2017/09/20(水) - 08:26
中盤から本降りに変わった雨によってコンディションに差が出たエリート女子タイムトライアル。アネミエク・ファンフルーテン(オランダ)が初のアルカンシェルを手にし、與那嶺恵理が22位、梶原悠未が44位という成績を残した。
ジュニア男子のタイムトライアル終了後、インターバルを挟んで同じ21.1kmコースで行われたエリート女子タイムトライアル。スタートとフィニッシュ地点は雨とは無縁だったものの天候は下り坂。アップダウンのある中盤にかけてコース上は本降りの雨に。54名の選手のうち、前半スタートの数名を除いてほとんどの選手が雨の中のアタックを強いられた。
2番手スタートのアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)が28分52秒の暫定トップタイムをマークしてホットシートへ。本降りになった雨によって後続の選手がタイムを伸ばせない状態が長く続く。ブールスドルマンス所属のファンデルブレッヘンのタイムを更新したのは、普段ライバルチームのオリカ・スコットに所属するアネミエク・ファンフルーテン(オランダ)だった。
36番手でスタートを切ったファンフルーテンは、中盤までファンデルブレッヘンのトップタイムに僅かに届かないペースを刻むと、終盤の平坦区間で一気にペースアップ。最終的にファンデルブレッヘンのタイムを12秒更新したファンフルーテンが、同じオリカ・スコットのカトリン・ガーフット(オーストラリア)らを寄せ付けずに勝利した。「本降りの雨に打たれて、下りで数秒失ってしまった。『絶好調なのに雨で台無し』と思いながらも集中力を切らさずにやるべきことをこなした」と、43.899km/hで雨のコースを走りきったファンフルーテンは語っている。
結果、オランダがワンツー勝利を飾り、サンウェブのメンバーとしてチームタイムトライアル勝利に貢献したエレン・ファンダイク(オランダ)が5位に。大会連覇を狙った42歳のアンバー・ネーベン(アメリカ)が11位に沈んだ一方で、トラック世界選手権の団体追い抜きと個人追い抜きで二冠を達成しているエリート1年目の20歳クロエ・ダイガート(アメリカ)が4位に入った。
34歳のファンフルーテンは、今シーズン、カデルエヴァンス・グレートオーシャンロードレース優勝、ラクルス・バイ・ツール・ド・フランス優勝、オランダレディースツアー総合優勝(ステージ2勝)、ジロローザ総合3位(ステージ2勝)、アムステル・ゴールド・レース3位、オンループ・ヘットニュースブラッド3位という成績を残し、UCI女子ワールドツアーのシーズンランキング2位に。大成功のシーズンの最後にビッグタイトルを手にした。
「今シーズンの自分の成績に驚いている。タイムトライアルの世界チャンピオンになるなんて数年前には考えられなかった。低迷していた時期があるからこそ、この成績がより美しく感じる」と、自身初のアルカンシェル獲得を果たしたファンフルーテンは語る。世界選手権でのメダル獲得自体これが初めて。
日本からは與那嶺恵理(エフデジ・ヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)と梶原悠未(筑波大学)がエントリー。與那嶺はビルケルンズバッケン(長さ1.4km/平均勾配7.2%)の登り区間で良いラップタイムを刻んだものの、雨の下り区間でタイムを伸ばせず2分29秒差の22位。梶原は4分52秒差の44位だった。
「一年ヨーロッパサーキットで走って、選手の顔ぶれや自分の位置がわかってきた中で、シーズン最後の5度目の世界選手権。自分でも驚くくらい、良い意味で肩の力が抜けていて、レースに臨むことができました。結果は22位でしたが、前後の選手の顔ぶれを見ると、今年のレースでの立ち位置から大きく崩れることもなく、まとめられたかなというのが率直な感想です。パワーデータ的にもフィーリング的にも自分のベストを出せたので、ロードに向けて良いイメージで終えることができました」と語るのは2013年27位、2014年14位、2015年18位、2016年21位とコンスタントに成績を残している與那嶺。
「ボロボロの身体でノルウェー入りして、毎日マッサージで最高の状態にしてくださった穴田マッサー、入念な機材準備に対応してくださった斎藤メカ、ロストバッゲージで前日まで靴を貸してくれたU23の岡くん、ありがとうございました」とサポートに感謝する與那嶺はロードレースでのトップ集団フィニッシュを目標に掲げる。
ジュニア男子のタイムトライアル終了後、インターバルを挟んで同じ21.1kmコースで行われたエリート女子タイムトライアル。スタートとフィニッシュ地点は雨とは無縁だったものの天候は下り坂。アップダウンのある中盤にかけてコース上は本降りの雨に。54名の選手のうち、前半スタートの数名を除いてほとんどの選手が雨の中のアタックを強いられた。
2番手スタートのアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)が28分52秒の暫定トップタイムをマークしてホットシートへ。本降りになった雨によって後続の選手がタイムを伸ばせない状態が長く続く。ブールスドルマンス所属のファンデルブレッヘンのタイムを更新したのは、普段ライバルチームのオリカ・スコットに所属するアネミエク・ファンフルーテン(オランダ)だった。
36番手でスタートを切ったファンフルーテンは、中盤までファンデルブレッヘンのトップタイムに僅かに届かないペースを刻むと、終盤の平坦区間で一気にペースアップ。最終的にファンデルブレッヘンのタイムを12秒更新したファンフルーテンが、同じオリカ・スコットのカトリン・ガーフット(オーストラリア)らを寄せ付けずに勝利した。「本降りの雨に打たれて、下りで数秒失ってしまった。『絶好調なのに雨で台無し』と思いながらも集中力を切らさずにやるべきことをこなした」と、43.899km/hで雨のコースを走りきったファンフルーテンは語っている。
結果、オランダがワンツー勝利を飾り、サンウェブのメンバーとしてチームタイムトライアル勝利に貢献したエレン・ファンダイク(オランダ)が5位に。大会連覇を狙った42歳のアンバー・ネーベン(アメリカ)が11位に沈んだ一方で、トラック世界選手権の団体追い抜きと個人追い抜きで二冠を達成しているエリート1年目の20歳クロエ・ダイガート(アメリカ)が4位に入った。
34歳のファンフルーテンは、今シーズン、カデルエヴァンス・グレートオーシャンロードレース優勝、ラクルス・バイ・ツール・ド・フランス優勝、オランダレディースツアー総合優勝(ステージ2勝)、ジロローザ総合3位(ステージ2勝)、アムステル・ゴールド・レース3位、オンループ・ヘットニュースブラッド3位という成績を残し、UCI女子ワールドツアーのシーズンランキング2位に。大成功のシーズンの最後にビッグタイトルを手にした。
「今シーズンの自分の成績に驚いている。タイムトライアルの世界チャンピオンになるなんて数年前には考えられなかった。低迷していた時期があるからこそ、この成績がより美しく感じる」と、自身初のアルカンシェル獲得を果たしたファンフルーテンは語る。世界選手権でのメダル獲得自体これが初めて。
日本からは與那嶺恵理(エフデジ・ヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)と梶原悠未(筑波大学)がエントリー。與那嶺はビルケルンズバッケン(長さ1.4km/平均勾配7.2%)の登り区間で良いラップタイムを刻んだものの、雨の下り区間でタイムを伸ばせず2分29秒差の22位。梶原は4分52秒差の44位だった。
「一年ヨーロッパサーキットで走って、選手の顔ぶれや自分の位置がわかってきた中で、シーズン最後の5度目の世界選手権。自分でも驚くくらい、良い意味で肩の力が抜けていて、レースに臨むことができました。結果は22位でしたが、前後の選手の顔ぶれを見ると、今年のレースでの立ち位置から大きく崩れることもなく、まとめられたかなというのが率直な感想です。パワーデータ的にもフィーリング的にも自分のベストを出せたので、ロードに向けて良いイメージで終えることができました」と語るのは2013年27位、2014年14位、2015年18位、2016年21位とコンスタントに成績を残している與那嶺。
「ボロボロの身体でノルウェー入りして、毎日マッサージで最高の状態にしてくださった穴田マッサー、入念な機材準備に対応してくださった斎藤メカ、ロストバッゲージで前日まで靴を貸してくれたU23の岡くん、ありがとうございました」とサポートに感謝する與那嶺はロードレースでのトップ集団フィニッシュを目標に掲げる。
ロード世界選手権2017エリート女子タイムトライアル結果
順位 | 名前 | タイム | 平均スピード |
---|---|---|---|
1位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ) | 0:28:50 | 43.899km/h |
2位 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ) | 0:00:12 | 43.592km/h |
3位 | カトリン・ガーフット(オーストラリア) | 0:00:18 | 43.424km/h |
4位 | クロエ・ダイガート(アメリカ) | 0:00:37 | 42.957km/h |
5位 | エレン・ファンダイク(オランダ) | 0:00:52 | 42.616km/h |
6位 | リンダ・ヴィルムセン(ニュージーランド) | 0:00:55 | 42.529km/h |
7位 | アシュリー・モールマンパシオ(南アフリカ) | 0:01:18 | 41.993km/h |
8位 | ローレン・スティーブンス(アメリカ) | 0:01:19 | 41.962km/h |
9位 | ハンナ・バーンズ(イギリス) | 0:01:23 | 41.880km/h |
10位 | セシリーウトラップ・ルドウィグ(デンマーク) | 0:01:34 | 41.635km/h |
21位 | 與那嶺恵理(エフデジ・ヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) | 0:02:29 | 40.415km/h |
43位 | 梶原悠未(筑波大学) | 0:04:52 | 37.551km/h |
text&photo:Kei Tsuji in Bergen, Norway
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