2016/12/10(土) - 15:42
12月10日(土)、栃木県宇都宮市の道の駅うつのみやろまんちっく村でJCX選手権が開催。マスターズ世界選手権から帰国したばかりの筧五郎(56サイクル)がマスターズ40で大会連覇を達成した。
JCF(日本自転車競技連盟)が主宰する第22回全日本シクロクロス選手権に先立って、同レースと共通の「道の駅うつのみやろまんちっく村」特設コースを舞台にAJOCC(日本シクロクロス競技主催者協会)のJCX選手権が開催された。
正式名称は「カンセキpresents 2016宇都宮シクロクロスシリーズJCX選手権大会」。JCF主催ではないものの、マスターズの全日本チャンピオンを決めるこの大会。ベルギーのモルで開催されたマスターズ世界選手権に出場し、この全日本選手権を前に帰国した筧五郎(56サイクル)がマスターズ40(1968年~1977年生まれ)の序盤から先行した。
ホールショットこそ伊澤一嘉(Tonic CX Team Japan)に譲ったものの、その後の直線で先頭を奪った筧がすぐさま独走を開始。伊澤や小田島貴弘(maillot SY-Nak)、竹田佳行(kei'spower!)らが追走したもののタイム差は着実に広がっていく。
土手を斜めに上り下りするキャンバー区間やシングルトラック、芝の平坦路、人工的な砂区間などが組み合わされたテクニカルコースで後続とのタイム差を1分まで広げた筧。中盤にかけてポジションを上げた藤井修(きゅうべえsports)と山本誠一(SPACE)が追走パックを形成したが、筧の背中は最後まで見えなかった。
「今週は時差ぼけと緊張で寝れなかった」というほど、この全日本選手権に強い思いで挑んでいた筧。「折り返し地点で後続との差も確認していましたし、上げることもなく下げることもなくイーブンペースで走り続けた」という筧が圧倒的な走りで大会連覇を達成した。
11月下旬からマスターズ世界選手権出場ために単身ベルギーに遠征し、短期ながらレース参戦を行った筧は、現地で生活やレース活動について「ベルギーは文化から何から何まで違い、その文化の一部としてシクロクロスが成り立っていることに大きなショックを受けました。レース自体は砂のランニング区間が多くて苦戦しましたが、『それを含めてサイクルクロスなんだ』と現地で言われて納得。ナショナルチャンピオンは崇められる存在であり、またこのチャンピオンジャージを着て世界選手権を走りたいと思ったので、去年よりもこのジャージを取りたいという思いが強かった。圭ちゃん(辻浦圭一)や悠(竹之内悠)がヨーロッパで走り続けていた凄さと、その理由がわかった気がします」と語る。来シーズンの挑戦に向けて大きな刺激を得た様子だ。
マスターズ50(〜1967年生まれ)は序盤から羽鳥和重(cycleclub3UP)や中谷聡(北陸ドロタボウ)、浅井秀樹(USM)、石田純之(美山CC)、大河内二郎(シルクロード)らが先頭パックを形成して競り合う展開。互いに抜きつ抜かれつの攻防を繰り広げ、その中からレース中盤に抜け出した浅井が独走した。
最終周回で中谷が単独追い上げを見せたものの届かず、追撃を振り切った浅井が勝利した。「欲しかったジャージがやっと手に入りました!」と、表彰台から下りたばかりの浅井は満面の笑みを浮かべて語った。
浅井は序盤から続いた接戦について「前半から限界に近い状態で走っていたものの、前を走る2人(中谷と羽鳥)がミスしたタイミングで抜け出せたことが勝利につながりました。2人のミスがなければ自分は沈んでいたと思います。勝利の秘訣はミスなく走ったことです」と語っている。
マスターズ50と同時スタートのユース(2000年~2003年生まれ)を制したのは小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM)。また、オープン(AJOCCカテゴリー1・2・3登録選手相当)は翌日のJCF男子U23を走る日野竜嘉(ボンシャンス)が勝利している。
12月11日(日)は9時スタートの男子ジュニアを皮切りに、10時10分から男子U23、12時30分から女子、13時50分からエリート男子の合計4レースが開催。JCX選手権終了後、JCFレース出場選手たちは入念にコースの試走を行った。
JCX選手権2016結果(暫定)
マスターズ40
1位 筧五郎(56サイクル)
2位 藤井修(きゅうべえsports)
3位 山本誠一(SPACE)
マスターズ50
1位 浅井秀樹(USM)
2位 中谷聡(北陸ドロタボウ)
3位 羽鳥和重(cycleclub3UP)
U17
1位 小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
2位 上野悠佑太(バイクルームシンMOMO)
3位 久保田映士
U15
1位 山崎陽太(スワコレーシングチーム)
2位 菊地壮太郎(TEAM AIBE)
オープン
1位 日野竜嘉(ボンシャンス)
2位 高木三千成(BOUNCE)
3位 池田翔平(Champion System Japan test team)
女子
1位 新川明子(ブラウブリッツェン)
2位 関谷淳子(じてんしゃの杜)
3位 清水朱実(北陸ドロタボウ)
チャレンジ
1位 鈴木大路(じてんしゃの杜)
2位 神移真悟(MilePost BMC Racing)
3位 山ノ井勇輔(とれらば!)
text:Kei Tsuji
JCF(日本自転車競技連盟)が主宰する第22回全日本シクロクロス選手権に先立って、同レースと共通の「道の駅うつのみやろまんちっく村」特設コースを舞台にAJOCC(日本シクロクロス競技主催者協会)のJCX選手権が開催された。
正式名称は「カンセキpresents 2016宇都宮シクロクロスシリーズJCX選手権大会」。JCF主催ではないものの、マスターズの全日本チャンピオンを決めるこの大会。ベルギーのモルで開催されたマスターズ世界選手権に出場し、この全日本選手権を前に帰国した筧五郎(56サイクル)がマスターズ40(1968年~1977年生まれ)の序盤から先行した。
ホールショットこそ伊澤一嘉(Tonic CX Team Japan)に譲ったものの、その後の直線で先頭を奪った筧がすぐさま独走を開始。伊澤や小田島貴弘(maillot SY-Nak)、竹田佳行(kei'spower!)らが追走したもののタイム差は着実に広がっていく。
土手を斜めに上り下りするキャンバー区間やシングルトラック、芝の平坦路、人工的な砂区間などが組み合わされたテクニカルコースで後続とのタイム差を1分まで広げた筧。中盤にかけてポジションを上げた藤井修(きゅうべえsports)と山本誠一(SPACE)が追走パックを形成したが、筧の背中は最後まで見えなかった。
「今週は時差ぼけと緊張で寝れなかった」というほど、この全日本選手権に強い思いで挑んでいた筧。「折り返し地点で後続との差も確認していましたし、上げることもなく下げることもなくイーブンペースで走り続けた」という筧が圧倒的な走りで大会連覇を達成した。
11月下旬からマスターズ世界選手権出場ために単身ベルギーに遠征し、短期ながらレース参戦を行った筧は、現地で生活やレース活動について「ベルギーは文化から何から何まで違い、その文化の一部としてシクロクロスが成り立っていることに大きなショックを受けました。レース自体は砂のランニング区間が多くて苦戦しましたが、『それを含めてサイクルクロスなんだ』と現地で言われて納得。ナショナルチャンピオンは崇められる存在であり、またこのチャンピオンジャージを着て世界選手権を走りたいと思ったので、去年よりもこのジャージを取りたいという思いが強かった。圭ちゃん(辻浦圭一)や悠(竹之内悠)がヨーロッパで走り続けていた凄さと、その理由がわかった気がします」と語る。来シーズンの挑戦に向けて大きな刺激を得た様子だ。
マスターズ50(〜1967年生まれ)は序盤から羽鳥和重(cycleclub3UP)や中谷聡(北陸ドロタボウ)、浅井秀樹(USM)、石田純之(美山CC)、大河内二郎(シルクロード)らが先頭パックを形成して競り合う展開。互いに抜きつ抜かれつの攻防を繰り広げ、その中からレース中盤に抜け出した浅井が独走した。
最終周回で中谷が単独追い上げを見せたものの届かず、追撃を振り切った浅井が勝利した。「欲しかったジャージがやっと手に入りました!」と、表彰台から下りたばかりの浅井は満面の笑みを浮かべて語った。
浅井は序盤から続いた接戦について「前半から限界に近い状態で走っていたものの、前を走る2人(中谷と羽鳥)がミスしたタイミングで抜け出せたことが勝利につながりました。2人のミスがなければ自分は沈んでいたと思います。勝利の秘訣はミスなく走ったことです」と語っている。
マスターズ50と同時スタートのユース(2000年~2003年生まれ)を制したのは小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM)。また、オープン(AJOCCカテゴリー1・2・3登録選手相当)は翌日のJCF男子U23を走る日野竜嘉(ボンシャンス)が勝利している。
12月11日(日)は9時スタートの男子ジュニアを皮切りに、10時10分から男子U23、12時30分から女子、13時50分からエリート男子の合計4レースが開催。JCX選手権終了後、JCFレース出場選手たちは入念にコースの試走を行った。
JCX選手権2016結果(暫定)
マスターズ40
1位 筧五郎(56サイクル)
2位 藤井修(きゅうべえsports)
3位 山本誠一(SPACE)
マスターズ50
1位 浅井秀樹(USM)
2位 中谷聡(北陸ドロタボウ)
3位 羽鳥和重(cycleclub3UP)
U17
1位 小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
2位 上野悠佑太(バイクルームシンMOMO)
3位 久保田映士
U15
1位 山崎陽太(スワコレーシングチーム)
2位 菊地壮太郎(TEAM AIBE)
オープン
1位 日野竜嘉(ボンシャンス)
2位 高木三千成(BOUNCE)
3位 池田翔平(Champion System Japan test team)
女子
1位 新川明子(ブラウブリッツェン)
2位 関谷淳子(じてんしゃの杜)
3位 清水朱実(北陸ドロタボウ)
チャレンジ
1位 鈴木大路(じてんしゃの杜)
2位 神移真悟(MilePost BMC Racing)
3位 山ノ井勇輔(とれらば!)
text:Kei Tsuji
Amazon.co.jp