2016/09/24(土) - 09:26
エネコ・ツアー第5ステージのチームタイムトライアルで、過去2年間チームTT世界チャンピオンに輝いているBMCレーシングがそのスピードを披露。ステージ優勝を飾るとともにローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)が総合首位に返り咲いた。
オランダ南部のシッタルトヘレーンで行われたチームタイムトライアル。途中ドイツにも入国するほぼ平坦な20.9kmのコースを、BMCレーシングは平均スピード54.1km/hで駆け抜けた。
トム・ボーネン(ベルギー)のリタイアにより1名少ない状態で挑んだエティックス・クイックステップも好走したが6秒及ばず。過去2年間ロード世界選手権チームTTで優勝しているBMCレーシングが23分11秒のトップタイムで優勝した。
「今日はメンバー8名で揃ってフィニッシュした。チームTTにおける世界ナンバーワンチームであることを見せつけることができたと思う。今日はステージ優勝に固執していたというよりは、サガンのいるティンコフから如何に多くのタイムを奪うかに徹していた。チームTTのパフォーマンスとしてはまだまだ改善点があると思う。でもメンバー全員が苦しみながら仕事をやり遂げた」と、チームリーダーのデニスはコメントする。
リーダージャージを着るペーター・サガン(スロバキア)擁するティンコフが34秒遅れのステージ8位に沈んだため、デニスが総合首位の座に返り咲いた。
2ステージを残してデニスとサガンの総合タイム差は27秒。デニスは「(ティンコフから)20秒のリードを奪えれば上出来だと思っていたけど、実際には34秒差がつき、27秒の総合リードを得た。まだ総合争いが決まったわけじゃないけど、有利にレースを展開できることは間違いない。ベルギーやオランダでのレース経験が乏しいので、経験豊かなグレッグ・ファンアフェルマートやマヌエル・クインツィアート、ダニエル・オスらの力を借りて走りたい。メンバー4名(デニス、フィニー、クインツィアート、ファンアフェルマート)が総合トップ10につけているので切るべきカードが沢山ある。仮に自分が総合リードを手放しても、チームとして総合優勝できればそれで良い」とコメントしている。
首位を明け渡したサガンは「チームTTを終えてデニスから27秒遅れの総合4位。でも残りの2ステージでボーナスタイムを稼ぐことができればまだチャンスがある。もちろん厳しい戦いになると思うけど、とにかく土曜日と日曜日はスマートに走るよ」と総合逆転を狙う構え。翌日の第6ステージは「アムステルゴールドレース」を思わせるアップダウンコース、そして最終日の第7ステージはミュール・ファン・ヘラールツベルヘンやボスベルグなど激坂を17ヶ所クリアする「ロンド・ファン・フラーンデレン」さながらのコース。つまりサガン向きのステージが残されている。
ステージ2位に入るとともに総合3位に浮上したトニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)は「自分史上最高のチームTTだった。景色は美しく、チームの走りも素晴らしかった。メンバー全員がモチベーション高く全開で踏んでいた。スーパーストロングなトム・ボーネンがリタイアしていなければもっとタイムを稼げたと思う。でもチームの走りとしてはとても満足している」と語る。エティックス・クイックステップも総合トップ10にメンバー4名(マルティン、テルプストラ、ユンヘルス、キッテル)を送り込んでおり、BMCレーシング、ティンコフ、エティックス・クイックステップの3チームが総合争いを繰り広げることになりそうだ。
選手コメントは各チーム公式サイトより。
エネコ・ツアー2016第5ステージ結果
1位 BMCレーシング 23’11”
2位 エティックス・クイックステップ +06”
3位 ロットNLユンボ +23”
4位 モビスター +25”
5位 IAMサイクリング +26”
6位 ロット・ソウダル +29”
7位 ジャイアント・アルペシン +33”
8位 ティンコフ +34”
9位 チームスカイ +38”
10位 FDJ +40”
11位 カチューシャ +41”
12位 アスタナ
13位 キャノンデール・ドラパック +42”
14位 オリカ・バイクエクスチェンジ +1’11”
15位 トレック・セガフレード +1’12”
16位 ランプレ・メリダ +1’21”
17位 トップスポートフラーンデレン +1’22”
18位 AG2Rラモンディアール +1’30”
19位 ディメンションデータ +1’36”
20位 コフィディス +1’38”
21位 ワンティ・グループグベルト +1’44”
22位 ルームポット・オラニエ +1’51”
個人総合成績
1位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) 13h40’47”
2位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング) +16”
3位 トニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ) +24”
4位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) +27”
5位 ニキ・テルプストラ(オランダ、エティックス・クイックステップ)
6位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ) +28”
7位 マヌエル・クインツィアート(イタリア、BMCレーシング) +29”
8位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング) +33”
9位 ボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) +36”
10位 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) +37”
スプリント賞
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) 94pts
3位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 66pts
2位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) 49pts
チーム総合成績
1位 BMCレーシング 40h16’35”
2位 ロットNLユンボ +23”
3位 エティックス・クイックステップ +28”
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
オランダ南部のシッタルトヘレーンで行われたチームタイムトライアル。途中ドイツにも入国するほぼ平坦な20.9kmのコースを、BMCレーシングは平均スピード54.1km/hで駆け抜けた。
トム・ボーネン(ベルギー)のリタイアにより1名少ない状態で挑んだエティックス・クイックステップも好走したが6秒及ばず。過去2年間ロード世界選手権チームTTで優勝しているBMCレーシングが23分11秒のトップタイムで優勝した。
「今日はメンバー8名で揃ってフィニッシュした。チームTTにおける世界ナンバーワンチームであることを見せつけることができたと思う。今日はステージ優勝に固執していたというよりは、サガンのいるティンコフから如何に多くのタイムを奪うかに徹していた。チームTTのパフォーマンスとしてはまだまだ改善点があると思う。でもメンバー全員が苦しみながら仕事をやり遂げた」と、チームリーダーのデニスはコメントする。
リーダージャージを着るペーター・サガン(スロバキア)擁するティンコフが34秒遅れのステージ8位に沈んだため、デニスが総合首位の座に返り咲いた。
2ステージを残してデニスとサガンの総合タイム差は27秒。デニスは「(ティンコフから)20秒のリードを奪えれば上出来だと思っていたけど、実際には34秒差がつき、27秒の総合リードを得た。まだ総合争いが決まったわけじゃないけど、有利にレースを展開できることは間違いない。ベルギーやオランダでのレース経験が乏しいので、経験豊かなグレッグ・ファンアフェルマートやマヌエル・クインツィアート、ダニエル・オスらの力を借りて走りたい。メンバー4名(デニス、フィニー、クインツィアート、ファンアフェルマート)が総合トップ10につけているので切るべきカードが沢山ある。仮に自分が総合リードを手放しても、チームとして総合優勝できればそれで良い」とコメントしている。
首位を明け渡したサガンは「チームTTを終えてデニスから27秒遅れの総合4位。でも残りの2ステージでボーナスタイムを稼ぐことができればまだチャンスがある。もちろん厳しい戦いになると思うけど、とにかく土曜日と日曜日はスマートに走るよ」と総合逆転を狙う構え。翌日の第6ステージは「アムステルゴールドレース」を思わせるアップダウンコース、そして最終日の第7ステージはミュール・ファン・ヘラールツベルヘンやボスベルグなど激坂を17ヶ所クリアする「ロンド・ファン・フラーンデレン」さながらのコース。つまりサガン向きのステージが残されている。
ステージ2位に入るとともに総合3位に浮上したトニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)は「自分史上最高のチームTTだった。景色は美しく、チームの走りも素晴らしかった。メンバー全員がモチベーション高く全開で踏んでいた。スーパーストロングなトム・ボーネンがリタイアしていなければもっとタイムを稼げたと思う。でもチームの走りとしてはとても満足している」と語る。エティックス・クイックステップも総合トップ10にメンバー4名(マルティン、テルプストラ、ユンヘルス、キッテル)を送り込んでおり、BMCレーシング、ティンコフ、エティックス・クイックステップの3チームが総合争いを繰り広げることになりそうだ。
選手コメントは各チーム公式サイトより。
エネコ・ツアー2016第5ステージ結果
1位 BMCレーシング 23’11”
2位 エティックス・クイックステップ +06”
3位 ロットNLユンボ +23”
4位 モビスター +25”
5位 IAMサイクリング +26”
6位 ロット・ソウダル +29”
7位 ジャイアント・アルペシン +33”
8位 ティンコフ +34”
9位 チームスカイ +38”
10位 FDJ +40”
11位 カチューシャ +41”
12位 アスタナ
13位 キャノンデール・ドラパック +42”
14位 オリカ・バイクエクスチェンジ +1’11”
15位 トレック・セガフレード +1’12”
16位 ランプレ・メリダ +1’21”
17位 トップスポートフラーンデレン +1’22”
18位 AG2Rラモンディアール +1’30”
19位 ディメンションデータ +1’36”
20位 コフィディス +1’38”
21位 ワンティ・グループグベルト +1’44”
22位 ルームポット・オラニエ +1’51”
個人総合成績
1位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) 13h40’47”
2位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング) +16”
3位 トニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ) +24”
4位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) +27”
5位 ニキ・テルプストラ(オランダ、エティックス・クイックステップ)
6位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ) +28”
7位 マヌエル・クインツィアート(イタリア、BMCレーシング) +29”
8位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング) +33”
9位 ボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) +36”
10位 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) +37”
スプリント賞
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) 94pts
3位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 66pts
2位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) 49pts
チーム総合成績
1位 BMCレーシング 40h16’35”
2位 ロットNLユンボ +23”
3位 エティックス・クイックステップ +28”
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele