ドイツで開催された世界最大の自転車ショー「ユーロバイク」で次期新製品やホットなニュープロダクツを探した。各ブース&ブランドごとに紹介していこう。


FSA 

FSAは電動コンポーネント「K-Force WE」にハイドローリックバージョンやTTレバーを追加し、マイナーチェンジしたコンポーネントセットを発表した。発表初期の製品からアップデートされ、完成度を高めている。

FSAのブースにあったWEシステムのデモバイク。洗練してきたFSAのブースにあったWEシステムのデモバイク。洗練してきた photo:Makoto.AYANO
FSAの新型WEレバー コンパクトで手の小さな人でも握りやすそうだFSAの新型WEレバー コンパクトで手の小さな人でも握りやすそうだ photo:Makoto.AYANOFSA WEのリア油圧キャリパーFSA WEのリア油圧キャリパー photo:Makoto.AYANO


FSA WEのDHハンドル用レバーFSA WEのDHハンドル用レバー photo:Makoto.AYANOFSA WEのチェーンホイールセットFSA WEのチェーンホイールセット photo:Makoto.AYANO


油圧ブレーキはキャリパーが非常にコンパクトなデザイン。またWEの特徴とも言えるコンパクトなサイズのブレーキレバーが選べる点は手の小さな日本人ライダーには魅力となるだろう。TTやトライアスロンに使用できるブルホーン用のブレーキレバーにもシーソー式の変速スイッチを備える。エクステンションバー先端につけるアタッチメントにも変速スイッチが装備される。洗練してきたWEはシマノ、スラム、カンパに次ぐ電動コンポとしてシェアを取ることができるだろうか?

FSAは歯数の小さな48✕32Tの新コンパクトチェーンホイールを提案FSAは歯数の小さな48✕32Tの新コンパクトチェーンホイールを提案 photo:Makoto.AYANOこちらも48✕32Tの歯数で女性や入門者に向けて軽いギアを提案するこちらも48✕32Tの歯数で女性や入門者に向けて軽いギアを提案する photo:Makoto.AYANO


ZIPP

ZIPP808にはディスクブレーキ&チューブレスレディ仕様の新型が登場ZIPP808にはディスクブレーキ&チューブレスレディ仕様の新型が登場 photo:Makoto.AYANO
アメリカンホイールブランドのZIPPは数多くのコンプリートホイールを刷新。主流となる25cに対応しているのはもちろん、チューブレス対応を謳ったエアロモデルを数多く揃えた。専用タイヤTANGENTEも用意し、ディスクブレーキ化とチューブレス化の相性が良いという判断のようだ。マヴィックに続きチューブレス化の並は徐々に来ている。

ZIPP808のリム面上部には空気抵抗削減のためのパターンが刻まれるZIPP808のリム面上部には空気抵抗削減のためのパターンが刻まれる photo:Makoto.AYANOZIPPオリジナルのTANGENTEチューブレスタイヤZIPPオリジナルのTANGENTEチューブレスタイヤ photo:Makoto.AYANO


リドレー

このユーロバイクでお披露目となったリドレーNOAH SL Disc+ このユーロバイクでお披露目となったリドレーNOAH SL Disc+ photo:Makoto.AYANO
ベルギーのリドレーはこの場でエアロバイクNOAHのディスクブレーキモデルを発表した。徹底してエアロ化されたレーシングバイクだが、特徴的なフォークの左ブレードのスリットはディスクブレーキによる負荷を考慮して塞がれて強度をアップしている。エアロモデルはノーマルキャリパーよりもディスクのほうが親和性は高そうだ。

フォークのエアロスリットはブレーキ取り付け側が塞がれ、強度アップを狙っているフォークのエアロスリットはブレーキ取り付け側が塞がれ、強度アップを狙っている photo:Makoto.AYANOリアビューはステー周辺のブレーキが無くなることでよりエアロダイナミックなフォルムにリアビューはステー周辺のブレーキが無くなることでよりエアロダイナミックなフォルムに photo:Makoto.AYANO


リドレー FENIX SLX Disc マルチロード的な存在のフェニックスにディスクバージョンが登場したリドレー FENIX SLX Disc マルチロード的な存在のフェニックスにディスクバージョンが登場した photo:Makoto.AYANO
リドレー HELIUM SLX  濃紺にゴールドストライプのアクアブルースポーツカラーは品があるリドレー HELIUM SLX 濃紺にゴールドストライプのアクアブルースポーツカラーは品がある photo:Makoto.AYANO

DTスイス

数多くのバリエーションを揃えるDTスイスのホイールラインアップ数多くのバリエーションを揃えるDTスイスのホイールラインアップ photo:Makoto.AYANO
DTスイスも多くの新ホイールを発表。エアロホイールには新型DICUTハブを採用し、幅広いリム高の選択肢とチューブレスレディ対応など、ラインナップを揃える。堅実ながら注目したいブランドだ。

DTスイス ARC1100エアロホイールDTスイス ARC1100エアロホイール photo:Makoto.AYANOARC1100に使用される新型DICUTハブ。ディスクブレーキ仕様だARC1100に使用される新型DICUTハブ。ディスクブレーキ仕様だ photo:Makoto.AYANO


メリダ

オーロラカラーをあしらったメリダのノルウェー・ベルゲン開催の世界選手権ロードレース記念モデルオーロラカラーをあしらったメリダのノルウェー・ベルゲン開催の世界選手権ロードレース記念モデル photo:Makoto.AYANO
メリダは来るノルウェー、ベルゲンにて開催される世界選手権ロードレースを記念した限定カラーのREACTOを発表した。カラーはオーロラを表現したもので、その美しさに多くの人が足を止めて見入っていた。また新型となったREACTOのプロトタイプも展示され興味を惹いた。

北国のオーロラを再現した美しいカラー北国のオーロラを再現した美しいカラー photo:Makoto.AYANOチャーンステイやホイールのデカールまでオーロラのホログラムが施されるチャーンステイやホイールのデカールまでオーロラのホログラムが施される photo:Makoto.AYANO


インダストリーナイン

オーダーでカラフルなスポークを使用できるインダストリーナインのホイールオーダーでカラフルなスポークを使用できるインダストリーナインのホイール photo:Makoto.AYANOインダストリーナインのハブ群。カラフルかつリーズナブルで性能も高評価だインダストリーナインのハブ群。カラフルかつリーズナブルで性能も高評価だ photo:Makoto.AYANO


小メーカーながらオリジナル性の高いホイールやハブ、極太アルミスポークなどで人気の出てきたインダストリーナイン。オーダーによるスポークカラーの選べるオリジナル組みも好評だ。

WTB

WTB RESOLUTE 700✕42Cはオフ色を強めたフルノブ仕様のタイヤWTB RESOLUTE 700✕42Cはオフ色を強めたフルノブ仕様のタイヤ photo:Makoto.AYANOWTB byway47はセンタースリック+サイドノブパターンで軽い走行とオフでのコーナーグリップを両立WTB byway47はセンタースリック+サイドノブパターンで軽い走行とオフでのコーナーグリップを両立 photo:Makoto.AYANO


グラベルライドの流行とともにマイナーからメジャーなブランドへと変貌を遂げるWTBは着実にバリエーションを増やしグラベル界をリードする。byway47はセンタースリック+サイドノブパターンで軽い走行とオフでのコーナーグリップを両立する。650Bだが外径は700Cとほぼ同じだ。RESOLUTE 700✕42Cはオフ色を強めたフルノブ仕様のタイヤ。競技でないモンスタークロスにぴったり。CXやツーリング系バイクがトレイルでMTB的に乗れるようになる。タイヤの亜種が増えるだけ乗り方も増える。

BH

BHのエアロロード G7 ディスクブレーキ仕様BHのエアロロード G7 ディスクブレーキ仕様 photo:Makoto.AYANO
スペインのマスプロブランド BHからはツール・ド・フランスでディレクトエネルジーが駆ったG7が発表された。選手たちが駆ったエアロバイク、そしてディスクモデルがある。エアロバイクに先鞭をつけたメーカーであり、Gシリーズはその元祖である伝統のモデルだ。

ディレクトエネルジーの選手たちがツールで駆ったBH G7ディレクトエネルジーの選手たちがツールで駆ったBH G7 photo:Makoto.AYANO

カスク

チームスカイが被るカスク Valegro わずか180gだチームスカイが被るカスク Valegro わずか180gだ photo:Makoto.AYANO後部の形状はPROTONEにも似る後部の形状はPROTONEにも似る photo:Makoto.AYANO


ツール・ド・フランスでクリストファー・フルームらチームスカイの選手たちが使用した新型ヘルメットValegroを発表。Protoneよりエアインテークが増え、その重量はなんと180g(Protoneは230g)。発売が待たれる。

プロロゴ

プロロゴのショートノーズサドル Dimensionプロロゴのショートノーズサドル Dimension photo:Makoto.AYANOプロロゴ Dimension ホワイトプロロゴ Dimension ホワイト photo:Makoto.AYANO


イタリアのサドルメーカー、プロロゴからは新型のショートサドルDimension(ディメンション)が発表された。快適性とパワー伝達を両立する人気のショートノーズデザインは通常のサドルより3〜3.5cmノーズが短い。245x143mmで、カーボンレールのNAGOバージョンで149gの軽量ぶりだ。

ルック

ルックの新型KEO2MAXカーボンペダルルックの新型KEO2MAXカーボンペダル photo:Makoto.AYANOKEO2MAXの踏み面は500m㎡を確保KEO2MAXの踏み面は500m㎡を確保 photo:Makoto.AYANO


ルックは新型KEO2MAXカーボンペダルをリリース。新構造のスピンドルを採用し、踏み面を500m㎡と拡大した。

ジロ

ジロはカラフルなメッシュを採用したシューズラインナップを発表。注目を浴びたジロはカラフルなメッシュを採用したシューズラインナップを発表。注目を浴びた photo:Makoto.AYANO
クールな製品をリリースし続けるジロはなんとシューズにメッシュを採用した。XNETICと名付けられたこの鮮やかな編み構造は柔軟性と通気性、堅牢性に優れる。オフロード系シューズにはソックス構造とも呼べそうなユニークな構造を採用。見ているだけで楽しくなるファッショナブルなソックスに仕上げた。

ジロが採用したXNETICアッパー 大きな注目を浴びていたジロが採用したXNETICアッパー 大きな注目を浴びていた photo:Makoto.AYANO
ニットソックスの外側を補強したようなオフロードシューズニットソックスの外側を補強したようなオフロードシューズ photo:Makoto.AYANO
ニットのアッパーに樹脂製の補強を加えたユニークな構造だニットのアッパーに樹脂製の補強を加えたユニークな構造だ photo:Makoto.AYANO足首をすっぽりと覆うため泥の侵入もなさそうだ足首をすっぽりと覆うため泥の侵入もなさそうだ photo:Makoto.AYANO


ツール・ド・フランスでBMCレーシングやカチューシャ・アルペシンの選手らが駆ったVANQUISHもデビューした。ヘルメット後部にかけてシェルに段差を設けることで高い整流効果をもたせたエアロヘルメットで、外付け式のスポイラー付きシールドも装備。高度な機能とデザイン、未来的なルックスが魅力のヘルメットだ。

BMCレーシングも被るジロVANQUISHヘルメットBMCレーシングも被るジロVANQUISHヘルメット photo:Makoto.AYANO
シェルに設けられた段差が空気離れを良くし、エアロダイナミクスを高めるシェルに設けられた段差が空気離れを良くし、エアロダイナミクスを高める photo:Makoto.AYANOVANQUISHにはMIPSも内蔵されるVANQUISHにはMIPSも内蔵される photo:Makoto.AYANO


またジロはヘルメットやシューズにストライプデザインを採用した製品を多くリリース。カラフルなデザインの女性用モデルなども充実し、それらデザイン性に優れるラインナップから「ベストブランド」に選ばれている。

VANQUISHはデザインの斬新さだけでなくカラーバリエーションも豊富VANQUISHはデザインの斬新さだけでなくカラーバリエーションも豊富 photo:Makoto.AYANO
ストライプデザインを採用した製品群。斬新さがジロの特徴だストライプデザインを採用した製品群。斬新さがジロの特徴だ photo:Makoto.AYANOEMPIREシューズにもストライプ柄が登場。しかもリフレクティブだEMPIREシューズにもストライプ柄が登場。しかもリフレクティブだ photo:Makoto.AYANO


ヘルメットのカラフルなカラーリングが楽しいヘルメットのカラフルなカラーリングが楽しい photo:Makoto.AYANO女性を意識した鮮やかな花柄カラーのヘルメット&シューズ女性を意識した鮮やかな花柄カラーのヘルメット&シューズ photo:Makoto.AYANO


ジロのオフロードシューズ CODE TECHLACEジロのオフロードシューズ CODE TECHLACE photo:Makoto.AYANO女性用オフロードシューズ SICA TECHLACE女性用オフロードシューズ SICA TECHLACE photo:Makoto.AYANO


オルトリーブ

オルトリーブは1982年から防水サイクリングバッグを造り続けているオルトリーブは1982年から防水サイクリングバッグを造り続けている photo:Makoto.AYANO
初代の防水フロントバッグ初代の防水フロントバッグ photo:Makoto.AYANO初代のオルトリーブの防水サイドバッグ初代のオルトリーブの防水サイドバッグ photo:Makoto.AYANO


ドイツが拠点のオルトリーブは創業初期のツーリングバッグを装着したバイクを展示。1982年から防水バッグを作り続けているというヒストリーをアピールしていた。新製品ではハの字ドロップバーの幅に収まるハンドルバーパックSや、構造を少しシンプルにしたサドルパックなどを発表。またスタンダードな防水バッグも新色を揃え改めてツーリングバッグの充実をアピール。

オルトリーブのハの字ハンドルの幅に収まるハンドルバーパックSオルトリーブのハの字ハンドルの幅に収まるハンドルバーパックS photo:Makoto.AYANO少しシンプルな構造のサドルパックも登場した少しシンプルな構造のサドルパックも登場した photo:Makoto.AYANO


ガーミン

ガーミンEdge1030。スクリーンは1000に比べ3.5インチに拡大ガーミンEdge1030。スクリーンは1000に比べ3.5インチに拡大 photo:Makoto.AYANO
下部に大容量の外付けバッテリー「パワーパック」の取り付けができる下部に大容量の外付けバッテリー「パワーパック」の取り付けができる photo:Makoto.AYANOブラケットには給電用の接点も設けられるブラケットには給電用の接点も設けられる photo:Makoto.AYANO


ガーミンはGPS搭載サイコンのハイエンドモデルEdge1030を発表した。スクリーンは1000に比べ3.5インチに拡大。ライダー間メッセージ機能によりライド中のコミュニケーションが可能に。バッテリーライフが伸びる他、ブラケットを介した本体の下部に大容量の外付けバッテリー「パワーパック」の取り付けができ、+24時間の長時間ライドに対応する。ブラケット下部には専用ライトなどを取り付けることもできる。重量は123gとなり、Edge 1000より+8.5gとなる。

ガーミン VECTOR3ガーミン VECTOR3 photo:Makoto.AYANOペダル軸に埋め込まれたセンサー。前モデルよりずっとスマートになったペダル軸に埋め込まれたセンサー。前モデルよりずっとスマートになった photo:Makoto.AYANO


また新たにペダル軸埋込み型センサーを採用したパワーメーター、VECTOR3を発表。センサーはペダル軸のアーレンキーホールに埋め込む形で突起も少なく、ペダル自体も洗練された。

ABUS

ABUSのエアロヘルメット GameChangerABUSのエアロヘルメット GameChanger photo:Makoto.AYANOABUSのロードヘルメット AventourABUSのロードヘルメット Aventour photo:Makoto.AYANO


セーフティロックのブランドというイメージが強いドイツのABUS(アブス)だが、近年はプロロードチームにヘルメットを供給。現在はモビスターが使用して注目度を増している。ロードヘルメットAventourや、モビスターが使用しているTec-Tical Pro 2.0、エアロヘルメットのGame Changerのデザインも洗練されている。

STAGES POWER

STAGES POWERのクランク部に装着するパワーセンサーSTAGES POWERのクランク部に装着するパワーセンサー photo:Makoto.AYANO左クランクに取り付けるセンサー。セットでデュアルセンサーとなる左クランクに取り付けるセンサー。セットでデュアルセンサーとなる photo:Makoto.AYANO


チームスカイが使用するパワーメーター、STAGES POWERはチェーンホイールのアーム下部と左クランク裏の2箇所にセンサーを使用するデュアルセンサーモデルを発表。もちろんシングルより高精度の測定が期待できる。

LEOMO

日本のLEOMOはパワーメーターのSRMとのタッグでモーションキャプチャを使った計測器を展示。注目を浴びた日本のLEOMOはパワーメーターのSRMとのタッグでモーションキャプチャを使った計測器を展示。注目を浴びた photo:Makoto.AYANO
SRMとのコラボが話題を呼ぶ日本のLEOMO(レオモ)は、モーションセンサーを応用した測定システムで、ペダリングやフォーム、出力を多角的に測定可能なシステムを発表。代表の加地邦彦さんが才田直人選手とともに会場でプレゼンを繰り広げ、注目を浴びた。会期中は多くのプロチームのGMやトレーニングコーチなどがブースを訪れ、興味を持ったという。これから世界のトレーニングやレースのシーンでLEOMOのシステムが活躍しそうだ。

GOKISO

GOKISOは新型のCLINBER S-Specハブを発表GOKISOは新型のCLINBER S-Specハブを発表 photo:Makoto.AYANO
ベアリングを左右に2個づつ装備し、低い回転抵抗を実現したベアリングを左右に2個づつ装備し、低い回転抵抗を実現した photo:Makoto.AYANOCLINBER S-SpecハブのカットサンプルCLINBER S-Specハブのカットサンプル photo:Makoto.AYANO


ドイツ周辺国でも人気が出始めているというGOKISO。このショーでは新型のCLIMBER S-Specハブを発表。ベアリングをハブ軸の左右に2個づつ内蔵し、スムーズな回転を実現したヒルクライムハブだ。


photo&text:Makoto.AYANO