2016/10/26(水) - 14:39
2017年5月5日から28日まで24日間にわたって開催される第100回ジロ・デ・イタリアの全貌が明らかにされた。サルデーニャ島からシチリア島に渡り、そこからイタリア半島を北上する「100%イタリア」のコースレイアウトだ。
10月25日、イタリア・ミラノで第100回ジロ・デ・イタリアのコースプレゼンテーションが開催され、全21ステージの詳細が明らかにされた。事前の発表通り開幕地は地中海に浮かぶサルデーニャ島。初日からアップダウンのあるコースが設定されており、マリアローザ候補の間にタイム差がつくことも考えられる。
ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)の出身地であるサルデーニャ島で3ステージをこなした後、休息日を挟んでジロはヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)の出身地シチリア島に渡る。選手たちは空路で、チームスタッフや大会関係者、関係車両はフェリーでシチリア島のパレルモまで移動する。
50年前の1967年に初めて山頂フィニッシュが設定されたシチリア等のエトナ山で第4ステージは締めくくられる。レース中盤に標高1,524mのフェンミーナモルタを越え、標高1,892mのサピエンツァ避難所を目指す大会最初の本格山岳ステージの獲得標高差は3,500m、難易度は4つ星だ。
第100回大会に設定されたスプリンター向きの平坦ステージは6ステージ。シチリア島のメッシーナにフィニッシュする第5ステージや世界遺産アルベルベッロにフィニッシュする第7ステージはスプリンターのためにデザインされている。フィニッシュ前に短い登りが組み込まれた第6ステージと第8ステージはパンチャーたちの出番になるだろう。
エトナ山同様、第9ステージのブロックハウス山頂フィニッシュも初登場から50年目。標高1,675mの峠道は登坂距離7kmで、平均勾配が10%近い難易度だ。同じくイタリア半島の「背骨」であるアペニン山脈を走る第11ステージも前半戦の重要な山場になる。
休息日明けの第10ステージは全長39.2kmの個人タイムトライアル。それまでの総合タイム差がこの起伏に富んだコースでひっくり返ることになりそうだ。なお、ジロには1993年に個人タイムトライアルが初登場し、以降、162ステージ争われてきた。これまでの最長個人TTは1951年の81kmで、当時ファウスト・コッピがステージ優勝している。
比較的平坦な2ステージを挟んでいよいよジロは北イタリアに足を踏み入れる。なお、最終週は厳しい山岳ステージが連続するため、第13ステージがスプリンターにとってのラストチャンスになる。
登坂距離11.8km/平均勾配7.3%の聖地オローパの山頂フィニッシュが第14ステージに登場。オローパはこれまでジロに5回登場(1963年、1993年、1999年、2007年、2014年)しており、すべてイタリア人選手がステージ優勝を飾っている。
ベルガモの旧市街を駆け上がるイル・ロンバルディアと同じフィニッシュレイアウトが設定された第15ステージを経て、第16ステージは今大会のクイーンステージ。モルティローロ峠に始まり、チーマコッピ(大会最高地点)の標高2,758mステルヴィオ峠を越える。さらに一旦スイスに入国後、ステルヴィオ峠を北側から登り返してウンブライルパスをクリアし、下り返してボルミオにフィニッシュする。実質的にステルヴィオ峠を2回登る難コースの獲得標高差は5,400m。気象条件によっては数字以上に過酷なステージになり得る。
ドロミテの名峠をつないだ第18ステージも獲得標高差が4,000mを超える難コース。距離は137kmと短いが、ポルドイ峠、ヴァルパローラ峠、ガルデーナ峠、ピネイ峠を慌ただしく越え、最後はオルティセイの山頂フィニッシュだ。そして、勾配のある登坂距離14kmのピアンカヴァッロにフィニッシュする第19ステージと、中盤に全長24kmのモンテグラッパを越える第20ステージで最後の山岳バトルが繰り広げられる。
最終日はF1グランプリが開催されるモンツァのアウトドローモを1周し、ミラノ中心地を目指す28kmの個人タイムトライアル。イタリア全土を駆け抜けてきたジロがドゥオーモ広場でフィナーレを迎える。
「単なるスペクタクルなスポーツではなく、イタリアという国の伝統や『Made in Italy』の重要性に国際的なスポットライトを当てるための文化的なイベント(プレスリリースより)」を目指す第100回大会。大会スローガンは「Amore Infinito(アモーレ・インフィニート:終わりのない愛)」だ。
ジロ・デ・イタリア2017ステージリスト
5月5日(金)第1ステージ アルゲーロ〜オルビア 203km ★★
5月6日(土)第2ステージ オルビア〜トルトリ 208km ★★
5月7日(日)第3ステージ トルトリ〜カリアーリ 148km ★
5月8日(月)休息日
5月9日(火)第4ステージ チェファル〜エトナ 180km ★★★★
5月10日(水)第5ステージ ペダーラ〜メッシーナ 157km ★
5月11日(木)第6ステージ レッジョカラブリア〜テルメルイジャーネ 207km ★★
5月12日(金)第7ステージ カストロヴィラーリ〜アルベルベッロ 220km ★
5月13日(土)第8ステージ モルフェッタ〜ペスキチ 189km ★★★
5月14日(日)第9ステージ モンテネーロ・ディ・ビサッチャ〜ブロックハウス 139km ★★★★
5月15日(月)休息日
5月16日(火)第10ステージ フォリーニョ〜モンテファルコ 39.2km(個人TT) ★★★★
5月17日(水)第11ステージ フィレンツェ〜バーニョ・ディ・ロマーニャ 161km ★★★★
5月18日(木)第12ステージ フォルリ〜レッジョエミリア 237km ★
5月19日(金)第13ステージ レッジョエミリア〜トルトナ 162km ★
5月20日(土)第14ステージ カステッラーニア〜オローパ 131km ★★★
5月21日(日)第15ステージ ヴァルデンゴ〜ベルガモ 199km ★★★★
5月22日(月)休息日
5月23日(火)第16ステージ ロヴェッタ〜ボルミオ 227km ★★★★★
5月24日(水)第17ステージ ティラーノ〜カナツェイ 219km ★★★
5月25日(木)第18ステージ モエーナ〜オルティセイ 137km ★★★★★
5月26日(金)第19ステージ サンカンディド〜ピアンカヴァッロ 191km ★★★★
5月27日(土)第20ステージ ポルデノーネ〜アシアーゴ 190km ★★★★
5月28日(日)第21ステージ モンツァ〜ミラノ 28km(個人TT) ★★
text:Kei Tsuji
10月25日、イタリア・ミラノで第100回ジロ・デ・イタリアのコースプレゼンテーションが開催され、全21ステージの詳細が明らかにされた。事前の発表通り開幕地は地中海に浮かぶサルデーニャ島。初日からアップダウンのあるコースが設定されており、マリアローザ候補の間にタイム差がつくことも考えられる。
ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)の出身地であるサルデーニャ島で3ステージをこなした後、休息日を挟んでジロはヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)の出身地シチリア島に渡る。選手たちは空路で、チームスタッフや大会関係者、関係車両はフェリーでシチリア島のパレルモまで移動する。
50年前の1967年に初めて山頂フィニッシュが設定されたシチリア等のエトナ山で第4ステージは締めくくられる。レース中盤に標高1,524mのフェンミーナモルタを越え、標高1,892mのサピエンツァ避難所を目指す大会最初の本格山岳ステージの獲得標高差は3,500m、難易度は4つ星だ。
第100回大会に設定されたスプリンター向きの平坦ステージは6ステージ。シチリア島のメッシーナにフィニッシュする第5ステージや世界遺産アルベルベッロにフィニッシュする第7ステージはスプリンターのためにデザインされている。フィニッシュ前に短い登りが組み込まれた第6ステージと第8ステージはパンチャーたちの出番になるだろう。
エトナ山同様、第9ステージのブロックハウス山頂フィニッシュも初登場から50年目。標高1,675mの峠道は登坂距離7kmで、平均勾配が10%近い難易度だ。同じくイタリア半島の「背骨」であるアペニン山脈を走る第11ステージも前半戦の重要な山場になる。
休息日明けの第10ステージは全長39.2kmの個人タイムトライアル。それまでの総合タイム差がこの起伏に富んだコースでひっくり返ることになりそうだ。なお、ジロには1993年に個人タイムトライアルが初登場し、以降、162ステージ争われてきた。これまでの最長個人TTは1951年の81kmで、当時ファウスト・コッピがステージ優勝している。
比較的平坦な2ステージを挟んでいよいよジロは北イタリアに足を踏み入れる。なお、最終週は厳しい山岳ステージが連続するため、第13ステージがスプリンターにとってのラストチャンスになる。
登坂距離11.8km/平均勾配7.3%の聖地オローパの山頂フィニッシュが第14ステージに登場。オローパはこれまでジロに5回登場(1963年、1993年、1999年、2007年、2014年)しており、すべてイタリア人選手がステージ優勝を飾っている。
ベルガモの旧市街を駆け上がるイル・ロンバルディアと同じフィニッシュレイアウトが設定された第15ステージを経て、第16ステージは今大会のクイーンステージ。モルティローロ峠に始まり、チーマコッピ(大会最高地点)の標高2,758mステルヴィオ峠を越える。さらに一旦スイスに入国後、ステルヴィオ峠を北側から登り返してウンブライルパスをクリアし、下り返してボルミオにフィニッシュする。実質的にステルヴィオ峠を2回登る難コースの獲得標高差は5,400m。気象条件によっては数字以上に過酷なステージになり得る。
ドロミテの名峠をつないだ第18ステージも獲得標高差が4,000mを超える難コース。距離は137kmと短いが、ポルドイ峠、ヴァルパローラ峠、ガルデーナ峠、ピネイ峠を慌ただしく越え、最後はオルティセイの山頂フィニッシュだ。そして、勾配のある登坂距離14kmのピアンカヴァッロにフィニッシュする第19ステージと、中盤に全長24kmのモンテグラッパを越える第20ステージで最後の山岳バトルが繰り広げられる。
最終日はF1グランプリが開催されるモンツァのアウトドローモを1周し、ミラノ中心地を目指す28kmの個人タイムトライアル。イタリア全土を駆け抜けてきたジロがドゥオーモ広場でフィナーレを迎える。
「単なるスペクタクルなスポーツではなく、イタリアという国の伝統や『Made in Italy』の重要性に国際的なスポットライトを当てるための文化的なイベント(プレスリリースより)」を目指す第100回大会。大会スローガンは「Amore Infinito(アモーレ・インフィニート:終わりのない愛)」だ。
ジロ・デ・イタリア2017ステージリスト
5月5日(金)第1ステージ アルゲーロ〜オルビア 203km ★★
5月6日(土)第2ステージ オルビア〜トルトリ 208km ★★
5月7日(日)第3ステージ トルトリ〜カリアーリ 148km ★
5月8日(月)休息日
5月9日(火)第4ステージ チェファル〜エトナ 180km ★★★★
5月10日(水)第5ステージ ペダーラ〜メッシーナ 157km ★
5月11日(木)第6ステージ レッジョカラブリア〜テルメルイジャーネ 207km ★★
5月12日(金)第7ステージ カストロヴィラーリ〜アルベルベッロ 220km ★
5月13日(土)第8ステージ モルフェッタ〜ペスキチ 189km ★★★
5月14日(日)第9ステージ モンテネーロ・ディ・ビサッチャ〜ブロックハウス 139km ★★★★
5月15日(月)休息日
5月16日(火)第10ステージ フォリーニョ〜モンテファルコ 39.2km(個人TT) ★★★★
5月17日(水)第11ステージ フィレンツェ〜バーニョ・ディ・ロマーニャ 161km ★★★★
5月18日(木)第12ステージ フォルリ〜レッジョエミリア 237km ★
5月19日(金)第13ステージ レッジョエミリア〜トルトナ 162km ★
5月20日(土)第14ステージ カステッラーニア〜オローパ 131km ★★★
5月21日(日)第15ステージ ヴァルデンゴ〜ベルガモ 199km ★★★★
5月22日(月)休息日
5月23日(火)第16ステージ ロヴェッタ〜ボルミオ 227km ★★★★★
5月24日(水)第17ステージ ティラーノ〜カナツェイ 219km ★★★
5月25日(木)第18ステージ モエーナ〜オルティセイ 137km ★★★★★
5月26日(金)第19ステージ サンカンディド〜ピアンカヴァッロ 191km ★★★★
5月27日(土)第20ステージ ポルデノーネ〜アシアーゴ 190km ★★★★
5月28日(日)第21ステージ モンツァ〜ミラノ 28km(個人TT) ★★
text:Kei Tsuji
Amazon.co.jp