2017/09/09(土) - 22:09
ツール・ド・北海道の第2ステージが北斗市から木古内町までの185kmで行われ、愛三工業レーシングチームの岡本隼がステージ優勝。個人総合首位に立った。山岳賞は草場啓吾(日本大学)が維持している。
ツール・ド・北海道第2ステージは、雲が多めながらも、朝から晴れ。しかし風が強く、コース後半の日本海側では横風が選手を苦しめた。コースは今大会最長距離となる185kmで前日ゴール地点の北斗市運動公園をスタートし、北海道最南端の松前半島の海岸線を時計回りに走る。ゴールは昨年開業した北海道新幹線の木古内(きこない)駅前。途中2か所に4級山岳が設定されるが、平坦基調のステージだ。
この日もスタート直後からアタック合戦が始まるが、逃げが容認されない時間が長く続く。スタートからおよそ1時間、40kmを過ぎたところでようやく4人の逃げが容認される。メンバーは、馬渡伸弥(宇都宮ブリッツェン)、小森亮平(愛三工業レーシングチーム)、吉田悠人(インタープロサイクリングアカデミー)、冨尾大地(鹿屋体育大学)。
メイン集団は、リーダージャージの鈴木龍を擁するブリヂストンアンカーがコントロールし、マトリックスパワータグがそれに続く。逃げ集団の吉田以外は総合順位で40秒前後のタイム差である事から、3分前後の差を維持していく。
逃げる4人は協調してローテーションを回す。山岳賞は2回共に小森がトップ通過し、冨尾が2位通過。これで冨尾は山岳賞リーダーの草場啓吾(日本大学)に並んだ。
163km地点に設定された2つ目の4級山岳への登りで小森が単独で先行。他の3人は遅れて逃げ集団は崩壊する。「踏みつづけていたら他の3人が遅れた。逃げ切りたい気持ちもあったが、捕まってもスプリントで信頼できる住吉と岡本に任せられると思っていた」と言う通り、小森は残り3kmまで粘って集団に吸収され、昨日に続き最後のスプリント勝負に持ち込まれた。
「埋もれるのが怖くて250mくらいから早がけしてしまった」と言う黒枝咲哉(鹿屋体育大学)が集団の先頭でゴール前に現れる。「(黒枝)咲哉が行ったのを見て飛び乗った」という岡本隼(愛三工業レーシングチーム)が、残り50mから黒枝の前に出る。さらにピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ)も反対サイドから並びかけてゴールライン上でハンドルを投げ合う。勝ったのは岡本。粘った黒枝が2位に入った。
岡本は愛三工業レーシングチームとして出場しているが、現役の日本大学4年生。現役大学生のワン・ツーフィニッシュは、ツール・ド・北海道史上初だ。
岡本はゴールのボーナスタイム10秒を得た一方、総合首位の鈴木龍(ブリヂストンアンカー)は5位でボーナスタイムが得られなかったため、岡本が4秒上回って総合首位に立った。大学生のリーダージャージは、2012年大会で当時鹿屋体育大学の黒枝士揮が着て以来となる。
「風が強かったですが、小森選手が逃げに入っていたので、集団の中で足を休める事が出来て、チームでまとまって良い番手を取る事が出来ました。残り1kmからは住吉先輩に引いてもらって、冷静にスプリントに入るタイミングを見極めました。昨日もがいた感触が今日に繋がったと思います」と、レースを振り返る岡本。現役大学生としてリーダージャージを着る事については「あまり意識せずに(エリートの選手と)同じレースを走っていると考えています」と言う。
総合首位を守れるかとの問いには、「明日は短距離なので、消耗戦になればリーダージャージを守るチャンスはあると考えてます。函館山の登りは、粘ってタイム差があまりつかないようにしたいです」と、最終日への展望を語った。
惜しくも2位の黒枝は、「兄(士揮)に続きたかったんですが、そう簡単じゃなかったですね。本来なら残り150mくらいからまくりに行くのが自分のスタイルなのですが、焦ってしまいました。ゴールまでもつ自信はありませんでしたが、死ぬ気でもがきました。その点、勝った岡本選手は経験も力も上でしたね」と、反省を口にする。
「昨年は埋もれて3位だったが、今回は初めて集団の一番前でもがけました。この経験を次に繋げて、冷静に勝負できるスプリンターになりたいです」と、語った。
一方山岳賞は、ポイント上は草場と冨尾が並んだが、昨日1位通過を2回している草場がジャージを守った。
「今日は冨尾選手が動いてくる事はわかっていたのでチェックしていましたが、序盤のアタック合戦で足がいっぱいになったところでカウンターで行かれてしましました。2回目の山岳賞を取れればと思って日大でローテーションに加わって追走したのですが、追いつきませんでした」と草場。
明日の第3ステージでは4級山岳が1回、函館山の2級山岳が1回ある。4級山岳を1位通過すれば、草場の山岳賞が確定する。
「今日は冨尾選手は逃げて足を使っているが、自分はあまり使わずに済んでるので、有利だと思います。スプリントになれば負けないので、気を抜かない事が一番だと思います」と、気を引き締めた。
対する冨尾は、「山岳賞を取る事を狙って逃げに乗りましたが、2回とも2位通過になってしまって同点どまりになってしまいました。明日の最初の山岳賞(4級山岳)はチャンスがあるので、チームメイトの助けをもらいながら山岳ジャージの獲得を目指したい」と、逆転の山岳賞獲得に向けての意欲を語った。
明日は最終日の第3ステージ。初日と同じ函館競輪場をスタートし、函館山の山頂にゴールする77km。短距離決戦かつ2級山岳の登りゴールで全ての勝負が決まる。総合上位は20秒以内に18人がひしめく接戦となっており、逆転もあり得る。
函館山を制した者が今年のツール・ド・北海道を制する事になるのか。最終日も目が離せない。
ツール・ド・北海道第2ステージは、雲が多めながらも、朝から晴れ。しかし風が強く、コース後半の日本海側では横風が選手を苦しめた。コースは今大会最長距離となる185kmで前日ゴール地点の北斗市運動公園をスタートし、北海道最南端の松前半島の海岸線を時計回りに走る。ゴールは昨年開業した北海道新幹線の木古内(きこない)駅前。途中2か所に4級山岳が設定されるが、平坦基調のステージだ。
この日もスタート直後からアタック合戦が始まるが、逃げが容認されない時間が長く続く。スタートからおよそ1時間、40kmを過ぎたところでようやく4人の逃げが容認される。メンバーは、馬渡伸弥(宇都宮ブリッツェン)、小森亮平(愛三工業レーシングチーム)、吉田悠人(インタープロサイクリングアカデミー)、冨尾大地(鹿屋体育大学)。
メイン集団は、リーダージャージの鈴木龍を擁するブリヂストンアンカーがコントロールし、マトリックスパワータグがそれに続く。逃げ集団の吉田以外は総合順位で40秒前後のタイム差である事から、3分前後の差を維持していく。
逃げる4人は協調してローテーションを回す。山岳賞は2回共に小森がトップ通過し、冨尾が2位通過。これで冨尾は山岳賞リーダーの草場啓吾(日本大学)に並んだ。
163km地点に設定された2つ目の4級山岳への登りで小森が単独で先行。他の3人は遅れて逃げ集団は崩壊する。「踏みつづけていたら他の3人が遅れた。逃げ切りたい気持ちもあったが、捕まってもスプリントで信頼できる住吉と岡本に任せられると思っていた」と言う通り、小森は残り3kmまで粘って集団に吸収され、昨日に続き最後のスプリント勝負に持ち込まれた。
「埋もれるのが怖くて250mくらいから早がけしてしまった」と言う黒枝咲哉(鹿屋体育大学)が集団の先頭でゴール前に現れる。「(黒枝)咲哉が行ったのを見て飛び乗った」という岡本隼(愛三工業レーシングチーム)が、残り50mから黒枝の前に出る。さらにピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ)も反対サイドから並びかけてゴールライン上でハンドルを投げ合う。勝ったのは岡本。粘った黒枝が2位に入った。
岡本は愛三工業レーシングチームとして出場しているが、現役の日本大学4年生。現役大学生のワン・ツーフィニッシュは、ツール・ド・北海道史上初だ。
岡本はゴールのボーナスタイム10秒を得た一方、総合首位の鈴木龍(ブリヂストンアンカー)は5位でボーナスタイムが得られなかったため、岡本が4秒上回って総合首位に立った。大学生のリーダージャージは、2012年大会で当時鹿屋体育大学の黒枝士揮が着て以来となる。
「風が強かったですが、小森選手が逃げに入っていたので、集団の中で足を休める事が出来て、チームでまとまって良い番手を取る事が出来ました。残り1kmからは住吉先輩に引いてもらって、冷静にスプリントに入るタイミングを見極めました。昨日もがいた感触が今日に繋がったと思います」と、レースを振り返る岡本。現役大学生としてリーダージャージを着る事については「あまり意識せずに(エリートの選手と)同じレースを走っていると考えています」と言う。
総合首位を守れるかとの問いには、「明日は短距離なので、消耗戦になればリーダージャージを守るチャンスはあると考えてます。函館山の登りは、粘ってタイム差があまりつかないようにしたいです」と、最終日への展望を語った。
惜しくも2位の黒枝は、「兄(士揮)に続きたかったんですが、そう簡単じゃなかったですね。本来なら残り150mくらいからまくりに行くのが自分のスタイルなのですが、焦ってしまいました。ゴールまでもつ自信はありませんでしたが、死ぬ気でもがきました。その点、勝った岡本選手は経験も力も上でしたね」と、反省を口にする。
「昨年は埋もれて3位だったが、今回は初めて集団の一番前でもがけました。この経験を次に繋げて、冷静に勝負できるスプリンターになりたいです」と、語った。
一方山岳賞は、ポイント上は草場と冨尾が並んだが、昨日1位通過を2回している草場がジャージを守った。
「今日は冨尾選手が動いてくる事はわかっていたのでチェックしていましたが、序盤のアタック合戦で足がいっぱいになったところでカウンターで行かれてしましました。2回目の山岳賞を取れればと思って日大でローテーションに加わって追走したのですが、追いつきませんでした」と草場。
明日の第3ステージでは4級山岳が1回、函館山の2級山岳が1回ある。4級山岳を1位通過すれば、草場の山岳賞が確定する。
「今日は冨尾選手は逃げて足を使っているが、自分はあまり使わずに済んでるので、有利だと思います。スプリントになれば負けないので、気を抜かない事が一番だと思います」と、気を引き締めた。
対する冨尾は、「山岳賞を取る事を狙って逃げに乗りましたが、2回とも2位通過になってしまって同点どまりになってしまいました。明日の最初の山岳賞(4級山岳)はチャンスがあるので、チームメイトの助けをもらいながら山岳ジャージの獲得を目指したい」と、逆転の山岳賞獲得に向けての意欲を語った。
明日は最終日の第3ステージ。初日と同じ函館競輪場をスタートし、函館山の山頂にゴールする77km。短距離決戦かつ2級山岳の登りゴールで全ての勝負が決まる。総合上位は20秒以内に18人がひしめく接戦となっており、逆転もあり得る。
函館山を制した者が今年のツール・ド・北海道を制する事になるのか。最終日も目が離せない。
ツール・ド・北海道2017 第2ステージ結果(北斗市ー木古内町:185km)
1位 | 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) | 4時間24分48秒 |
2位 | 黒枝咲哉(鹿屋体育大学) | +0秒 |
3位 | ピエールパオロ・デネグリ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) | |
4位 | 吉田隼人(マトリックスパワータグ) | |
5位 | 鈴木 龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) | |
6位 | 畑中勇介(チーム右京) | |
7位 | 雨乞竜己(キナンサイクリングチーム) | |
8位 | 住吉宏太(愛三工業レーシングチーム) | |
9位 | 水谷 翔(シマノレーシングチーム) | |
10位 | ダーシー・エラーム・ノートン (ニュージーランド、セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム) |
個人総合時間賞(第2ステージ終了時)
1位 | 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) | 8時間0分37秒 |
2位 | ピエールパオロ・デネグリ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) | +4秒 |
3位 | 鈴木 龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) | |
4位 | 草場啓吾(日本大学) | +11秒 |
5位 | ジャコーモ・ベルラート(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) | +14秒 |
6位 | 鈴木 龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) | |
7位 | マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) | |
8位 | サルヴァドール・グアルディオラ(スペイン、チーム右京) | |
9位 | 二コラ・バジオーリ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) | |
10位 | トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) |
個人総合ポイント賞(第2ステージ終了時)
1位 | 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) | 41p |
2位 | 鈴木 龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) | 37p |
3位 | ピエールパオロ・デネグリ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) | 36p |
個人総合山岳賞(第2ステージ終了時)
1位 | 草場啓吾(日本大学) | 10p |
2位 | 冨尾大地(鹿屋体育大学) | 10p |
3位 | 小森亮平(愛三工業レーシングチーム) | 6p |
チーム総合成績(第2ステージ終了時)
1位 | NIPPOヴィーニファンティーニ | 24時間2分33秒 |
2位 | キナンサイクリングチーム | +34秒 |
3位 | チーム右京 |
チーム総合U26順位(第2ステージ終了時)
1位 | 鹿屋体育大学 | 24時間10分57秒 |
2位 | 京都産業大学 | +42秒 |
3位 | セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム | +2分28秒 |
Photo:Hideaki TAKAGI,Satoru Kato
text:Satoru Kato
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