2016/09/20(火) - 10:56
オランダ北部で開幕したエネコ・ツアー初日は大集団によるスプリントに。地元オランダのチャンピオンジャージを着るディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)が並み居るスプリンターたちを打ち破った。
オランダ北部のボルスヴァルトを発着する184.7kmで行われたエネコ・ツアー第1ステージ。登りが設定されないフラットコースはスプリンターたちのもの。序盤からマッテーオ・ボノ(イタリア、ランプレ・メリダ)やローレンス・デフレース(ベルギー、アスタナ)を含む5名逃げが形成されたものの、フレッシュなスプリンターチームは逃げをコントロール下に置く。逃げは残り3kmを切ったところで集団に飲み込まれた。
トップスプリンター勢揃いのハイスピードバトル。FDJやカチューシャ、オリカ・バイクエクスチェンジが集団先頭でトレインを走らせたが、結果的に横一線でスプリントが始まる。
残り300mでジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)やエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)がロングスプリントを開始。その後ろに続いたフルーネヴェーヘンやナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)、ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)が、徐々に失速するニッツォロとボアッソンハーゲンを抜いて先頭に立つ。混戦の中から抜け出したオランダチャンピオンジャージが力強く両手を挙げた。
「最後はロバート・ワグナーにリードアウトされてスプリントに挑んだ。彼の風除けのポジショニングや前に上がるタイミングはパーフェクトだった。オリカ・バイクエクスチェンジのトレインが最もスピードがあったのでカレイブ・ユアンの番手に飛びついたものの、彼は進路を塞がれてしまったので、先にスプリントを開始したジャコモ・ニッツォロに瞬時に反応してスプリントした」と、勝利への道筋を語る1993年6月21日生まれのフルーネヴェーヘン。
オランダ・アムステルダム出身の23歳フルーネヴェーヘンは、2015年にUCIコンチネンタルチームのデ・レイケからUCIプロコンチネンタルチームのルームポットにステップアップし、同年のブリュッセルサイクリングクラシックでトム・ボーネン(ベルギー)らを下して勝利している。
フルーネヴェーヘン今年に入ってUCIワールドチームのロットNLユンボのエースとして活躍しており、6月にはオランダ選手権ロードレースを制した。初出場したツール・ド・フランスではトップ10フィニッシュが2回にとどまったものの、エネコ・ツアーと同様にトップスプリンターが揃ったツアー・オブ・ブリテンではステージ優勝を飾ってポイント賞に輝いている。今シーズンの勝利数はオランダ人最多の10勝。
「オランダチームとしてこのエネコ・ツアーでステージ優勝することを目標に掲げていた。初日にその目標を達成できて満足だ。7ヶ月に及ぶリードアウトの練習が、この世界トップレースでのトップスプリンター相手の勝利につながった。ライバルたちの豪華さがこの勝利を特別なものにしている」と、23歳ながらUCIロード世界選手権でオランダチームのエースを担う可能性が高いフルーネヴェーヘンは語る。UCIワールドツアーレース初勝利をつかんだ新鋭はリーダージャージを着て翌日の個人タイムトライアルに挑む。
エネコ・ツアー2016第1ステージ結果
1位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 4h14’00”
2位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
3位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)
4位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)
5位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
6位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)
7位 アルノー・デマール(フランス、FDJ)
8位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)
9位 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)
10位 ローイ・ヤンス(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
個人総合成績
1位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 4h13’50”
2位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) +04”
3位 フレデリック・バッカート(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
4位 ローレンス・デフレース(ベルギー、アスタナ) +05”
5位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) +06”
6位 マッテーオ・ボノ(イタリア、ランプレ・メリダ) +07”
7位 バート・ヴァンレルベルグ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン) +08”
8位 ブライアン・ファンホーテン(オランダ、ルームポット・オラニエ)
9位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) +10”
10位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
スプリント賞
1位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 30pts
2位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) 25pts
3位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) 22pts
チーム総合成績
1位 エティックス・クイックステップ 12h42’00”
2位 ティンコフ
3位 コフィディス
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
オランダ北部のボルスヴァルトを発着する184.7kmで行われたエネコ・ツアー第1ステージ。登りが設定されないフラットコースはスプリンターたちのもの。序盤からマッテーオ・ボノ(イタリア、ランプレ・メリダ)やローレンス・デフレース(ベルギー、アスタナ)を含む5名逃げが形成されたものの、フレッシュなスプリンターチームは逃げをコントロール下に置く。逃げは残り3kmを切ったところで集団に飲み込まれた。
トップスプリンター勢揃いのハイスピードバトル。FDJやカチューシャ、オリカ・バイクエクスチェンジが集団先頭でトレインを走らせたが、結果的に横一線でスプリントが始まる。
残り300mでジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)やエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)がロングスプリントを開始。その後ろに続いたフルーネヴェーヘンやナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)、ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)が、徐々に失速するニッツォロとボアッソンハーゲンを抜いて先頭に立つ。混戦の中から抜け出したオランダチャンピオンジャージが力強く両手を挙げた。
「最後はロバート・ワグナーにリードアウトされてスプリントに挑んだ。彼の風除けのポジショニングや前に上がるタイミングはパーフェクトだった。オリカ・バイクエクスチェンジのトレインが最もスピードがあったのでカレイブ・ユアンの番手に飛びついたものの、彼は進路を塞がれてしまったので、先にスプリントを開始したジャコモ・ニッツォロに瞬時に反応してスプリントした」と、勝利への道筋を語る1993年6月21日生まれのフルーネヴェーヘン。
オランダ・アムステルダム出身の23歳フルーネヴェーヘンは、2015年にUCIコンチネンタルチームのデ・レイケからUCIプロコンチネンタルチームのルームポットにステップアップし、同年のブリュッセルサイクリングクラシックでトム・ボーネン(ベルギー)らを下して勝利している。
フルーネヴェーヘン今年に入ってUCIワールドチームのロットNLユンボのエースとして活躍しており、6月にはオランダ選手権ロードレースを制した。初出場したツール・ド・フランスではトップ10フィニッシュが2回にとどまったものの、エネコ・ツアーと同様にトップスプリンターが揃ったツアー・オブ・ブリテンではステージ優勝を飾ってポイント賞に輝いている。今シーズンの勝利数はオランダ人最多の10勝。
「オランダチームとしてこのエネコ・ツアーでステージ優勝することを目標に掲げていた。初日にその目標を達成できて満足だ。7ヶ月に及ぶリードアウトの練習が、この世界トップレースでのトップスプリンター相手の勝利につながった。ライバルたちの豪華さがこの勝利を特別なものにしている」と、23歳ながらUCIロード世界選手権でオランダチームのエースを担う可能性が高いフルーネヴェーヘンは語る。UCIワールドツアーレース初勝利をつかんだ新鋭はリーダージャージを着て翌日の個人タイムトライアルに挑む。
エネコ・ツアー2016第1ステージ結果
1位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 4h14’00”
2位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
3位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)
4位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)
5位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
6位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)
7位 アルノー・デマール(フランス、FDJ)
8位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)
9位 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)
10位 ローイ・ヤンス(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
個人総合成績
1位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 4h13’50”
2位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) +04”
3位 フレデリック・バッカート(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
4位 ローレンス・デフレース(ベルギー、アスタナ) +05”
5位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) +06”
6位 マッテーオ・ボノ(イタリア、ランプレ・メリダ) +07”
7位 バート・ヴァンレルベルグ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン) +08”
8位 ブライアン・ファンホーテン(オランダ、ルームポット・オラニエ)
9位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) +10”
10位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
スプリント賞
1位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 30pts
2位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) 25pts
3位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) 22pts
チーム総合成績
1位 エティックス・クイックステップ 12h42’00”
2位 ティンコフ
3位 コフィディス
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele