2016/11/15(火) - 19:50
国立公園に指定されたやんばるの森と沖縄本島北部一帯を舞台に繰り広げられたツール・ド・おきなわ市民レースの部 140・100・50km各クラスの闘いをダイジェストでレポートする。
レース部門が開催される日曜の天候は昨年に続き快晴。降水確率0%の沖縄らしい亜熱帯の夏日となった。まだ薄暗い午前6時45分の男子チャンピオンレースの出走に続けて、日照時間に合わせて市民各クラスが名護市をスタートしていく。
今年はサイクリングの部を含めて過去最高の4,741人が、レース部門のみでは2,995人がエントリー。市民レースの人気が高まり続けるツール・ド・おきなわでは100kmと50kmクラスに年齢別クラスを用意し、進行にあわせて名護、国頭、奥の各ポイントからスタートしていく。各クラスをダイジェストレポートでお伝えする。
市民レース長距離3部門で逃げ切り優勝が決まる
この日の最高気温は27℃。昨年度の大会では29℃まで上がったため、リピーターの中には「昨年より走りやすかった」という声も聞かれたが、暑さに対応できず脱水症状に陥る選手も多かったようだ。風も無く条件が良かったためか、140・100km長距離系各クラスではいずれも逃げ切りが決まった。
市民140km
中村駿佑(チームヤーボー)が30kmの独走勝利
国頭村をスタートし、普久川ダムを2回登る市民140km。市民210kmと比べると前半の海岸線の平坦路が省略されるだけで、コース難度はほとんど変わらないと言っていい。黄色いゼッケンのレースは終始集団で進み、2度めの普久川ダムを越えて東海岸のアップダウンを経て残り70kmで2人が先行する。残り30kmでメイン集団を抜け出して2人を追ったのは中村駿佑(チームヤーボー) 。
前を行く2人に追いついた中村だが、2人の脚はすでに売り切れており、独走になった中村はそのままフィニッシュまで逃げ切った。
中村は「後半勝負と考えていたので、100kmを越えるまではタイミングを待った。途中何度も足が攣ったがあきらめなかった。昨年は同じクラスで28位だったので自分でも驚いている」と話す。
中村は宮崎大学の自転車部部員で今年の全日本ロードU23で38位になっているほかは今まで大きなリザルトは無かった。
1分41秒差の2位にはシクロワイアードにタイのステージレース「ツアー・オブ・フレンドシップ」参戦レポートを寄稿してくれた国際派ホビーレーサーの小村太朗(Virgin Active Swift Carbon)が入った。
市民レース100kmアンダー39
半澤雄高(Link TOHOKU)が30km逃げ切り勝利
市民100kmレースは人気が高いため、年齢で区分して2レースに分けて実施されている。コースは奥の集落からスタートし、普久川ダムを1回越える。東海岸のアップダウンと羽地ダムの登りなどは140、210kmクラスと同様だ。
グリーンのゼッケンが目印の100kmアンダー39レースは年齢的にも勢いのある激戦区。アップダウンで集団の人数を削りながら進むメイン集団は、前からドロップしてきた市民140kmの数人を飲み込みながら進む。
70km地点でアタックした半澤雄高(Link TOHOKU)がフィニッシュまで逃げ切り、勝利を飾った。
「人数を絞りたかったけれど終盤まで絞りきれず、このまま行くのは嫌だなぁ、と思って残り30kmから踏み始めたら独りになった。イチかバチかこのまま行ってやる、と頑張ったら運良く最後まで逃げ切れました」。
JBCFでは群馬CSCでのE1クラスタで優勝したことがある半澤。ジャパンカップのオープンレースを完走し、勢いに乗っていたという。「初おきなわで優勝できて上出来。家族も応援してくれたので力になりました。また来年も来たくなっちゃいますね(笑)」。
市民レース100km オーバー40
塚本茂浩(parabola) が30km逃げ切り勝利
市民レース100kmオーバー40の部。今回、2014・2015年にこのクラスで逃げ切って連覇した岩瀬一憲(しげるん)は出場せず、混戦が予想された。レースは残り30km地点で2人になったが、羽地ダムの登りで塚本茂浩(parabola)の独走となり、逃げ切り勝利を飾った。
塚本は言う。「最後まで追いつかれるかと必死だったが、なんとか最後までギリギリ逃げ切ることができました。おきなわは3回目で、210km、140kmに出てダメで、今回は100kmにした。完走するだけのレースよりずっと面白かった」。
スプリント勝負で競い合った市民レース50km各部門
アンダー29、サーティ、フォーティー、オーバー50、そしてレディースと、すべてが大集団ゴールスプリントの勝負に持ち込まれた。
市民レース50kmサーティ
サーティの部は西真也(BICI AMORE)が優勝。西は昨年0.07秒差という僅差の2位になっていたが、最後のレースと決めた今年、見事に優勝を果たした。
市民レース50kmフォーティー
フォーティーでは白鳥興寛(ARCC) が3連覇を達成。残り4kmで大きな落車があり、白鳥も影響を受けて先頭集団から一時離れてしまうが追いつき、残り150mでスプリントを爆発させた。来年はカテゴリーアップを考えるという。
市民レース50kmオーバー50
オーバー50は昨年2位の福島雄二(ベステックス)が優勝した。59歳の福島は昨年こそ2位だったが2014、2013と連覇を飾っている常勝選手。50代最後の年に優勝を飾り、来年は60歳でのチャレンジとなる。
市民レディースレース50km
市民レディースレース50kmと市民レース50kmアンダー29の2レースのフィニッシュがほぼ同時となり、ゴールスプリントが並行して行われる危険な一幕もあったが、落車には繋がらなかったのは幸いだった。
レディースを制したのはマルチアスリートとして知られる13歳の渡部春雅(GIANT Liv港北)。「意地でも勝ちたいと無我夢中で走ったが、優勝できて嬉しい」(渡部)。
市民レース50kmアンダー29
アンダー29は田崎竜成(エイル宮崎)が初出場での優勝を飾った。「挑戦のつもりで走ったが優勝できて嬉しい。練習を積んで来年はタイム短縮を狙いたい」(田崎)。
熱闘のレースシーンの数々はオートバイ随行撮影によるフォトギャラリーでお楽しみください。
市民レース各クラスのリザルト
市民レース140km
1位 中村駿佑(チームヤーボー) 4:01:41.370
2位 小村太朗(Virgin Active Swift Carbon) +1:41.172
3位 城所祐太(竹芝サイクルレーシング) +1:42.151
4位 安永亮(竹芝サイクルレーシング) +1:42.335
5位 永瀬勝彬(イナーメ・信濃山形) +1:42.390
6位 石村公仁彦(BIKE TOWN CYCLING) +1:43.288
市民レース100km アンダー39
1位 半澤雄高(Link TOHOKU) 2:53:34.145
2位 松島拓人(PROJECT-Y) +0:52.054
3位 秋田智和(VC Fukuoka) +1:38.676
4位 江田圭一郎 +1:49.086
5位 藤田涼平(男塾福山二輪倶楽部)+1:49.226
6位 高杉知彰(Project-Y/DESTRA/VERRAZANO Racing) +1:49.356
市民レース100km オーバー40
1位 塚本茂浩(parabola) 3:05:23.047
2位 柳橋孝志(Bermuda) +0:05.463
3位 木村寛(VC fukuoka)+0:05.525
4位 尾崎一平(バルバワークス) +0:05.662
5位 斉藤敦(TEAM GIRO) +0:05.998
6位 戸田慎吾(VIVACEかけがわ)+0:06.174
市民レディースレース50km
1位 渡部春雅(GIANT Liv港北) 1:23:43.649
2位 高嶺直美 +0:00.208
3位 伊藤優以 +0:00.361
4位 島橋由美子 +0:00.505
5位 儀間光希 +0:00.549
6位 雑賀敬子 +0:01.579
市民レース50km アンダー29
1位 田崎竜成(エイル宮崎) 1:13:43.482
2位 新城直明 +0:00.432
3位 田中宏樹 +0:00.520
4位 森田裕紀 +0:00.584
5位 銘苅公之介 +0:00.942
6位 四家弘貴 +0:00.990
市民レース50km サーティー
1位 西真也(BICI AMORE) 1:15:06.137
2位 高見澤篤史 +0:00.044
3位 宇野祐造 +0:00.238
4位 大橋寿安 +0:00.408
5位 花田俊太 +0:00.867
6位 上野拓也 +0:00.939
市民レース50km フォーティー
1位 白鳥興寛(ARCC) 1:15:39.499
2位 CHEN CHIH HAO 1:15:39.705
3位 谷口敦史 +0:00.234
4位 堀浩之 +0:00.345
5位 岡野哲也 +0:00.434
6位 井藤正人 +0:00.537
市民レース50km オーバー50
1位 福島雄二(ベステックス) 1:19:40.612
2位 久保紳一郎 +0:00.280
3位 坂本祥一 +0:00.322
4位 菊池仁志 +0:00.499
5位 内山尚之 +0:00.531
6位 寺崎嘉彦 +0:00.679
text&photo:Makoto.AYANO
photo:Hideaki.TAKAGI
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レース部門が開催される日曜の天候は昨年に続き快晴。降水確率0%の沖縄らしい亜熱帯の夏日となった。まだ薄暗い午前6時45分の男子チャンピオンレースの出走に続けて、日照時間に合わせて市民各クラスが名護市をスタートしていく。
今年はサイクリングの部を含めて過去最高の4,741人が、レース部門のみでは2,995人がエントリー。市民レースの人気が高まり続けるツール・ド・おきなわでは100kmと50kmクラスに年齢別クラスを用意し、進行にあわせて名護、国頭、奥の各ポイントからスタートしていく。各クラスをダイジェストレポートでお伝えする。
市民レース長距離3部門で逃げ切り優勝が決まる
この日の最高気温は27℃。昨年度の大会では29℃まで上がったため、リピーターの中には「昨年より走りやすかった」という声も聞かれたが、暑さに対応できず脱水症状に陥る選手も多かったようだ。風も無く条件が良かったためか、140・100km長距離系各クラスではいずれも逃げ切りが決まった。
市民140km
中村駿佑(チームヤーボー)が30kmの独走勝利
国頭村をスタートし、普久川ダムを2回登る市民140km。市民210kmと比べると前半の海岸線の平坦路が省略されるだけで、コース難度はほとんど変わらないと言っていい。黄色いゼッケンのレースは終始集団で進み、2度めの普久川ダムを越えて東海岸のアップダウンを経て残り70kmで2人が先行する。残り30kmでメイン集団を抜け出して2人を追ったのは中村駿佑(チームヤーボー) 。
前を行く2人に追いついた中村だが、2人の脚はすでに売り切れており、独走になった中村はそのままフィニッシュまで逃げ切った。
中村は「後半勝負と考えていたので、100kmを越えるまではタイミングを待った。途中何度も足が攣ったがあきらめなかった。昨年は同じクラスで28位だったので自分でも驚いている」と話す。
中村は宮崎大学の自転車部部員で今年の全日本ロードU23で38位になっているほかは今まで大きなリザルトは無かった。
1分41秒差の2位にはシクロワイアードにタイのステージレース「ツアー・オブ・フレンドシップ」参戦レポートを寄稿してくれた国際派ホビーレーサーの小村太朗(Virgin Active Swift Carbon)が入った。
市民レース100kmアンダー39
半澤雄高(Link TOHOKU)が30km逃げ切り勝利
市民100kmレースは人気が高いため、年齢で区分して2レースに分けて実施されている。コースは奥の集落からスタートし、普久川ダムを1回越える。東海岸のアップダウンと羽地ダムの登りなどは140、210kmクラスと同様だ。
グリーンのゼッケンが目印の100kmアンダー39レースは年齢的にも勢いのある激戦区。アップダウンで集団の人数を削りながら進むメイン集団は、前からドロップしてきた市民140kmの数人を飲み込みながら進む。
70km地点でアタックした半澤雄高(Link TOHOKU)がフィニッシュまで逃げ切り、勝利を飾った。
「人数を絞りたかったけれど終盤まで絞りきれず、このまま行くのは嫌だなぁ、と思って残り30kmから踏み始めたら独りになった。イチかバチかこのまま行ってやる、と頑張ったら運良く最後まで逃げ切れました」。
JBCFでは群馬CSCでのE1クラスタで優勝したことがある半澤。ジャパンカップのオープンレースを完走し、勢いに乗っていたという。「初おきなわで優勝できて上出来。家族も応援してくれたので力になりました。また来年も来たくなっちゃいますね(笑)」。
市民レース100km オーバー40
塚本茂浩(parabola) が30km逃げ切り勝利
市民レース100kmオーバー40の部。今回、2014・2015年にこのクラスで逃げ切って連覇した岩瀬一憲(しげるん)は出場せず、混戦が予想された。レースは残り30km地点で2人になったが、羽地ダムの登りで塚本茂浩(parabola)の独走となり、逃げ切り勝利を飾った。
塚本は言う。「最後まで追いつかれるかと必死だったが、なんとか最後までギリギリ逃げ切ることができました。おきなわは3回目で、210km、140kmに出てダメで、今回は100kmにした。完走するだけのレースよりずっと面白かった」。
スプリント勝負で競い合った市民レース50km各部門
アンダー29、サーティ、フォーティー、オーバー50、そしてレディースと、すべてが大集団ゴールスプリントの勝負に持ち込まれた。
市民レース50kmサーティ
サーティの部は西真也(BICI AMORE)が優勝。西は昨年0.07秒差という僅差の2位になっていたが、最後のレースと決めた今年、見事に優勝を果たした。
市民レース50kmフォーティー
フォーティーでは白鳥興寛(ARCC) が3連覇を達成。残り4kmで大きな落車があり、白鳥も影響を受けて先頭集団から一時離れてしまうが追いつき、残り150mでスプリントを爆発させた。来年はカテゴリーアップを考えるという。
市民レース50kmオーバー50
オーバー50は昨年2位の福島雄二(ベステックス)が優勝した。59歳の福島は昨年こそ2位だったが2014、2013と連覇を飾っている常勝選手。50代最後の年に優勝を飾り、来年は60歳でのチャレンジとなる。
市民レディースレース50km
市民レディースレース50kmと市民レース50kmアンダー29の2レースのフィニッシュがほぼ同時となり、ゴールスプリントが並行して行われる危険な一幕もあったが、落車には繋がらなかったのは幸いだった。
レディースを制したのはマルチアスリートとして知られる13歳の渡部春雅(GIANT Liv港北)。「意地でも勝ちたいと無我夢中で走ったが、優勝できて嬉しい」(渡部)。
市民レース50kmアンダー29
アンダー29は田崎竜成(エイル宮崎)が初出場での優勝を飾った。「挑戦のつもりで走ったが優勝できて嬉しい。練習を積んで来年はタイム短縮を狙いたい」(田崎)。
熱闘のレースシーンの数々はオートバイ随行撮影によるフォトギャラリーでお楽しみください。
市民レース各クラスのリザルト
市民レース140km
1位 中村駿佑(チームヤーボー) 4:01:41.370
2位 小村太朗(Virgin Active Swift Carbon) +1:41.172
3位 城所祐太(竹芝サイクルレーシング) +1:42.151
4位 安永亮(竹芝サイクルレーシング) +1:42.335
5位 永瀬勝彬(イナーメ・信濃山形) +1:42.390
6位 石村公仁彦(BIKE TOWN CYCLING) +1:43.288
市民レース100km アンダー39
1位 半澤雄高(Link TOHOKU) 2:53:34.145
2位 松島拓人(PROJECT-Y) +0:52.054
3位 秋田智和(VC Fukuoka) +1:38.676
4位 江田圭一郎 +1:49.086
5位 藤田涼平(男塾福山二輪倶楽部)+1:49.226
6位 高杉知彰(Project-Y/DESTRA/VERRAZANO Racing) +1:49.356
市民レース100km オーバー40
1位 塚本茂浩(parabola) 3:05:23.047
2位 柳橋孝志(Bermuda) +0:05.463
3位 木村寛(VC fukuoka)+0:05.525
4位 尾崎一平(バルバワークス) +0:05.662
5位 斉藤敦(TEAM GIRO) +0:05.998
6位 戸田慎吾(VIVACEかけがわ)+0:06.174
市民レディースレース50km
1位 渡部春雅(GIANT Liv港北) 1:23:43.649
2位 高嶺直美 +0:00.208
3位 伊藤優以 +0:00.361
4位 島橋由美子 +0:00.505
5位 儀間光希 +0:00.549
6位 雑賀敬子 +0:01.579
市民レース50km アンダー29
1位 田崎竜成(エイル宮崎) 1:13:43.482
2位 新城直明 +0:00.432
3位 田中宏樹 +0:00.520
4位 森田裕紀 +0:00.584
5位 銘苅公之介 +0:00.942
6位 四家弘貴 +0:00.990
市民レース50km サーティー
1位 西真也(BICI AMORE) 1:15:06.137
2位 高見澤篤史 +0:00.044
3位 宇野祐造 +0:00.238
4位 大橋寿安 +0:00.408
5位 花田俊太 +0:00.867
6位 上野拓也 +0:00.939
市民レース50km フォーティー
1位 白鳥興寛(ARCC) 1:15:39.499
2位 CHEN CHIH HAO 1:15:39.705
3位 谷口敦史 +0:00.234
4位 堀浩之 +0:00.345
5位 岡野哲也 +0:00.434
6位 井藤正人 +0:00.537
市民レース50km オーバー50
1位 福島雄二(ベステックス) 1:19:40.612
2位 久保紳一郎 +0:00.280
3位 坂本祥一 +0:00.322
4位 菊池仁志 +0:00.499
5位 内山尚之 +0:00.531
6位 寺崎嘉彦 +0:00.679
text&photo:Makoto.AYANO
photo:Hideaki.TAKAGI
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