2017/09/10(日) - 05:59
残り9km地点の2級山岳で繰り返されたアタック。しかし総合を揺るがすような動きは生まれず、集団スプリントを制したディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)が雨の1日をステージ1勝目で締めくくった。
獲得標高差1,500mのコースの目玉は何といっても残り9km地点に登場する2級山岳クリーブヒル(長さ3.4km/平均4%)。タイム差の小さな総合争いが繰り広げられているため、この第7ステージが今大会のクイーンステージと目された。ロンドンの北40kmに位置するヘメル・ヘムステッドのスタート地点は快晴。しかしチェルトナムに向かう185.1kmコースを進むにつれて天候は下り坂となり、叩きつける雨と晴れのインターバルが何度か繰り返されることに。
UCIワールドチームの選手たちが加わったレース序盤のアタック合戦は熾烈を極め、総合成績に関係する選手もアタックに加わったため一向にペースが落ちない。ロンドン郊外に広がる緑豊かな丘陵地帯を26km走って、ようやくロブ・パワー(オーストラリア、オリカ・スコット)や山岳賞ジャージのジェイコブ・スコット(イギリス、アンポスト・チェーンリアクション)ら6名による逃げが決まった。
逃げグループに4分のリードを与えたメイン集団はロットNLユンボがコントロール。強い雨が降る中を比較的平穏に進んだプロトンだったが、残り70kmを切ったところでティアゴ・マシャド(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)がアタックするとレースは活性化する。ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)やシルヴァン・ディリエ(スイス、BMCレーシング)、アレックス・ドーセット(イギリス、モビスター)らがマシャドに追いついて追走グループを形成。しかしロットNLユンボの集団牽引によってクウィアトコウスキーらは引き戻され、やがて序盤からの逃げグループも吸収された。
続いて動いたのはトニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)で、カウンターアタックを成功させた世界TTチャンピオンがメイン集団から20秒前後のリードで独走する。メイン集団からはフィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)らがアタックを繰り出すも決まらない。20kmにわたるマルティンの独走も、残り13km地点で終わりを迎えた。
逃げを全て吸収したメイン集団はこの日最後のスプリントポイントに差し掛かり、総合4位のシュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)が先頭通過してボーナスタイム3秒を獲得。キュングは総合2位に順位を上げることに成功している。
そして迎えた2級山岳クリーブヒル。クウィアトコウスキーらのペースアップによって縦に伸びた集団からエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)、ローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)、ディラン・ファンバーレ(オランダ、キャノンデール・ドラパック)、ディオン・スミス(ニュージーランド、ワンティ・グループゴベール)、ゴルカ・イサギレ(スペイン、モビスター)が抜け出すことに成功。ファンバーレとデプルスは落車によって脱落したが、総合で19秒しか離れていないボアッソンハーゲンら3名は逃げを続行する。
総合逆転に向けて逃げるボアッソンハーゲン。しかし残り2km地点でスプリンターチーム率いるメイン集団がボアッソンハーゲンらの逃げを飲み込んでしまう。約60名のメイン集団はそのままチェルトナムのフィニッシュに突入。人数を揃えたオリカ・スコットが主導権を握り、直角コーナーが2つ連続するクランク区間を抜けて下り基調の最終ストレートに入った。
30km/h前後まで落ちたクランク区間を抜けて、早めに仕掛けたのはディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)。リードアウトトレインを組みながらも発射のタイミングをミスしたカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)を尻目に、ツール・ド・フランス最終日シャンゼリゼ覇者のフルーネウェーヘンが加速する。65km/hに達するスプリントで先頭を突き進んだフルーネウェーヘンが、ハンドルを投げ込むユアンを振り切った。
「チームにとって(ボームの)総合成績を守りながらのハードなレース。とても厳しい戦いだったけど、登りで勝負に生き残ることができてよかった。ユアンとガビリアの後ろから仕掛ける”フリースタイル”なスプリントだったけど、フィニッシュラインを見て『行ける』と思って踏み込んだ」と、ボームのグリーンジャージ堅守に華を添えるスプリント勝利を飾ったフルーネウェーヘンは語る。上位入賞を繰り返していた24歳のダッチスプリンターがようやくステージ優勝を手にした。
キュングに8秒差に迫られながらも総合首位を守ったボームは「ボアッソンハーゲンの逃げは危険だった。確かに危機的な状況だったものの、下りを全開で走って差を詰め、そこからはスプリンターチームが率いて逃げを捕まえてくれた。スプリントでも勝ったし、チームにとって偉大な日になった」と、成功の1日を振り返る。翌日の最終ステージは再びスプリンター向き。ボームが2度目の総合優勝に王手をかけた。
獲得標高差1,500mのコースの目玉は何といっても残り9km地点に登場する2級山岳クリーブヒル(長さ3.4km/平均4%)。タイム差の小さな総合争いが繰り広げられているため、この第7ステージが今大会のクイーンステージと目された。ロンドンの北40kmに位置するヘメル・ヘムステッドのスタート地点は快晴。しかしチェルトナムに向かう185.1kmコースを進むにつれて天候は下り坂となり、叩きつける雨と晴れのインターバルが何度か繰り返されることに。
UCIワールドチームの選手たちが加わったレース序盤のアタック合戦は熾烈を極め、総合成績に関係する選手もアタックに加わったため一向にペースが落ちない。ロンドン郊外に広がる緑豊かな丘陵地帯を26km走って、ようやくロブ・パワー(オーストラリア、オリカ・スコット)や山岳賞ジャージのジェイコブ・スコット(イギリス、アンポスト・チェーンリアクション)ら6名による逃げが決まった。
逃げグループに4分のリードを与えたメイン集団はロットNLユンボがコントロール。強い雨が降る中を比較的平穏に進んだプロトンだったが、残り70kmを切ったところでティアゴ・マシャド(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)がアタックするとレースは活性化する。ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)やシルヴァン・ディリエ(スイス、BMCレーシング)、アレックス・ドーセット(イギリス、モビスター)らがマシャドに追いついて追走グループを形成。しかしロットNLユンボの集団牽引によってクウィアトコウスキーらは引き戻され、やがて序盤からの逃げグループも吸収された。
続いて動いたのはトニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)で、カウンターアタックを成功させた世界TTチャンピオンがメイン集団から20秒前後のリードで独走する。メイン集団からはフィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)らがアタックを繰り出すも決まらない。20kmにわたるマルティンの独走も、残り13km地点で終わりを迎えた。
逃げを全て吸収したメイン集団はこの日最後のスプリントポイントに差し掛かり、総合4位のシュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)が先頭通過してボーナスタイム3秒を獲得。キュングは総合2位に順位を上げることに成功している。
そして迎えた2級山岳クリーブヒル。クウィアトコウスキーらのペースアップによって縦に伸びた集団からエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)、ローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)、ディラン・ファンバーレ(オランダ、キャノンデール・ドラパック)、ディオン・スミス(ニュージーランド、ワンティ・グループゴベール)、ゴルカ・イサギレ(スペイン、モビスター)が抜け出すことに成功。ファンバーレとデプルスは落車によって脱落したが、総合で19秒しか離れていないボアッソンハーゲンら3名は逃げを続行する。
総合逆転に向けて逃げるボアッソンハーゲン。しかし残り2km地点でスプリンターチーム率いるメイン集団がボアッソンハーゲンらの逃げを飲み込んでしまう。約60名のメイン集団はそのままチェルトナムのフィニッシュに突入。人数を揃えたオリカ・スコットが主導権を握り、直角コーナーが2つ連続するクランク区間を抜けて下り基調の最終ストレートに入った。
30km/h前後まで落ちたクランク区間を抜けて、早めに仕掛けたのはディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)。リードアウトトレインを組みながらも発射のタイミングをミスしたカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)を尻目に、ツール・ド・フランス最終日シャンゼリゼ覇者のフルーネウェーヘンが加速する。65km/hに達するスプリントで先頭を突き進んだフルーネウェーヘンが、ハンドルを投げ込むユアンを振り切った。
「チームにとって(ボームの)総合成績を守りながらのハードなレース。とても厳しい戦いだったけど、登りで勝負に生き残ることができてよかった。ユアンとガビリアの後ろから仕掛ける”フリースタイル”なスプリントだったけど、フィニッシュラインを見て『行ける』と思って踏み込んだ」と、ボームのグリーンジャージ堅守に華を添えるスプリント勝利を飾ったフルーネウェーヘンは語る。上位入賞を繰り返していた24歳のダッチスプリンターがようやくステージ優勝を手にした。
キュングに8秒差に迫られながらも総合首位を守ったボームは「ボアッソンハーゲンの逃げは危険だった。確かに危機的な状況だったものの、下りを全開で走って差を詰め、そこからはスプリンターチームが率いて逃げを捕まえてくれた。スプリントでも勝ったし、チームにとって偉大な日になった」と、成功の1日を振り返る。翌日の最終ステージは再びスプリンター向き。ボームが2度目の総合優勝に王手をかけた。
ステージ成績
1位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) | 4:26:58 |
2位 | カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット) | |
3位 | ブレントン・ジョーンズ(オーストラリア、JLTコンドル) | |
4位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン) | |
5位 | アンドレア・パスクアロン(イタリア、ワンティ・グループゴベール) | |
6位 | ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、モビスター) | |
7位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | |
8位 | ニコラス・マース(ベルギー、ロット・ソウダル) | |
9位 | フローリス・ヘルツ(ベルギー、BMCレーシング) | |
10位 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、バルディアーニCSF) |
個人総合成績
1位 | ラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ) | 26:37:28 |
2位 | シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) | 0:08 |
3位 | ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロットNLユンボ) | 0:09 |
4位 | ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ) | 0:10 |
5位 | ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ) | 0:14 |
6位 | トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) | 0:15 |
7位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | 0:20 |
8位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) | |
9位 | ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) | |
10位 | ライアン・ミューレン(アイルランド、キャノンデール・ドラパック) | 0:28 |
ポイント賞
1位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン) | 73pts |
2位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | 62pts |
3位 | カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット) | 57pts |
山岳賞
1位 | ジェイコブ・スコット(イギリス、アンポスト・チェーンリアクション) | 34pts |
2位 | ルーカス・オウシアン(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) | 27pts |
3位 | グラハム・ブリッグス(イギリス、JLTコンドル) | 25pts |
スプリント賞
1位 | マーク・マクナリー(イギリス、ワンティ・グループゴベール) | 16pts |
2位 | グラハム・ブリッグス(イギリス、JLTコンドル) | 15pts |
3位 | ハリー・タンフィールド(イギリス、バイクチャンネル・キャニオン) | 7pts |
チーム総合成績
1位 | ロットNLユンボ | 79:52:50 |
2位 | チームスカイ | 0:24 |
3位 | カチューシャ・アルペシン | 1:27 |
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