トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) | +6分21秒 |
5位 | ジャマル・ヒバトゥラー(インドネシア、KFCサイクリングチーム) | +6分43秒 |
report:Shunsuke.Fukumitsu/Kinan Cycling Team
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