2017/09/08(金) - 09:15
ブエルタ終盤の中級山岳ステージで、一騎打ちを制したサンデル・アルメ(ベルギー、ロット・ソウダル)がキャリア初勝利。ライバルの攻撃をチーム力で封じ込め、最後に加速したクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)が総合リードを再び広げることに成功した。
フィナーレに向けて総合争いが過熱し続けるブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)。大西洋沿いに面したカンタブリア州のスアンセスからサント・トリビオ・デ・リエバナへと至る第18ステージは、前日よりも若干短い169km。
標高600m級の峠が計4つ(3級→3級→2級→3級)と詰め込まれており、それぞれの難易度は厳しくないものの、最後は3級山岳サント・トリビオ・デ・リエバナが待ち受ける。リエバナ峠は長さ3.2km/平均6.4%であるが、ラスト2kmは9%という斜面が待ち受けているため油断は禁物。2012年にコンタドールが独走し、総合優勝につながる大逆転を達成した第17ステージのフエンテ・デ山頂フィニッシュのコースと似通っており、何か波乱も起こりそうな気配を漂わせつつ、前日からマキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・ソウダル)を欠いた計161名がスタートを切った。
この日は逃げ切りにチャンスがあるだけに、長い長いアタック合戦が続く。アタックとチェック、吸収という流れが60km弱にも渡って続き、ようやく総合争いに関係の無い20名をチームスカイが見送った。
ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)、マッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)、マテイ・モホリッチ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)、アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)という、これまでステージ優勝を挙げている4名を含む大所帯。ステージ優勝狙いや、総合エースのための前待ち作戦など、様々な思惑を持った20名は11分以上という大きなリードを得て先を急いだ。
逃げ切りにGoサインが灯る逃げグループ内では、109.5km地点の3級山岳カルモナ峠(4.8km/7.2%)、126km地点の3級山岳オザルバ峠(6.6km/6%)でホセ・ロハス(スペイン、モビスター)が共に先頭通過。このブエルタで勢いを失っているチームのために動いたロハスは、ステージ終了後に敢闘賞を受け取っている。
132.7km地点に置かれた中間スプリントを奪ったのは、第15ステージでクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)に奪われたマイヨプントス(ポイント賞)を諦めないトレンティン。3ポイントを加算して逆転に望みを繋げた。
オザルバ峠を逃げグループが通過した10分後、メイン集団ではチームスカイがコントロールする中からルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)らが抜け出した。するとサンチェスを目掛けて総合9位のイタリア王者ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)アタックし、ここに総合5位アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)、7位マイケル・ウッズ(カナダ、キャノンデール・ドラパック)らも同調する。この後アルは独走に持ち込んだものの、フルームを従えるチームスカイ列車は冷静にペースメイクを続けた。この動きの中、前日に総合10位から12位まで落ちたエスデバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)が脱落していった。
自身の総合ジャンプアップ、そして総合6位ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)の前待ちという意味を持つアルの9分前では、2級山岳ラホス峠(7km/6%)の登りでサンデル・アルメ(ベルギー、ロット・スーダル)とアレクシ・グジャール(フランス、アージェードゥーゼル)が先行。ここにマルク・ソレール(スペイン、モビスター)とルツェンコ、アラフィリップが合流を果たし、5名が抜け出した。
ゴールに登り詰める3級山岳リエバナ峠の麓ではアラフィリップとルツェンコ、そしてアルメが抜け出し、ラホス峠山頂を先頭通過したソレールと、苦しい表情のグジャールは遅れを喫した。急峻な岩山を縫うように駆け上がる中で、優勝候補筆頭と思われていた「前日も逃げたことで脚が上手く回らなかった。ラスト2kmは恐ろしくもあった」と語るアラフィリップは脱落。ルツェンコとアルメは互いに牽制を繰り返しながら残り1kmのアーチをくぐった。
すると残り800mを切ってアルメが渾身のアタック。脚が無かったと振り返るルツェンコは遅れ、そのままダンシングを続けたアルメが大金星のステージ優勝を達成した。今年ダンケルク4日間レースで総合2位に入ったルーラーにとってはプロ初勝利。トップスポートフラーンデレンからロット・ソウダルと渡り歩いてきた31歳が輝きを放った。
トーマス・マルチンスキー(ポーランド)の2勝に続くチーム3勝目を挙げ、逃げ屋チームとしてのプライドを守ったアルメ。「これまでプロ選手としてデビューしてから8年になる。レースで勝利を掴みとるために長い間待ち続けてきた。何度か、チャンスはあったけれど、常にチームのオーダーをこなし続けてきた。でも、このブエルタでは自由に動けるチャンスを掴み、自分のために走ることが許されたんだ」と喜びを語っている。
総合10位ダビ・デラクルス(スペイン、クイックステップフロアーズ)のアタックを封じ込めたチームスカイは、集団の人数を急速に絞り込みながら3級山岳リエバナ峠を駆け上がった。ライバルのアタックを許さないハイペースを保ち、残り600mでワウト・プールス(オランダ)が離れると、間髪入れずにフルームが加速した。
うつむきながら急激に踏み込んだフルームに対して総合2位ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)が遅れ、コンタドールとウッズだけがマイヨロホを追従。長時間単独で逃げ続けたアルまで8秒差に迫ってフルームら3名がゴールし、ニーバリは19秒遅れ。前日1分16秒差まで詰めたフルームの差は1分37秒に再び広がった。
フィナーレに向けて総合争いが過熱し続けるブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)。大西洋沿いに面したカンタブリア州のスアンセスからサント・トリビオ・デ・リエバナへと至る第18ステージは、前日よりも若干短い169km。
標高600m級の峠が計4つ(3級→3級→2級→3級)と詰め込まれており、それぞれの難易度は厳しくないものの、最後は3級山岳サント・トリビオ・デ・リエバナが待ち受ける。リエバナ峠は長さ3.2km/平均6.4%であるが、ラスト2kmは9%という斜面が待ち受けているため油断は禁物。2012年にコンタドールが独走し、総合優勝につながる大逆転を達成した第17ステージのフエンテ・デ山頂フィニッシュのコースと似通っており、何か波乱も起こりそうな気配を漂わせつつ、前日からマキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・ソウダル)を欠いた計161名がスタートを切った。
この日は逃げ切りにチャンスがあるだけに、長い長いアタック合戦が続く。アタックとチェック、吸収という流れが60km弱にも渡って続き、ようやく総合争いに関係の無い20名をチームスカイが見送った。
ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)、マッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)、マテイ・モホリッチ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)、アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)という、これまでステージ優勝を挙げている4名を含む大所帯。ステージ優勝狙いや、総合エースのための前待ち作戦など、様々な思惑を持った20名は11分以上という大きなリードを得て先を急いだ。
逃げ切りにGoサインが灯る逃げグループ内では、109.5km地点の3級山岳カルモナ峠(4.8km/7.2%)、126km地点の3級山岳オザルバ峠(6.6km/6%)でホセ・ロハス(スペイン、モビスター)が共に先頭通過。このブエルタで勢いを失っているチームのために動いたロハスは、ステージ終了後に敢闘賞を受け取っている。
132.7km地点に置かれた中間スプリントを奪ったのは、第15ステージでクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)に奪われたマイヨプントス(ポイント賞)を諦めないトレンティン。3ポイントを加算して逆転に望みを繋げた。
オザルバ峠を逃げグループが通過した10分後、メイン集団ではチームスカイがコントロールする中からルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)らが抜け出した。するとサンチェスを目掛けて総合9位のイタリア王者ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)アタックし、ここに総合5位アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)、7位マイケル・ウッズ(カナダ、キャノンデール・ドラパック)らも同調する。この後アルは独走に持ち込んだものの、フルームを従えるチームスカイ列車は冷静にペースメイクを続けた。この動きの中、前日に総合10位から12位まで落ちたエスデバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)が脱落していった。
自身の総合ジャンプアップ、そして総合6位ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)の前待ちという意味を持つアルの9分前では、2級山岳ラホス峠(7km/6%)の登りでサンデル・アルメ(ベルギー、ロット・スーダル)とアレクシ・グジャール(フランス、アージェードゥーゼル)が先行。ここにマルク・ソレール(スペイン、モビスター)とルツェンコ、アラフィリップが合流を果たし、5名が抜け出した。
ゴールに登り詰める3級山岳リエバナ峠の麓ではアラフィリップとルツェンコ、そしてアルメが抜け出し、ラホス峠山頂を先頭通過したソレールと、苦しい表情のグジャールは遅れを喫した。急峻な岩山を縫うように駆け上がる中で、優勝候補筆頭と思われていた「前日も逃げたことで脚が上手く回らなかった。ラスト2kmは恐ろしくもあった」と語るアラフィリップは脱落。ルツェンコとアルメは互いに牽制を繰り返しながら残り1kmのアーチをくぐった。
すると残り800mを切ってアルメが渾身のアタック。脚が無かったと振り返るルツェンコは遅れ、そのままダンシングを続けたアルメが大金星のステージ優勝を達成した。今年ダンケルク4日間レースで総合2位に入ったルーラーにとってはプロ初勝利。トップスポートフラーンデレンからロット・ソウダルと渡り歩いてきた31歳が輝きを放った。
トーマス・マルチンスキー(ポーランド)の2勝に続くチーム3勝目を挙げ、逃げ屋チームとしてのプライドを守ったアルメ。「これまでプロ選手としてデビューしてから8年になる。レースで勝利を掴みとるために長い間待ち続けてきた。何度か、チャンスはあったけれど、常にチームのオーダーをこなし続けてきた。でも、このブエルタでは自由に動けるチャンスを掴み、自分のために走ることが許されたんだ」と喜びを語っている。
総合10位ダビ・デラクルス(スペイン、クイックステップフロアーズ)のアタックを封じ込めたチームスカイは、集団の人数を急速に絞り込みながら3級山岳リエバナ峠を駆け上がった。ライバルのアタックを許さないハイペースを保ち、残り600mでワウト・プールス(オランダ)が離れると、間髪入れずにフルームが加速した。
うつむきながら急激に踏み込んだフルームに対して総合2位ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)が遅れ、コンタドールとウッズだけがマイヨロホを追従。長時間単独で逃げ続けたアルまで8秒差に迫ってフルームら3名がゴールし、ニーバリは19秒遅れ。前日1分16秒差まで詰めたフルームの差は1分37秒に再び広がった。
H3
ブエルタ・ア・エスパーニャ2017第18ステージ
ステージ成績
マイヨロホ(個人総合成績)
マイヨプントス(ポイント賞)
マイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)
マイヨコンビナーダ(複合賞)
チーム総合成績
txet:So.Isobe
photo:CorVos/Unipublic
photo:CorVos/Unipublic
Amazon.co.jp