2016/10/07(金) - 16:16
数々のビッグレースで勝利に貢献してきたBMCのTT/トライアスロンバイク「Timemachine 01」がフルモデルチェンジを果たした。先代の特徴であった優れた空力性能とフィッティング性を更に強化しつつ、細部をブラッシュアップし、より扱いやすい1台へと進化を遂げている。
BMCのTT/トライアスロンバイク「Timemachine 01(タイムマシン)」がフルモデルチェンジを果たした。まずは先代について振り返っておきたい。デビューレースとなった2011年のツール・ド・フランスで、カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)の個人総合優勝に大きく貢献。そして、2014年と2015年には、BMCレーシングともに世界選手権エリート男子チームTTを2連覇。トライアスロン界でも好リザルトを残し、最速の名を欲しいままにしてきた。
トライアスロン選手のニーズの研究に4年、エアロ性能改善のためにフォーミュラワンの老舗コンストラクターであるザウバー社とパートナーシップを締結して3年、そして最終製品に向けてのブラッシュアップに2年。奇しくも、ロード世界選手権の男子チームTTと、トライアスロン界の一大イベントであるコナのアイアンマン世界選手権の開催が重なる10月9日(日)を前に新型「Timemachine 01」はベールを脱いだ。
その開発コンセプトは「Form・Function・Fit」。先代の流れを汲み、UCIレギュレーションに則りながら「地球上で最速のバイク」を目指し空力設計をブラッシュアップ。同時にライダーが最大限のパフォーマンスを発揮できるポジションを実現するための「フィッティング性」や、ライディングポジションやメカニック技量を問わない「扱いやすさ」を向上させた。また、1台でロードTTにも、トライアスロンにも対応する高い汎用性を持つ。
空力の改善にあたってBMCとザウバー社がまず行ったのが、CFD(数値流体力学)による徹底したシミュレーションで、より緻密な計算を行うことのできる独自開発のソフトウェアを用意した。これを用いて、チューブ形状やライディングポジション、ペダリング動作、風向き、ボトルの位置、各パーツといった要素のそれぞれがエアロダイナミクスに及ぼす影響や、要素間の相互関係をくまなく検証。加えて、実世界に近い状態で実験を行うことのできるザウバー社の風洞施設「Medusa Arm」により、新型「Timemachine 01」の空力性能は煮詰められていった。
その結果として誕生した新設計の中で、特徴的なものの1つが「V-Cockpit」。これは、180kmもの長距離をDHポジションで走り抜けなくてはならないロングディスタンスのトライアスリートに向けて開発されたものである。最新鋭のCFD解析によると、長距離対策にハンドル位置を高くした場合、前方投影面積に加えて背圧が増加し、さらには先代モデルではステム及びハンドルバーの後方で渦巻きの様な気流が発生することが明らかとなった。
そこで、新型ではハンドル周りの設計を一新し、ベースバー~DHバーのスペーサーとステムを、V字状に配置された2本のスティックに一体化。バイクへと向かって来る風をよりスムーズに後方に受け流し、ヘッド周りの圧力差を軽減すると同時に、足に当たる風を整えることで、空気抵抗を抑えることに成功した。また、ハンドル全体を前方へとオフセットさせることで、腕や上半身へと伝わる衝撃を軽減した。(なお、セッティングによってはUCI規則にて適合しない可能性もある)
もちろん、ロードのTTスペシャリストなど、アグレッシブなライディングポジションを好むライダーに向けて、スタンダードな仕様のハンドルセッティング「Flat-Cockpit」にも対応。「Flat-Cockpit」の場合にはベースバーの天地を入れ替えることで、グリップ部の高さを80mm上下させることができる。なお、「V-Cockpit」も「Flat-Cockpit」も、DHバーの突き出しや幅、パッドの上下位置が調整可能だ。
その他、ヘッドチューブの前方を覆う「ヒンジフロントフォーク」を搭載し、エアロ性能を追求。チューブの断面形状は、前方からの風に吹かれても、横風にも吹かれても抵抗が発生しにくい形状に。トライアスロン使用時には、シートチューブの後方にストレージボックスを取り付けることで、空気抵抗をさらに抑えることができる。リアエンドは、タイヤのサイズに関わらずシートチューブとのクリアランスを最小限とし、気流の乱れを抑えるために、アジャスタブル仕様とした。
フィッティング面でのトピックは、シートポストにある。マウント位置とヤグラ位置を、前後それぞれ2つずつ用意することで、124mmというワイドな前後可動幅を実現。トライアスロンの前乗りポジションから、UCIレギュレーションに準拠したTT仕様まで、幅広いにセッティングに対応する。
ブレーキは基本仕様は先代を踏襲しており、空気抵抗を抑えるべく、フロントはフォーク内に内蔵され、リアはチェーンステー下側に配置されている。一方で、Vブレーキタイプのブレーキ本体はレバーの引き代に対してキャリパーのストロークを小さくすることで、リムとパッドのクリアランスを大きくし、高出力で踏み込んだ際に、リムとパッドが擦れるのを防止した。
また、練習とレースで異なるホイールを使用するライダーに向けて、パッドを簡単に交換できる新システム「クイックパッドカートリッジ」を開発。セッティングをずらすことなくシューホルダーを外すことができるため、パッドの交換に要する時間が大幅に短縮されている。
新型「Timemachine 01」には、シマノDURA-ACE Di2+ジップ404/808NSW仕様、スラムRed eTap+ジップ404/808Firecrest仕様、シマノULTEGRA Di2+マヴィックCXR Elite Clincher仕様、フレームセットと言う4種類の販売パッケージが用意される。ハンドル周りはいずれの販売パッケージも「V-Cockpit」が標準となっており、「Flat-Cockpit」はオプション対応となる。
また、Timemachineシリーズには、弟分の「Timemachine 02」もラインアップされる。上位グレードと比べると空力性能では劣るものの、アヘッドステム対応のスタンダードなフォークや、シマノ製ダイレクトマウントブレーキを標準仕様とすることで、扱いやすさを向上させた。シマノULTEGRA Di2+マヴィックCXR Elite Clincher仕様、シマノULTEGRA+シマノWH-RS330仕様、シマノ105+シマノWH-RS10仕様、フレームセットという4種類のパッケージが用意される。取り扱いはフタバ商店。
BMC Timemachine01
フレーム:エアロ01プレミアムフルカーボン、BB86
フォーク:エアロプレミアムフルカーボン、ヒンジデザイン、インテグレーテッドブレーキ、上下1 1/8”
シートポスト:BMC エアロポスト、フルカーボン
サイズ:S、M-S、M-L 、L(フレームセットのみLまで)
付属品:トップチューブ+シートチューブ収納ボックス、予備ブレークカートリッジ(船)セット、デカルセット(DA、Ultegra使用のみ)
タイヤクリアランス:27mm(実測)
リムクリアランス:28mm(実測)
UCI公認(V-コックピットの場合、設定によってUCI基準を超える可能性があります)
BMC Timemachine01 Dura Ace Di2(完成車/フレームセット)
カラー:レッド
ホイール:ジップ 404 / 808 NSW Carbon Clincher
税別価格:完成車 1,490,000円、フレームセット 790,000円
BMC Timemachine01 SRAM Red eTap(完成車)
カラー:イエロー
ホイール:ジップ 404 / 808 Firecrest Carbon Clincher
価 格:1,260,000円(税別)
BMC Timemachine01 Ultegra Di2(完成車)
カラー:ブラック
ホイール:マヴィック CXR Elite Exalith Clincher
価 格:980,000円(税別)
BMC Timemachine02
フレーム:エアロ02プレミアムフルカーボン、BB86
フォーク:エアロプレミアムフルカーボン、上下1 1/8”
シートポスト:BMC エアロポスト、フルカーボン
サイズ:S、M-S、M-L、L(フレームセットのみLまで)
付属品:シートチューブ収納ボックス
タイヤクリアランス:27mm(実測)
リムクリアランス:28mm(実測)
UCI公認
BMC Timemachine02 Ultegra Di2 (完成車)
カラー:オレンジ
ホイール:マヴィック CXR Elite Exalith Clincher
価 格:700,000円(税別)
BMC Timemachine02 Ultegra(完成車/フレームセット)
カラー:ホワイト
ホイール:シマノ WH-RS330
税別価格:完成車 430,000円、フレームセット 300,000円
BMC Timemachine02 105 (完成車)
カラー:グレー
ホイール:シマノ WH-RS010
価 格:340,000円(税別)
BMCのTT/トライアスロンバイク「Timemachine 01(タイムマシン)」がフルモデルチェンジを果たした。まずは先代について振り返っておきたい。デビューレースとなった2011年のツール・ド・フランスで、カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)の個人総合優勝に大きく貢献。そして、2014年と2015年には、BMCレーシングともに世界選手権エリート男子チームTTを2連覇。トライアスロン界でも好リザルトを残し、最速の名を欲しいままにしてきた。
トライアスロン選手のニーズの研究に4年、エアロ性能改善のためにフォーミュラワンの老舗コンストラクターであるザウバー社とパートナーシップを締結して3年、そして最終製品に向けてのブラッシュアップに2年。奇しくも、ロード世界選手権の男子チームTTと、トライアスロン界の一大イベントであるコナのアイアンマン世界選手権の開催が重なる10月9日(日)を前に新型「Timemachine 01」はベールを脱いだ。
その開発コンセプトは「Form・Function・Fit」。先代の流れを汲み、UCIレギュレーションに則りながら「地球上で最速のバイク」を目指し空力設計をブラッシュアップ。同時にライダーが最大限のパフォーマンスを発揮できるポジションを実現するための「フィッティング性」や、ライディングポジションやメカニック技量を問わない「扱いやすさ」を向上させた。また、1台でロードTTにも、トライアスロンにも対応する高い汎用性を持つ。
空力の改善にあたってBMCとザウバー社がまず行ったのが、CFD(数値流体力学)による徹底したシミュレーションで、より緻密な計算を行うことのできる独自開発のソフトウェアを用意した。これを用いて、チューブ形状やライディングポジション、ペダリング動作、風向き、ボトルの位置、各パーツといった要素のそれぞれがエアロダイナミクスに及ぼす影響や、要素間の相互関係をくまなく検証。加えて、実世界に近い状態で実験を行うことのできるザウバー社の風洞施設「Medusa Arm」により、新型「Timemachine 01」の空力性能は煮詰められていった。
その結果として誕生した新設計の中で、特徴的なものの1つが「V-Cockpit」。これは、180kmもの長距離をDHポジションで走り抜けなくてはならないロングディスタンスのトライアスリートに向けて開発されたものである。最新鋭のCFD解析によると、長距離対策にハンドル位置を高くした場合、前方投影面積に加えて背圧が増加し、さらには先代モデルではステム及びハンドルバーの後方で渦巻きの様な気流が発生することが明らかとなった。
そこで、新型ではハンドル周りの設計を一新し、ベースバー~DHバーのスペーサーとステムを、V字状に配置された2本のスティックに一体化。バイクへと向かって来る風をよりスムーズに後方に受け流し、ヘッド周りの圧力差を軽減すると同時に、足に当たる風を整えることで、空気抵抗を抑えることに成功した。また、ハンドル全体を前方へとオフセットさせることで、腕や上半身へと伝わる衝撃を軽減した。(なお、セッティングによってはUCI規則にて適合しない可能性もある)
もちろん、ロードのTTスペシャリストなど、アグレッシブなライディングポジションを好むライダーに向けて、スタンダードな仕様のハンドルセッティング「Flat-Cockpit」にも対応。「Flat-Cockpit」の場合にはベースバーの天地を入れ替えることで、グリップ部の高さを80mm上下させることができる。なお、「V-Cockpit」も「Flat-Cockpit」も、DHバーの突き出しや幅、パッドの上下位置が調整可能だ。
その他、ヘッドチューブの前方を覆う「ヒンジフロントフォーク」を搭載し、エアロ性能を追求。チューブの断面形状は、前方からの風に吹かれても、横風にも吹かれても抵抗が発生しにくい形状に。トライアスロン使用時には、シートチューブの後方にストレージボックスを取り付けることで、空気抵抗をさらに抑えることができる。リアエンドは、タイヤのサイズに関わらずシートチューブとのクリアランスを最小限とし、気流の乱れを抑えるために、アジャスタブル仕様とした。
フィッティング面でのトピックは、シートポストにある。マウント位置とヤグラ位置を、前後それぞれ2つずつ用意することで、124mmというワイドな前後可動幅を実現。トライアスロンの前乗りポジションから、UCIレギュレーションに準拠したTT仕様まで、幅広いにセッティングに対応する。
ブレーキは基本仕様は先代を踏襲しており、空気抵抗を抑えるべく、フロントはフォーク内に内蔵され、リアはチェーンステー下側に配置されている。一方で、Vブレーキタイプのブレーキ本体はレバーの引き代に対してキャリパーのストロークを小さくすることで、リムとパッドのクリアランスを大きくし、高出力で踏み込んだ際に、リムとパッドが擦れるのを防止した。
また、練習とレースで異なるホイールを使用するライダーに向けて、パッドを簡単に交換できる新システム「クイックパッドカートリッジ」を開発。セッティングをずらすことなくシューホルダーを外すことができるため、パッドの交換に要する時間が大幅に短縮されている。
新型「Timemachine 01」には、シマノDURA-ACE Di2+ジップ404/808NSW仕様、スラムRed eTap+ジップ404/808Firecrest仕様、シマノULTEGRA Di2+マヴィックCXR Elite Clincher仕様、フレームセットと言う4種類の販売パッケージが用意される。ハンドル周りはいずれの販売パッケージも「V-Cockpit」が標準となっており、「Flat-Cockpit」はオプション対応となる。
また、Timemachineシリーズには、弟分の「Timemachine 02」もラインアップされる。上位グレードと比べると空力性能では劣るものの、アヘッドステム対応のスタンダードなフォークや、シマノ製ダイレクトマウントブレーキを標準仕様とすることで、扱いやすさを向上させた。シマノULTEGRA Di2+マヴィックCXR Elite Clincher仕様、シマノULTEGRA+シマノWH-RS330仕様、シマノ105+シマノWH-RS10仕様、フレームセットという4種類のパッケージが用意される。取り扱いはフタバ商店。
BMC Timemachine01
フレーム:エアロ01プレミアムフルカーボン、BB86
フォーク:エアロプレミアムフルカーボン、ヒンジデザイン、インテグレーテッドブレーキ、上下1 1/8”
シートポスト:BMC エアロポスト、フルカーボン
サイズ:S、M-S、M-L 、L(フレームセットのみLまで)
付属品:トップチューブ+シートチューブ収納ボックス、予備ブレークカートリッジ(船)セット、デカルセット(DA、Ultegra使用のみ)
タイヤクリアランス:27mm(実測)
リムクリアランス:28mm(実測)
UCI公認(V-コックピットの場合、設定によってUCI基準を超える可能性があります)
BMC Timemachine01 Dura Ace Di2(完成車/フレームセット)
カラー:レッド
ホイール:ジップ 404 / 808 NSW Carbon Clincher
税別価格:完成車 1,490,000円、フレームセット 790,000円
BMC Timemachine01 SRAM Red eTap(完成車)
カラー:イエロー
ホイール:ジップ 404 / 808 Firecrest Carbon Clincher
価 格:1,260,000円(税別)
BMC Timemachine01 Ultegra Di2(完成車)
カラー:ブラック
ホイール:マヴィック CXR Elite Exalith Clincher
価 格:980,000円(税別)
BMC Timemachine02
フレーム:エアロ02プレミアムフルカーボン、BB86
フォーク:エアロプレミアムフルカーボン、上下1 1/8”
シートポスト:BMC エアロポスト、フルカーボン
サイズ:S、M-S、M-L、L(フレームセットのみLまで)
付属品:シートチューブ収納ボックス
タイヤクリアランス:27mm(実測)
リムクリアランス:28mm(実測)
UCI公認
BMC Timemachine02 Ultegra Di2 (完成車)
カラー:オレンジ
ホイール:マヴィック CXR Elite Exalith Clincher
価 格:700,000円(税別)
BMC Timemachine02 Ultegra(完成車/フレームセット)
カラー:ホワイト
ホイール:シマノ WH-RS330
税別価格:完成車 430,000円、フレームセット 300,000円
BMC Timemachine02 105 (完成車)
カラー:グレー
ホイール:シマノ WH-RS010
価 格:340,000円(税別)
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