2017/04/20(木) - 19:32
カレラ社の輸入代理店を務めるポディウムが、昨年に続く2回目のカレラキャンプを開催。往年の名選手クラウディオ・キアプッチ氏の来日や、各種注目を集める2018モデルの発表が話題を呼んだ。
「それぞれのブランドについてより深く知ってもらいたい」という考えから、2017モデルより、取り扱いブランドそれぞれにフォーカスした小規模展示会「PODIUM CAMP」を開催しているポディウム。3回目となる今回は、初回に続いて伝統と格式あるイタリアンブランド、カレラにフィーチャーした「カレラキャンプ」として開催された。
参加者を交えたライドもプログラムに含まれているため、走りやすい環境を重視して今回も会場はサイクリストやトライアスリートにとって絶好の環境が広がる千葉県は館山。もちろんクラウディオ・キアプッチ氏、カレラ社のセールスマネージャーであるマルコ・カンパニョーニ氏も駆けつけた。
「いち早く日本のファンに新製品を見てもらいたい」というカレラ本社の思いから、昨年よりも2か月前倒しした4月開催となり、全世界に先駆けて同社の2018年モデルを発表するワールドプレミアの場ともなった。
キアプッチ氏やマルコ・パンターニ、ミケーレ・バルトリなどが所属したカレラチームを出自とし、「勝つための機材作り」で養われたノウハウと情熱、そして性能ありきという姿勢を貫くカレラ社。廉価版のER-01であってもOEMではなく、カーボン積層から自社開発しているという事実も興味深いブランドだ。
2017年モデルでは軽量モデルのSL7と、フレームセット9万8千円という衝撃プライスを提げたER-01を発表したが、今回のカレラキャンプでは2018モデルとしてエアロロードラインアップのボトムラインに当たる「TD01-AIR」の登場と、ディスクブレーキ対応バイクの拡充、そしてシクロクロスバイク「カレラCX」という2モデルを発表したことが大きなトピックだ。
フレームセット24万円(税抜)というプライスのTD01-AIR。「ティアドロップ」のイニシャルを車名にした通り各所にエアロ形状を取り入れたモデルで、AR-01、ERAKLE AIRの下に位置付けられる。エアロモデル=高剛性という図式が成り立ちがちだが、TD01-AIRはターゲットユーザーを見据えて上位2モデルよりも乗りやすい剛性バランスを目指しており、主にリアバックのカーボン積層と断面形状によって快適性、そしてBB剛性を調整することでビギナーユーザーにも対応させている。今まで購入をためらっていた方、そして手頃な価格のエアロロードを待っていた方への朗報となり得る存在だ。カラーバリエーションは4種類。
「北米ブランドが言うような”2〜3年後のディスクブレーキ一般化”は正直微妙だと思うけれど、”来るべき時”を見据えて対応モデルを拡充・改良した」とカンパニョーニ氏が語る通り、ディスクブレーキは既存のハイエンドモデル「AR-01」、日本国内でも人気の「ER-01」にも波及した。
AR-01は弟分の「ERAKLE AIR」同様1つのフレームがディスクorノーマルキャリパーorダイレクトマウントと3種類のブレーキタイプに対応しており、ユーザーの好みに合わせたカスタマイズが可能。ER-01はフレームセット12万8000円(税抜)と、キャリパーモデルのハイコストパフォーマンスを引き継ぐ形に。これまでカレラのディスクブレーキロードはクイックリリースを用いていたが、2018年モデルからは新型、既存モデル含めて全てがスルーアクスル+フラットマウントへと切り替わっており、ディスクブレーキロードの最新トレンドに追いついている。
これは新規登場した「カレラCX」にも共通しており、同社久々のシクロクロスバイクはシクロクロスの本場ベルギーなどのサポート選手の要望に応え生まれたもの。非常にオーソドックスなスタイルながら、ホイールの重たさを感じさせないゼロ発進の軽さや機敏なハンドリング、そして扁平で担ぎやすいトップチューブなど「見た目以上によく考えられているな」といった印象。こちらもフレームセットで19万円(税抜)と比較的リーズナブルなプライスであり、会場で見かけることも増えそうだ。
ここ1、2年で積極的にエントリー〜ミドルグレードを刷新しているカレラだが、今回のTD01-AIRの登場によって、これまで以上にそのブランドバリューは高まったと言えそうだ。これまで初心者〜中級者向け市場はアジア、アメリカンブランドの独壇場であったが、その流れを変え得る勢いを感じたブランドキャンプだった。
text&photo:So.Isobe
「それぞれのブランドについてより深く知ってもらいたい」という考えから、2017モデルより、取り扱いブランドそれぞれにフォーカスした小規模展示会「PODIUM CAMP」を開催しているポディウム。3回目となる今回は、初回に続いて伝統と格式あるイタリアンブランド、カレラにフィーチャーした「カレラキャンプ」として開催された。
参加者を交えたライドもプログラムに含まれているため、走りやすい環境を重視して今回も会場はサイクリストやトライアスリートにとって絶好の環境が広がる千葉県は館山。もちろんクラウディオ・キアプッチ氏、カレラ社のセールスマネージャーであるマルコ・カンパニョーニ氏も駆けつけた。
「いち早く日本のファンに新製品を見てもらいたい」というカレラ本社の思いから、昨年よりも2か月前倒しした4月開催となり、全世界に先駆けて同社の2018年モデルを発表するワールドプレミアの場ともなった。
キアプッチ氏やマルコ・パンターニ、ミケーレ・バルトリなどが所属したカレラチームを出自とし、「勝つための機材作り」で養われたノウハウと情熱、そして性能ありきという姿勢を貫くカレラ社。廉価版のER-01であってもOEMではなく、カーボン積層から自社開発しているという事実も興味深いブランドだ。
2017年モデルでは軽量モデルのSL7と、フレームセット9万8千円という衝撃プライスを提げたER-01を発表したが、今回のカレラキャンプでは2018モデルとしてエアロロードラインアップのボトムラインに当たる「TD01-AIR」の登場と、ディスクブレーキ対応バイクの拡充、そしてシクロクロスバイク「カレラCX」という2モデルを発表したことが大きなトピックだ。
フレームセット24万円(税抜)というプライスのTD01-AIR。「ティアドロップ」のイニシャルを車名にした通り各所にエアロ形状を取り入れたモデルで、AR-01、ERAKLE AIRの下に位置付けられる。エアロモデル=高剛性という図式が成り立ちがちだが、TD01-AIRはターゲットユーザーを見据えて上位2モデルよりも乗りやすい剛性バランスを目指しており、主にリアバックのカーボン積層と断面形状によって快適性、そしてBB剛性を調整することでビギナーユーザーにも対応させている。今まで購入をためらっていた方、そして手頃な価格のエアロロードを待っていた方への朗報となり得る存在だ。カラーバリエーションは4種類。
「北米ブランドが言うような”2〜3年後のディスクブレーキ一般化”は正直微妙だと思うけれど、”来るべき時”を見据えて対応モデルを拡充・改良した」とカンパニョーニ氏が語る通り、ディスクブレーキは既存のハイエンドモデル「AR-01」、日本国内でも人気の「ER-01」にも波及した。
AR-01は弟分の「ERAKLE AIR」同様1つのフレームがディスクorノーマルキャリパーorダイレクトマウントと3種類のブレーキタイプに対応しており、ユーザーの好みに合わせたカスタマイズが可能。ER-01はフレームセット12万8000円(税抜)と、キャリパーモデルのハイコストパフォーマンスを引き継ぐ形に。これまでカレラのディスクブレーキロードはクイックリリースを用いていたが、2018年モデルからは新型、既存モデル含めて全てがスルーアクスル+フラットマウントへと切り替わっており、ディスクブレーキロードの最新トレンドに追いついている。
これは新規登場した「カレラCX」にも共通しており、同社久々のシクロクロスバイクはシクロクロスの本場ベルギーなどのサポート選手の要望に応え生まれたもの。非常にオーソドックスなスタイルながら、ホイールの重たさを感じさせないゼロ発進の軽さや機敏なハンドリング、そして扁平で担ぎやすいトップチューブなど「見た目以上によく考えられているな」といった印象。こちらもフレームセットで19万円(税抜)と比較的リーズナブルなプライスであり、会場で見かけることも増えそうだ。
ここ1、2年で積極的にエントリー〜ミドルグレードを刷新しているカレラだが、今回のTD01-AIRの登場によって、これまで以上にそのブランドバリューは高まったと言えそうだ。これまで初心者〜中級者向け市場はアジア、アメリカンブランドの独壇場であったが、その流れを変え得る勢いを感じたブランドキャンプだった。
text&photo:So.Isobe
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