2017/09/11(月) - 12:18
様々なドラマを織り交ぜたブエルタ・ア・エスパーニャもフィナーレ。総合優勝したクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)や、激しいバトルを演じたマッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)、引退するアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)らのコメントを紹介する。
ステージ優勝を飾ったマッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)
チームは今日素晴らしい動きをしてくれたし、作戦も完璧に遂行できた。今日だけでなくこの3週間共に戦ってくれたメンバーには本当に感謝している。全員でプロトンの手綱を引きチャンスを逃さなかった。グリーンジャージも獲得できれば良かったけど、それでもこの素晴らしい瞬間を忘れることはないだろう。ブエルタで成し遂げた数々の勝利を誇りに思うよ。ここまでチームは6勝を上げていたけど、そこに華を添える勝利をここマドリードで上げることができて嬉しい。
初のブエルタ総合優勝、史上初のツール/ブエルタ同年制覇を果たしたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)
今はただただ信じられないような気持ちだよ。ここまで僕は目まぐるしくも、そして素晴らしい道程の真っ只中にいた。ツール・ド・フランスとブエルタ・ア・エスパーニャを同年に制覇した選手は僕が一人目で、それを成し遂げたという事実をまだ上手く飲み込めていないような気がする。もちろんそれは素晴らしいチームが僕を支えてくれてからこそであって、決して一人では不可能なことだった。そしてファン、家族、友人たち。全てのサポートに感謝したい。この2、3ヶ月の素晴らしい時間は全員の応援なくしては不可能だったんだ。
ブエルタ・ア・エスパーニャにはここまで6回挑戦してきて、総合2位で3回もふみとどまってきてしまっていた。でも今、こうして表彰台の頂点に立てて素晴らしい気持ちに満ちている。
今日は僕の人生で初めて、そして恐らく最後のグランツアーのポイント賞ジャージを争って走る機会だった。だからフィニッシュラインではどんなに少しでも構わないからポイント確保を狙って全力でスプリントしたんだ。これ以上嬉しい結果は無いし、チャンスを狙いに行ったまでのこと。いち競技者として当然の使命を果たす事ができてハッピーだ。
総合2位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
どのグランツールであっても総合優勝を持ち帰るだなんてことは決して簡単じゃない。しかし、バーレーン・メリダは常により上の結果を狙うべく結束して上手いレース運びができたと思う。フルームに次ぐ総合2位は上出来だ。彼は総合優勝にふさわしい選手で、クリスと彼のチームは本当に素晴らしい仕事をした。我々は最後まで抗い、勝利する機会を探っていたけど、簡単ではなかった。ツールとブエルタで勝利した彼には敬意を表したい。
ジロとブエルタでの表彰台獲得という結果は、シーズンを通して常にハイレベルのレースを続けてきた上では非常にポジティブだ。21日間戦わなければならない中で表彰台に乗ることは簡単なことではないんだ。それから、今日コンタドールが引退することに感情的になっている。彼は本能的に動く選手だった。レースでは常にアタックを仕掛けてくる選手だったので苦労させられた。今のプロトンで彼のような選手はなかなか存在しないんだ。
総合3位を獲得したイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)
とてつもなく嬉しいし、昨日コンタドールと戦えたことは良い思い出だ。グランツールの表彰台に乗るのは初めてのことだから、僕にとって全てが新しいことなんだ。偉大なライダー達と一緒に並べて、心地良さも感じ始めている。
総合8位、ヤングライダー賞のミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)
ベストヤングライダーは非常に嬉しいし、何よりもチームに感謝したい。メカニカルトラブルやクラッシュの時、彼らがカバーしてくれた。チーム総合、3ステージ優勝は非常にいいバランスだと思う。僕はいつもグランツールでヤングライダー賞に輝くことを夢見ていて、幸運なことに今年ブエルタはレッドビブ(新人賞)を作ったんだ。来年はジャージがあることを望むよ。それがさらに多くのモチベーションとなる。
山岳賞を獲得したダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック)
山岳賞獲得は自分にとって多くの意味がある。ジャージをここマドリードまで着続けることができて非常に感動している。第3ステージのアンドラからここまでジャージをキープし続けてこれた。ジャージを守ることを可能にしてくれたチームのサポートには感謝したい。とても嬉しいよ。次の目標はジロ・デ・ロンバルディアだ。このレースも自分にとっては特別で、そこでベストなリザルトを残したい。そして、そろそろ将来のことを考え始めようとも思う。
ラストレースを終えたアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)
今この瞬間の気持ちを言い表す言葉が浮かばないよ。フィニッシュラインの場所だけでも信じられないような出来事がたくさん起きている。その後も自分が知っている道をいくつも通り、たくさんの人の想いを受け取ったよ。本当に素晴らしい日だ。次にここに来る時は自転車ではなく車だろう。私にとってこれ以上ない特別な日で、本当に夢のようで、これ以上のお別れは想像できないね。
引退の瞬間だということを改めて感じている。プロを始めた時に、引退する時は自分がトップレベルの選手で終えたいと言っていたけど、今がまさにそのタイミングだと思う。私はこのブエルタに全てを捧げた。自分の望んだアタックの機会をくれたチームには感謝しているし、このラストレースを本当に楽しむことができたよ。1分刻みでレースを覚えているさ。
最後は感謝の言葉しかない。この15年間ハードなトレーニングを続け、100%最大限の努力をしてきた。これはとても大切なこと。もちろんスポーツだから勝つことも重要だけど、観客にスペクタクルを与えるのも大切なことだと思うね。僕はアタックし続けたよ、それが自分のやり方だからね。もちろん、よりコンサバティブに走りタイム差を抑えていたら…という意見もあるだろうが、それは僕のやり方じゃないんだ。
レース中何度も”Vamos Alberto(行け!アルベルト)”という声が聞こえたよ。人々が自分のパフォーマンスを見て楽しんでくれていると分かった。自分は引退のためにより良い場所や時間が選べなかった。なのでブエルタは私にとってかなりハードなものとなったけど、すべての時間を楽しむことができたね。登りでも脚が痛くたって、応援の看板や励ましの声がプレゼントのように感じられた。今日は魔法にかけられたみたいな日だった。僕はこの瞬間を決して忘れることは無いだろう。
text:CW編集部
ステージ優勝を飾ったマッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)
チームは今日素晴らしい動きをしてくれたし、作戦も完璧に遂行できた。今日だけでなくこの3週間共に戦ってくれたメンバーには本当に感謝している。全員でプロトンの手綱を引きチャンスを逃さなかった。グリーンジャージも獲得できれば良かったけど、それでもこの素晴らしい瞬間を忘れることはないだろう。ブエルタで成し遂げた数々の勝利を誇りに思うよ。ここまでチームは6勝を上げていたけど、そこに華を添える勝利をここマドリードで上げることができて嬉しい。
初のブエルタ総合優勝、史上初のツール/ブエルタ同年制覇を果たしたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)
今はただただ信じられないような気持ちだよ。ここまで僕は目まぐるしくも、そして素晴らしい道程の真っ只中にいた。ツール・ド・フランスとブエルタ・ア・エスパーニャを同年に制覇した選手は僕が一人目で、それを成し遂げたという事実をまだ上手く飲み込めていないような気がする。もちろんそれは素晴らしいチームが僕を支えてくれてからこそであって、決して一人では不可能なことだった。そしてファン、家族、友人たち。全てのサポートに感謝したい。この2、3ヶ月の素晴らしい時間は全員の応援なくしては不可能だったんだ。
ブエルタ・ア・エスパーニャにはここまで6回挑戦してきて、総合2位で3回もふみとどまってきてしまっていた。でも今、こうして表彰台の頂点に立てて素晴らしい気持ちに満ちている。
今日は僕の人生で初めて、そして恐らく最後のグランツアーのポイント賞ジャージを争って走る機会だった。だからフィニッシュラインではどんなに少しでも構わないからポイント確保を狙って全力でスプリントしたんだ。これ以上嬉しい結果は無いし、チャンスを狙いに行ったまでのこと。いち競技者として当然の使命を果たす事ができてハッピーだ。
総合2位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
どのグランツールであっても総合優勝を持ち帰るだなんてことは決して簡単じゃない。しかし、バーレーン・メリダは常により上の結果を狙うべく結束して上手いレース運びができたと思う。フルームに次ぐ総合2位は上出来だ。彼は総合優勝にふさわしい選手で、クリスと彼のチームは本当に素晴らしい仕事をした。我々は最後まで抗い、勝利する機会を探っていたけど、簡単ではなかった。ツールとブエルタで勝利した彼には敬意を表したい。
ジロとブエルタでの表彰台獲得という結果は、シーズンを通して常にハイレベルのレースを続けてきた上では非常にポジティブだ。21日間戦わなければならない中で表彰台に乗ることは簡単なことではないんだ。それから、今日コンタドールが引退することに感情的になっている。彼は本能的に動く選手だった。レースでは常にアタックを仕掛けてくる選手だったので苦労させられた。今のプロトンで彼のような選手はなかなか存在しないんだ。
総合3位を獲得したイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)
とてつもなく嬉しいし、昨日コンタドールと戦えたことは良い思い出だ。グランツールの表彰台に乗るのは初めてのことだから、僕にとって全てが新しいことなんだ。偉大なライダー達と一緒に並べて、心地良さも感じ始めている。
総合8位、ヤングライダー賞のミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)
ベストヤングライダーは非常に嬉しいし、何よりもチームに感謝したい。メカニカルトラブルやクラッシュの時、彼らがカバーしてくれた。チーム総合、3ステージ優勝は非常にいいバランスだと思う。僕はいつもグランツールでヤングライダー賞に輝くことを夢見ていて、幸運なことに今年ブエルタはレッドビブ(新人賞)を作ったんだ。来年はジャージがあることを望むよ。それがさらに多くのモチベーションとなる。
山岳賞を獲得したダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック)
山岳賞獲得は自分にとって多くの意味がある。ジャージをここマドリードまで着続けることができて非常に感動している。第3ステージのアンドラからここまでジャージをキープし続けてこれた。ジャージを守ることを可能にしてくれたチームのサポートには感謝したい。とても嬉しいよ。次の目標はジロ・デ・ロンバルディアだ。このレースも自分にとっては特別で、そこでベストなリザルトを残したい。そして、そろそろ将来のことを考え始めようとも思う。
ラストレースを終えたアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)
今この瞬間の気持ちを言い表す言葉が浮かばないよ。フィニッシュラインの場所だけでも信じられないような出来事がたくさん起きている。その後も自分が知っている道をいくつも通り、たくさんの人の想いを受け取ったよ。本当に素晴らしい日だ。次にここに来る時は自転車ではなく車だろう。私にとってこれ以上ない特別な日で、本当に夢のようで、これ以上のお別れは想像できないね。
引退の瞬間だということを改めて感じている。プロを始めた時に、引退する時は自分がトップレベルの選手で終えたいと言っていたけど、今がまさにそのタイミングだと思う。私はこのブエルタに全てを捧げた。自分の望んだアタックの機会をくれたチームには感謝しているし、このラストレースを本当に楽しむことができたよ。1分刻みでレースを覚えているさ。
最後は感謝の言葉しかない。この15年間ハードなトレーニングを続け、100%最大限の努力をしてきた。これはとても大切なこと。もちろんスポーツだから勝つことも重要だけど、観客にスペクタクルを与えるのも大切なことだと思うね。僕はアタックし続けたよ、それが自分のやり方だからね。もちろん、よりコンサバティブに走りタイム差を抑えていたら…という意見もあるだろうが、それは僕のやり方じゃないんだ。
レース中何度も”Vamos Alberto(行け!アルベルト)”という声が聞こえたよ。人々が自分のパフォーマンスを見て楽しんでくれていると分かった。自分は引退のためにより良い場所や時間が選べなかった。なのでブエルタは私にとってかなりハードなものとなったけど、すべての時間を楽しむことができたね。登りでも脚が痛くたって、応援の看板や励ましの声がプレゼントのように感じられた。今日は魔法にかけられたみたいな日だった。僕はこの瞬間を決して忘れることは無いだろう。
text:CW編集部
Amazon.co.jp
Alberto Contador: tres sueños cumplidos
Al Poste Ediciones