2009/11/03(火) - 00:06
入れ替え戦の2日目はクリテリウム。TR+BR-1は2組行われ、ダイハツ・ボンシャンス飯田の才田直人と奈良基がそれぞれ優勝、1日目成績も合わせた総合もこの2人が優勝した。緩い勾配と強い横風により、完走率約3割の厳しいレースになった。
2009全日本実業団ロードレースinみやだ(主催:全日本実業団自転車競技連盟 共催:長野県自転車競技連盟、宮田村)は2010年実業団Jサイクルツアー(TRクラス)登録のチームと選手個人の選考を行う対象となる大会だ。1日目はヒルクライム、2日目はクリテリウムで、両方のポイント合計で総合順位が決まる。
2日目は11月1日(日)、長野県宮田村の果樹園区画道路を利用した1周2kmのコースでクリテリウムが行われた。長方形の長辺が上りと下りで、勾配は3%ほどある。風がきつく、午前は上りが向かい風、そして午後になるにつれ強い横風に。そして最終レースのラスト20分は冷たい雨となった。
TR+BR-1はゼッケン番号の奇数が1組、偶数が2組に分けられた。100分+5周で3周毎にポイントがかかるおよそ75kmで行われた。
1組目は54名が出走、3周目に早くも辻貴光(マトリックスパワータグ・コラテック)と才田直人(ダイハツ・ボンシャンス飯田)の2人がリードする。メイン集団からは山本聖吾(スワコレーシングチーム-TR)と渡邉哲平(ナカガワAS.K'デザイン-TR)が抜け出し2人で第2集団を形成。そして10人ほどの第3集団の後方にも集団が続き、5周目には大勢が決まった。先頭の2人はローテーションをうまく回しながら逃げ続け結局才田が優勝。完走できたのは第3集団までで、完走者13人の厳しいレースとなった。総合成績は、1日目3位、2日目優勝の才田が1位となった。この1組目では総合17位以下は5点で並ぶ結果になった。
2組目は52名が出走。2周目で早くも前方に有力選手が集まり3周目には9人の先頭集団ができる。ポイントは奈良基(ダイハツ・ボンシャンス飯田)が1位通過を連取、圧倒的な力を示す。登録レース2回目の海藤稜馬(エルドラード)も積極的に走る。先頭集団は数を減らしながらこなし、最後は冷たい雨の中、奈良がゴールポイントも取って優勝。1日目の成績も合わせた総合も奈良が1位となった。完走者は36人、総合順位21位以下は5点で並ぶ結果になった。
一見何の変哲もないように見える1周2kmの長方形のコース。緩い勾配と強い横風がレースを過酷なものとした。原則周回遅れは下ろされたため、約75kmにわたるレースで完走できない選手が多数を占めた。
1組総合優勝の才田は「昨日はクライマーでありながら3位になってしまったので、今日は今シーズン最後のレースで結果よりも、とにかく動いて悔いのないレースにしようと思いました。今日のレースで一番強いのは辻さんと思っていたので、その辻さんが行ったときに乗れたのが一番の勝因です。2人でペースを作って、下りは辻さん、上りはボクが引きました。上り途中にあるポイントもボクが先頭で通過させてもらえました」
「今年の目標は当初、伊吹山で昇格、栂池で優勝、全日本完走でした。栂池は目標が高すぎたように思うので、ほか2つは達成でき前半戦はまあまあでした。2ヶ月強のフランス遠征では第2カテゴリーで走り、数字を出したので悪くは無かったと思います。その後のニューカレドニアの12ステージのレースでは、食べないといけないと思って、食べ過ぎて体重が増えて失敗しました。
ジャパンカップオープンでは前で展開しなかったことが敗因です。下り先頭選手の落車に巻き込まれたけれども、実力があればその後に単独でも追いつけるはずです。それで気持ちに谷間ができましたが、この宮田でいい形でシーズンを終えられて良かったです」
「まず目の前の目標は(東北大学)大学院を卒業することです。1月中旬にはめどが付くので、少し早めにフランスなどへ入ろうと思います。どういう形でやるかは(福島)晋一さんに相談したいと思います。今シーズンはあちこちで応援の声をいただき感謝です。これからも応援よろしくお願いします」
2組総合優勝の奈良は「今日は絶対に勝てるレースと思っていたので、そこで勝てて今後の自信につながります。今日は横風も強く、上りもあるのでパワーのある選手だけが残れるようなコースと思います。フランスでは風の方向が変わるコース設定が多いので、イメージができていました。でも昨日のヒルクライムでトップテン入りするとは自分でも思わなかったです」
「今年はタフな年でした。6ヶ月行ったフランスではアマチュアカテゴリートップで走りました。プロ予備軍や元プロらと走って揉まれたのが良かったと思います」
「来年は未定ですが、ヨーロッパで走りたい、コンチネンタルチームで走りたい、という気持ちはあります。フランスへ行くようになって4年目です。将来はワンデイレースで勝てるような選手になりたいですので」
TR入れ替えの基準は既に示されている。この宮田大会で個人上位に入った1組目16人と2組目20人は確度が高いと見ることができる。ダイハツ・ボンシャンス飯田やスワコレーシングチーム、エルドラードもチームとして同様だ。ただし詳細に至るまではまだ決まっておらず、今後の実業団理事会を経て決定、発表される見込みだ。今回の宮田大会での1組目17位以下と2組目21位以下の取り扱いも課題だろう。
結果
TR+BR-1 1組
クリテリウム
1位 才田直人(ダイハツ・ボンシャンス飯田)
2位 辻貴光(マトリックスパワータグ・コラテック)
3位 山本聖吾(スワコレーシングチーム-TR)
総合
1位 才田直人(ダイハツ・ボンシャンス飯田)
2位 山本聖吾(スワコレーシングチーム-TR)
3位 外勢健一朗(ダイハツ・ボンシャンス飯田)
TR+BR-1 2組
クリテリウム
1位 奈良基(ダイハツ・ボンシャンス飯田)
2位 海藤稜馬(エルドラード)
3位 菅洋介(GRUPPO ACQUA TAMA)
総合
1位 奈良基(ダイハツ・ボンシャンス飯田)
2位 若松達人(たかだフレンドレーシング)
3位 海藤稜馬(エルドラード)
ER
クリテリウム
1位 大鹿裕一(Team Comrade)
2位 近藤正紀(なるしまフレンド)
3位 野田明宏(Teamまるいちエヴァディオ)
総合
1位 小田尚弘(Squadra di LAVORANTE)
2位 永瀬勝彬(atelierFLEUVE Racing)
3位 近藤正紀(なるしまフレンド)
photo&text:高木秀彰
2009全日本実業団ロードレースinみやだ(主催:全日本実業団自転車競技連盟 共催:長野県自転車競技連盟、宮田村)は2010年実業団Jサイクルツアー(TRクラス)登録のチームと選手個人の選考を行う対象となる大会だ。1日目はヒルクライム、2日目はクリテリウムで、両方のポイント合計で総合順位が決まる。
2日目は11月1日(日)、長野県宮田村の果樹園区画道路を利用した1周2kmのコースでクリテリウムが行われた。長方形の長辺が上りと下りで、勾配は3%ほどある。風がきつく、午前は上りが向かい風、そして午後になるにつれ強い横風に。そして最終レースのラスト20分は冷たい雨となった。
TR+BR-1はゼッケン番号の奇数が1組、偶数が2組に分けられた。100分+5周で3周毎にポイントがかかるおよそ75kmで行われた。
1組目は54名が出走、3周目に早くも辻貴光(マトリックスパワータグ・コラテック)と才田直人(ダイハツ・ボンシャンス飯田)の2人がリードする。メイン集団からは山本聖吾(スワコレーシングチーム-TR)と渡邉哲平(ナカガワAS.K'デザイン-TR)が抜け出し2人で第2集団を形成。そして10人ほどの第3集団の後方にも集団が続き、5周目には大勢が決まった。先頭の2人はローテーションをうまく回しながら逃げ続け結局才田が優勝。完走できたのは第3集団までで、完走者13人の厳しいレースとなった。総合成績は、1日目3位、2日目優勝の才田が1位となった。この1組目では総合17位以下は5点で並ぶ結果になった。
2組目は52名が出走。2周目で早くも前方に有力選手が集まり3周目には9人の先頭集団ができる。ポイントは奈良基(ダイハツ・ボンシャンス飯田)が1位通過を連取、圧倒的な力を示す。登録レース2回目の海藤稜馬(エルドラード)も積極的に走る。先頭集団は数を減らしながらこなし、最後は冷たい雨の中、奈良がゴールポイントも取って優勝。1日目の成績も合わせた総合も奈良が1位となった。完走者は36人、総合順位21位以下は5点で並ぶ結果になった。
一見何の変哲もないように見える1周2kmの長方形のコース。緩い勾配と強い横風がレースを過酷なものとした。原則周回遅れは下ろされたため、約75kmにわたるレースで完走できない選手が多数を占めた。
1組総合優勝の才田は「昨日はクライマーでありながら3位になってしまったので、今日は今シーズン最後のレースで結果よりも、とにかく動いて悔いのないレースにしようと思いました。今日のレースで一番強いのは辻さんと思っていたので、その辻さんが行ったときに乗れたのが一番の勝因です。2人でペースを作って、下りは辻さん、上りはボクが引きました。上り途中にあるポイントもボクが先頭で通過させてもらえました」
「今年の目標は当初、伊吹山で昇格、栂池で優勝、全日本完走でした。栂池は目標が高すぎたように思うので、ほか2つは達成でき前半戦はまあまあでした。2ヶ月強のフランス遠征では第2カテゴリーで走り、数字を出したので悪くは無かったと思います。その後のニューカレドニアの12ステージのレースでは、食べないといけないと思って、食べ過ぎて体重が増えて失敗しました。
ジャパンカップオープンでは前で展開しなかったことが敗因です。下り先頭選手の落車に巻き込まれたけれども、実力があればその後に単独でも追いつけるはずです。それで気持ちに谷間ができましたが、この宮田でいい形でシーズンを終えられて良かったです」
「まず目の前の目標は(東北大学)大学院を卒業することです。1月中旬にはめどが付くので、少し早めにフランスなどへ入ろうと思います。どういう形でやるかは(福島)晋一さんに相談したいと思います。今シーズンはあちこちで応援の声をいただき感謝です。これからも応援よろしくお願いします」
2組総合優勝の奈良は「今日は絶対に勝てるレースと思っていたので、そこで勝てて今後の自信につながります。今日は横風も強く、上りもあるのでパワーのある選手だけが残れるようなコースと思います。フランスでは風の方向が変わるコース設定が多いので、イメージができていました。でも昨日のヒルクライムでトップテン入りするとは自分でも思わなかったです」
「今年はタフな年でした。6ヶ月行ったフランスではアマチュアカテゴリートップで走りました。プロ予備軍や元プロらと走って揉まれたのが良かったと思います」
「来年は未定ですが、ヨーロッパで走りたい、コンチネンタルチームで走りたい、という気持ちはあります。フランスへ行くようになって4年目です。将来はワンデイレースで勝てるような選手になりたいですので」
TR入れ替えの基準は既に示されている。この宮田大会で個人上位に入った1組目16人と2組目20人は確度が高いと見ることができる。ダイハツ・ボンシャンス飯田やスワコレーシングチーム、エルドラードもチームとして同様だ。ただし詳細に至るまではまだ決まっておらず、今後の実業団理事会を経て決定、発表される見込みだ。今回の宮田大会での1組目17位以下と2組目21位以下の取り扱いも課題だろう。
結果
TR+BR-1 1組
クリテリウム
1位 才田直人(ダイハツ・ボンシャンス飯田)
2位 辻貴光(マトリックスパワータグ・コラテック)
3位 山本聖吾(スワコレーシングチーム-TR)
総合
1位 才田直人(ダイハツ・ボンシャンス飯田)
2位 山本聖吾(スワコレーシングチーム-TR)
3位 外勢健一朗(ダイハツ・ボンシャンス飯田)
TR+BR-1 2組
クリテリウム
1位 奈良基(ダイハツ・ボンシャンス飯田)
2位 海藤稜馬(エルドラード)
3位 菅洋介(GRUPPO ACQUA TAMA)
総合
1位 奈良基(ダイハツ・ボンシャンス飯田)
2位 若松達人(たかだフレンドレーシング)
3位 海藤稜馬(エルドラード)
ER
クリテリウム
1位 大鹿裕一(Team Comrade)
2位 近藤正紀(なるしまフレンド)
3位 野田明宏(Teamまるいちエヴァディオ)
総合
1位 小田尚弘(Squadra di LAVORANTE)
2位 永瀬勝彬(atelierFLEUVE Racing)
3位 近藤正紀(なるしまフレンド)
photo&text:高木秀彰
フォトギャラリー