2017/01/13(金) - 11:47
8月19日に開幕する第72回ブエルタ・ア・エスパーニャのコース詳細が発表された。開幕地はフランス、ニーム。オランダ・アッセンで開幕した2009年以来久々にスペイン国外でスタートを切る。
マドリードで行われた第72回ブエルタ・ア・エスパーニャのコースプレゼンテーションには、ホアキン・ロドリゲスやサムエル・サンチェス(BMCレーシング)、オマール・フライレ(ディメンションデータ)らが参加。総合ディレクター、ハビエル・ギーエン氏らがコースの全貌を明らかにしていった。
開幕地はフランス南部、古代ローマ時代の橋・神殿・円形劇場などの遺構が数多く残ることで知られる都市ニーム。80年以上の歴史を持つブエルタ中、スペイン国外での開幕は1997年のリスボン(ポルトガル)、2009年のアッセン(オランダ)に続く3度目だ。
13.8kmの短距離チームタイムトライアルで幕開ける本大会の総走行距離は3297.7km。全21日間中の内訳は平坦ステージが6(うち1つは頂上フィニッシュ)、中級山岳ステージが8、難関山岳ステージが5、チーム/個人タイムトライアルがそれぞれ1ずつ。頂上フィニッシュは昨年から1つ減ったものの、それでも9つとブエルタらしい山岳コースであることは変わらない。
休息日が第9ステージ後に用意される「長い第1週」は昨年度大会よりも難易度を下げてはいるが、アンドラに入国する第3ステージでは10%オーバーの急勾配区間が連発する2級山岳コメリャ峠が登場。頂上から下りを経てフィニッシュするため、ここでは早くも脱落者が出る可能性がある。
第5ステージには獲得標高330mのアルコッセブレ、第8ステージには20%超えの1級ソレット・デル・カティ峠が、第9ステージには1級アルト・デ・プイグジョレンカの頂上ゴールが連続して登場するが、いずれも登坂距離は短いため決定的な差は付きにくい。1周目を終えて、マイヨロホはパンチャーが着用している確率も高いだろう。
本格的な総合争いがスタートするのは休息日明けの第11ステージから。終盤には1級山岳が2つ続き、間に挟まる10kmの下りを除き、2区間合わせて30kmほどの登坂が待ち受ける。ゴールの1級山岳カラール・アルトは標高2160mにも及ぶ。
2回目の休息日前後は総合を占う重要なステージが続き、第14ステージに超級山岳シエラ・デラ・パンデラ、第15ステージには登坂距離が23km、高低差が1322mに達するブエルタの定番山岳シエラネバダへと挑む。休息日を挟んだ第16ステージには42kmという個人タイムトライアルが待ち受けており、イージーコースではあるものの、いかに休息日でリズムを崩さないかが求められる。そして総合争いを決定づけるのが「カンタブリア」と「アストゥリアス」の山岳決戦だ。
第17、第18ステージでも山頂フィニッシュが登場するが、最大の目玉にして決戦の場は最終日前日に現れるアングリル峠(登坂距離12.2km・高低差1245m・平均勾配10.2%・最大勾配23.5%)。「ヨーロッパ最難関の峠」との呼び声も高いこの激坂で総合首位に立ったものだけに、マイヨロホを着て最終日マドリードに凱旋する栄誉が与えられる。アングリルがブエルタで最終決戦の地となるのは、クリス・ホーナーが総合優勝した2013年以来だ。
コース発表を受け、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)は「山岳の数は減っているものの、間違いなくクライマー向きのコースであり、そのに疑問の余地は無い。登りをこなせるTTスペシャリストでは勝てない」とコメントしている。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2017ステージリスト
8月19日(土)第1ステージ ニーム〜ニーム 13.8km(チームTT)
8月20日(日)第2ステージ ニーム〜グリュイッサン/グランナルボンヌ 201km
8月21日(月)第3ステージ カニゴー〜アンドラ・ラ・ベリャ 170km
8月22日(火)第4ステージ エスカルデス=エンゴルダニ教区〜タラゴナ/アネッラ・メディティラネア 193km
8月23日(水)第5ステージ ベニカシム〜アルコッセブレ 173.4km(山頂)
8月24日(木)第6ステージ ヴィラ=レアル〜サグント 198km
8月25日(金)第7ステージ リリア〜クエンカ/歴史的城塞都市 205.2km
8月26日(土)第8ステージ エリン〜ソレット・デル・カティ 184km(山頂)
8月27日(日)第9ステージ オリウエラ〜オビエド/アルト・デ・プイグジョレンカ 176.3km(山頂)
8月28日(月)休息日
8月29日(火)第10ステージ カラバカ〜エルポゾ・アリメンタション 171km
8月30日(水)第11ステージ ロルカ/カラール・アルト天文台 188km(山頂)
8月31日(木)第12ステージ モトリル〜アンテケラ/ドルメン遺跡 161.4km
9月1日(金)第13ステージ コワン〜トマレス 197km
9月2日(土)第14ステージ エシハ〜シエラ・デラ・パンデラ 185.5km(山頂)
9月3日(日)第15ステージ アルカラ・ラ・レアル〜シエラ・ネバダ 127km(山頂)
9月4日(月)休息日
9月5日(火)第16ステージ ナバラサーキット〜ログローニョ 42km(個人TT)
9月6日(水)第17ステージ ビジャディエゴ〜ロス・マチュコス/ 180km(山頂)
9月7日(木)第18ステージ スアンセス〜サント・トリビオ・デ・リエバナ 168.5km(山頂)
9月8日(金)第19ステージ レデス自然公園〜ヒホン 153km
9月9日(土)第20ステージ コルベラ・デ・アストゥリアス〜アルト・デ・アングリル 119.2km(山頂)
9月10日(日)第21ステージ アロヨモリーノス〜マドリード 101.9km
text:So.Isobe
マドリードで行われた第72回ブエルタ・ア・エスパーニャのコースプレゼンテーションには、ホアキン・ロドリゲスやサムエル・サンチェス(BMCレーシング)、オマール・フライレ(ディメンションデータ)らが参加。総合ディレクター、ハビエル・ギーエン氏らがコースの全貌を明らかにしていった。
開幕地はフランス南部、古代ローマ時代の橋・神殿・円形劇場などの遺構が数多く残ることで知られる都市ニーム。80年以上の歴史を持つブエルタ中、スペイン国外での開幕は1997年のリスボン(ポルトガル)、2009年のアッセン(オランダ)に続く3度目だ。
13.8kmの短距離チームタイムトライアルで幕開ける本大会の総走行距離は3297.7km。全21日間中の内訳は平坦ステージが6(うち1つは頂上フィニッシュ)、中級山岳ステージが8、難関山岳ステージが5、チーム/個人タイムトライアルがそれぞれ1ずつ。頂上フィニッシュは昨年から1つ減ったものの、それでも9つとブエルタらしい山岳コースであることは変わらない。
休息日が第9ステージ後に用意される「長い第1週」は昨年度大会よりも難易度を下げてはいるが、アンドラに入国する第3ステージでは10%オーバーの急勾配区間が連発する2級山岳コメリャ峠が登場。頂上から下りを経てフィニッシュするため、ここでは早くも脱落者が出る可能性がある。
第5ステージには獲得標高330mのアルコッセブレ、第8ステージには20%超えの1級ソレット・デル・カティ峠が、第9ステージには1級アルト・デ・プイグジョレンカの頂上ゴールが連続して登場するが、いずれも登坂距離は短いため決定的な差は付きにくい。1周目を終えて、マイヨロホはパンチャーが着用している確率も高いだろう。
本格的な総合争いがスタートするのは休息日明けの第11ステージから。終盤には1級山岳が2つ続き、間に挟まる10kmの下りを除き、2区間合わせて30kmほどの登坂が待ち受ける。ゴールの1級山岳カラール・アルトは標高2160mにも及ぶ。
2回目の休息日前後は総合を占う重要なステージが続き、第14ステージに超級山岳シエラ・デラ・パンデラ、第15ステージには登坂距離が23km、高低差が1322mに達するブエルタの定番山岳シエラネバダへと挑む。休息日を挟んだ第16ステージには42kmという個人タイムトライアルが待ち受けており、イージーコースではあるものの、いかに休息日でリズムを崩さないかが求められる。そして総合争いを決定づけるのが「カンタブリア」と「アストゥリアス」の山岳決戦だ。
第17、第18ステージでも山頂フィニッシュが登場するが、最大の目玉にして決戦の場は最終日前日に現れるアングリル峠(登坂距離12.2km・高低差1245m・平均勾配10.2%・最大勾配23.5%)。「ヨーロッパ最難関の峠」との呼び声も高いこの激坂で総合首位に立ったものだけに、マイヨロホを着て最終日マドリードに凱旋する栄誉が与えられる。アングリルがブエルタで最終決戦の地となるのは、クリス・ホーナーが総合優勝した2013年以来だ。
コース発表を受け、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)は「山岳の数は減っているものの、間違いなくクライマー向きのコースであり、そのに疑問の余地は無い。登りをこなせるTTスペシャリストでは勝てない」とコメントしている。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2017ステージリスト
8月19日(土)第1ステージ ニーム〜ニーム 13.8km(チームTT)
8月20日(日)第2ステージ ニーム〜グリュイッサン/グランナルボンヌ 201km
8月21日(月)第3ステージ カニゴー〜アンドラ・ラ・ベリャ 170km
8月22日(火)第4ステージ エスカルデス=エンゴルダニ教区〜タラゴナ/アネッラ・メディティラネア 193km
8月23日(水)第5ステージ ベニカシム〜アルコッセブレ 173.4km(山頂)
8月24日(木)第6ステージ ヴィラ=レアル〜サグント 198km
8月25日(金)第7ステージ リリア〜クエンカ/歴史的城塞都市 205.2km
8月26日(土)第8ステージ エリン〜ソレット・デル・カティ 184km(山頂)
8月27日(日)第9ステージ オリウエラ〜オビエド/アルト・デ・プイグジョレンカ 176.3km(山頂)
8月28日(月)休息日
8月29日(火)第10ステージ カラバカ〜エルポゾ・アリメンタション 171km
8月30日(水)第11ステージ ロルカ/カラール・アルト天文台 188km(山頂)
8月31日(木)第12ステージ モトリル〜アンテケラ/ドルメン遺跡 161.4km
9月1日(金)第13ステージ コワン〜トマレス 197km
9月2日(土)第14ステージ エシハ〜シエラ・デラ・パンデラ 185.5km(山頂)
9月3日(日)第15ステージ アルカラ・ラ・レアル〜シエラ・ネバダ 127km(山頂)
9月4日(月)休息日
9月5日(火)第16ステージ ナバラサーキット〜ログローニョ 42km(個人TT)
9月6日(水)第17ステージ ビジャディエゴ〜ロス・マチュコス/ 180km(山頂)
9月7日(木)第18ステージ スアンセス〜サント・トリビオ・デ・リエバナ 168.5km(山頂)
9月8日(金)第19ステージ レデス自然公園〜ヒホン 153km
9月9日(土)第20ステージ コルベラ・デ・アストゥリアス〜アルト・デ・アングリル 119.2km(山頂)
9月10日(日)第21ステージ アロヨモリーノス〜マドリード 101.9km
text:So.Isobe
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