2017/04/26(水) - 09:51
4月25日に第71回ツール・ド・ロマンディが開幕。どの選手も慎重な走りを強いられた雨のプロローグ(短距離TT)でファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)がトップタイムを叩き出した。
ツール・ド・ロマンディの開幕地はUCI(国際自転車競技連盟)の本拠地が置かれたエーグル。例年通り大会初日は短距離個人タイムトライアルのプロローグで、街中を走る4.8kmコースが設定された。起伏とコーナーが連続するテクニカルコースで、しかもレース当日は雨。グランツールシーズンを前に、マイヨジョーヌ候補たちは慎重は走りを余儀なくされた。
5分57秒のトップタイムをマークしたのは全体の52番目にスタートしたフェリーネ。27歳のスプリンター系オールラウンダーがホットシートで後続の100名の選手を待ち続けたが、タイムを更新する選手は最期まで現れなかった。ベテランのアレックス・ドーセット(イギリス、モビスター)が2秒差のステージ2位に入り、ともに23歳のアレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット)とマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)がステージ3位と4位に続いている。
「タイトなコーナーと登りが組み合わさったコースは自分にチャンスがあると思った。フィニッシュラインを切った時『完璧な走りができた』と思ったけど、ステージ優勝は予想していなかった。今シーズンここまでの中で最大の勝利。ここ数ヶ月は常に勝負に絡みながらも勝ち星から遠ざかっていた」と語るフェリーネがステージレースで自身初のリーダージャージを獲得した。「この勝利をミケーレ・スカルポーニに捧げたい。日曜日のリエージュでも彼の功績を讃えたかったけど良い結果を残せなかった。そして今日、ようやく願いが叶った」と、フェリーネは3日前に亡くなったイタリアンライダーを偲んでいる。
クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)やリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)がリスクを負わずに約30秒遅れのタイムでまとめる中、総合有力候補の中で好タイムを出したのはプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)。他にもホン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)やボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)が好スタートを切っている。
ステージ78位で初日を終えた2度の総合優勝者フルームは「スタートからフィニッシュまでスリッピーだった。今日の最優先事項は転ばないこと。シーズンのこの時期にコーナーを限界まで攻める必要はないけど、結果的にログリッチェから20秒のタイムを失ってしまった。彼とのタイム差を埋めるのは簡単なことじゃない。とにかくツールに向けてこのロマンディでコンディションを上げ、良い状態で1週間を終えたい」とコメントしている。
ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)はコース序盤のコーナーで落車しながらも、チームメイトのポートから1秒遅れのステージ113位でフィニッシュ。ヴァンガーデレンは肘や膝、臀部に打撲を負ったが、パフォーマンスに深刻な影響はないとチームドクターは語っている。
ツール・ド・ロマンディ2017プロローグ結果
1位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 5'57"
2位 アレックス・ドーセット(イギリス、モビスター) +02"
3位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット) +07"
4位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) +08"
5位 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロットNLユンボ)
6位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) +09"
7位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ) +10"
8位 トム・ボーリ(スイス、BMCレーシング)
9位 ヨアン・ルボン(フランス、エフデジ) +11"
10位 クリストフ・フィングステン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
12位 ホン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +12"
13位 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)
25位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +18"
78位 クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) +29"
103位 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +33"
108位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)
131位 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +40"
133位 イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) +42"
個人総合成績
1位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 5'57"
2位 アレックス・ドーセット(イギリス、モビスター) +02"
3位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット) +07"
4位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) +08"
5位 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロットNLユンボ)
6位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) +09"
7位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ) +10"
8位 トム・ボーリ(スイス、BMCレーシング)
9位 ヨアン・ルボン(フランス、エフデジ) +11"
10位 クリストフ・フィングステン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
ポイント賞
1位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 30pts
2位 アレックス・ドーセット(イギリス、モビスター) 25pts
3位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット) 22pts
ヤングライダー賞
1位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット) 6'04"
2位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) +01"
3位 トム・ボーリ(スイス、BMCレーシング) +03"
チーム総合成績
1位 モビスター 18'18"
2位 ロットNLユンボ +01"
3位 トレック・セガフレード +07"
text:Kei Tsuji
ツール・ド・ロマンディの開幕地はUCI(国際自転車競技連盟)の本拠地が置かれたエーグル。例年通り大会初日は短距離個人タイムトライアルのプロローグで、街中を走る4.8kmコースが設定された。起伏とコーナーが連続するテクニカルコースで、しかもレース当日は雨。グランツールシーズンを前に、マイヨジョーヌ候補たちは慎重は走りを余儀なくされた。
5分57秒のトップタイムをマークしたのは全体の52番目にスタートしたフェリーネ。27歳のスプリンター系オールラウンダーがホットシートで後続の100名の選手を待ち続けたが、タイムを更新する選手は最期まで現れなかった。ベテランのアレックス・ドーセット(イギリス、モビスター)が2秒差のステージ2位に入り、ともに23歳のアレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット)とマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)がステージ3位と4位に続いている。
「タイトなコーナーと登りが組み合わさったコースは自分にチャンスがあると思った。フィニッシュラインを切った時『完璧な走りができた』と思ったけど、ステージ優勝は予想していなかった。今シーズンここまでの中で最大の勝利。ここ数ヶ月は常に勝負に絡みながらも勝ち星から遠ざかっていた」と語るフェリーネがステージレースで自身初のリーダージャージを獲得した。「この勝利をミケーレ・スカルポーニに捧げたい。日曜日のリエージュでも彼の功績を讃えたかったけど良い結果を残せなかった。そして今日、ようやく願いが叶った」と、フェリーネは3日前に亡くなったイタリアンライダーを偲んでいる。
クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)やリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)がリスクを負わずに約30秒遅れのタイムでまとめる中、総合有力候補の中で好タイムを出したのはプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)。他にもホン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)やボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)が好スタートを切っている。
ステージ78位で初日を終えた2度の総合優勝者フルームは「スタートからフィニッシュまでスリッピーだった。今日の最優先事項は転ばないこと。シーズンのこの時期にコーナーを限界まで攻める必要はないけど、結果的にログリッチェから20秒のタイムを失ってしまった。彼とのタイム差を埋めるのは簡単なことじゃない。とにかくツールに向けてこのロマンディでコンディションを上げ、良い状態で1週間を終えたい」とコメントしている。
ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)はコース序盤のコーナーで落車しながらも、チームメイトのポートから1秒遅れのステージ113位でフィニッシュ。ヴァンガーデレンは肘や膝、臀部に打撲を負ったが、パフォーマンスに深刻な影響はないとチームドクターは語っている。
ツール・ド・ロマンディ2017プロローグ結果
1位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 5'57"
2位 アレックス・ドーセット(イギリス、モビスター) +02"
3位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット) +07"
4位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) +08"
5位 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロットNLユンボ)
6位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) +09"
7位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ) +10"
8位 トム・ボーリ(スイス、BMCレーシング)
9位 ヨアン・ルボン(フランス、エフデジ) +11"
10位 クリストフ・フィングステン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
12位 ホン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +12"
13位 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)
25位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +18"
78位 クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) +29"
103位 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +33"
108位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)
131位 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +40"
133位 イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) +42"
個人総合成績
1位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 5'57"
2位 アレックス・ドーセット(イギリス、モビスター) +02"
3位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット) +07"
4位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) +08"
5位 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロットNLユンボ)
6位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) +09"
7位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ) +10"
8位 トム・ボーリ(スイス、BMCレーシング)
9位 ヨアン・ルボン(フランス、エフデジ) +11"
10位 クリストフ・フィングステン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
ポイント賞
1位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 30pts
2位 アレックス・ドーセット(イギリス、モビスター) 25pts
3位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット) 22pts
ヤングライダー賞
1位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット) 6'04"
2位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) +01"
3位 トム・ボーリ(スイス、BMCレーシング) +03"
チーム総合成績
1位 モビスター 18'18"
2位 ロットNLユンボ +01"
3位 トレック・セガフレード +07"
text:Kei Tsuji