2017/08/11(金) - 11:31
ベルギー国内を走るビンクバンク・ツアー第4ステージは再び雨。2016年ツールの落車で脊椎骨を骨折し、長い期間を経てカムバックしたエドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)が大会最後の集団スプリントを制した。
ベルギー東部、オランダのマーストリヒトにほど近いラナケンを発着する154.2kmで行われたビンクバンク・ツアー第4ステージ。大小2つの周回コースを2周ずつするレイアウトで、終盤にかけて街中のテクニカルコーナーが連続するのが特徴だ。
今シーズン精彩を欠き、ツール・ド・フランスでステージ0勝に終わったアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)がこの日は逃げに乗った。グランツールのステージ連勝記録が途絶えたグライペルは、ニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)とピム・リヒハルト(オランダ、ルームポット)とともに平坦コースをエスケープ。しかし前半BMCレーシング、後半スプリンターチームの主導によりタイム差は押さえ込まれ、残り24kmで早くもグライペルらは吸収されてしまう。
雨で濡れた路面と細くて曲がりくねったコース、そして早めの逃げ吸収はカウンターアタックを誘発した。BMCレーシングがまとめ上げるメイン集団から残り13km地点でアレックス・ドーセット(イギリス、モビスター)とディオン・スミス(ニュージーランド、ワンティ・グループゴベール)の2人が飛び出し、20秒のリードでテクニカルコースを駆け抜ける。
元アワーレコード保持者のドーセットとスミスを、この日はアシスト役に徹したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)やグライペルがメイン集団を牽引して追いかけた。残り4kmで逃げを吸収したメイン集団からは続けざまにイヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ)がカウンターアタック。
タイミングよく抜け出すことに成功したベルギーTTチャンピオンのランパールトが力走し、8秒リードでフラムルージュを通過した。何度も後ろを振り返りながらも逃げ続けるランパールト。逃げ切りの可能性が浮上したが、スプリンターチームがこれを許さず猛追する。ランパールトはスプリンターたちに残りおよそ70mで追い抜かれてしまう。
トレック・セガフレードのボーイ・ファンポッペル(オランダ)とジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー)のリードアウトを受けたエドワード・トゥーンス(ベルギー)を先頭に、残り150mから一斉にスプリントが始まる。勝てば総合首位浮上のペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が後方に沈む中、トゥーンスは先頭をキープし続けた。マルコ・クンプ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)らを振り切ったトゥーンスが雄叫びをあげながら両手を挙げた。
トゥーンスは2016年ツール・ド・フランス第13ステージの落車で脊椎骨を骨折。手術を受けて今年1月からレースに復帰し、パリ〜ルーベ8位という成績を残したものの未勝利の状態が続いていた。「大きな安堵感とともに幸せな気分に包まれている。昨年ツールの落車負傷以降、このカムバックまで長い道のりだった。今年の春のクラシックの後に背骨のピンを抜く手術をして、それからというもの調子はずっと上がり続けていたんだ。ツール期間中に行っていた高地トレーニングの結果が出たよ」と、ヘント生まれの26歳は語る。
「チームメイトと連携すれば勝負できることは昨日確認したので、今日も再び同じ作戦で勝負に挑んだ。ボーイ(ファンポッペル)が一気にポジションを上げて、ジャスパー(ストゥイヴェン)が最終リードアウト。最後は逃げていたランパールトを追いかけ、短い時間だけどスリップストリームに入ってからさらに加速した。すべてがパーフェクトだった」。ライバルたちがアシストを欠く中、終盤まで人数を残したトレック・セガフレードが理想の形でスプリントに持ち込み、勝利した。
翌日の第5ステージはアムステル・ゴールド・レースを彷彿とさせるアップダウンコース。トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)とペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)から5秒のリードを得ているシュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)がリーダージャージを着て難関3ステージに挑む。
ステージ前半のアタック合戦に加わった新城幸也(バーレーン・メリダ)はステージ53位フィニッシュ。新城は「今日は逃げに乗るべく動いた。途中、トニー・ギャロパン(ロット・ソウダル)と2人で抜け出して、集団も容認してくれたかと思ったが、程なくして集団で追いかけて来て振り出しに戻ってしまった。結局50km近くのアタック合戦で決まってしまった。この時点でアベレージ47km/h。そこからも雨で集団にいてもゆっくり出来ないハイスピードな1日となった」と振り返る。自身も得意とするアップダウンコースが設定された残る3ステージに向けて「先ずは明日はアムステルゴールドレースなコース。ガスパロットをエースにどう戦うかっ。ただ天気だけが心配」と語っている(チームユキヤ通信より)。
ベルギー東部、オランダのマーストリヒトにほど近いラナケンを発着する154.2kmで行われたビンクバンク・ツアー第4ステージ。大小2つの周回コースを2周ずつするレイアウトで、終盤にかけて街中のテクニカルコーナーが連続するのが特徴だ。
今シーズン精彩を欠き、ツール・ド・フランスでステージ0勝に終わったアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)がこの日は逃げに乗った。グランツールのステージ連勝記録が途絶えたグライペルは、ニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)とピム・リヒハルト(オランダ、ルームポット)とともに平坦コースをエスケープ。しかし前半BMCレーシング、後半スプリンターチームの主導によりタイム差は押さえ込まれ、残り24kmで早くもグライペルらは吸収されてしまう。
雨で濡れた路面と細くて曲がりくねったコース、そして早めの逃げ吸収はカウンターアタックを誘発した。BMCレーシングがまとめ上げるメイン集団から残り13km地点でアレックス・ドーセット(イギリス、モビスター)とディオン・スミス(ニュージーランド、ワンティ・グループゴベール)の2人が飛び出し、20秒のリードでテクニカルコースを駆け抜ける。
元アワーレコード保持者のドーセットとスミスを、この日はアシスト役に徹したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)やグライペルがメイン集団を牽引して追いかけた。残り4kmで逃げを吸収したメイン集団からは続けざまにイヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ)がカウンターアタック。
タイミングよく抜け出すことに成功したベルギーTTチャンピオンのランパールトが力走し、8秒リードでフラムルージュを通過した。何度も後ろを振り返りながらも逃げ続けるランパールト。逃げ切りの可能性が浮上したが、スプリンターチームがこれを許さず猛追する。ランパールトはスプリンターたちに残りおよそ70mで追い抜かれてしまう。
トレック・セガフレードのボーイ・ファンポッペル(オランダ)とジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー)のリードアウトを受けたエドワード・トゥーンス(ベルギー)を先頭に、残り150mから一斉にスプリントが始まる。勝てば総合首位浮上のペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が後方に沈む中、トゥーンスは先頭をキープし続けた。マルコ・クンプ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)らを振り切ったトゥーンスが雄叫びをあげながら両手を挙げた。
トゥーンスは2016年ツール・ド・フランス第13ステージの落車で脊椎骨を骨折。手術を受けて今年1月からレースに復帰し、パリ〜ルーベ8位という成績を残したものの未勝利の状態が続いていた。「大きな安堵感とともに幸せな気分に包まれている。昨年ツールの落車負傷以降、このカムバックまで長い道のりだった。今年の春のクラシックの後に背骨のピンを抜く手術をして、それからというもの調子はずっと上がり続けていたんだ。ツール期間中に行っていた高地トレーニングの結果が出たよ」と、ヘント生まれの26歳は語る。
「チームメイトと連携すれば勝負できることは昨日確認したので、今日も再び同じ作戦で勝負に挑んだ。ボーイ(ファンポッペル)が一気にポジションを上げて、ジャスパー(ストゥイヴェン)が最終リードアウト。最後は逃げていたランパールトを追いかけ、短い時間だけどスリップストリームに入ってからさらに加速した。すべてがパーフェクトだった」。ライバルたちがアシストを欠く中、終盤まで人数を残したトレック・セガフレードが理想の形でスプリントに持ち込み、勝利した。
翌日の第5ステージはアムステル・ゴールド・レースを彷彿とさせるアップダウンコース。トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)とペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)から5秒のリードを得ているシュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)がリーダージャージを着て難関3ステージに挑む。
ステージ前半のアタック合戦に加わった新城幸也(バーレーン・メリダ)はステージ53位フィニッシュ。新城は「今日は逃げに乗るべく動いた。途中、トニー・ギャロパン(ロット・ソウダル)と2人で抜け出して、集団も容認してくれたかと思ったが、程なくして集団で追いかけて来て振り出しに戻ってしまった。結局50km近くのアタック合戦で決まってしまった。この時点でアベレージ47km/h。そこからも雨で集団にいてもゆっくり出来ないハイスピードな1日となった」と振り返る。自身も得意とするアップダウンコースが設定された残る3ステージに向けて「先ずは明日はアムステルゴールドレースなコース。ガスパロットをエースにどう戦うかっ。ただ天気だけが心配」と語っている(チームユキヤ通信より)。
ステージ成績
1位 | エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) | 3:24:23 |
2位 | マルコ・クンプ(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | |
3位 | ティム・メルリエ(ベルギー、ヴェランダスウィレムス・クレラン) | |
4位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
5位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) | |
6位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ) | |
7位 | マグナスコルト・ニールセン(デンマーク、オリカ・スコット) | |
8位 | マルク・サロー(フランス、エフデジ) | |
9位 | フィル・バウハウス(ドイツ、サンウェブ) | |
10位 | セップ・ヴァンマルク(ベルギー、キャノンデール・ドラパック) | |
53位 | 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) |
個人総合成績
1位 | シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) | 11:39:31 |
2位 | マチェイ・ボドナル(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:04 |
3位 | トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) | 0:00:05 |
4位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
5位 | ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、サンウェブ) | 0:00:08 |
6位 | ラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ) | 0:00:10 |
7位 | イヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ) | 0:00:12 |
8位 | マティアス・ブランドル(オーストリア、トレック・セガフレード) | 0:00:14 |
9位 | エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) | 0:00:17 |
10位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) |
ポイント賞
1位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 79pts |
2位 | エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) | 55pts |
3位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) | 55pts |
コンバティビティ賞
1位 | ピート・アレガールト(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) | 48pts |
2位 | エルマー・レインダース(オランダ、ルームポット) | 38pts |
3位 | ローレンス・デヴリーズ(ベルギー、アスタナ) | 26pts |
チーム総合成績
1位 | BMCレーシング | 24:46:07 |
2位 | サンウェブ | 0:00:01 |
3位 | ロットNLユンボ | 0:00:03 |