2017/08/23(水) - 08:31
スペインのカタルーニャ州を走る平坦ステージは大集団によるスプリントに。チームメイトの力を借りて連続テクニカルコーナーを抜けたマッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)が好位置からスプリントに持ち込み、ジロとツールに続くステージ優勝を果たした。
ピレネー山脈に別れを告げてスペインのカタルーニャ州を南下するブエルタ・ア・エスパーニャ第4ステージ。アンドラ公国をスタート後、地中海沿いのタラゴナに向かって徐々に高度を落としていく。フィニッシュまで66kmを残して3級山岳ベルタル峠(長さ13km/平均2.8%)を通過するが、スプリンターを脱落させるような難易度ではない。ラウンドアバウトやタイトコーナーが連続するタラゴナのフィニッシュ地点で勝利を狙うスプリンターチームが序盤からレースを支配した。
グランツールにおけるリーダージャージ着用日数が合計61日となり、アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)を抜いて史上8番目(最多はエディ・メルクスの202日)になったクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)がマイヨロホを着て登場。最高38度という暑さの中スタートが切られるとヨアン・ルボン(フランス、エフデジ)、ステファン・ロゼット(フランス、コフィディス)、ニコラス・シュルツ(オーストラリア、カハルーラル・セグロスRGA)、ディエゴ・ルビオ(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA)、フアン・オソリオ(コロンビア、マンサナ・ポストボン)という5名の逃げが先行を開始する。
ピレネー山脈を背に平坦路を走るうちにタイム差が最大8分まで広がったところでメイン集団のコントロールはチームスカイからロット・ソウダル、UAEチームエミレーツ、クイックステップフロアーズ、ロット・ソウダル、アクアブルースポートというスプリンターチームにスイッチ。前日の山岳決戦の脚を休めるように、レースは比較的平穏なペースで進み続けた。
タイム差3分で3級山岳ベルタル峠の頂上に達した逃げグループはロゼットとルビオの2人に絞られる。逃げグループの人数が減ったことでスプリンターチームが警戒心を解いたためタイム差は再び5分半まで拡大。しかし平坦路を2人で逃げ切るのは難しく、残り40km地点で3分半あったタイム差は残り20km地点で1分20秒に。敢闘賞狙いのアタックと牽制を繰り返したロゼットとルビオは残り8km地点で吸収された。
道幅のある幹線道路と街中の細い道を突き進んだメイン集団の中ではウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)が落車したものの、チームメイト2人にサポートされて集団復帰している。スプリンターチームが先頭を陣取るメイン集団から残り7km地点の短い登りを利用してリカルド・ヴィレラ(ポルトガル、マンサナ・ポストボン)が飛び出したが決まらない。主にボーラ・ハンスグローエとクイックステップフロアーズが主導権を握る形でタラゴナの街に突入した。
ポジション争いが熾烈を極める中、連続するラウンドアバウトで総合9位のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール)やダニエル・モレーノ(スペイン、モビスター)、イエール・ワライス(ベルギー、ロット・ソウダル)を含む落車。残り3.5km地点で発生した落車だったため救済措置は適用されない。
ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)が集団先頭に立って残り1kmアーチを通過。連続コーナーで集団が縦に長く伸び、イヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ)がトレンティンのために最後のリードアウトを見せる。残り400mの最終コーナーを抜けるとフアンホセ・ロバト(スペイン、ロットNLユンボ)が真っ先にスプリントを開始した。
先行するロバトを勢いよく追い抜いたのはトレンティン。追撃したトム・ヴァンアスブロック(ベルギー、キャノンデール・ドラパック)やエドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)も届かずに、先頭を守ったトレンティンが大きく両手を広げた。
「シーズン後半に向けて勢いをつけるためにも今日は勝ちたかった。ツール・ド・フランスを落車リタイアしてからというもの、このブエルタに目標をスイッチしてトレーニングに打ち込んだんだ。一昨日はスマートな作戦でイヴ・ランパールトを勝利に導き、今日は自分の番だった。終盤はクイックステップフロアーズのメンバーが集団を支配してくれた」。数少ないスプリンターのチャンスをつかんだトレンティンはチームに感謝した。
2013年と2014年にツール・ド・フランスで、そして2016年にジロ・デ・イタリアでステージ優勝を飾っているトレンティン。この勝利により、全グランツールでステージ優勝(チームTTを除く)を果たした史上93人目の選手となった。現役選手としては他にもアルやキンタナ、マシューズ、デュムラン、バルベルデ、ニーバリ、キッテル、グライペル、ファラー、ジルベール、カヴェンディッシュ、ゲランス、ベンナーティが達成している。
トレンティンはプロ入りから7年間所属したクイックステップフロアーズを離れ、2018年から2年間オリカ・スコットで走ることが決まっている。「来年はチームが変わるけど、グランツールでのステージ優勝は全てクイックステップフロアーズで果たしたもの。彼らと果たしたこれらの成績を本当に誇りに思うよ」。第2ステージ2位に続く成績を残したトレンティンはポイント賞のトップに立っている。
落車によって3分25秒遅れ、総合9位から総合33位まで順位を下げたポッツォヴィーヴォを除いて総合トップ10の成績に変動は無し。同日ポッツォヴィーヴォはバーレーン・メリダと2年契約を結んだことを発表している。フルームはタイムを失うことなくマイヨロホを守った。
ピレネー山脈に別れを告げてスペインのカタルーニャ州を南下するブエルタ・ア・エスパーニャ第4ステージ。アンドラ公国をスタート後、地中海沿いのタラゴナに向かって徐々に高度を落としていく。フィニッシュまで66kmを残して3級山岳ベルタル峠(長さ13km/平均2.8%)を通過するが、スプリンターを脱落させるような難易度ではない。ラウンドアバウトやタイトコーナーが連続するタラゴナのフィニッシュ地点で勝利を狙うスプリンターチームが序盤からレースを支配した。
グランツールにおけるリーダージャージ着用日数が合計61日となり、アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)を抜いて史上8番目(最多はエディ・メルクスの202日)になったクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)がマイヨロホを着て登場。最高38度という暑さの中スタートが切られるとヨアン・ルボン(フランス、エフデジ)、ステファン・ロゼット(フランス、コフィディス)、ニコラス・シュルツ(オーストラリア、カハルーラル・セグロスRGA)、ディエゴ・ルビオ(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA)、フアン・オソリオ(コロンビア、マンサナ・ポストボン)という5名の逃げが先行を開始する。
ピレネー山脈を背に平坦路を走るうちにタイム差が最大8分まで広がったところでメイン集団のコントロールはチームスカイからロット・ソウダル、UAEチームエミレーツ、クイックステップフロアーズ、ロット・ソウダル、アクアブルースポートというスプリンターチームにスイッチ。前日の山岳決戦の脚を休めるように、レースは比較的平穏なペースで進み続けた。
タイム差3分で3級山岳ベルタル峠の頂上に達した逃げグループはロゼットとルビオの2人に絞られる。逃げグループの人数が減ったことでスプリンターチームが警戒心を解いたためタイム差は再び5分半まで拡大。しかし平坦路を2人で逃げ切るのは難しく、残り40km地点で3分半あったタイム差は残り20km地点で1分20秒に。敢闘賞狙いのアタックと牽制を繰り返したロゼットとルビオは残り8km地点で吸収された。
道幅のある幹線道路と街中の細い道を突き進んだメイン集団の中ではウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)が落車したものの、チームメイト2人にサポートされて集団復帰している。スプリンターチームが先頭を陣取るメイン集団から残り7km地点の短い登りを利用してリカルド・ヴィレラ(ポルトガル、マンサナ・ポストボン)が飛び出したが決まらない。主にボーラ・ハンスグローエとクイックステップフロアーズが主導権を握る形でタラゴナの街に突入した。
ポジション争いが熾烈を極める中、連続するラウンドアバウトで総合9位のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール)やダニエル・モレーノ(スペイン、モビスター)、イエール・ワライス(ベルギー、ロット・ソウダル)を含む落車。残り3.5km地点で発生した落車だったため救済措置は適用されない。
ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)が集団先頭に立って残り1kmアーチを通過。連続コーナーで集団が縦に長く伸び、イヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ)がトレンティンのために最後のリードアウトを見せる。残り400mの最終コーナーを抜けるとフアンホセ・ロバト(スペイン、ロットNLユンボ)が真っ先にスプリントを開始した。
先行するロバトを勢いよく追い抜いたのはトレンティン。追撃したトム・ヴァンアスブロック(ベルギー、キャノンデール・ドラパック)やエドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)も届かずに、先頭を守ったトレンティンが大きく両手を広げた。
「シーズン後半に向けて勢いをつけるためにも今日は勝ちたかった。ツール・ド・フランスを落車リタイアしてからというもの、このブエルタに目標をスイッチしてトレーニングに打ち込んだんだ。一昨日はスマートな作戦でイヴ・ランパールトを勝利に導き、今日は自分の番だった。終盤はクイックステップフロアーズのメンバーが集団を支配してくれた」。数少ないスプリンターのチャンスをつかんだトレンティンはチームに感謝した。
2013年と2014年にツール・ド・フランスで、そして2016年にジロ・デ・イタリアでステージ優勝を飾っているトレンティン。この勝利により、全グランツールでステージ優勝(チームTTを除く)を果たした史上93人目の選手となった。現役選手としては他にもアルやキンタナ、マシューズ、デュムラン、バルベルデ、ニーバリ、キッテル、グライペル、ファラー、ジルベール、カヴェンディッシュ、ゲランス、ベンナーティが達成している。
トレンティンはプロ入りから7年間所属したクイックステップフロアーズを離れ、2018年から2年間オリカ・スコットで走ることが決まっている。「来年はチームが変わるけど、グランツールでのステージ優勝は全てクイックステップフロアーズで果たしたもの。彼らと果たしたこれらの成績を本当に誇りに思うよ」。第2ステージ2位に続く成績を残したトレンティンはポイント賞のトップに立っている。
落車によって3分25秒遅れ、総合9位から総合33位まで順位を下げたポッツォヴィーヴォを除いて総合トップ10の成績に変動は無し。同日ポッツォヴィーヴォはバーレーン・メリダと2年契約を結んだことを発表している。フルームはタイムを失うことなくマイヨロホを守った。
ステージ成績
1位 | マッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) | 4:43:57 |
2位 | フアンホセ・ロバト(スペイン、ロットNLユンボ) | |
3位 | トム・ヴァンアスブロック(ベルギー、キャノンデール・ドラパック) | |
4位 | エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) | |
5位 | イェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・ソウダル) | |
6位 | サーシャ・モードロ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
7位 | ロレンゾ・マンザン(フランス、エフデジ) | |
8位 | ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、サンウェブ) | |
9位 | ユーセフ・レグイグイ(アルジェリア、ディメンションデータ) | |
10位 | イェツセ・ボル(オランダ、マンサナ・ポストボン) | |
124位 | ダニエル・モレノ(スペイン、モビスター) | 0:01:38 |
149位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール) | 0:03:25 |
156位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:03:45 |
敢闘賞 | ディエゴ・ルビオ(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA) |
マイヨロホ(個人総合成績)
1位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | 13:37:41 |
2位 | ダビ・デラクルス(スペイン、クイックステップフロアーズ) | 0:00:02 |
3位 | ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング) | |
4位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) | |
5位 | ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 0:00:10 |
6位 | エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット) | 0:00:11 |
7位 | ファビオ・アル(イタリア、アスタナ) | 0:00:38 |
8位 | アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) | 0:00:39 |
9位 | ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) | 0:00:48 |
10位 | サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) |
マイヨプントス(ポイント賞)
1位 | マッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) | 49pts |
2位 | ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 31pts |
3位 | エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) | 28pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)
1位 | ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック) | 12pts |
2位 | アレクサンドル・ジェニエス(フランス、アージェードゥーゼール) | 10pts |
3位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) | 10pts |
マイヨコンビナーダ(複合賞)
1位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | 14pts |
2位 | エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) | 25pts |
3位 | ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング) | 27pts |
チーム総合成績
1位 | オリカ・スコット | 40:22:11 |
2位 | チームスカイ | 0:01:05 |
3位 | アスタナ | 0:01:56 |
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