2017/05/17(水) - 12:47
8%勾配の直登で繰り広げられた登坂スプリント。一人段違いの伸びを見せたペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が圧勝し、ステージ通算勝利数を16にまで伸ばした。
ツアー・オブ・カリフォルニア(UCIワールドツアー)第3ステージの舞台は、ピスモビーチとモロベイという太平洋に面したセントラルコーストシティを繋ぐ今大会最長の192.5km。
とは言っても風光明媚な海岸線はほとんど通らず、中盤に3級山岳テパスキット(標高606m、登坂距離1.8km、平均勾配6.6%)を通過した後はゴールまで平坦と緩いアップダウンが続くスプリンター向けステージ。そのためメイン集団のコントロールは総合リーダーのラファル・マイカ(ポーランド)をアシストするボーラ・ハンスグローエに加え、クイックステップフロアーズやトレック・セガフレードらスプリンターを抱えるチームがその責を担った。
かつてガーミンやチームスカイを渡り歩いてきた38歳のベテラン、ダニー・ペイト(アメリカ、ラリーサイクリング)ら5名が逃げるが、アメリカらしい幅広かつ単調なコースレイアウトで大きなリードを稼ぎ出すことは叶わず。最大3分程度のリードは終盤にかけて徐々に削り取られていった。
カチューシャ・アルペシンらの牽引開始によって迫り来る集団から逃げるように、先頭からはベン・ウォルフ(アメリカ、ジェリーベリーp/bマキシス)がアタックするも残り8.5kmで吸収。ここから定石通りスプリンターチームによるハイスピードバトルが幕開ける。
ただしマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)が勝利した開幕ステージと異なったのは、ゴール前5kmは絶えず緩いアップダウンが連続したこと。総合系チームも位置取りに加わったことで高速化した集団前方からは2勝目を狙ったキッテルが姿を消し、一列棒状のまま残り500mから始まる8%勾配の最終ストレートへなだれ込んでいく。
アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)を連れたリック・ツァベル(ドイツ)が好位置から発進したものの、その後方からアルカンシエルが鮮やかにパスしていく。登りが影響したクリストフは遅れ、それを確認して踏み続けたツァベルもパーフェクトな状況に持ち込んだサガンには届かない。リードを保ち続けたサガンがポイント賞首位をもたらす前人未到のツアー・オブ・カリフォルニア16勝目を達成した。
「おそらく高地トレーニングを終えたばかりだったためか昨日の山岳では力が入らなかったが、今日は調子が良かった。残り600mあたりでは若干後ろに位置してしまったもののポジションを戻すことができた」と語るサガン。ボーラ・ハンスグローエにとっては昨日のマイカに続くステージ2連勝であり、サガンは出場した2011〜2017年大会全てでステージ優勝を挙げたことになる。
「上手くリードアウトが決まったがアレックス(クリストフ)が遅れてしまい、スプリントを続けた。今回は父(エリック・ツァベル)が帯同しているので勝ちたかったけれど。まだチャンスがあるので狙っていく」と2位に入ったツァベルはコメントを残している。
ツアー・オブ・カリフォルニア2017第3ステージ結果
1位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 4h53’26”
2位 リック・ツァベル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)
3位 シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
4位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)
5位 ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、BMCレーシング)
6位 レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ)
7位 テイラー・フィニー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック)
8位 ラモン・シンケルダム(オランダ、サンウェブ)
9位 トラヴィス・マケイブ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
10位 マイク・テウニッセン(オランダ、サンウェブ)
個人総合成績
1位 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) 12h22’43”
2位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ) +02”
3位 イアン・ボズウェル(アメリカ、チームスカイ) +07”
4位 ラクラン・モートン(オーストラリア、ディメンションデータ) +14”
5位 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ) +16”
6位 ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング) +48”
7位 サム・オーメン(オランダ、サンウェブ)
8位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック)
9位 ヴェガールステイク・ラエンゲン(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)
10位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)
ポイント賞
1位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 27pts
2位 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) 16pts
3位 マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ) 15pts
山岳賞
1位 ダニエル・ハラミーリョ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア) 24pts
2位 スコット・スウェイツ(イギリス、ディメンションデータ) 16pts
3位 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) 12pts
ヤングライダー賞
1位 ラクラン・モートン(オーストラリア、ディメンションデータ) 12h22’59”
2位 サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) +32”
3位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)
チーム総合成績
1位 チームスカイ 37h10’22”
2位 BMCレーシング +3’04”
3位 コフィディス・ソルシオンクレディ +4’20”
text:So.Isobe
ツアー・オブ・カリフォルニア(UCIワールドツアー)第3ステージの舞台は、ピスモビーチとモロベイという太平洋に面したセントラルコーストシティを繋ぐ今大会最長の192.5km。
とは言っても風光明媚な海岸線はほとんど通らず、中盤に3級山岳テパスキット(標高606m、登坂距離1.8km、平均勾配6.6%)を通過した後はゴールまで平坦と緩いアップダウンが続くスプリンター向けステージ。そのためメイン集団のコントロールは総合リーダーのラファル・マイカ(ポーランド)をアシストするボーラ・ハンスグローエに加え、クイックステップフロアーズやトレック・セガフレードらスプリンターを抱えるチームがその責を担った。
かつてガーミンやチームスカイを渡り歩いてきた38歳のベテラン、ダニー・ペイト(アメリカ、ラリーサイクリング)ら5名が逃げるが、アメリカらしい幅広かつ単調なコースレイアウトで大きなリードを稼ぎ出すことは叶わず。最大3分程度のリードは終盤にかけて徐々に削り取られていった。
カチューシャ・アルペシンらの牽引開始によって迫り来る集団から逃げるように、先頭からはベン・ウォルフ(アメリカ、ジェリーベリーp/bマキシス)がアタックするも残り8.5kmで吸収。ここから定石通りスプリンターチームによるハイスピードバトルが幕開ける。
ただしマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)が勝利した開幕ステージと異なったのは、ゴール前5kmは絶えず緩いアップダウンが連続したこと。総合系チームも位置取りに加わったことで高速化した集団前方からは2勝目を狙ったキッテルが姿を消し、一列棒状のまま残り500mから始まる8%勾配の最終ストレートへなだれ込んでいく。
アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)を連れたリック・ツァベル(ドイツ)が好位置から発進したものの、その後方からアルカンシエルが鮮やかにパスしていく。登りが影響したクリストフは遅れ、それを確認して踏み続けたツァベルもパーフェクトな状況に持ち込んだサガンには届かない。リードを保ち続けたサガンがポイント賞首位をもたらす前人未到のツアー・オブ・カリフォルニア16勝目を達成した。
「おそらく高地トレーニングを終えたばかりだったためか昨日の山岳では力が入らなかったが、今日は調子が良かった。残り600mあたりでは若干後ろに位置してしまったもののポジションを戻すことができた」と語るサガン。ボーラ・ハンスグローエにとっては昨日のマイカに続くステージ2連勝であり、サガンは出場した2011〜2017年大会全てでステージ優勝を挙げたことになる。
「上手くリードアウトが決まったがアレックス(クリストフ)が遅れてしまい、スプリントを続けた。今回は父(エリック・ツァベル)が帯同しているので勝ちたかったけれど。まだチャンスがあるので狙っていく」と2位に入ったツァベルはコメントを残している。
ツアー・オブ・カリフォルニア2017第3ステージ結果
1位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 4h53’26”
2位 リック・ツァベル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)
3位 シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
4位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)
5位 ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、BMCレーシング)
6位 レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ)
7位 テイラー・フィニー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック)
8位 ラモン・シンケルダム(オランダ、サンウェブ)
9位 トラヴィス・マケイブ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
10位 マイク・テウニッセン(オランダ、サンウェブ)
個人総合成績
1位 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) 12h22’43”
2位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ) +02”
3位 イアン・ボズウェル(アメリカ、チームスカイ) +07”
4位 ラクラン・モートン(オーストラリア、ディメンションデータ) +14”
5位 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ) +16”
6位 ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング) +48”
7位 サム・オーメン(オランダ、サンウェブ)
8位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック)
9位 ヴェガールステイク・ラエンゲン(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)
10位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)
ポイント賞
1位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 27pts
2位 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) 16pts
3位 マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ) 15pts
山岳賞
1位 ダニエル・ハラミーリョ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア) 24pts
2位 スコット・スウェイツ(イギリス、ディメンションデータ) 16pts
3位 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) 12pts
ヤングライダー賞
1位 ラクラン・モートン(オーストラリア、ディメンションデータ) 12h22’59”
2位 サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) +32”
3位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)
チーム総合成績
1位 チームスカイ 37h10’22”
2位 BMCレーシング +3’04”
3位 コフィディス・ソルシオンクレディ +4’20”
text:So.Isobe
Amazon.co.jp