ドイツ勢がU23男子TTでワンツー勝利　マティスが世界王者に輝く

2016/10/11(火) - 01:32

第2走者のマルコ・マティス（ドイツ）がマークしたトップタイムを塗り替える選手は最後まで現れなかった。約4時間ホットシートで待ち続けたマティスがU23タイムトライアルのアルカンシェルを獲得。ドイツがワンツー勝利を飾った。

2番手に出走したマルコ・マティス（ドイツ）が先頭を走る photo:Kei Tsuji

34分08秒のトップタイムをマークしたマルコ・マティス（ドイツ） photo:Kei Tsuji1994〜1997年生まれの選手が対象のU23男子タイムトライアルは「ザ・パール」の周回コースを使用した28.9km。周回コースを2周するため、74名の選手たちが約15名ずつ5グループに分かれてスタートを切った。

2位：18秒差　マキシミリアン・シャフマン（ドイツ） photo:Kei Tsuji気温は午前中のジュニア女子よりもさらに上昇。公式発表によるとこの日の最高気温は37度。

3位：37秒差　マイルス・スコットソン（オーストラリア） photo:Kei Tsuji74名のうち2番目にスタート台を駆け下りたマティスは、1周目前半の時点で1分前にスタートした第1走者のモンゴルの選手をパス。途中、先導するパトカーと救急車に進路を塞がれたがかろうじて接触を回避するシーンも。平均スピード50.799km/hで28.9kmコースを駆け抜けたマティスが1番手でフィニッシュし、34分08秒の好タイムでホットシート（暫定トップシート）に座る。

2位：18秒差　マキシミリアン・シャフマン（ドイツ） photo:Kei Tsujiその後、マティスは約4時間にわたって後続の選手たちのフィニッシュを待ち続けた。すべての中間計測ポイントでマティスのタイムがトップを維持し続け、2周目に大きく挽回したマキシミリアン・シャフマン（ドイツ）やマイルス・スコットソン（オーストラリア）も届かない。

後半スタートの選手は前半と比べて気温が2〜3度低い中を走ったが、トップ10の選手のうち6名が前半スタートの選手という結果に。最終走者でディフェンディングチャンピオンのマッズビュルツ・シュミット（デンマーク）が21位のタイムでフィニッシュしたところで、マティスの優勝が決まった。

「完全にフラットでテクニカルなコースは完璧に自分向きだった。長時間ホットシートに座り続けた甲斐があったよ」と、勝利したマティスは語る。シャフマンが18秒差の2位、そして昨年3位のレナールド・カムナ（ドイツ）が42秒差の4位に。3位に入ったスコットソンがドイツの表彰台独占を阻止した。

2年連続で2位に入ったシャフマンがエティックス・クイックステップへ、4位のカムナがサンウェブ・ジャイアントへの移籍を決めている一方で、現在UCIコンチネンタルチームで走る優勝者マティスは2017年の所属チームが未定。マティスは「まだ来シーズンのチームは決まっていないけど、夢であるUCIワールドツアーチーム入りに向けてこれから交渉していく」とコメントしている。

第2走者のマルコ・マティス（ドイツ）が先頭でフィニッシュラインを切る photo:Kei Tsuji

5位：50秒差　カスパー・アスグリーン（デンマーク） photo:Kei Tsuji

2位マキシミリアン・シャフマン（ドイツ）、1位マルコ・マティス（ドイツ）、3位マイルス・スコットソン（オーストラリア） photo:Kei Tsuji

ロード世界選手権2016U23男子個人タイムトライアル結果
1位　マルコ・マティス（ドイツ）　　　　　　　　　　　34’08”（Ave 50.799km/h）
2位　マキシミリアン・シャフマン（ドイツ）　　　　　　　+18”
3位　マイルス・スコットソン（オーストラリア）　　　　　+37”
4位　レナールド・カムナ（ドイツ）　　　　　　　　　　　+42”
5位　カスパー・アスグリーン（デンマーク）　　　　　　　+50”
6位　ニールソン・パウレス（アメリカ）　　　　　　　　　+54”
7位　ジェフリー・クラン（アメリカ）　　　　　　　　　+1’05”
8位　トム・ボーリ（スイス）　　　　　　　　　　　　　+1’16”
9位　エディ・ダンバー（アイルランド）　　　　　　　　+1’21”
10位　カルム・スコットソン（オーストラリア）　　　　+1’22”

text&photo:Kei Tsuji in Doha, Qatar