2017/09/11(月) - 07:53
ツール・ド・北海道の第3ステージが行われ、キナンサイクリングチームのマルコス・ガルシアが、函館山頂上ゴールを制してステージ優勝。個人総合優勝も勝ち取った。ポイント賞は岡本隼(愛三工業レーシングチーム)、山岳賞は冨尾大地(鹿屋体育大学)が獲得した。
ツール・ド・北海道第3ステージは77kmのショートステージ。距離は短かいが、ゴールは絶景スポットとして有名な函館山の山頂。ツール・ド・北海道史上初の試みで、今大会のハイライトとなるステージだ。
朝方まで雨が残っていた函館市内だが、レースがスタートする前にはあがって急速に青空が広がった。函館山からは青森県の竜飛岬が見えるほどの良い天気の下、最終ステージがスタートした。
初日と同じ函館競輪場をスタート。まずは26.8km地点の4級山岳に向けて、日本大学と鹿屋体育大学の山岳賞をめぐる争いが始まる。
ハイスピードのアタック合戦から、山岳賞2位の冨尾大地(鹿屋体育大学)を含む4人の逃げが形成される。15秒ほどの差がつくが、山岳ジャージを着る草場啓吾ら日本大学勢が集団を牽引し、4級山岳を前に逃げを吸収。すると今度は鹿屋体育大学が列車を組み、徳田匠、山本大喜、黒枝咲哉の順にラスト50mで冨尾を発射。草場が追うものの冨尾がそのまま首位通過し、1点リードしてバーチャルの山岳賞首位に立つ。
その後は平坦基調の海岸線を、リーダーチームの愛三工業レーシングチームが集団を率いていく。抜け出しを図る動きがあるも、決定打とならずに集団が吸収。入部正太朗(シマノレーシング)と中田拓也(インタープロサイクリングアカデミー)が抜け出し20秒ほどの差をつけるがこれも吸収される。
残り10kmを切ると、函館山への登りで前に出たいチームが上がり始める。マトリックスパワータグがスプリントをするような隊列を組んで牽引、その後ろにキナンサイクリングチーム、NIPPOヴィーニファンティーニの順で、残り4kmから始まる函館山登山口に土井雪広(マトリックスパワータグ)を先頭に突入していく。
登りに入ると、NIPPOヴィーニファンティーニ5人が集団の先頭に集まってペースアップ。西薗良太(ブリヂストンアンカー)、マルコス・ガルシア、トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)、ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)らが続き、先頭集団は20名ほどに絞られる。
残り2km、ガルシアがアタック。これを中根英登らNIPPOヴィーニファンティーニが追いかけて吸収すると、今度はトマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)がアタック。これも中根英登らNIPPOヴィーニファンティーニが吸収に行く。
残り1km、ガルシアが再びアタックすると、ついて行けたのは西薗良太(ブリヂストンアンカー)だけ。西薗は残り150mで先行するも、ガルシアは残り50mで西薗を抜き去る。山頂に集まった多くの観客の前に先頭で姿を現したガルシアは、10mを残して勝利を確信。両手を大きく広げてゴールした。
リーダージャージの岡本は52秒遅れの15位でゴール。これにより、ガルシアが逆転で個人総合優勝を決めた。
「函館山の最後の登りが勝負のカギになると思っていたから、ここにかけていた。調子も良かったし、3日間を通してチームも強かった。勝てて本当に嬉しい」と、総合優勝の感想を語る。
キナンサイクリングチームの石田監督は「一度メンバーを決めた後、函館山登りゴールと聞いてマルコスを入れたメンバーに組み直した事と、最終日の残り10kmまで勝負できる位置に残れた事が今回の勝因だと思います。2日目までに大逃げが発生して大差がついてしまう事を心配していましたが、そうならずに最終日まで来た事も幸いしました。マルコスはようやく本領発揮出来てきたと感じています。ツアー・オブ・ジャパンでは(チーム右京のオスカル)プジョルにやられてしまっているので、次は勝ちたいですね」と、次の目標を交えて今回の勝因を語った。
リーダージャージを失ったものの、岡本はポイント賞を獲得。ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ)とポイントは並んだが、第2ステージの優勝により上位となった。それでも、第3ステージの15位1点の加算が無ければデネグリに逆転されていたという薄氷の獲得だ。
岡本は「総合優勝は出来なくても、ポイント賞は守りたかった。ホットスポットが取れなかったので、最後の坂しかないと思ってヒヤヒヤでした。昨日のステージ優勝は自信になりました。」と、3日間を総括した。
大学生の争いとなった山岳賞は、冨尾が逆転で獲得。最後は草場との直接対決を制して1点差で奪い取った。冨尾は、「チームが僕のために働いてくれたおかげで山岳賞を取る事ができました。積極的なレースをする事で、自分の持ち味を出せたと思います」と語った。
3日間のツール・ド・北海道が終わった。今回は大学生の活躍が目立ち、ポイント賞と山岳賞を獲得した。これまでもリーダージャージや各賞ジャージを大学生が着る事はあったが、獲得したのは今大会が始めて。U23世代が育ってきている事の現れでもあり、明るい材料だ。
一方で、最終日はトップチーム勢が力を見せ、終わってみれば実力のある選手が上位を占める結果となった。優勝したマルコス・ガルシアはクライマーだが、スプリント勝負になった第1、第2ステージではきっちりと先頭集団に残り、最小限のタイム差にとどめている。優勝候補と目された他の選手も同様で、ステージレースの進め方のお手本と言えよう。
ツール・ド・北海道第3ステージは77kmのショートステージ。距離は短かいが、ゴールは絶景スポットとして有名な函館山の山頂。ツール・ド・北海道史上初の試みで、今大会のハイライトとなるステージだ。
朝方まで雨が残っていた函館市内だが、レースがスタートする前にはあがって急速に青空が広がった。函館山からは青森県の竜飛岬が見えるほどの良い天気の下、最終ステージがスタートした。
初日と同じ函館競輪場をスタート。まずは26.8km地点の4級山岳に向けて、日本大学と鹿屋体育大学の山岳賞をめぐる争いが始まる。
ハイスピードのアタック合戦から、山岳賞2位の冨尾大地(鹿屋体育大学)を含む4人の逃げが形成される。15秒ほどの差がつくが、山岳ジャージを着る草場啓吾ら日本大学勢が集団を牽引し、4級山岳を前に逃げを吸収。すると今度は鹿屋体育大学が列車を組み、徳田匠、山本大喜、黒枝咲哉の順にラスト50mで冨尾を発射。草場が追うものの冨尾がそのまま首位通過し、1点リードしてバーチャルの山岳賞首位に立つ。
その後は平坦基調の海岸線を、リーダーチームの愛三工業レーシングチームが集団を率いていく。抜け出しを図る動きがあるも、決定打とならずに集団が吸収。入部正太朗(シマノレーシング)と中田拓也(インタープロサイクリングアカデミー)が抜け出し20秒ほどの差をつけるがこれも吸収される。
残り10kmを切ると、函館山への登りで前に出たいチームが上がり始める。マトリックスパワータグがスプリントをするような隊列を組んで牽引、その後ろにキナンサイクリングチーム、NIPPOヴィーニファンティーニの順で、残り4kmから始まる函館山登山口に土井雪広(マトリックスパワータグ)を先頭に突入していく。
登りに入ると、NIPPOヴィーニファンティーニ5人が集団の先頭に集まってペースアップ。西薗良太(ブリヂストンアンカー)、マルコス・ガルシア、トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)、ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)らが続き、先頭集団は20名ほどに絞られる。
残り2km、ガルシアがアタック。これを中根英登らNIPPOヴィーニファンティーニが追いかけて吸収すると、今度はトマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)がアタック。これも中根英登らNIPPOヴィーニファンティーニが吸収に行く。
残り1km、ガルシアが再びアタックすると、ついて行けたのは西薗良太(ブリヂストンアンカー)だけ。西薗は残り150mで先行するも、ガルシアは残り50mで西薗を抜き去る。山頂に集まった多くの観客の前に先頭で姿を現したガルシアは、10mを残して勝利を確信。両手を大きく広げてゴールした。
リーダージャージの岡本は52秒遅れの15位でゴール。これにより、ガルシアが逆転で個人総合優勝を決めた。
「函館山の最後の登りが勝負のカギになると思っていたから、ここにかけていた。調子も良かったし、3日間を通してチームも強かった。勝てて本当に嬉しい」と、総合優勝の感想を語る。
キナンサイクリングチームの石田監督は「一度メンバーを決めた後、函館山登りゴールと聞いてマルコスを入れたメンバーに組み直した事と、最終日の残り10kmまで勝負できる位置に残れた事が今回の勝因だと思います。2日目までに大逃げが発生して大差がついてしまう事を心配していましたが、そうならずに最終日まで来た事も幸いしました。マルコスはようやく本領発揮出来てきたと感じています。ツアー・オブ・ジャパンでは(チーム右京のオスカル)プジョルにやられてしまっているので、次は勝ちたいですね」と、次の目標を交えて今回の勝因を語った。
リーダージャージを失ったものの、岡本はポイント賞を獲得。ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ)とポイントは並んだが、第2ステージの優勝により上位となった。それでも、第3ステージの15位1点の加算が無ければデネグリに逆転されていたという薄氷の獲得だ。
岡本は「総合優勝は出来なくても、ポイント賞は守りたかった。ホットスポットが取れなかったので、最後の坂しかないと思ってヒヤヒヤでした。昨日のステージ優勝は自信になりました。」と、3日間を総括した。
大学生の争いとなった山岳賞は、冨尾が逆転で獲得。最後は草場との直接対決を制して1点差で奪い取った。冨尾は、「チームが僕のために働いてくれたおかげで山岳賞を取る事ができました。積極的なレースをする事で、自分の持ち味を出せたと思います」と語った。
3日間のツール・ド・北海道が終わった。今回は大学生の活躍が目立ち、ポイント賞と山岳賞を獲得した。これまでもリーダージャージや各賞ジャージを大学生が着る事はあったが、獲得したのは今大会が始めて。U23世代が育ってきている事の現れでもあり、明るい材料だ。
一方で、最終日はトップチーム勢が力を見せ、終わってみれば実力のある選手が上位を占める結果となった。優勝したマルコス・ガルシアはクライマーだが、スプリント勝負になった第1、第2ステージではきっちりと先頭集団に残り、最小限のタイム差にとどめている。優勝候補と目された他の選手も同様で、ステージレースの進め方のお手本と言えよう。
ツール・ド・北海道2017 第3ステージ(函館市-函館山:77km)
1位 | マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) | 1時間43分47秒 |
2位 | 西薗良太(ブリヂストンアンカー) | +2秒 |
3位 | ホセ・ビセンテ(スペイン、マトリックスパワータグ) | +6秒 |
4位 | トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) | |
5位 | ジャコーモ・ベルラート(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) | |
6位 | サルヴァドール・グアルディオラ(スペイン、チーム右京) | +9秒 |
7位 | 中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ) | +11秒 |
8位 | エゴイツ・フェルナンデス(スペイン、チーム右京) | +13秒 |
9位 | ドリュー・モレイ(オーストラリア、トレンガヌサイクリングチーム) | +18秒 |
10位 | ピエールパオロ・デネグリ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) | +25秒 |
個人総合時間賞(第3ステージ終了時)
1位 | マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) | 9時間44分28秒 |
2位 | 西薗良太(ブリヂストンアンカー) | +6秒 |
3位 | ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ) | +12秒 |
4位 | ジャコーモ・ベルラート(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) | +16秒 |
5位 | トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) | +16秒 |
6位 | サルヴァドール・グアルディオラ(スペイン、チーム右京) | +19秒 |
7位 | エゴイツ・フェルナンデス(スペイン、チーム右京) | +23秒 |
8位 | ピエールパオロ・デネグリ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) | +25秒 |
9位 | 中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ) | +26秒 |
10位 | ドリュー・モレイ(オーストラリア、トレンガヌサイクリングチーム) | +28秒 |
個人総合ポイント賞(第3ステージ終了時)
1位 | 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) | 42p |
2位 | ピエールパオロ・デネグリ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) | 42p |
3位 | 鈴木 龍(ブリヂストンアンカー) | 37p |
個人総合山岳賞(第3ステージ終了時)
1位 | 冨尾大地(鹿屋体育大学) | 13p |
2位 | 草場啓吾(日本大学) | 12p |
3位 | マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム) | 7p |
チーム総合成績(第3ステージ終了時)
1位 | NIPPOヴィーニファンティーニ | 29時間14分36秒 |
2位 | キナンサイクリングチーム | +1分17秒 |
3位 | チーム右京 | +1分33秒 |
チーム総合U26順位(第3ステージ終了時)
1位 | 鹿屋体育大学 | 29時間27分35秒 |
2位 | 京都産業大学 | +23秒 |
3位 | セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム | +1分46秒 |
text&Photo:Hideaki TAKAGI,Satoru Kato
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