2016/09/10(土) - 21:15
カナダで開催された第7回GPケベック。アタックの応酬の末にリゴベルト・ウランが抜けだしたがゴール100mでキャッチされ、グレッグ・ファンアフェルマートを抑えたペーター・サガンがスプリントで勝利した。
カナダで開催されたグランプリ・シクリスト・ド・ケベック(UCIワールドツアー)は、2日後に開催されるグランプリ・シクリスト・ド・モンレアルとの連戦となるワンデーレースで、この北米2連戦はブエルタと並ぶ世界選手権の調整レースとして知られるものだ。
初戦のケベックはその名の通り、フランス語圏ケベック州の州都ケベック市を舞台にした201.6kmのスプリンター向けコースが舞台で、1周2976m/獲得標高186mの周回コースを12周回し争われた。
序盤のアタック合戦からヴァレリオ・アニョーリ(イタリア、アスタナ)やラルス・バク(ベルギー、ロット・ソウダル)、ヤン・バルタ(チェコ、ボーラ・アルゴン18)など8名がマックス5分のリードを得て逃げる展開に。
暫くは平穏な状況が続いたが、ゴール勝負を狙うエティックス・クイックステップやオリカ・バイクエクスチェンジの共同作戦によってタイム差は徐々に削られ、フィニッシュまで距離を残して吸収。レースは再び降り出しに戻り、ここから熾烈を極めるアタック合戦が幕を開けた。
まず抜け出しに成功したのはルーク・ロウ(イギリス、チームスカイ)とジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)。しかし活性化する集団を引き離せずに残り32kmで引き戻され、ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)も加わったアタック合戦が掛かり続けた。
やがてマチェイ・モホリッチ(スロベニア、ランプレ・メリダ)やポール・ヴォス(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)、残り10kmを割ってからオリバー・ナーセン(ベルギー、IAMサイクリング)らが次々と逃げを試みたが、いずれも単独だったことで集団を引き離すには至らない。各チームが入り乱れつつ突き進む集団は残り3.5kmでナーセンを吸収し、ゴール勝負に向けての体勢を整えていった。
その均衡を破るように、ナーセンの吸収直後から始まった登坂ではマッテーオ・トレンティン(イタリア、エティックス・クイックステップ)が攻撃を仕掛け、ここに再び動いたアラフィリップとジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)が合流して3名が抜け出す。この動きの中で集団からは優勝候補の一人、ブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)が脱落していった。
最後の登坂ではモスコンがエティックス2名を千切って独走に持ち込んだものの、背後に迫った集団からはリゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック)が加速してモスコンをパス。一気に差を広げたウランは混沌とする集団を従えて残り200mのバナーを通過した。
優勝を目前にしたウランだったが、背後からはアルカンシエルのペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)が猛然とスプリントを開始する。緩斜面の登りで失速したウランは残り100m以内で飲み込まれ、サガンはリオの金メダリストであるグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)を抑えて余裕のトップフィニッシュ。アタックに次ぐアタックで荒れた展開となった第7回GPケベックを制した。
今期ワールドツアー8勝目を収めたサガンは、「今日勝てたことが信じられない。あまり調子が良くなかった上にレース中は脚の痙攣に見舞われていたのに、終盤には全て回復していた。本当に勝てるとは思っていなかった」とレースを振り返っている。
グランプリ・シクリスト・ド・ケベック2016結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) 5h07’13”
2位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
3位 アントニー・ルー(フランス、FDJ)
4位 アルベルト・ベッティオール(イタリア、キャノンデール・ドラパック)
5位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ)
6位 ネイサン・ハース(オーストラリア、ディメンションデータ)
7位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)
8位 バウク・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
9位 ペーター・ヴァコッチ(スロベニア、エティックス・クイックステップ)
10位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック)
text:So.Isobe
カナダで開催されたグランプリ・シクリスト・ド・ケベック(UCIワールドツアー)は、2日後に開催されるグランプリ・シクリスト・ド・モンレアルとの連戦となるワンデーレースで、この北米2連戦はブエルタと並ぶ世界選手権の調整レースとして知られるものだ。
初戦のケベックはその名の通り、フランス語圏ケベック州の州都ケベック市を舞台にした201.6kmのスプリンター向けコースが舞台で、1周2976m/獲得標高186mの周回コースを12周回し争われた。
序盤のアタック合戦からヴァレリオ・アニョーリ(イタリア、アスタナ)やラルス・バク(ベルギー、ロット・ソウダル)、ヤン・バルタ(チェコ、ボーラ・アルゴン18)など8名がマックス5分のリードを得て逃げる展開に。
暫くは平穏な状況が続いたが、ゴール勝負を狙うエティックス・クイックステップやオリカ・バイクエクスチェンジの共同作戦によってタイム差は徐々に削られ、フィニッシュまで距離を残して吸収。レースは再び降り出しに戻り、ここから熾烈を極めるアタック合戦が幕を開けた。
まず抜け出しに成功したのはルーク・ロウ(イギリス、チームスカイ)とジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)。しかし活性化する集団を引き離せずに残り32kmで引き戻され、ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)も加わったアタック合戦が掛かり続けた。
やがてマチェイ・モホリッチ(スロベニア、ランプレ・メリダ)やポール・ヴォス(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)、残り10kmを割ってからオリバー・ナーセン(ベルギー、IAMサイクリング)らが次々と逃げを試みたが、いずれも単独だったことで集団を引き離すには至らない。各チームが入り乱れつつ突き進む集団は残り3.5kmでナーセンを吸収し、ゴール勝負に向けての体勢を整えていった。
その均衡を破るように、ナーセンの吸収直後から始まった登坂ではマッテーオ・トレンティン(イタリア、エティックス・クイックステップ)が攻撃を仕掛け、ここに再び動いたアラフィリップとジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)が合流して3名が抜け出す。この動きの中で集団からは優勝候補の一人、ブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)が脱落していった。
最後の登坂ではモスコンがエティックス2名を千切って独走に持ち込んだものの、背後に迫った集団からはリゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック)が加速してモスコンをパス。一気に差を広げたウランは混沌とする集団を従えて残り200mのバナーを通過した。
優勝を目前にしたウランだったが、背後からはアルカンシエルのペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)が猛然とスプリントを開始する。緩斜面の登りで失速したウランは残り100m以内で飲み込まれ、サガンはリオの金メダリストであるグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)を抑えて余裕のトップフィニッシュ。アタックに次ぐアタックで荒れた展開となった第7回GPケベックを制した。
今期ワールドツアー8勝目を収めたサガンは、「今日勝てたことが信じられない。あまり調子が良くなかった上にレース中は脚の痙攣に見舞われていたのに、終盤には全て回復していた。本当に勝てるとは思っていなかった」とレースを振り返っている。
グランプリ・シクリスト・ド・ケベック2016結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) 5h07’13”
2位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
3位 アントニー・ルー(フランス、FDJ)
4位 アルベルト・ベッティオール(イタリア、キャノンデール・ドラパック)
5位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ)
6位 ネイサン・ハース(オーストラリア、ディメンションデータ)
7位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)
8位 バウク・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
9位 ペーター・ヴァコッチ(スロベニア、エティックス・クイックステップ)
10位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック)
text:So.Isobe
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