2016/11/02(水) - 17:51
「強い自分がようやく帰ってきた」そう語る世界王者、ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)がコッペンベルグクロスで圧勝。竹之内悠(東洋フレーム)は同一周回の27位で完走している。
Bpost Bankトロフェーから名前を変え、2016-2017シーズンから「DVVフェルゼクリンゲン・トロフェー」として開催されている本シリーズ。初開催は1987-1988シーズンとUCIワールドカップよりも歴史は古く、スーパープレスティージュと合わせて三大シリーズの一角を成す重要なレースだ。
先週末のヨーロッパ選手権から中1日で開催されたDVV第2戦は、ロンド・ファン・フラーンデレンでお馴染み石畳の激坂、泥キャンバーダウンヒルを含む名物レース「コッペンベルグクロス」。常にアップダウンを繰り返す上、パヴェや凹凸のある草地か体力を搾り取る厳しいレイアウトが特徴だ。2日前にヨーロッパ王者に輝いたトーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)や、全日本王者の竹之内悠(東洋フレーム)もスタートラインに並んだ。
レースはローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス)と、真新しいチャンピオンジャージを着る好調アールツの先導によって幕開ける。2周目には世界王者ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)がペースを上げ、アールツとクラース・ファントルノート(ベルギー)らマーラックス・ネポレオンゲームス)が追従する形に。
しかしファンアールトが畳み掛けるように加速すると、最大のライバルであるマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)はリズムを崩して追いきれず、暫く追走した後に脱落。「彼の加速に付いていけなかった。今シーズン感じたことがないほどの不調。日曜日までに回復してほしい」と語るオランダ王者は最終的に3分51秒遅れの15位に沈んだ。
先頭をぐいぐいと牽き続けるファンアールトからは、次いでラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)とケヴィン・パウエルス(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス)が脱落。粘ったファントルノートとマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス)も遅れ、追従できたのはアールツただ一人だった。
世界王者とヨーロッパ王者のランデブー。しかし全9周回中の5周目、フィニッシュラインへと至るコッペンベルグの登りでファンアールトが加速するとアールツが千切れ、レース中盤にして世界王者の独走が幕開ける。
「アタックではなく自分のペースで登っていただけ」と振り返るファンアールトは他の追従を許さず、着々とリードを積み重ねていく。遅れたアールツは後続の集団に捉えらえ、最終的に4位に。序盤からマイペースで走っていたパウエルスが抜け出し、調子を戻しつつあるファンデルハールが追従したものの、圧倒的な強さを見せるファンアールトには届かない。最後はコッペンベルグの麓からガッツポーズを繰り返し、観客とハイタッチを交わした世界王者のガッツポーズが決まった。
「本当の自分が今シーズン初めて戻ってきた。自分が加速したい時に加速できる。今年はパヴェ区間が延長された分キツかったが、そのあとの舗装路で身体を休めることができた」と語るファンアールトは、コッペンベルグクロス3年連続制覇だ。
ファンアールトは来季、過去にロンド・ファン・フラーンデレンを制した元プロ選手のニック・ナイエンス(ベルギー)率いる新チーム「ヴェランダスウィレムス・クレラン」に合流することが決まっており、今まで以上にロードレースへと出場しつつ、シクロクロス部門のエースを担うことになる。
このチームはベルギー籍のコンチネンタルチームヴェランダス・ウィレムスにクレラン・ファストフートサービスの選手数名が合流する形となり、ナイエンスは過去に2度ロンドを制したベテラン、ステイン・デヴォルデル(ベルギー、現トレック・セガフレード)も獲得済み。UCIへの書類申請が間に合わなかったため先日発表されたプロコンチネンタルチーム暫定リストには表記されなかったものの、これら戦力補強でコンチネンタルチームからの昇格は現実のものとなりそうだ。
DVVフェルゼクリンゲン・トロフェー2016-2017第2戦結果
1位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス) 1h03’08”
2位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス) +29”
3位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン) +34”
4位 トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア) +46”
5位 クラース・ファントルノート(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス) +56”
6位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス)+1’04”
7位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) +1’14”
8位 イェンス・アダムス(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス) +1’18”
9位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス) +1’34”
10位 ミカエル・ボロス(チェコ、エラ・サーカス) +1’44”
27位 竹之内悠(日本、東洋フレーム) +7’09”
text:So.Isobe
Bpost Bankトロフェーから名前を変え、2016-2017シーズンから「DVVフェルゼクリンゲン・トロフェー」として開催されている本シリーズ。初開催は1987-1988シーズンとUCIワールドカップよりも歴史は古く、スーパープレスティージュと合わせて三大シリーズの一角を成す重要なレースだ。
先週末のヨーロッパ選手権から中1日で開催されたDVV第2戦は、ロンド・ファン・フラーンデレンでお馴染み石畳の激坂、泥キャンバーダウンヒルを含む名物レース「コッペンベルグクロス」。常にアップダウンを繰り返す上、パヴェや凹凸のある草地か体力を搾り取る厳しいレイアウトが特徴だ。2日前にヨーロッパ王者に輝いたトーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)や、全日本王者の竹之内悠(東洋フレーム)もスタートラインに並んだ。
レースはローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス)と、真新しいチャンピオンジャージを着る好調アールツの先導によって幕開ける。2周目には世界王者ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)がペースを上げ、アールツとクラース・ファントルノート(ベルギー)らマーラックス・ネポレオンゲームス)が追従する形に。
しかしファンアールトが畳み掛けるように加速すると、最大のライバルであるマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)はリズムを崩して追いきれず、暫く追走した後に脱落。「彼の加速に付いていけなかった。今シーズン感じたことがないほどの不調。日曜日までに回復してほしい」と語るオランダ王者は最終的に3分51秒遅れの15位に沈んだ。
先頭をぐいぐいと牽き続けるファンアールトからは、次いでラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)とケヴィン・パウエルス(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス)が脱落。粘ったファントルノートとマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス)も遅れ、追従できたのはアールツただ一人だった。
世界王者とヨーロッパ王者のランデブー。しかし全9周回中の5周目、フィニッシュラインへと至るコッペンベルグの登りでファンアールトが加速するとアールツが千切れ、レース中盤にして世界王者の独走が幕開ける。
「アタックではなく自分のペースで登っていただけ」と振り返るファンアールトは他の追従を許さず、着々とリードを積み重ねていく。遅れたアールツは後続の集団に捉えらえ、最終的に4位に。序盤からマイペースで走っていたパウエルスが抜け出し、調子を戻しつつあるファンデルハールが追従したものの、圧倒的な強さを見せるファンアールトには届かない。最後はコッペンベルグの麓からガッツポーズを繰り返し、観客とハイタッチを交わした世界王者のガッツポーズが決まった。
「本当の自分が今シーズン初めて戻ってきた。自分が加速したい時に加速できる。今年はパヴェ区間が延長された分キツかったが、そのあとの舗装路で身体を休めることができた」と語るファンアールトは、コッペンベルグクロス3年連続制覇だ。
ファンアールトは来季、過去にロンド・ファン・フラーンデレンを制した元プロ選手のニック・ナイエンス(ベルギー)率いる新チーム「ヴェランダスウィレムス・クレラン」に合流することが決まっており、今まで以上にロードレースへと出場しつつ、シクロクロス部門のエースを担うことになる。
このチームはベルギー籍のコンチネンタルチームヴェランダス・ウィレムスにクレラン・ファストフートサービスの選手数名が合流する形となり、ナイエンスは過去に2度ロンドを制したベテラン、ステイン・デヴォルデル(ベルギー、現トレック・セガフレード)も獲得済み。UCIへの書類申請が間に合わなかったため先日発表されたプロコンチネンタルチーム暫定リストには表記されなかったものの、これら戦力補強でコンチネンタルチームからの昇格は現実のものとなりそうだ。
DVVフェルゼクリンゲン・トロフェー2016-2017第2戦結果
1位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス) 1h03’08”
2位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス) +29”
3位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン) +34”
4位 トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア) +46”
5位 クラース・ファントルノート(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス) +56”
6位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス)+1’04”
7位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) +1’14”
8位 イェンス・アダムス(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス) +1’18”
9位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス) +1’34”
10位 ミカエル・ボロス(チェコ、エラ・サーカス) +1’44”
27位 竹之内悠(日本、東洋フレーム) +7’09”
text:So.Isobe
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